税制問題等に関する調査特別委員会

1990-06-14 衆議院 全215発言

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会議録情報#0
平成二年六月十四日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 加藤 紘一君 理事 工藤  巌君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 佐藤 敬治君
   理事 村山 富市君 理事 和田 静夫君
   理事 渡部 一郎君
      井奥 貞雄君    伊吹 文明君
      太田 誠一君    金子 一義君
      小泉純一郎君    小杉  隆君
      佐藤 敬夫君    坂本 剛二君
      笹川  堯君    鈴木 宗男君
      田原  隆君    高鳥  修君
      鳩山由紀夫君    平沼 赳夫君
      吹田  愰君    藤井 裕久君
      町村 信孝君    村上誠一郎君
      柳沢 伯夫君    山村新治郎君
      赤松 広隆君    大木 正吾君
      嶋崎  譲君    鈴木喜久子君
      筒井 信隆君    戸田 菊雄君
      中沢 健次君    早川  勝君
      武藤 山治君    安田 修三君
      渡辺 嘉藏君    井上 義久君
      小谷 輝二君    日笠 勝之君
      山田 英介君    正森 成二君
      吉井 英勝君    中井  洽君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 奥田 敬和君
 出席政府委員
        経済企画庁物価
        局審議官    加藤  雅君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        国税庁次長   岡本 吉司君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       山本 貞一君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      小島 重喜君
        自治大臣官房審
        議官      遠藤 安彦君
 委員外の出席者
        議     員 伊藤  茂君
        議     員 神崎 武法君
        議     員 中野 寛成君
        議     員 菅  直人君
        議     員 森井 忠良君
        議     員 宮地 正介君
        議     員 中村 正男君
        議     員 元信  堯君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
委員の異動
六月十四日
 辞任         補欠選任
  奥野 誠亮君     坂本 剛二君
  村井  仁君     井奥 貞雄君
  武藤 山治君     赤松 広降君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     村井  仁君
  坂本 剛二君     奥野 誠亮君
  赤松 広隆君     武藤 山治君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第四号)
 消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第五号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第六号)
 税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出、衆法第七号)
 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
     ────◇─────
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、一昨日に引き続き、特に、伊藤茂君外七名提出の各案について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳沢伯夫君。
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柳沢伯夫#2
○柳沢委員 今回の税制改革の見直しをめぐりまして、この二日間、実に長時間にわたりまして精力的な論議が交わされてまいりました。私も一人の委員として、この論議の応酬をかなり熱を入れて拝聴させていただいてまいったわけであります。
 これを聞きましての感想は、今回、税制改革の一環として導入された消費税につきまして、さすがに一人当たり国民所得二万ドルの経済を実現しておる日本の国だけあって、この仕組みそのものについては、これは我々国会の内外を問わず、特に実務に携わっておる国民の皆さん方、企業の皆さん方が見事にこれをこなされておる、したがって、この国会の論議におきましても、さほどに大きな論点になっていなかったように見受けられるわけであります。それに反しまして、国民の負担ということで大変議論が熱したわけでありまして、それを聞いておりまして、私はつくづくこの消費税の基本的な性格についての認識が、我々と皆さん方、野党の皆さん方との間で共通でないな、これがどうもこの消費税論議の紛糾する一番の根本原因かな、こんな感じを実は持ったわけであります。
 そこで本日、私、端的にこの問題に焦点を絞りまして、皆さん方との間で対話を交わして、そうしてその中から何とか接点を見出して、こんなにも対極的でにっちもさっちもならなくなっている国会の論議の中から、そういう対決じゃなくて、お互いに建設的な方向を持って一つの合意点を見出していく、こういうことの役に立ってみたい、こういうことを考えて、以下質問をさせていただくわけでございます。
 そこで、皆さん方が御提出になられましたこの税制再改革基本法というものを見せていただきまして、特に私は、この「税制再改革の基本原則」といった、若干税制の基本に触れているところについて目を落とさせていただいたわけであります。正直申しまして、余りこんなことで演説していると時間がなくなりますので、はしょった話をさせていただきますが、これ一つ見ても、我々のように若干この問題について、何というか経験を持っている人間からすると、全く体系的でない、一体何を考えているんだろうか、こう思うのですよ。そのことについて私、コメントを求めようとも思わないのですが、正直言って、我々がこういうものを読んだときにどう感ずるかということだけちょっとお聞き願いたいと思うのです。
 それは、「一 国民の租税に対する信頼を確立するため、税負担の公正及び公平を確保すること。」こういうことを書いてあるのですね。まず、「公正」って何だろうか、我々の普通のワーディングで言いますと、言葉遣いで言いますと、これはすぐれて執行の公正なんですよね。そうすると、こういうものをいきなり出されるとおやっとまず思いますよ。「公平」、これはもう皆さん方ここでしょっちゅう応酬されていますからおわかりのとおり、垂直的公平、水平的公平というものがその中身だな、アリストテレスの昔からこうですよ、これは。そういうことを感ずる。
 ところがその次に行って、「二 総合課税主義を基本とする応能負担原則を重視し、かつ、応益負担原則にも適切に配慮すること。」こう書いてある。「応能負担原則」というのは、もし垂直的公平というのを一号で言っているのだったら必要ないことなんですね。そうすると、この二号は一体何を言っているのだろうか。「応益負担原則にも適切に配慮する」ということを何かをおもんぱかって言っているのだろうか、こう思うのですよ。
 それから三つ目、三号は、「直接税を主とし、間接税を従とする」、こう書いてある。これはもう二号で言っているのですね、総合課税を重視すると言っているから、またトートロジーですね。直接税を主として間接税を従とする。正直言うと、この直接税、間接税というのは徴税技術あるいは課税技術の話であって、その方式の話であって、負担の問題じゃないのですがね。しかし、それでもそう思う。その後で「所得、消費、資産等に対する課税を適正に行うこと。」と書いてあるから、実体的内容はこの後者にあるのかな、そうすると後者は一体何を言わんとしているのかな、恐らくこれは何も言ってないなという感じが我々はするのですよね。
