柳沢伯夫の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)

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○柳沢委員 結構ですよ。結構ですけれども、私が言っているのは、徴税コストというのは、この前どなたかがおっしゃっておられましたが、要するにアダム・スミスの租税原則ですね、公明党の先生がおっしゃっていた中にも三つしか挙げない。その後ワーグナーが九つにしてしまったくらいの租税原則というのがあるわけですが、その三つしか挙げない中にも入っているぐらい重要な、現実的な税制をしく場合には避け得られない制度なんですね。
 ですから、皆さん方はその欠陥、程度問題だということなんですよ、これは。程度問題だったら程度問題らしい物の言い方もあろうし、それから議論の仕方もあろう。そんなものを、欠陥だ、欠陥だって、何かとんでもない、どうにもならぬようなことを言うのは、あなた方だけが神の高みにいて現実を批判する立場だ。だれも神じゃないんだから、やはり皆さんそこのところを踏まえた議論をしないと、これは天につばすることになりますよと言うんです。あなた方の旧物品税の復活だって大変な問題になっちゃうんですよ。そういうことを申し上げておるんです。
 それから、あなた方は旧物品税に返りたいと言っている――返りたいとは言ってない、まあ何かそんな感じの個別間接税のようなことを言っていますが、旧物品税の苦難の歴史を少しは知ってもらいたい。私は担当者だったんですよ、そんなに長くやったわけじゃないですが。しかし、この苦しみを皆さん余りにも知らなさ過ぎる。このことを皆さん御存じいただきたいと思うんです。(発言する者あり)こういう程度の議論しかできないんです、この人たちは。
 その物品の掲げる問題についても、公平性の観点から大変な問題があるんです。実は納税義務者を特定しなきゃならない、蔵出しだとかあるいは小売課税も、これも大変なんです。かばん屋さん一つのことを考えてもわかるでしょう。一回限りの、一段階の課税だとこういう苦しみを味わうわけですね。大変な実は行政コストがかかるんですね。
 それから、物品税というのは品目的に課税物品が選べればいいんですが、品目はこれ、まあどうかと思うんだけれども、高いやつもある低いのもある。家具なんかそうですね。免税点を置くでしょう。そうすると経済活動は大変なゆがみを起こしちゃうんですよ。免税点以下のものをつくろうとして大変なゆがみを起こす。こういうことも大変な問題の一つであります。
 それから、製造業者庫出税でございますからね。製造業者庫出税というのは、物が製造されたか製造されないかということを一つの物で追っかけていくんです。ですから、どっかちょっとそこへ行って加工してもらうというときに、未納税移出というまことに手間のかかる仕事をさせられるんですよ。もう未納税移出なんてとんでもないというのが、皆さん課税業者だった人たちの気持ちですよ。
 それからサービス。伊藤先生は、まだサービスは独立したものだと思っていらっしゃる。ところが実際はそうじゃない。
 私は、ウインドー型のエアコンと、セントラルヒーティングというのでしょうか、ファンコイル型のエアコンが出たときに、これは本当に悔しい思いをしたですな。安い方はどっちかというとウインドー型なんですね。それでセントラルヒーティングで一つの家全体が冷暖房できるようなものに手足が出なかった。――了解とっているのだから大丈夫、余分なこと言わないで。内部で調整しているんだから。まじめな議論しているんだから聞いてください。
 それから業務用のものを外すということ、これは皆さん同じことですよ。冷蔵庫ができたときに、四百リットル以上のものを我々は外しましたよ。四百リットル以上のものは商売屋が使うんだから、物品税は消費税ですから、商売屋が使うものは課税しちゃいけないんですね。ところがどうですか、お金持ちは四百リットル以上の冷蔵庫を家の中へ持っちゃうんですよ、これも悔しい思いをしたんです。
 そういうように、個別物品税の困難というのは、今、私のわずかの間の勤務の経験で、主税局から聞いたんじゃないですよ、私の記憶、乏しい記憶力に残っているそういう話として申し上げただけでも、このぐらいです。
 それで最後にどうなったかと申しますと、OAとか冷暖房つきの自動販売機、あれに課税すると主税局に言ってきた。私は断々々固として反対した。これは物品税の歴史で自殺行為だ、何で業務用と個人の消費者用の区別のつかない物品にまでこんなものを課税するんだと言って、これはつぶしました。
 そういう歴史から、いよいよ個別物品を拾い集めるということは、これは限界だ。主税局の職員というのは、今は、やっているかどうか知りませんが、私がいた当時は、夏休みはデパートの八階からずっと下まで、何か新しいものが出ていないかと探し歩くんですよ、皆さん。そうやってやってもそういうところにまで来てしまったというのが実情なんです。そのことをよくお考えいただきたいということであります。
 それから、最後にお聞きしたいのですが、サービスと流通というのをこの基本法案で載っけていますね。これが我々実にわかりにくいのです。考えようがないのですよ。特に流通ですね。中村さんに聞くと、流通でございまして課税負担の帰着があいまいなものでございますなんて言って、何か流通税の教科書に書いてあるようなことを言うのですね。これは印紙税とか登録免許税のことでございますよ。それで、伊藤先生に聞くと、いや、個別間接税をやりますとサービスと流通が抜けるのですというようなことを言うのですね。そうすると、私なんか、これは個別間接税というのをメーカー庫出税でやるということをお考えで、そうすると卸とか小売のいわゆる物品販売業が抜けるということで、これに課税しようとしているのかなと思ったりするのですが、いかがですか。

発言情報

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発言者: 柳沢伯夫

speaker_id: 2771

日付: 1990-06-14

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する調査特別委員会