尾崎護の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)

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○尾崎政府委員 フランスと西ドイツで付加価値税が導入されましたのが、正確に申しますと、現在のような形の付加価値税が導入されましたのが一九六八年のことなのでございますけれども、その前はどのような間接税体系であったかといいますと、御承知のとおり西ドイツはいわゆる取引高税、多段階で累積していくタイプの課税でございました。それから、フランスは既に古いタイプの付加価値税を持っていたわけでございますけれども、それは間接税体系の一部を占めているだけのものでございまして、ほかにサービス供与税とか地方の小売売上税とか、そういうものが併存している状態にございました。それから、イギリスは仕入れ税ということでございまして、これは卸売段階、製造段階で個別に掲名した物品のみを対象として課税を行うという、非常に日本の物品税に近いものでございました。そのような間接税体系の中で、特にフランスそれからドイツ等におきまして、その取引高税の課税の累積の問題、特に経済活動に対して中立性を欠くという問題が論議されまして、そういう論議の中から現在のタイプの付加価値税が生まれてきたわけでございます。
 よく、大きな税金ができるのは、戦争の機会でありますとか、あるいは戦後の財政の疲弊状態からやむを得ずというような、そういう話がなされるわけでございます。事実、所得税を初めとしてそういう歴史を持っているわけでございますけれども、この付加価値税につきましては、合理的な税制という議論の中から生まれてきて、全く戦時ということとは関係なしに一九六八年、それに先立つECの設立というようなことを背景としてできてきた、非常にそういう意味で議論を尽くしてつくられた、合理的な、冷静な税であるということが言えるのだろうと思います。
 西ドイツ、フランスは一九六八年、EC設立直後にその制度を入れたわけでございますけれども、イギリスの場合にはしばらくおくれまして、イギリスのEC加盟というような時期に合わせまして一九七三年に付加価値税が導入されているわけであります。そのころのイギリスの議論というのを見てみますと、仕入れ税のようなものでは生活水準の上昇につれて奢侈品とそれから生活必需品の区別が困難になる。それから、特定の物品に課税されて他のものに課税されないというアンバランスが問題だ。それから、サービス支出が非常に増大している中で物品にだけ課税するということで、消費に対して中立的でない。ちょうど我が国で行われましたような議論がイギリスで行われまして、そして仕入れ税から付加価値税に変わるということになったわけでございます。ヨーロッパの先例を見ますと、我が国の例に一番近いのはイギリスであろうかと思いますが、西ドイツは取引高税でございますから、課税ベースの広い間接税からより合理的な課税ベースの広い間接税に移った、フランスは古いタイプの付加価値税を既に持っていたというところで、若干情勢の違いがございます。

発言情報

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発言者: 尾崎護

speaker_id: 15983

日付: 1990-06-18

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する調査特別委員会