 それから四号は、これはわかりますね、「地方財政の確立を図る」と書いてある。しかし、国税との関係で言うのだったら、その関連をもうちょっとはっきりさせてもらいたいなと思うのですよ。
 それから、五号は何を言い出したかというと、「税制が活力のある福祉社会を支える基盤となるようにする」、こう書いてあるのだけれども、我我ちょっと皮肉を言わしていただくと、「活力のある福祉社会」というのは毒を含んでいるんですよ。どういう毒かというと、福祉社会だけれども公的部門だけでは面倒見切れぬよ、民間の活力でもって福祉社会をそれ相当に支えてもらわぬといかぬよという含意を、インプリケーションを持っているのです、この言葉には。そうすると、こんな言葉を税制の中に持ち込んできて一体何を言わんとしているのだ。応能負担で垂直的公平を重視しようと言っているのに、活力ある福祉社会とは一体何だ。私なんて、これをすうっと読んでいくだけで頭があっちへ行ったりこっちへ行ったりして、本当に体系的に腑に落ちないということです。
 だから我々は、私の見解だけが別に正しいというわけじゃないのですが、もう少し、法律案なんですから、法律なんですから、私はこれを見て、正直言って、法制局を通っているのだろうか。衆議院法制局には私のかつての同僚がいますから、あのやろうと言っちゃいけないかもしれませんが、あいつ一体何しているのだろうかなって思ったのですよ。言葉を訂正します。そういうふうに思いますよ、私なんて。そういうことで、ことごとく私どもは、もうちょっと何か事を法律として運ぶに当たっては周到であってもらいたい、こういう気持ちを率直に言って持つわけであります。これは皮肉でも何でもないのですよ。本当に我々の立場から見るとそう見えちゃうということをちょっとコメントさせていただきたいのです。
 まあしかし、そんなことを議論していても仕方がありませんから先に進みますけれども、結局この基本原則で言っておられることというのは、きのうも我々の尊敬する武藤先生がここで政府側との応酬でおっしゃられたように、要するに皆さん方は総合課税主義による所得税を中心とした税体系でいきたいよ、こういうことをここで、いろいろ言っておられるけれども、どうもおっしゃっているようだというふうに理解がなされるわけですけれども、それでよろしゅうございますね。どうぞ。
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伊藤茂#3
○伊藤(茂)議員 委員が冒頭におっしゃいました、議論を通じて合意を形成する、これは私も賛成です。やはりこれらの議論を通じまして国民の合意、コンセンサスが形成できるような議論を真剣にやってまいりたいというふうに思っております。
 簡潔に考え方を申し述べさせていただきますが、私どもは再改革基本法四条の中で五つの柱を立てました。表現を見ますと、だれが考えても当然のことではないかというふうな意味合いではないだろうか。あえて私どもがこれを提起しましたのは、消費税が執行されるときに多くの国民の皆様から、このような負担は一体何のためにこれがあるんだろうという疑問が広くあったわけであります。やはりもう一度、目的、ビジョンその他をはっきり立てるということが必要であろうというふうに思いまして立てたわけであります。
 ただ、御理解いただきたいのは、第四条に五つの柱を立てました。それを受けまして、第五条に、具体的にどういうことを検討すべきか、ある意味では、同じ章になっておりますが、セットでこれを出しているわけでありまして、例えば公正、公平ということがございます、一点だけ申し上げますと。これは論理学的とか理屈の解釈の論争をすることよりも、やはり国民が納得できる公平感、公正感をどうつくるのかということが現実には私ども一番大事なことではないだろうかというふうに思います。
 そういう意味で、私ども一昨年でしたか、不公平についての国民の皆様から出ている十項目の指摘をいたしました。与党も真剣に対応しようということで、与野党の政策責任者の間で十回ぐらいやったと思います。与党も野党もその協議に携わった者は、やあ本当にまじめにやったというふうに今でも振り返っているわけでありまして、そういうことを一つ一つどう解決をしていくのかということが必要ではないだろうかと実は思っているわけでありまして、そういう気持ちでこの四条、五条に対応してまいりたい。
 一昨年の審議の場合にも、これらの考え方を税制の基本構想という形で四党合意で議題にさせていただきました。多くの与党の皆さん方からも、伊藤さん、それは正論だよという言葉をちょうだいしたわけでありまして、その中の一つに総合課税は重要なプリンシプルであるということも表現をさせていただいておるわけでございまして、御質問のとおりに総合課税主義というのは重要な原則であると考えております。
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柳沢伯夫#4
○柳沢委員 総合課税による所得税を中心として税体系を組み立てていきたい、この気持ちであるということが確認できたわけでありますが、世の中にはクロヨンというのがあるんですね。これは正直言うと、総合課税かどうかということとは直接は関係のないこととして、むしろ執行上のこととして、不公平の代表あるいは不公正の代表ということで言われておるわけであります。
 私は、実は政治家としていろいろな地域を回り、農家の門先に立ったり、農家の温室の中に入ってあいさつをしたり、そういうこともしています。それから、商店街に行って、店先に座り込んで商店街の店主の皆さんと話を交わすということもしておるんです。そういうときに、税に対する考えとしてクロヨン、クロヨンと言われていますから、彼らも非常に何か自分たちが悪いことをしているような感じを持ちながら、恐縮しながら我我にその苦しい状況というものを訴えるわけでありますが、そのときにこういうことを言うのですね。
 サラリーマンは病気になっても給料をしばらくの間もらえますね、これは若干の割引なんかの措置は当然付加されますけれども、それでもかなりの期間そういうものをいただける。それに対して我々は、自分たちが病気になったりしちゃったら店を閉める、店を閉めたら一銭も収入はないんですよ。それをサラリーマンと同じように、サラリーマンの人たちがリスクがないということに比べて自分たちがリスクがあるから、これは何とか考えてもらいたいですね、こういうことを言われます。
 それから農家、私は今自民党の農林部会長をしているのですが、だからといって言うわけじゃありませんけれども、こういう冷暖房がきいたところで、いわゆるホワイトカラーで働いているのと比べて実際大変だと思いますよ。私のところはメロンの日本一の産地でありますけれども、その温室の中へ入ってごらんなさい、夏。汗が出るなんてなもんじゃないですよ。あれは汗じゃないですよ。体の中の水分が出ちゃうのですよ。だから体は非常に大変。ですから彼らは言うのですよ。我我はもっと生産を上げて収入を獲得することができるんだけれども、体の方を考えるとこの程度にしておこうというのが我々の経営の方針なんですよと。
 家へ帰る、奥さんが、お父さん、今大変頑張ってもらって割に所得を上げてもらっているけれども、こんなのもお父さんの若いうちだけですね、こういうようなことを言って、そうだ若いうちだけだ、あと四、五年かななんという会話が恐らく家庭で交わされているような、そういう状況を我我訴えられますと、そういうときに、あなたヨンじゃないですか、クロヨンのあなたヨンと言われているんだよ、もっとしっかり税金出しなさいよ、なかなかこれは言えないと私は感ずる。そういうことを皆さん方聞いて、皆さん方は、ここでクロヨン論議をやっていると同じ調子でそういうような人たちにクロヨン論議ができますか。その心情をまずお聞きしたい。
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菅直人#5
○菅議員 いわゆるクロヨンということについては、私どもの中でもいろいろな議論をこの間してきたところです。今おっしゃったように、これはもう言うまでもないことですけれども、いわゆる給与所得と事業所得、あるいは農業所得などのそういう所得把握というものが、果たして公平にというかきちんとなされているだろうかということに対する疑問というのは、特に給与所得、サラリーマン層からは率直に言ってかなり強いものがあると思います。
