税制問題等に関する調査特別委員会

1990-06-18 衆議院 全253発言

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会議録情報#0
平成二年六月十八日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 加藤 紘一君 理事 工藤  巌君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 佐藤 敬治君
   理事 村山 富市君 理事 和田 静夫君
   理事 渡部 一郎君
      伊吹 文明君    太田 誠一君
      岡田 克也君    奥野 誠亮君
      金子 一義君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    古賀  誠君
      桜井  新君    笹川  堯君
      鈴木 宗男君    住  博司君
      田原  隆君    高鳥  修君
      鳩山由紀夫君    平沼 赳夫君
      藤井 裕久君    町村 信孝君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      柳沢 伯夫君    大木 正吾君
      嶋崎  譲君    鈴木喜久子君
      筒井 信隆君    戸田 菊雄君
      中沢 健次君    早川  勝君
      武藤 山治君    安田 修三君
      渡辺 嘉藏君    井上 義久君
      小谷 輝二君    日笠 勝之君
      山田 英介君    東中 光雄君
      正森 成二君    吉井 英勝君
      中井  洽君    柳田  稔君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 長谷川 信君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        厚 生 大 臣 津島 雄二君
        自 治 大 臣 奥田 敬和君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 塩崎  潤君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      相沢 英之君
 出席政府委員
        総務庁長官官房
        審議官     杉浦  力君
        総務庁人事局長 勝又 博明君
        経済企画庁調整
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画庁国民
        生活局長    末木凰太郎君
        経済企画庁物価
        局長      田中  努君
        経済企画庁総合
        計画局長    冨金原俊二君
        法務省民事局長 清水  湛君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        大蔵省主計局次
        長       寺村 信行君
        大蔵省主計局次
        長       藤井  威君
        大蔵省主計局次
        長       小村  武君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        大蔵省理財局長 大須 敏生君
        大蔵省証券局長 角谷 正彦君
        国税庁直税部長 福井 博夫君
        厚生大臣官房総
        務審議官    加藤 栄一君
        建設大臣官房総
        務審議官    福本 英三君
        自治大臣官房総
        務審議官    芦尾 長司君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治省行政局公
        務員部長    滝   実君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
        自治省財政局長 持永 堯民君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
委員の異動
六月十八日
 辞任         補欠選任
  佐藤 敬夫君     桜井  新君
  林  義郎君     古賀  誠君
  中沢 健次君     小林  守君
  吉井 英勝君     東中 光雄君
  中井  洽君     柳田  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀  誠君     住  博司君
  小林  守君     中沢 健次君
  東中 光雄君     吉井 英勝君
  柳田  稔君     中井  洽君
同日
 辞任         補欠選任
  住  博司君     林  義郎君
    ─────────────
六月十八日
 消費税法の即時廃止に関する請願(伊藤茂君紹介)(第一六七一号)
 同(河上覃雄君紹介)(第一六七二号)
