柳沢伯夫の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○柳沢委員 そういう認識だからだめだということを先ほど来から主張しているのです。
資産性所得、これはあなた方は納税者番号制でやろうとしている。しかも、事業所得まで納税者番号制でやろうとしているように私は聞いている。大変なことですよ、そんなことをやり始めたら。本当に恐ろしい世の中が出るかもしれない。私は、よっぽど慎重でなければそういうことは言えないと思う。どうするか。その資産性所得、あるいは株だとか、株の配当だとかあるいは預金の利子だとか、こういったようなものも実は分離課税しなくて、総合を心の中でするのです、その所得者は。それでそれを消費という格好で表現するのです。あなたが得意のあの土地の含み益、含み益の未実現利益に課税するなんということはできないのですよ、技術的に。どうするのですか、そんなこと。それも実はこの消費にはあらわれるのです。自分の資産がこのぐらい上がっているなということで、それが消費行動にあらわれるのです。
だから先ほどから、そっちをやってからじゃないのだ、そうじゃなくて、そっちをちゃんとやるためにも、実は消費というものを課税標準にとるということの意義があるのですよということを私はさっきから言っているのですよ。
そこで、皆さん冷静に聞いてもらいたいのですが、今私が言ってきたことでおわかりのように、消費税というのは所得税なんです。いいですか、消費税というのは所得税なんです。間違っちゃ困るのです。びっくりされるでしょう。消費金額を課税標準として、所得を目がけて消費税という名前をつけてやっているだけの話なんです。それを間違って、何か消費税が所得税の対極にあるもののような認識でこれまでの議論を展開してきた。私に言わせたら、それは最近の財政学の進展というものを余りにも無視した議論だな、こういうように私は皆さんの言説を聞いておったわけであります。
そこで、その仕組みの問題に入るのですが、この消費税を仕組むときに、それでは直接税でやったらいいじゃないかという議論だってあり得るのです。直接税で消費税をやる。つまり、消費金額を課税標準とした所得税なんだから、その三月の十五日に過去一年間の消費金額を自分でちゃんと計算できて、そして、ああ自分は去年はこれだけ消費したからそれで税率は幾らでこれだけ税金かかるな、では申告します、こうやるのです。カルドア先生がこの話を初めてしたとき、スリランカで実験したという話もある。しかし、これは言うべくしてなかなかできないのです。
そこで、どうするかというと、間接税の方式に転換するのです。間接税の方式に転換して消費金額で、結果として、消費金額に税率が一定だったらば比例税になりますけれども、そういう税金を引いているというのが今の消費税なんです、皆さん。ありとあらゆる売買が行われるときに、何か買うときに全部一定の率で消費税をかけてお願いしておれば、そうすれば一年間たてばまさに消費金額に比例のその所得税を負担したということになりますよということなんです、そういう税金なんです。それを全然前のように、その対極的な税金のように考えるというのは大間違い。
それから、これを物税的に考えていろいろな論議をする人がいる。物税じゃないのです。だから、物品税は物税として、消費が所得の一番いい課税ベースだなんという議論が余りなかったときに出てきたものですから、物税物税ということになっていったのです。しかし、私は一般消費税になったらこれはもう人税だなと思っているのですよ。人に帰属して人について考えている税金だな、こういうように思っているのです。
きのうあたりも共産党の人が、新聞、雑誌に何をかけるのは何だとか、消費税をかけるのは何だとかというような議論をしておられましたけれども、全くそんなこと、どういうものに税金をかけるかなんというようなことを何も関心を払っていない、あえて言ってしまえば、この消費税は。消費税が関心を持っているのは消費金額なんです。トータルとして、一年間のその消費活動の結果どれだけ消費をしたかというその金額に対して関心を払って、それに対してどういう税率で税金をかけるかということを、実はこの消費税というのは考えているのだということであります。いいですね。
そこで、次に行きますけれども、しかし、さはさりながら、間接税というものを取るときにいろいろな障害があるのです。私はあえて人税だと言い切ってしまいました。言ったけれども、じゃ人的な控除とかそういう人的な配慮がこの税金のもとでできるか。私、いろいろ考えていますよ、考えた。これは後で申し上げますけれども、なかなかできないというところで限界があるというか、こういう面で制約があることは確かなんですけれども、さて皆さん、私が今言ったような性格づけをした上で、皆さんは消費税の逆進性ということを言われるのですが、それについてどういうお答えをなさいますか。