 今委員のおっしゃった、例えば自営業の皆さんがリスクがある、あるいは農業従事をされている皆さんが、若いうちは元気でやれるけれどもといった、そういった問題はそれぞれの業種の中で、場合によってはそれはサラリーマンの中でも業種によってはそういういろんな問題はあると思うわけです。
 逆に言えば、そういった業種間のいろいろな特性というものをどのような形で税制度の中で見ていくかという議論はあってもそれは当然だと思いますけれども、そういう議論ということと同時に、といいましょうか、基本的にはやはり、これは委員の方がそういう経歴を持っておられるわけですからまさに釈迦に説法ですけれども、それこそ公平な税制というときには、同じ所得がある人に対しては同じような課税をするということがやはり原則になるべきであって、それを超えたいろいろな配慮というものは、それはそれとして考えられるかもしれませんけれども、基本としては同じ所得に対して同じような課税をする。ですから、その所得の把握が公平でないような所得の把握になっているとすれば、例えば納税番号制などの導入も含めて検討していく必要があるのではないか。
 ですから、全くそういうものに政治的に一切配慮しないでいいということではなくて、税制を考える、総合課税というものを考える原則としては、同一所得に対して同一課税というものは、これは原則として推し進めていく必要があるのではないか、そのように考えております。
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柳沢伯夫#6
○柳沢委員 菅提案者からお話しをいただいた同一所得に対しては同一課税をしたい、ここに、皆さん方が基本的に消費税に対し、また所得税に対して認識不足があるんですよ。そういう認識だから、今提案されている消費税に対してあの程度の議論しかできない、正直言っちゃうと。そこが問題なんです。
 これは私はいろいろなものにくるんで申し上げましたので、問題点がわからなかったかもしれない。しかし、担税力があるのは所得だけだ、これはもうどの教科書にも書いてある。私、正直言って伊藤先生がどの財政学者に学校時代に習ったかまでちょっと調べてきましたけれども、その学者の先生方も言っておるわけですね。言っておる。
 しかし、この所得の担税力というのは毎年毎年、一年一年切って所得を計算するというところに大変な実は問題があるのですよ。それがまさに今言ったように、お父さんはあと三年、四年しかこの五百万の所得を上げられない、後はもう下がる一方だ、体の都合で、年齢の都合で、こういうこと。これがしかし、サラリーマンの方も同じように五百万の所得を上げている。ハウスに入って汗だらけで、あと三、四年しか五百万の所得が上げられないという人が、所得税ではどんなにあがいてみても、課税標準の上でこれをどんなに工夫してみても、その本当の持っている担税力に対して適合した税制というのはつくり得ないのです。これが所得税の限界なんです。これは皆さんが言っている総合合算をしたらどうのこうのということと全く関係ない。
 そこで、今学者の人たちももう言っているのですよ。公平というのは、所得じゃないんだ、消費の方が、結論を言っちゃうようですけれども本当の担税力を表現しているものですよということを言っておるのです。
 それはどういうことかと申しますと、要するに本当の担税力というのは、例えば所得に対する一番適切な課税というのは生涯所得が最も適切な課税ベースになるべきだというのです。生涯所得、一生涯の所得なんです。たまたまそのとき、体の都合のいいときに五百万の所得が上がっているという農家の人がいても、それはだんだん縮減していくようなそういうカーブのもとの五百万だ、四百万だという。それに対してサラリーマンの方は、今四十五歳で五百万取ったけれども、またさらに八百万、一千万といくかもしれない。そういう生涯所得のカーブの展望のもとの四百万、五百万であるとする。そうすると、一体それは同じ四百万、五百万――今、菅さんは、同一所得は同一課税が正しいと思う、これはその限りではもっともらしく聞こえるのだけれども、そういう生涯の一つの展望のもとに立ったら、ある一年間にたまたま同じ所得である、どんなに厳密に計算しても。そういうものは同じ担税力を持たないのです。そこに所得税の一番の問題があるのです。
 それが、一体どうしたら正しい担税力を表現した課税ベースがつかめるか。このときに、他方で消費者行動の経済学が発展して、皆さん御承知のとおり恒常所得仮説というのが出てきたのです。我々が消費をするときには、自分の所得が一体どういうふうに、恒常的にこの一生涯を通じて大体どのぐらいになるかという観点でその都度その都度の消費行動をするのですよということなのです。だから学者は、今や本当の生涯所得というものが最適の課税ベースだとしたら、それはむしろ消費こそ課税ベースにとるべきではないかということを言っているのです。伊藤先生がお習いになった当時の財政学にはこれはなかった。しかし、最近の財政学の本を見れば、どこにも書いてあるこれは全く基礎的な概念なのであります。
 ここを忘れてはだめなんです。この消費税論議の一番大事な点が実はここにあるということを皆さん方はもう少し、もし知っていてこれを全然論議に上げないとしたら非常にフェアでないし、知らないのだったらやはりちょっと不勉強のそしりを私は正直言って免れないだろう、こういうように思うのであります。いかがでしょうか。
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菅直人#7
○菅議員 大変、生涯所得というものの考え方を提示されて、私は残念ながらそういう財政学も習っておりませんので、そういうものがどういう議論になっているか全部はわかりませんが、まずしかし、国民的にいえば、この長年の税制改革議論の中で、いわゆる所得税を中心とした不公平の問題というものを、今言われたことをそのまま受けとめるとしても、不公平の問題をそのままにして次の問題に移っていいという議論には私はならないと思うのです。
 ですから、先ほどの御質問にも答えましたように、所得税そのものに非常にいろいろなゆがみがあるという問題を、不公平税制の是正という形でこの間議論をしてきたわけです。その中では、先ほども思いましたけれども、特に必要経費などの見方というものがそういった業種間にかなり格差があるということも言われてきたわけです。だからそういった問題。
 それからさらに、今生涯所得ということを言われましたけれども、資産による所得ないしは資産の増大、まさに資産課税という問題が、自民党といいましょうか政府が出された税制改革から大きく抜け落ちているわけですけれども、そういった問題については、今回の皆さんが行われた税制改革の中ではほとんど先送りというか議論がされていない。つまりは、前提となるべき不公平の問題についての議論が抜け落ち、そしてトータルなビジョンと言われるならば、資産も含めた不公平が非常に今拡大しているわけですから、それをも含めた議論をする必要があるだろう。
 私どもは、この再改革基本法の中でも言っておりますように、消費に対するあるいは間接税というものに対して一切考えないでいいというふうな態度はとっておりません。それも含めた、改革をするに当たっても、そういったトータルの合意が得られるようにやっていくべきではないか。政府が出された税制改革法の中でも、所得課税において税負担の公平の確保を図るということは当然あるわけですから、それは所得税においても公平を図り、他の全体の資産を含めたあるいは消費を含めたものの中でも公平を図っていく、その両面からの議論が必要である、このように考えております。
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柳沢伯夫#8
○柳沢委員 そういう認識だからだめだということを先ほど来から主張しているのです。
 資産性所得、これはあなた方は納税者番号制でやろうとしている。しかも、事業所得まで納税者番号制でやろうとしているように私は聞いている。大変なことですよ、そんなことをやり始めたら。本当に恐ろしい世の中が出るかもしれない。私は、よっぽど慎重でなければそういうことは言えないと思う。どうするか。その資産性所得、あるいは株だとか、株の配当だとかあるいは預金の利子だとか、こういったようなものも実は分離課税しなくて、総合を心の中でするのです、その所得者は。それでそれを消費という格好で表現するのです。あなたが得意のあの土地の含み益、含み益の未実現利益に課税するなんということはできないのですよ、技術的に。どうするのですか、そんなこと。それも実はこの消費にはあらわれるのです。自分の資産がこのぐらい上がっているなということで、それが消費行動にあらわれるのです。