 同(富塚三夫君紹介)(第一六七三号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第一六九九号)
 同外五件(岩垂寿喜男君紹介)(第一七一〇号)
 同(加藤万吉君紹介)(第一七一一号)
 同(田川誠一君紹介)(第一七一二号)
 同(江田五月君紹介)(第一七二七号)
 同(伏木和雄君紹介)(第一七二八号)
 同(江田五月君紹介)(第一七三七号)
 同(江田五月君紹介)(第一七三九号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第一七四七号)
 同(江田五月君紹介)(第一七四八号)
 同(菅直人君紹介)(第一七四九号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第一七五〇号)
 同(池田元久君紹介)(第一七八九号)
 同(江田五月君紹介)(第一七九〇号)
 同(大出俊君紹介)(第一七九一号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第一七九二号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一七九三号)
 同外九件(岩垂寿喜男君紹介)(第一八七一号)
 同(江田五月君紹介)(第一八七二号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一八七三号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第四号)
 消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第五号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第六号)
 税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出、衆法第七号)
 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
     ────◇─────
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律
案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、去る十五日に引き続き、特に、内閣提出の法律案について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。早川勝君。
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早川勝#2
○早川委員 おはようございます。
 いわゆる政府の見直し案を中心に伺わせていただきますが、六十二年、六十三年以降の時間を含めてですが、今回の税制改正が消費税を軸にして行われておりますけれども、全体の税制改正についてその背景、その理由、そういったものについて、再三答弁されておりますけれども、またお願いしたいと思います。
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橋本龍太郎#3
○橋本国務大臣 委員がよく御承知のように、昭和五十年代の前半から、国民の政治に対する要望の中に、税制改正を求める声が次第に大きくなりました。そして五十年代の後半になりますと、税負担が直接税、とりわけ給与所得に対する課税に偏る一方で、消費に対する課税のウエートがだんだん低下をしていく。サラリーマンを初めとして納税者の重税感、不公平感というものがそうした中で次第に高まってまいりまして、税制に対するさまざまなゆがみ、不公平というものが目立つようになり、後半になりますと、政治に対する要望の中の首位を税制改正に対する要望というものが占める状態になってまいりました。
 そうした中におきまして、税制改正に対する論議というものは急速な高まりを見せていったわけでありますけれども、一方では高齢化というものが急速に進展する。これが現実の問題となり、一体従来の税制のままでさらにこのままの状態が続けば、まさにそのサラリーマンを初めとした給与所得者のところ、若い働き手世代というものに非常に大きな税負担がかかってくる、そうした心配の声も出てくるようになりました。そうして、国民の負担というものが働き手世代の稼得する勤労所得に直接の負担としてあらわれてくるということも、やはり改正に至る大きな原因であったと私は思います。こうした中で、税制に対する国民の信頼が失われることにもなりかねない、一日も早い新たな税制への取り組みというものが要望されておったわけであります。
 こうした中から、先般の税制改革というものは所得課税の負担を軽減する、消費に対しても広く薄く負担を求める、また資産に対する負担を適正化する、こうしたことをもって国民が公平感を持って納税し得る税体系を構築しよう、こうしたことを目指して行われたものである、私はそう理解をしております。そして、この税制改革が定着することによりまして、我が国の経済社会における活力というものを維持しながら国際化に対応し、二十一世紀に向かって進んでいくことができる、私はそう理解をいたしております。
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早川勝#4
