馬場昇の発言 (環境委員会)
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○馬場委員 大臣にまず質問をいたしたいと思います。
水俣病はもう大臣十分御承知と思いますけれども、水俣病は世界最大の水汚染公害でありまして、その被害はまだ全貌が明らかになっていないのですけれども、私は、原爆被害に匹敵する、人類の経験した最も悲惨な被害だと思っております。
まず大臣の水俣病行政に対するその基本認識について伺うのですが、その前に、大臣の先生でございます元総理大臣三木武夫先生が、田中内閣の副総理兼環境庁長官のときに水俣現地を視察をなさいました。私も同行したわけでございますけれども、この悲惨な状況を見て絶句されまして、言葉も最初ありませんでした。そして最初におっしゃった言葉が、こういうことを起こしたのは政治、行政に携わる者の責任だ、こういうことをおっしゃいました。
大臣そこまで御存じか知りませんが、生ける人形という胎児性の患者がおられました。もうあらゆるものに出ておりますから名前を言いますけれども、松本久美子ちゃん、これは六歳のときに水俣病が発症しまして、そして、二十の成人を迎えたときに晴れ着を着て、その後亡くなられたわけですけれども、まさに生ける人形の姿でございました。二十というのに、見ますとまだ六、七歳の顔ですよ、姿ですよ、寝たきりですから。それから、生ける人形とともに植物人間という言葉が出ましたけれども、上村智子ちゃんという胎児性患者がおります。これはユージン・スミスさんの、おふろにお母さんが抱いて入っている写真で有名ですけれども、その上村智子ちゃん、ともかく胎児性患者というのは生まれながらにして目も見えない、口もきけない、耳も聞こえない、そしてお父さん、お母さんという言葉さえ言えないし、お父さん、お母さんもわからない、こういう状況です。植物人間という言葉が出たのは、食べ物も食べられないわけですから、ただ物理的に流動食を流し込んで、物理的に下の方に下げる。だから、茶飲み茶わん一杯ぐらいの重湯を食べさせるのに何時間もかかる、こういうような状況であったわけです。そういう松本久美子ちゃんとか上村智子ちゃんとかを三木さんはごらんになりました。
そしてまた、別に大人でいいますと、私のような大きい漁民が一日のうち五十回も六十回も大けいれんを起こすのです。布団から落ちるようなけいれんを起こして塗炭の苦しみでした。そして、ひどいときには壁をかきむしり、コンクリートの壁をかきむしって、手なんか血だらけですよ。そういうようになる日々をずっと激症の人たちは送っておったわけでございまして、まさに生き地獄といってもいい状態でございました。そういうときに三木さんがとにかく絶句しながら、こういうことをしでかしたのは行政と政治家の責任だということをおっしゃった。石原環境庁長官がまた現地に行かれましたけれども、水俣病というのを完全に解決しなければ二十一世紀の文明というのは語れない、そういうことを石原さんは言われたわけでございます。
私もこれはもう以前から、私も地元でございますから、見て知っておるわけでございますが、この世界の公害の原点という水俣病を正しく、しかも完全に解決しなければ、そういうエネルギーを今の国民が、今の政治家が、今の行政家が出さなければ、二十一世紀の新しい文化とか文明とかつくることはできない、私はそう思っているのです。こういう事実認識について、大臣はどういう認識を今水俣病について持っておられますか。