 だから先ほどから、そっちをやってからじゃないのだ、そうじゃなくて、そっちをちゃんとやるためにも、実は消費というものを課税標準にとるということの意義があるのですよということを私はさっきから言っているのですよ。
 そこで、皆さん冷静に聞いてもらいたいのですが、今私が言ってきたことでおわかりのように、消費税というのは所得税なんです。いいですか、消費税というのは所得税なんです。間違っちゃ困るのです。びっくりされるでしょう。消費金額を課税標準として、所得を目がけて消費税という名前をつけてやっているだけの話なんです。それを間違って、何か消費税が所得税の対極にあるもののような認識でこれまでの議論を展開してきた。私に言わせたら、それは最近の財政学の進展というものを余りにも無視した議論だな、こういうように私は皆さんの言説を聞いておったわけであります。
 そこで、その仕組みの問題に入るのですが、この消費税を仕組むときに、それでは直接税でやったらいいじゃないかという議論だってあり得るのです。直接税で消費税をやる。つまり、消費金額を課税標準とした所得税なんだから、その三月の十五日に過去一年間の消費金額を自分でちゃんと計算できて、そして、ああ自分は去年はこれだけ消費したからそれで税率は幾らでこれだけ税金かかるな、では申告します、こうやるのです。カルドア先生がこの話を初めてしたとき、スリランカで実験したという話もある。しかし、これは言うべくしてなかなかできないのです。
 そこで、どうするかというと、間接税の方式に転換するのです。間接税の方式に転換して消費金額で、結果として、消費金額に税率が一定だったらば比例税になりますけれども、そういう税金を引いているというのが今の消費税なんです、皆さん。ありとあらゆる売買が行われるときに、何か買うときに全部一定の率で消費税をかけてお願いしておれば、そうすれば一年間たてばまさに消費金額に比例のその所得税を負担したということになりますよということなんです、そういう税金なんです。それを全然前のように、その対極的な税金のように考えるというのは大間違い。
 それから、これを物税的に考えていろいろな論議をする人がいる。物税じゃないのです。だから、物品税は物税として、消費が所得の一番いい課税ベースだなんという議論が余りなかったときに出てきたものですから、物税物税ということになっていったのです。しかし、私は一般消費税になったらこれはもう人税だなと思っているのですよ。人に帰属して人について考えている税金だな、こういうように思っているのです。
 きのうあたりも共産党の人が、新聞、雑誌に何をかけるのは何だとか、消費税をかけるのは何だとかというような議論をしておられましたけれども、全くそんなこと、どういうものに税金をかけるかなんというようなことを何も関心を払っていない、あえて言ってしまえば、この消費税は。消費税が関心を持っているのは消費金額なんです。トータルとして、一年間のその消費活動の結果どれだけ消費をしたかというその金額に対して関心を払って、それに対してどういう税率で税金をかけるかということを、実はこの消費税というのは考えているのだということであります。いいですね。
 そこで、次に行きますけれども、しかし、さはさりながら、間接税というものを取るときにいろいろな障害があるのです。私はあえて人税だと言い切ってしまいました。言ったけれども、じゃ人的な控除とかそういう人的な配慮がこの税金のもとでできるか。私、いろいろ考えていますよ、考えた。これは後で申し上げますけれども、なかなかできないというところで限界があるというか、こういう面で制約があることは確かなんですけれども、さて皆さん、私が今言ったような性格づけをした上で、皆さんは消費税の逆進性ということを言われるのですが、それについてどういうお答えをなさいますか。
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中村正男#9
○中村(正男)議員 逆進性の問題についてお答えをしたいと思います。
 私は、高邁な財政論よりも現実の問題を、直接お聞きをしたような話をしたいと思うのですが、今回の消費税の導入、非常にこれはいいじゃないか、それに伴う税制改革で私は六百万円の減税があった、こう中堅のある会社の社長さんがおっしゃったわけでございます。反面、私ごとにわたって恐縮でございますが、私の娘が世帯を持ちまして、お父さん、毎年十万円手取りの中から税金持っていかれるのは我々の世帯としてはたまらぬよと、月収二十万、ボーナス入れて約三百万、夫婦と子供一人の生活であります。
 そういうことを考えますと、私は国民の大方の人の反対の第一の理由は、この逆進性にあるというふうに思います。
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柳沢伯夫#10
○柳沢委員 今の十万円というのは、月十万円のことですか。(中村(正男)議員「年です」と呼ぶ)年十万円、月十万円のように聞きましたからびっくり仰天したのですが。
 皆さん、きょうは私はもう恐らく議論かみ合わないと思うのですよ。議論かみ合わないでしょう、新しい局面の話をしているわけですから。ですから、それはそれでいいですから、答弁は短くしていただきたい。後で、聞いて帰って、よくもう一回考えてもらいたい、こう思うのですね、正直申して。
 そこで、私の議論だけをするわけじゃないのですが、これは今言った生涯所得を考え、あえて私はここで言うのですが、最後に遺産と相続税の関係を一応条件として考えておかなければいけませんが、生涯所得を考えたら、消費税は所得に対して比例的なんですね。逆進的じゃないのです。それを一年一年の区切りで見ると、いっとき逆進的に見える、こういうことが先ほど来の私の消費税の性格づけで御納得いただけると思うのですね。ですから、そういうことも、逆進性の議論をするときに、逆進性というより、私は累進か弱い、累進ができていない、だからこれもまた皆さんの立場から、また、私は実はそうなんです、皆さんと同じ立場なんです、そういう立場から見て気に入らない点だということになるわけなんですけれども。
 それともう一つは、これは先ほど中村提案者がおっしゃられたとおり、財政論も大事だけれども政治的な側面も大事でしょう、これはまさしくそのとおりなんです。しかしまた私から言わせると、政治論も大事だけれども、事税に関しては租税の理論も大事ですよ。これは皆さんだって理解をしてもらわなければ困るところなんですね。
 そういう意味合いで申し上げるのですけれども、現実のヨーロッパの付加価値税を見ると、複数税率、つまり基本税率をもとにして高いやつとか安いやつとかいうようなことを現にやっておるわけですね。ただ、我が消費税ではどうしてそうならなかったかというのは、きのう大蔵大臣も説明されておりましたけれども、基本税率がそれをやるにしてはちょっと低過ぎるということ、またやったとしても、皆さん既に言っているわけですが、今度の見直し案で大して逆進性直ってないよ、まさにおっしゃるとおりなんだろうと思うのですね、効果が少ないのですね。乖離の幅がどうしたって大きくはとれませんからね。そういうことで、結果として大変フラットの税率をしいておるわけです。
 それともう一つは、この複数税率をやるには、手続的には、的確にやるにはどうしても税額票、インボイスの制度が必要になってくるということがありまして、我々この導入の際にそこのところを踏み切って帳簿方式をとりましたから、その関係でもなかなかこれが難しい問題として我々の前に立ちはだかっている、こういうことなのであります。
 ところでお聞きしますけれども、皆さん方はこの複数税率制度をしけば考え直すというような余地があるのでしょうか。あるいは、なぜそういうところに議論を持ってこられないのでしょうか。実は、矢追先生とかきのうの武藤先生も、若干その辺、党の拘束がありますからなかなか難しい発言だったようですが、すれすれのところまではおいでになって、私、いいぞなんてつい言い出してしまったのですが、どんなふうにお感じですか。
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中村正男#11
○中村(正男)議員 今回の見直しの案では、食料品については複数税率の採用をされております。ただ、この程度であれば逆進性は緩和されない。