○早川委員 大臣が言われたことはそのとおりだと思うのですが、売上税、廃案になったわけでありますけれども、あの当時大蔵省がつくりました「二十一世紀に向かって 税制改革のあらまし」というパンフレットがあります。そこでは、今大臣の説明された内容が要領よく実は整理されておりまして、ここには六点書いてあります。一つは産業・就業構造の変化が起きている。そして人口の高齢化が進んできているし、これからもさらに進んでいく。それから国際化の進展。それから税に対して不満、不公平感が高まってきているということだと思います。そしてまた、国民の消費の多様化・サービス化が進んできている。六番目が所得水準の上昇と格差の縮小ということで、それに関連してシャウプ勧告当時と昭和六十年時点での比較等が出ている数字もあるわけですけれども、これは今もってその必要性については変わっているのか変わっていないのか。つまり、売上税と消費税ですとここに二、三年しか時間差はないわけですけれども、この点については、これは主税局長に伺った方がいいのかもしれませんけれども、よろしいですか。
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橋本龍太郎#5
○橋本国務大臣 広く薄く国民に御負担を願う間接税の仕組みを採用するという点では、私は消費税と売上税との間に考え方においての差異はないと思っております。そして、そういう考え方のもとには、従来の個別物品税を中心とした間接税体系というものが先進諸国の中で既に完全に時代おくれの税制になってしまったという視点もあったと私は思います。しかし、結局売上税について非常に大きな御論議が出てまいりました中から、その御批判というものを踏まえて改めて考え直し、消費税を組み立て、そして御審議を願い、今日に至っている、私はそう理解をいたしております。
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早川勝#6
○早川委員 この六点今指摘したわけですけれども、こういった必要性というのか、社会の変化と言えばいいと思うのですけれども、そういった点で見たときに、所得水準の上昇と格差の縮小ということで、確かにシャウプ勧告当時と比べますと、五・九が二・六とか二・九倍、第一分位と第五分位の差がそれぐらいに縮小した、こうよく言われるわけですが、経済企画庁長官に、最近の国民生活白書だとかあるいは経済白書の分析を通じまして、所得水準の上昇という問題もそうなんですが、この格差の問題についてどういった分析をされて、どういった認識をされているか、御説明をいただきたいと思います。
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相沢英之#7
○相沢国務大臣 いわゆる所得格差がどういうような推移になっているかという御質問の趣旨でございますが、所得格差は、過去の経緯から見てみますと、大体景気がよくなっている時期には縮小をし、景気後退期には拡大をする、こういう循環的な動きが看取されるわけでございます。最近の傾向としては、おおむね横ばいで推移をいたしております。
 御承知のように、所得については全体を五分割いたしまして、第一分位から第五分位までの区分をいたして、その間にいろいろと比較をいたしておりますが、この所得の少ない第一分位に対する所得の多いグループである第五分位の間の比率をとってまいりますと、平成元年は二・九倍であります。これを十年前の昭和五十五年に比較をいたしますと、昭和五十五年は二・七倍でありまして、その限りにおきましてはそう大きな変化はないということであります。ちなみに、平成元年の第一分位の可処分所得は二百九十万九千円、それから第五分位が七百六十七万三千円。これは各分位の可処分所得の単純平均でございます。そういうことで、それほど大きく振れはないというふうに見ているのでございます。
 なお、所得のいわゆるジニ係数というのがありまして、これは所得の分配の均等度を簡便に測定するための指標で、一とゼロとの間にありまして、ゼロに近ければ近いほど分配が均等である、こういうことを意味する指数でありますが、そのジニ係数を見てみますと、二十年前の昭和四十五年が全世帯で〇・二五三三、それに対しまして平成元年が〇・二七二六ということであります。若干この係数は上がっておりますけれども、それほど大きな動きは認められないということであります。
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早川勝#8
○早川委員 確かに四十五年とか、この二十年くらいのタームで見るとそういう結果があると思うのですが、経済企画庁の国民生活局が調査し発表しております「国民生活指標」というのがあると思うのですが、それを見てみますと、国民生活と格差ということが分析されております。
 そこでは、「国民生活にかかる格差は、総合化指数をみると近年拡大傾向にあるが、格差にも様々な側面があり、これらが一様に拡大傾向にある訳ではない。」こう言っているわけですが、例えば所得の地域間格差を分析されているわけです。こういう指摘がされております。「所得の地域間格差を格差係数でみると、五十五年以降拡大傾向がみられる。また、所得の最も高い県に比べ、」これは六十一年までの数字ですから、最も高い県、これは東京なんですけれども、高い県に比べ最も低い県、これは沖縄は半分程度である。つまり、所得の地域間格差は拡大傾向をずっとたどってきてい
るという指摘ですね。それから、高齢化の地域間格差についてもやはり触れられているわけですが、最も高齢者の比率が低い県が埼玉県で、高いのが島根県だ。これは倍以上の開きがある。つまり、高齢化比率ですね。
