馬場昇の発言 (環境委員会)
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○馬場委員 私は文教をやっておりますけれども、学問とか研究というのは、公開で自由にするのは当たり前の話でしょう。水俣病の研究とかクライテリアの研究をするのに名前を発表しない。後であなた方の発表しないのを全部言って、なぜ発表しないのかと聞きますけれども、もう想像できる。大臣、環境庁というのは、どこの省庁もそうかもしれませんが、省庁の中で一番国民に開かれておらなければ国民の生命や健康は守れませんよ。研究する学者の名前も発表しない。
私は発表しない理由は知っているんです。なぜかというと、これは認定審査会の、切り捨てる審査会の患者さんたちから一番信頼されておらぬ学者でしょう。それからもう一つは、裁判のときにみんな国のことが正しいといって国の側の証人に立った学者でしょう。そういうやつばかりでつくってあるから発表しないのでしょう。
それとともに、ここにこういう文書があります。大臣はこれは見たことないかもしれぬし、聞いたことはないかもしらぬが、よく聞いておいてください。
これは、今六百万と言いましたけれども、五百四十二万四千円要求して、そして五百三十四万円大蔵省から認められておるわけでございます。これは、一九八八年度の後期分の環境庁保全総合調査研究促進調整費という中から出ておるわけです。額は五百三十四万円ですよ。そして、この五百三十四万円を大蔵省から予算を取るというときに、メチル水銀の環境保健クライテリアの調査研究の必要性という、大蔵省予算要求段階あるいはこの研究班を構成する段階等でそういう環境庁の見解というのを書いた文書がここにあります。
これによりますと、一九七六年にWHOによってメチル水銀の環境保健クライテリアが決められ、我が国を初め各国の環境基準策定の基礎となった。そして、この十二年間、特に改定の動きは認められなかったが、――先にまだたくさんありますけれども、上述のように本年、一九八八年五月ごろからIPCSによる環境保健基準改定の動きがにわかに表面化してきた。またいろいろ書いて、――新クライテリア素案、第一次素案、送ってきた素案の最大の特徴は、これまで基準が毛髪水銀値五〇ppmを基礎に組み立てられていたのに対して、――またこういう言葉を使って書いてある。あいまいな幾つかの報告に依拠して、なんて書いてある。要らぬことも書いてある。そして、一〇ないし二〇ppm程度の毛髪水銀値を有する妊婦の子供に精神運動発達遅滞が生ずる可能性があるとして、より厳しい環境保健基準を志向する方向にこの第一次改定草案がなっている。
そういうことになって、最後にこういうことを書いていますよ。このままでは我が国のメチル水銀の環境基準や水俣湾ヘドロ除去基準の見直し、さらに子供の精神運動遅滞を盾に新たな補償問題の発生、現行訴訟への影響など行政への甚大な影響が懸念される、そして、この動きに対して我が国の水俣病、水銀専門家を結集してその内容をより妥当な方向に導いていく体制を整えるのは焦眉の急である、こう書いてある。そして、IPCSの日程を勘案すればその対応はまさに遅滞を許されないことは極めて明瞭である、こう書いて、結局、IPCSがより厳しい基準にしようということが起これば、日本の水俣病の判断条件やヘドロ処理基準や魚介類の安全基準や、それから遅発性水俣病――メチル水銀を全然流さなくなってアセトアルデヒドの生産を中止したのが昭和四十三年で、四十三年以降は水俣病は発生しておらぬという見解をとっているのですけれども、それ以降にもどんどん水俣病が発生している。遅発性水俣病、こういうものも出てくる。そういうものに対する補償もしなければならぬ、現行裁判に対して五〇ppmで論拠を張っているのに、一〇ないし二〇ppmになったらその裁判に与える影響も甚大である、そういうことをさせないために日本の学者を集めてそれに対抗しなければならぬ、こういうために必要な研究班だ、こういうことを書いて回して、そしてこの研究班をつくっておるじゃないですか。こういう事実があるわけです。だからこそ今名前も言わない。
これは委員長、すべて情報の公開は言うまでもなく、環境庁が物を研究したとき、例えばだれがどう言うた、かれがこう言うたと一言一句残さず出せという点については、学問、研究は自由ですから公開しなければならぬわけですけれども、出さなければいけませんけれども、まとめとかこういう方向になったとか、少なくともこういうことはやはり言わなければいかぬと思う。それについて、今こういう文書について大臣はどう思いますか。