 純粋にお答えするわけでありますが、例えば日常の生活用品、これにはほとんど税金がかからないとか極めて低い税率だとか、一方では生活様式の高度化を選択するための対象品目、こういうものには生活用品に比べれば複数のより高い税率を課す、そういうことになれば逆進性は緩和される、それは当然のことだと私は思っております。
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柳沢伯夫#12
○柳沢委員 まあ逆進性という言葉は、これからいわゆるということにぜひしていただきたいな、こう思うのですね。生涯所得に対しては比例税率ですよということを皆さんにここで御説明させていただいた。もちろん、それは今すぐそうなれというわけにもいかぬかもしれないですが、少なくともそこのところは慎重にお願いしたいと、私は今この段階でもお願いをしておきたいわけであります。
 そこで、次に議論を展開するために、皆さん方、資本主義経済、これは資本の再生産活動あるいは拡大再生産活動で経済が循環をし運行されておるわけでありますけれども、この中で、国が税として担税力を認めて、そこに税金の賦課をお願いするのは所得だけだということは、これはいいでしょうか。もちろん相続税とか戦時の特別な場合による財産税、こういうのは資本に対しても課税して、資本を一部国家に移転しますからこれはまた別ですよ。しかし、通常状態においては所得が究極的には税源だということでよろしいのでしょうか。
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伊藤茂#13
○伊藤(茂)議員 御指摘ございましたが、消費に対する課税あるいは資産の保有に対する課税、いろいろございますが、確かに税金を支払うのは収入あるいは所得によって支払われることになるというわけでございますから、担税力の究極的な源は所得にあるとも言っていいのかもしれませんが、委員も御指摘なさいましたように、それはやはり通常のと申しましょうか普通のと申しましょうか、所得によって支払われる所得税のような場合、それから相続税のように資産の売却によって一時的に所得を得てそれから払われる場合という場合があると思います。
 いずれにいたしましても、それらを含めながら考えますと、やはり所得課税だけで済むのではなくて、政府の方も、私ども言っておるわけでありますけれども、消費、資産を含めました総合的なバランスのある課税ということをどう組み立てるのかということに現実にはなってまいると思います。
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柳沢伯夫#14
○柳沢委員 伊藤先生からそういうお話があったのですが、それはそうだろうと思うのですね。ですけれども、私が言っているのは、消費も、実は消費というものを通して最終的に税の負担をお願いしているのは所得ですよ。それから資産税といえども資産の背後に担税力を予想するのですが、それで最終的に担税力を持つのは何かといったら、これは所得なんですよ、こういうことを実は申しているわけです。それ以外のところに食い込んでいってしまったら、これは資本主義経済の自殺行為だ、こういうことになるわけですね。それは相続税とか、さっき言ったように戦争直後の財産税というようなものは、それはちょっと別ですよ。
 こういうことを私は申しているわけですが、そこのところは若干まだ腑に落ちないようなお顔もなさっていますから、以降申し上げるのは少し危険な道かと思うのですが、あえて言いますと、私は、今度の消費税は、従来の所得税が、従来型伝統的な所得税を減税してその伝統的な所得税も残したけれども、一部消費金額を課税標準とする所得税に変わったのです。つまり、所得に対する課税負担は、消費金額を課税標準とするものと伝統的な課税所得を課税標準とするものとに分かれて、それが合体して所得税として課されているものだ、こういうようにすら私は見ることができる、こういうように思っている人間なんです。
 そこで、そういう人間からしますと、もう一つ、皆さんのいわゆる逆進性を緩和する道として、実は所得税の累進カーブをもっと上げる、消費税を導入するときに。消費税は比例的あるいは皆さんのいわゆる逆進的だから。そういう道が実はあるのであります。ところが、皆さん方は、何だか知らないけれども、この累進カーブを緩和するということについて、余りにもやすやすと政府の軍門に下ってしまった。私は本当にあきれ返っているのですよ、正直言って。
 はっきり申して、私は、自由民主党の党内の税制論議のときに、断固反対の論陣を張ったのです。消費税を入れるのだったら、累進カーブをもっときつ目にするのが当たり前じゃないのか。そういうことをやっているのですよ、自民党の税制論議は。皆さんの論議が余りにも固定観念に縛られちゃって、消費税の逆進性でこれはどうにもならぬなんて、そんな話は、私は本当にもうちょっと深いところまで突っ込んでいっていただきたいな、こう思うのです。
 それからまた、その一つの例として直間比率どうですか。直間なんというのは、余り私は直接税型の消費税もあるから言いたくないのですが、間接税は消費税だと、仮に同義語だと仮定した場合、この直間比率ということに対してだって、皆さん、伊藤先生どうですか、あなたおっしゃったのは、昔の竹下蔵相も言ったけれども、それは結果として出てくるものでありますなんて、冗談じゃないですよ、私に言わせたら。私に言わせたら、それを合わせてどういう累進カーブになっているか、累進の負担をお願いするかということであって、直間比率があなた任せで結果だけだなんてとんでもない議論だ、私はそう思うのです。皆さん方が本当に逆進的だとか、あるいは累進的な税の負担をお願いしようというのだったら、余りにも良心的でない答弁だと私は思ったのです。
 なぜ、ああやすやすと皆さん方は累進カーブの緩和に屈し、これをあえて強く問題にしないのか、これを伺います。
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中野寛成#15
○中野議員 累進カーブの問題につきましては、ある意味では自民党の皆さんの中の御主張と我々の態度とが一致する部分があろうと思います。消費税を導入するという前提で、その逆進性を累進性だけで解消するということになれば、先生おっしゃるとおりであろうと思います。
 しかしながら、言うならばもっと低所得層の、非課税もしくはその非課税の部分に位置します低所得者の皆さんに対する対策はそれでは緩和されないわけでございまして、それらの矛盾をその中に包含をしている。ゆえに我々としては、低所得者のことを考えますと、逆進性の問題はなお深刻であるということを前提として考えましたので、消費税の導入には反対と言わざるを得ない。そういたしますと、累進度を高めるという主張にまで論議を発展させるというきっかけにはならなかったということでございます。
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柳沢伯夫#16
○柳沢委員 中野先生とは本当に同じ党にいたいくらいの気持ちを持って、今の答弁を聞いておりました。まさしくそうなんです。要するに、今まで所得税を払っていなかった人たちが消費税を負担するようになる、この問題をどう考えるかということなんですね。
 実は、ちょっとここで寄り道をして指摘をしておきたいのですけれども、今まで所得税を払っていなかった最終納税負担者の中で、単に低所得だから払っていなかったという人だけじゃない人たちが実は含まれているということに御注意いただきたいのですね。
 私は、消費税を推奨する理由の一つにそれを持っているわけですが、きのう議論になった公益法人、これも表から、おさい銭がたくさん上がったはずだから、あなた、所得税をいただきたいとなかなか言えないですね。しかし、少なくとも、少しは税負担をお願いしたいな。消費税でできるのですね。政治家も同じなんです。私は、政治資金に、パーティー券にどうのこうのなんて本当に枝葉末節な議論だと思った。これは政治団体が消費活動をする、別に何も売るものじゃありません、これは最終のいわば負担者でありますから、これに消費税がかかるということで、まあせめてもの慰めか、こういう感じを私は持っておったわけであります。実は、そういうメリットがある、このことであります。
 それから、所得税の非納税者、このいわゆる低所得というか、所得が小さいなるがゆえに非納税者になっている方々については、皆さん、これはもうわかりますね。生活保護世帯は、生活保護が物価スライドで上がれば、消費税の影響をキャンセルできる。年金生活者においてもしかり。ただ、これが最初のときちょっとおくれたのでどうかということを私も気にかけた人間でありますが、それはまあよろしいだろうと思うのです。