 それから、税負担の公平についても、これは三年おきに国民生活選好度調査が行われていると思うのですが、昭和五十三年から六十二年までの数字が出ております。この税負担の公平が進んでいるか広がっているか、満足しているかしていないかという数字ですね。昭和五十三年が四五・四%が満足していない、不満である。以下、三年ごとにですが、四七・八%、五五・九%、そしてこれは六十二年ですが、五九・五%。つまり、不公平感を持っている人、不満を持っている人が比率がどんどん上がってきているわけですね。
 確かに六十三年、税制改正をやって、この五九・五という数字が、例えば生活調査をやった場合六十二年ですからことしになるわけですか、やる年度が。この五九・五というのが下がる、そういった自信、大臣お持ちですか。まずこの税制改正の不満との絡みで。
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橋本龍太郎#9
○橋本国務大臣 今委員がお述べになりました数字は、それぞれにさまざまな読み方、また問題点を含んでおる数字であると思っております。そして順番を逆さにお答えを申し上げて、最後の部分を先にお答えをさせていただくといたしますと、私は必ずしもその自信を持っておりません。
 なぜなら、土地というものについて、持っておられる方と持っていない方の間における資産格差、そしてそれに伴う不公平感というものはむしろ増大していると私は思っております。そうしますと、こうした要素が今回の調査の中にどう反映するのか、これを切り離してお考えがいただけるものなのかどうかという点になりますと、これは私は必ずしも国民の意識の中で切り離されてはいないと思うのです。
 そうしますと、その税体系、いわば所得税あるいは直接税と間接税の対比の中で、通常の生活感覚から議論をしていただける場合と資産課税の部分に踏み込んだことまでを含めて考えていただく場合と、相当私は差異があると思います。ですから、その点で私は必ずしも、今委員が自信があるかとお問いかけをされるなら、そうした土地というものに絡む部分がある限りにおいて、自信がありますと申し上げる自信はありません。
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早川勝#10
○早川委員 経済企画庁長官がお見えですから、重ねて、つまり格差の問題で、先ほど所得格差について言われたのですが、もしおわかりでしたら、傾向だけで結構ですので、賃金の企業規模間格差というのは縮小傾向をたどっているのか、拡大傾向をたどっているのかどうか。賃金、給料です。給料の企業規模における格差、拡大傾向にあるのか縮小傾向をたどりつつあるのか。
 それからもう一つは、資産格差について今大蔵大臣も触れられましたけれども、とりわけ最近の資産格差というのは広がっていると私は思うのですけれども、この二つの格差の問題について傾向をどう見られているのか、お答えいただきたいと思います。
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相沢英之#11
○相沢国務大臣 賃金の企業規模間の格差について申し上げますと、これは第一次石油危機後若干拡大傾向にございます。企業規模千人以上の平均賃金に対しまして企業規模が百人から九百九十九人まで、つまり千人の次のクラスであります。千人以上に対しまして百人から九百九十九人までの規模の平均賃金、それから十人から九十九人までの平均賃金の割合を見ますと、それが四十八年には九六・七%、あるいは九七・八%でありましたものが、六十二年には両者とも前年より低下して八五・八%あるいは八二・一%というふうに、その間の格差が若干拡大をいたしております。これは主として企業規模の千人以上における賃金の上昇が賃金全体の上昇よりもやや大きかったということが原因になっているわけでございます。ですから、ひところ賃金格差が大分縮まってまいりましたが、石油ショック後そういうことで若干開いている、そういう傾向はございます。
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早川勝#12
○早川委員 そうしますと、先ほど六点、税制改革の必要性、所得格差……。
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相沢英之#13
○相沢国務大臣 資産格差の問題でございますが、これは先ほど大蔵大臣の答弁にもございましたように、私どもも、やはり地価の急激な上昇に伴うところの土地資産の価格の上昇が、非常に資産格差が大きくなったという実感を強くしているのではないかと思うのであります。
 ちなみに、これは家を持っておられる方、持ち家の方の土地資産額を推計をいたしたものがありますが、これは総務庁の家計調査に基づきまして、住宅の敷地の面積に各所在市町村の住宅公示地価、これは国土庁の資料であります、その公示価格を乗じてその持ち家の資産価格を算定をいたしております。無論住居もこれに含めて考えなければならないわけでありますが、それは一応除いてあります。