 では、もう一つ、それ以外の課税最低限に達しない人たち、このことについてどう思うかということですが、ここで私は注意をいたしておきたいのは、二つあるわけでございます。
 一つは、課税最低限というのが、それはもうぎりぎりの所得であるから、この人たちに所得税をお願いできないなということに最近はなってないということです。これは、参議院の久保亘先生が御質問になっておられましたけれども、減税を所得控除でやるからというような話にかかわるわけですけれども、減税を、物価調整減税といえども所得控除でやるわけですね。その結果、実はどんどん課税最低限が上がっていってしまう。これは非常に悩みがあるわけなんでございます。それはわかっていただきたい。課税最低限以下の人だから必ずしも担税力を国が認められないということではないということですね。これが一つ。
 それからもう一つは、これは専修大学の正村教授がまさに税制改革の論議のときにおっしゃられておったことでありますけれども、余りこの議論のときに消費税の負担と所得税の減税額を一々ノミ取り眼で見て、それでプラスがあるだのマイナスがあるだのと言うのは愚かですよ、そうじゃなくて、将来を展望して、白紙で、実際この人たちにこの程度の消費税をお願いしていいのかということを真っ正面から議論しないと、非常に矮小な議論になるよということを指摘されておった。このことも申し上げておきたいのであります。
 そこで、そういう前提で申し上げたいのでございますけれども、皆さん方、これは大蔵省は反対して、何で柳沢はあんなことを言ったと後で多分クレームが来るかと思うのですが、私はあえて申し上げたいのでありますが、宮島東大教授が提唱し、そして伊東光晴京都大学教授がそれを支持された還付という問題、これを何で真剣にお取り上げにならないのですか。私は、本当のことを言って、後でもお話し申し上げたいのですけれども、いわゆる免税業者の免税額、これを三千万円ということについては、やはり国民の間にもうちょっと低くても当たり前じゃないかという気持ちがあるのじゃないかなという気がしている。場合によっては、この三千万円の免税点はもうちょっと下に下がってくるかもしれない。しかし、国税の事務を考えますと、私はこれは、むしろ国税にとどめおくべきかなという感じがするところなんです。
 今度の消費税で、正直申して、もう本当にイナゴの大群が田んぼを荒らしたみたいに地方税の固有税源というのがなくなってしまった。全く私は、この姿を見ていてぞっとしたのですね。そういう立場からして、小売段階のところだけ地方税に落としていく、そして免税業者の免税点ももっと落としてもいい。納税義務者が非常に多くなりますから、細かく見ていかなければならないから、国税当局のあの五百とか六百の税務署でなかなか見切らぬでしょう。そういう意味合いでもそう思うのですよ。
 それで同時に、その地方税のことと地方税の地方団体の窓口を通じた、今言った還付、どうしても救わなければならぬような方々に対する還付の問題を私は考えているのです。個人的には考えたのです。それをなぜ、せっかく宮島教授とか伊東光晴教授が非常に推奨したこういう考え方について、野党の皆さんは一顧だにしなかったのでしょうか、お尋ねしたい。
 その議論御存じでしたか、ちょっと聞きたい。
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伊藤茂#17
○伊藤(茂)議員 御指摘になりました宮島教授も親しい友人でございますし、伊東光晴さんも長い親しい友人でございますから、いろいろと直接伺ったりまた御主張なさっていることを読んだりさせていただいております。いろいろな意味で、還付という発想、もっとやはり私ども研究する必要があるユニークな一つの発想あるいは御提言であろうというふうに思っております。
 ただ、今考えますと、税制全体の基本構造というものを考えますときに、還付の問題、さらに大きな研究手続をすることも私は問題意識として持たなければならないと思いますが、全体構造をどう持つのかという場合に、私はやはり総合課税と、それから長年日本で定着をしてまいりました直税、所得税中心というのは、日本の税制の中に社会的に安定した仕組みになっている、やはりこの仕組みは大事にしていきたいというふうに思います。
 それから、消費に関する公平という、あるいは生涯所得というものを含めた御意見ございました。確かにそういうさまざまな視点も研究をしなければならないと思います。ただ、今私どもにとって問題なのは、消費税の導入によって公平化が進んだと思っておられる国民は少ないと私は思います。日本の不公平がさらに拡大をしておるのではないかというのが、世論調査で見ても多くの姿ではなかったのか。やはり設計自体の根本に欠陥がある、それをどうしたらいいのかということを私どもはここで真剣にやらなければならないというふうに思います。
 なお、一言だけいたしますが、委員おっしゃいましたサラリーマンの皆さん、農家の皆さん、中小企業、零細企業の皆さんということにつきましては、政治家の一人として私はいつも実感をいたします。税を負担している階層が農家は非常に少ないではないか、我々サラリーマンはほとんど負担をしているんだというふうな声もございます。そうかといいますと、零細企業の皆さんは労働時間でも違いますから、夜遅くまで裸電球のもとで働いたりしている現実もある。私は、そういうものの中でお互いの、額に汗して働く階層ですから、どうやってもっと公平感というものを形成したらいいのか。これはある意味では透明性あるいは相互理解、国民的な理解の仕方という面でも格段の努力をしなければならない、膨大な不公平感も、私の考えでは、半分はそういう意味での不透明感、税の全体の不透明感に基づく、あるいは相互理解ができないせいに基づくものが半分、あとの半分は制度自体の課題ではないだろうかという気がいたしております。
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柳沢伯夫#18
○柳沢委員 伊藤先生のお話で、労働の質が、労働の質というか労働の苦しさ、苦しさの程度、こういったものが本当は所得税に反映しなければいけないのじゃないか、私は冒頭そのことを言ったのです。そういう労働の厳しさ、激しさというものを、おまえ汗何キログラムかいた、これはできないのですよ、所得税の税制のもとでは。それはしかし消費に実はあらわれるのだよということを消費税の論者は指摘しているのです。これは私が独断的に言っているのじゃないのです。つまり、体がきついからそんな労働はいつまでも続けられないよという将来展望を合理的な思考をする人間だったら持つだろうという前提で、そういう議論がつくられているわけです。それを御指摘しておきます。
 もう一つは、今回の税制の全体の姿が公平でないのじゃないか、この点については、私は伊藤先生と同じような感じを持っているのですよ。それはどうしてかというと、余りにも今度、所得水準が上昇しそれが平準化したという、そういう考え方のもとで広く薄くという論理でやり過ぎたんですよ。私は本当に残念だ。もちろん、大蔵省が今度実現したような所得税の累進カーブを低めるというようなことも、いわゆる活力を呼び覚ますために必要な段階が日本にも来るかもしれない、ヨーロッパ諸国がやったように、あるいはアメリカがやったように。しかし、私は今はそう考えない。私自身は、むしろ消費税を入れることをどうやって皆さんに納得していただくかという段階じゃないかという議論をしたのですよ。しかし、これは個人的な話ですから、そういうことが一つ不公平感の、皆さんが納得できなかった背景じゃないかな、同じ感じを持っているのかなという感慨をここで申し上げておきます。
 次に進むわけですけれども、徴税コスト、納税コストの観点から採用されるいろいろな税の特例措置がありますね。これは皆さんの所得税においても給与所得控除自体がそういう性格を持っているのですよ。あれは概算経費率なのですよ。そういうようなもので、あれだって文句言えば文句言いますよ。皆さんが復活しようとしている旧物品税には、一定率というような便宜措置が入っているのです。みんな一定率で、実際は減税効果を納税義務者は獲得していたのですよ、あえて言えば。そういうようなことについては欠陥と言うのですか、言わないのですか。
 今度この消費税に入ったこういういろいろな徴税、納税の便宜を図るための制度を一切なくてしかるべきだ、こんなものは一切あってはならない、もう個別具体的な妥当性をとことん突き詰めた税制でなければ自分らは欠陥があると認めるというような立場の議論というのは、はっきり言って私はおかしいと思う。とんでもない話だ、こんなものは。皆さん、これから、きょう以後欠陥と言うことをやめてください。どうですか。
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森井忠良#19
○森井議員 先ほど来いろいろ聞かしていただいておりまして、委員の御指摘の問題の中には、どうも現行の消費税とかなり乖離があって、違うものもあるわけですね。私どもは、今の税制上の特例措置を全く不必要と決めつけて、全面的に撤廃をするということはもちろん考えておりません。しかし、特例措置については、それなりの理由、政策目的があって設けられているということは十分承知をいたしておりますけれども、税制の基本原則と政策目的の調和、それに世論の動向など十分配慮して、適宜見直す必要があると考えております。
 政府・自民党も適宜見直しを行っていると主張されておるのでありましょうけれども、私どもがすべての特例措置に対して自民党の皆様と同様の見方をする必要はありませんし、立場が異なれば見解の相違が生じることは当然であります。徴税や納税コストの観点から設けられている特例措置を改廃する場合に、それによって生ずるコストと増収のバランス、そして税制の原則との調和を勘案する必要性は認めております。トータルでコスト増になる見直しというのは合理性に欠けることは申すまでもありません。
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柳沢伯夫#20
○柳沢委員 結構ですよ。結構ですけれども、私が言っているのは、徴税コストというのは、この前どなたかがおっしゃっておられましたが、要するにアダム・スミスの租税原則ですね、公明党の先生がおっしゃっていた中にも三つしか挙げない。その後ワーグナーが九つにしてしまったくらいの租税原則というのがあるわけですが、その三つしか挙げない中にも入っているぐらい重要な、現実的な税制をしく場合には避け得られない制度なんですね。
 ですから、皆さん方はその欠陥、程度問題だということなんですよ、これは。程度問題だったら程度問題らしい物の言い方もあろうし、それから議論の仕方もあろう。そんなものを、欠陥だ、欠陥だって、何かとんでもない、どうにもならぬようなことを言うのは、あなた方だけが神の高みにいて現実を批判する立場だ。だれも神じゃないんだから、やはり皆さんそこのところを踏まえた議論をしないと、これは天につばすることになりますよと言うんです。あなた方の旧物品税の復活だって大変な問題になっちゃうんですよ。そういうことを申し上げておるんです。
 それから、あなた方は旧物品税に返りたいと言っている――返りたいとは言ってない、まあ何かそんな感じの個別間接税のようなことを言っていますが、旧物品税の苦難の歴史を少しは知ってもらいたい。私は担当者だったんですよ、そんなに長くやったわけじゃないですが。しかし、この苦しみを皆さん余りにも知らなさ過ぎる。このことを皆さん御存じいただきたいと思うんです。ヤジこういう程度の議論しかできないんです、この人たちは。
 その物品の掲げる問題についても、公平性の観点から大変な問題があるんです。実は納税義務者を特定しなきゃならない、蔵出しだとかあるいは小売課税も、これも大変なんです。かばん屋さん一つのことを考えてもわかるでしょう。一回限りの、一段階の課税だとこういう苦しみを味わうわけですね。大変な実は行政コストがかかるんですね。
 それから、物品税というのは品目的に課税物品が選べればいいんですが、品目はこれ、まあどうかと思うんだけれども、高いやつもある低いのもある。家具なんかそうですね。免税点を置くでしょう。そうすると経済活動は大変なゆがみを起こしちゃうんですよ。免税点以下のものをつくろうとして大変なゆがみを起こす。こういうことも大変な問題の一つであります。
 それから、製造業者庫出税でございますからね。製造業者庫出税というのは、物が製造されたか製造されないかということを一つの物で追っかけていくんです。ですから、どっかちょっとそこへ行って加工してもらうというときに、未納税移出というまことに手間のかかる仕事をさせられるんですよ。もう未納税移出なんてとんでもないというのが、皆さん課税業者だった人たちの気持ちですよ。
 それからサービス。伊藤先生は、まだサービスは独立したものだと思っていらっしゃる。ところが実際はそうじゃない。
 私は、ウインドー型のエアコンと、セントラルヒーティングというのでしょうか、ファンコイル型のエアコンが出たときに、これは本当に悔しい思いをしたですな。安い方はどっちかというとウインドー型なんですね。それでセントラルヒーティングで一つの家全体が冷暖房できるようなものに手足が出なかった。――了解とっているのだから大丈夫、余分なこと言わないで。内部で調整しているんだから。まじめな議論しているんだから聞いてください。
 それから業務用のものを外すということ、これは皆さん同じことですよ。冷蔵庫ができたときに、四百リットル以上のものを我々は外しましたよ。四百リットル以上のものは商売屋が使うんだから、物品税は消費税ですから、商売屋が使うものは課税しちゃいけないんですね。ところがどうですか、お金持ちは四百リットル以上の冷蔵庫を家の中へ持っちゃうんですよ、これも悔しい思いをしたんです。
 そういうように、個別物品税の困難というのは、今、私のわずかの間の勤務の経験で、主税局から聞いたんじゃないですよ、私の記憶、乏しい記憶力に残っているそういう話として申し上げただけでも、このぐらいです。
 それで最後にどうなったかと申しますと、OAとか冷暖房つきの自動販売機、あれに課税すると主税局に言ってきた。私は断々々固として反対した。これは物品税の歴史で自殺行為だ、何で業務用と個人の消費者用の区別のつかない物品にまでこんなものを課税するんだと言って、これはつぶしました。
 そういう歴史から、いよいよ個別物品を拾い集めるということは、これは限界だ。主税局の職員というのは、今は、やっているかどうか知りませんが、私がいた当時は、夏休みはデパートの八階からずっと下まで、何か新しいものが出ていないかと探し歩くんですよ、皆さん。そうやってやってもそういうところにまで来てしまったというのが実情なんです。そのことをよくお考えいただきたいということであります。
 それから、最後にお聞きしたいのですが、サービスと流通というのをこの基本法案で載っけていますね。これが我々実にわかりにくいのです。考えようがないのですよ。特に流通ですね。中村さんに聞くと、流通でございまして課税負担の帰着があいまいなものでございますなんて言って、何か流通税の教科書に書いてあるようなことを言うのですね。これは印紙税とか登録免許税のことでございますよ。それで、伊藤先生に聞くと、いや、個別間接税をやりますとサービスと流通が抜けるのですというようなことを言うのですね。そうすると、私なんか、これは個別間接税というのをメーカー庫出税でやるということをお考えで、そうすると卸とか小売のいわゆる物品販売業が抜けるということで、これに課税しようとしているのかなと思ったりするのですが、いかがですか。
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中村正男#21
○中村(正男)議員 物品税の問題だけに限ってお答えしたいと思います。
 私ども、物品税にはいい点とそして問題点と両方あると思うのです。先ほど委員が言われましたように、私もOA機器に対する物品税の適用については反対の立場で物特で論議をした経験がございます。
 問題点でありますけれども、何よりもやはり課税対象品目の課税、非課税のアンバランス、負担の不均衡というのが一番大きな問題ではないかと私は思うのです。しかもそれはかなり政治的に、また人為的に過去長い歴史の中でゆがめられてきた、そういう点が一番問題だと思います。だからといって、これをすべてなくして一律に消費税でもってカバーするということには、私はストレートに賛成できない。ある一面この物品税にも評価をされる点があるわけです。それは、一つは徴税コストがいわば少なくて済むということ、それから納税義務者が少ないということ、それから逆進性が、お嫌いでしょうけれども緩和をされる、そういう長所もあるという意味合いで、いわゆる税制改革協議会ではそういったことも含めて新たな間接税のありようとして検討いただきたい、このように思っております。
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柳沢伯夫#22