 そして、第一分位の人は余りそういう土地資産を持っておられませんのでこれを外しまして、第二分位と第五分位との間で比較をいたしてみますと、昭和五十五年は第二分位、四分位の中では一番低いところでありますが、それが三十九万円に対しまして第五分位で三千三十八万円、これは相当な開きには無論ございますが、昭和六十年では第二分位が二百七十八万円に対して第五分位が五千五百七万円、約二十倍という開きであります。それが昭和六十二年になりますと、第二分位の百六十六万円に対しまして第五分位が九千八百六十四万円ということで、アバウトでありますけれども、約六十倍の開きにございます。昭和六十三年も、これは第二分位が百五十二万に対して第五分位が九千四百四十一万円、若干ちょっと低くなっておるのは何かの加減かと思いますが、やはり倍率からいいますと六十倍という数字が出ております。
 でありますので、地価の高騰がいわゆる資産保有に関するところの格差感を非常に大きくしているということは、これらの数字から見るとうかがい知れるところでございます。
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早川勝#14
○早川委員 丁寧なお答え、ありがたいのですけれども、時間の関係で傾向だけお答えいただきたかったと思ったのですが、私の方で言います。
 賃金格差もよく見ていると拡大傾向に変わってきている。そうすると、シャウプのときと売上税、六十一年、六十二年ぐらいのタームで、長期間で比べると確かに格差は縮まっているけれども、最近は広がりつつあると言われたのですね。事業規模間に賃金の、つまり勤労者が大手に働くのか中小で働くのかによって格差が広がってきている。それで地域間格差も、先ほど言ったように所得について言えば拡大傾向にある。
 それから、今長官がお答えになりましたけれども、もっと端的には平成元年度経済白書に次のような指摘がされているわけです。金融資産格差の動向を分析されて、その結論的には「所得分配と比較して資産分配の不平等度のほうが高い」。つまり金融資産を持っているか持っていないかというのは、所得以上に、その差以上に大きいということを言っているわけですね。それから土地等を含めまして、住宅等を含めまして実物資産についてはどうかということなんですが、「五十九年から六十三年にかけての地価上昇により不平等度が高まっていることがわかる。」今ですと、この傾向はもっと高まっているというふうに思います。そうしますと、所得水準の上昇があったけれども格差が縮小した、こういうのがある面で経済的には非常に大きなバックグラウンドだと思うのですけれども、最近、簡単に言えば六十年度ぐらい、この五年間ぐらいだけを見てくるとだんだん広がってこようとしている、そういう傾向をたどるのじゃないかなと不安を持つわけですね。
 そうしますと、消費税を入れて所得と消費と資産とのバランスを考えるのだと、こう言われているのですけれども、あの改正の中では、資産のところの改正の中身を見ますと、相続税を減税したり、それから株については総合課税原則だけれども分離課税にするとか、そういった措置をしたことを考えると、そしてその一方で消費税を広くか
けていった、逆進性があるかどうかなんてこれは言わずもがなで、それ自体あることははっきりしているわけですから、そういったことを考えますと、最近の生活、所得、資産拡大傾向を考えた場合、あのときの税制改革で何が落ちていたのかといいますと、資産課税のところが落ちていたのじゃないか、あそこをもっときちんとやるべきだったのじゃないか、順序からしてもそうではなかったのかというふうに考えるわけですけれども、この点、大蔵大臣はいかがですか。
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橋本龍太郎#15
○橋本国務大臣 しかし、今の御指摘に対して私一つ挙げたいと思いますのは、今挙げられた数字は税制改革以前のものをベースにした調査結果である。だからその後における変化というものは、実はまだ数字として必ずしも把握をされていないのではなかろうかということが一点であります。そしてそれにもかかわらず、先ほど私は、自信があるかと言われて、自信はないと申し上げました。そしてその資産課税という点については、私は委員の御指摘を必ずしも全面的に否定するものではありません。ただ、委員自身もお認めをいただきましたように、従来原則非課税でありました有価証券取引というものに原則課税というルールを当てはめたこと等、資産課税についてもその適正化の措置はとってきたわけであります。
 ただ、問題は土地というところになるわけでありまして、これについては従来からたびたび申し上げてまいりましたように、土地税制というものをどういう視点から運用すべきかというその基本哲学が確立していない時期において、私どもとしては土地税制というものについての対応は非常に困難があったということは御理解がいただけると思うのであります。これは手順を間違えたという御指摘でありますけれども、私どもとして申し上げるなら、必ずしもそうではなく、問題意識は持っておりながら土地税制というものをどちらに一体誘導すべく、例えばよく申し上げるように持っている土地を手放させる方向に向かわせるのか、持っている人たちが持ち続けられるような税制を考えるべきなのかという基本ルールそのものが存在しない中で、対応に非常に問題があったということは申し上げなければならないと思います。そして現在、そうした視点からの努力をしておることも、委員御承知のとおりであります。
 ただ、もう一つの問題点は、所得格差が拡大していくのではないかという御指摘でありますが、私は、これには二つのポイントを加えていただかなければならないと思います。
 一つは、高齢化の進展に伴う高齢者世帯の増加というものは、統計上は世帯間の所得格差を拡大する方向に働くのではなかろうか、稼得能力の点において。