○柳沢委員 あらかじめ今までの議論の前に用意された御答弁でございますから、それはそういうことでやむを得ないでしょう。
 最後に私、一言申し上げておきますが、皆さん方のお立場というのは、私は政治的な戦術としては理解できます、正直言って。私も同じ立場になればひょっとしてやったかもしれないなぐらいに思いますよ。というのは、新税は悪税なんです。はっきりしているんです。新税をやったらどんなにうまくやったとしても反発がないという状況は考えられないです。これは税の本質ですね。ですから、そのエネルギーを野党の人たちに利用するなと言ったって、それは無理というものでありまして、これはこれでわかるわけであります。
 それで、じゃ、与党はのんだと。私はよく選挙区で言うんですがね。みんな文句言うのはわかっているんだ、わかっているんだけれども、私は政権政党に属しているから、私は賛成するんだ、推進しているんだと言っている。何ですかと言うから、それは責任というものですと。幾らその反発が予想されるものだって、責任でやらざるを得ない。私はあえて言いますよ。為政三部書に、責任どころじゃない、任怨という言葉がある。うらみに任ずるです。うらみに任じましょう。為政者の片棒をかついでいる陣がさ代議士かもしれないけれども、一員だ。だから、うらみに任じましょう。任怨ですよ。皆さん、そういう気持ちが与党議員の気持ちだということを知ってもらいたいということであります。
 そして、皆さん方に申し上げたいことは、要するに、もうそろそろそういう政治的財産も効果が減衰していますね、新税でなくなっているわけだから。これをさらに来年の四月の統一選挙までどうしても持っていって有利に展開しなきゃという、そういうさもしい気持ちはそろそろもうやめにしたらどうだろうか。これ以上やったら、今度は逆に、与野党議員ともに知的怠慢だと言われますよ。政治的にはわかるけれども、知的には怠慢だねと言われますよ。
 以上です。
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山崎拓#23
○山崎委員長 これにて柳沢君の質疑は終了いたしました。
 小杉隆君。
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小杉隆#24
○小杉委員 柳沢先生から理論的にいろいろと質疑が行われましたので、私は、観点を変えまして質問をしたいと思います。
 もう既に消費税を含むこの税制改革につきましては、昨年の参議院の審議あるいはまたことしも、今回もずっと行われてきているわけでございますが、この消費税をめぐって行われました昨年の参議院の選挙のときに、野党特に社会党が躍進をいたしました。その後、ことしの衆議院におきましてはこれは敗退をしたということでありますが、この原因について改めて伊藤さんからお聞かせいただきたいと思います。
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伊藤茂#25
○伊藤(茂)議員 昨年の参議院選挙は、日本の政治に劇的な大きな変化を与えました。また、先般の総選挙でも大きな御支援を社会党はちょうだいしたわけであります。
 その経過を振り返ってみますと、何といっても消費税への国民の怒りというものが大きな要因であったと思います。それに加えまして、政権交代のない四十年余りの日本の政治というものの中でさまざまの腐敗が起きたことに対する国民の怒り、三点セットとかいろいろなことがございますけれども、それが何といっても大きな原因となってこのような選挙の結果があらわれた。私といたしますと、やはりともに消費税廃止のためにやってまいりました野党全体が平等で勝利すれば本当によかったなという気持ちも強く持っております。
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小杉隆#26
○小杉委員 それでは、ことしの衆議院で野党がトータルとして敗北をした、この原因は何だとお考えですか。
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伊藤茂#27
○伊藤(茂)議員 私どもの土井委員長が、半分の勝利と申しました。社会党は、復元と申しましょうか、議席をふやしていただきましたが、ただ、共同で目的とした与野党逆転というものが衆議院では実現しなかったという意味で、半分の勝利というふうに率直に私ども評価をいたしておるわけであります。
 なぜそうなったのかということを考えてみますと、今までの議論の中でも申しましたように、国民の最大の関心事の一つであった消費税についても、争点隠し、あるいはまた有力な与党の議員が消費税廃止を公約するというふうなさまざまなことがあったと思います。また、正直申しまして、今までにない膨大なお金の選挙が行われたというようなことが重なりまして、確かに私どもの方から政権交代の鮮明な見取り図を出せなかったということも私ども反省がございますけれども、重なって、このような結果になったというふうに考えております。
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小杉隆#28
○小杉委員 私は、今いろいろ理由を挙げられましたけれども、参議院で野党が勝ったというのは、まだ野党の消費税に対する全貌というものがはっきりしない、ただ廃止ということだけで国民の共感を得たということであった、その結果として勝利が得られたと思います。
 しかし、その後衆議院に至って、それでは廃止をするという社会党を初めそのほかの政党の人たちが、一体この消費税を含む税制改革についてどんな具体案を持っているのか、それを示し得なかったというところにやはり国民の不安があった。しかも、四党の間にも、先日来の論議にもありますように、物品税一つをとってもいろいろな不協和音が生ずる、こういうことであったと私は考えているわけであります。したがって、中身がはっきりしない、しかも安定した税制の姿が示し得ない、こういう中で今までのあらゆる努力がむだになってしまう、そういうことで、ことしの衆議院の選挙では、責任を持って見直しましょうという方がやはり支持されたというふうに考えるわけでございます。
 そこで、土井委員長は終始一貫、これはもうやるっきゃない、だめなものはだめだ、こういうふうな非常に硬直した姿勢でありますけれども、選挙民に対してここずっと選挙公約に掲げてきた消費税の廃止というものが今の政治状況では実現できないということになった場合に、一体土井委員長はどういう責任を感じ、どういう方向にその責任を果たす方途を見出そうとしているのか、その辺をひとつ伊藤さんから聞かしていただきたい。
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伊藤茂#29
○伊藤(茂)議員 委員長にかわってという意味ではなくて、私どもの気持ち全体という立場でお答えをさせていただきたいと思います。
 お互いに政党はそうでございますけれども、選挙で国民の皆様に公約をしたことを最大限に誠実に努力をするということは言うまでもないことであろうと思います。したがいまして、現在私ども社会党は、建前だけではなくて、まさにそういう国民の気持ちを含めまして、基礎にしながら、私ども四野党結束をいたしまして廃止、再改革法案を提案をしている。きょうでまだ三日目でございまして、まだまださまざまの議論をしなければならないと思います。今までの議論を振り返りましても、それぞれお互いに攻撃的なさまざまの議論もございましたし、こういう点についてどう考えるのか、突っ込んだ御意見もございました。そういうものをもっと掘り下げて、委員会で、国会で議論するということが当面の大きな責任であろうと思います。
 ですから、私ども提案者といたしますと、道理の立場に立てば、白紙に戻してやり直そう、こういうお気持ちになっていただけるはずだという気持ちで提案をしているわけでありまして、だめになるから責任はどうするんだというようなことを今全然考えておりませんし、むしろ、おっしゃるならば、与党の見直し法案も同じようにだめというふうにマスコミで報道されております。政府の方がそれにどのように海部総理初め与党として責任をお感じになるのでしょうか。
 私は、そういうたたき合いではなくて、本当にこの税制全体を真剣に、国民の御納得を得るために勇断を振るってどうするのかということが今責務ではないだろうか、そんな気持ちで審議に当たらせていただいております。
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