 もう一つは、婦人の地位向上に伴って婦人の就労機会というものが拡大してきた。そして、その中において特に大きく変化したのは妻の就業形態でありまして、かつて妻の就業というものは夫の所得で足りない部分を補完するという視点からの就労が中心であったものが、今ではそうした理由をはるかに超えて、それこそ男女雇用機会均等法等の中において積極的に、ただ単に家計の補助をするという視点とは全く異質に婦人の社会進出というものが行われ、これはやはり世帯間の所得格差というものを拡大する方向に働くのではなかろうか。私は、統計から見てそういう点は考えておいていただかなければならないと思うのであります。そして、むしろこれから先なお妻の就業、しかもそれはノーハンディで、男女雇用機会均等法をベースにしながらみずからの能力によって社会に進出していかれる、当然その所得というものはノーハンディで受けられる、こういうケースは私は当然ふえていくわけだと考えておりますから、世帯間格差というものはそういう点にも着目しないと所得格差が正確なものにはならなくなるのではないか。私は、こういう点も一つの問題点だと思います。
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早川勝#16
○早川委員 なかなか土地税制については基本的な方向が定め切れなかったからという答弁なんですけれども、やはりそこをきちんとすることが先決であって、消費税を入れることが先決ではなかったんじゃないかな、税制改革の順序としまして、そういうふうに私は今でも思っております。
 そこで、いろいろな背景の中で外国でも付加価値税が導入されたわけですけれども、また検討されている国もあるわけですけれども、どういった理由で、ヨーロッパ諸国でいいんですが、現在のようなEC型付加価値税、それぞれの国が共通税制に向かっているわけですけれども、その前段として付加価値税に行く前に、それぞれイギリスだとか西ドイツとかフランス、前段で持っていた税金があると思うのですね。それを整理して付加価値税に移行したということがあると思うのですが、全部とは言いませんが、重立ったところだけで結構ですので、御紹介いただきたいと思います。
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尾崎護#17
○尾崎政府委員 フランスと西ドイツで付加価値税が導入されましたのが、正確に申しますと、現在のような形の付加価値税が導入されましたのが一九六八年のことなのでございますけれども、その前はどのような間接税体系であったかといいますと、御承知のとおり西ドイツはいわゆる取引高税、多段階で累積していくタイプの課税でございました。それから、フランスは既に古いタイプの付加価値税を持っていたわけでございますけれども、それは間接税体系の一部を占めているだけのものでございまして、ほかにサービス供与税とか地方の小売売上税とか、そういうものが併存している状態にございました。それから、イギリスは仕入れ税ということでございまして、これは卸売段階、製造段階で個別に掲名した物品のみを対象として課税を行うという、非常に日本の物品税に近いものでございました。そのような間接税体系の中で、特にフランスそれからドイツ等におきまして、その取引高税の課税の累積の問題、特に経済活動に対して中立性を欠くという問題が論議されまして、そういう論議の中から現在のタイプの付加価値税が生まれてきたわけでございます。
 よく、大きな税金ができるのは、戦争の機会でありますとか、あるいは戦後の財政の疲弊状態からやむを得ずというような、そういう話がなされるわけでございます。事実、所得税を初めとしてそういう歴史を持っているわけでございますけれども、この付加価値税につきましては、合理的な税制という議論の中から生まれてきて、全く戦時ということとは関係なしに一九六八年、それに先立つECの設立というようなことを背景としてできてきた、非常にそういう意味で議論を尽くしてつくられた、合理的な、冷静な税であるということが言えるのだろうと思います。
 西ドイツ、フランスは一九六八年、EC設立直後にその制度を入れたわけでございますけれども、イギリスの場合にはしばらくおくれまして、イギリスのEC加盟というような時期に合わせまして一九七三年に付加価値税が導入されているわけであります。そのころのイギリスの議論というのを見てみますと、仕入れ税のようなものでは生活水準の上昇につれて奢侈品とそれから生活必需品の区別が困難になる。それから、特定の物品に課税されて他のものに課税されないというアンバランスが問題だ。それから、サービス支出が非常に増大している中で物品にだけ課税するということで、消費に対して中立的でない。ちょうど我が国で行われましたような議論がイギリスで行われまして、そして仕入れ税から付加価値税に変わるということになったわけでございます。ヨーロッパの先例を見ますと、我が国の例に一番近いのはイギリスであろうかと思いますが、西ドイツは取引高税でございますから、課税ベースの広い間接税からより合理的な課税ベースの広い間接税に移った、フランスは古いタイプの付加価値税を既に持っていたというところで、若干情勢の違いがございます。
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早川勝#18
○早川委員 そういう状況から考えますと、日本の今実施されているこの消費税というのは、いわば一足飛びに入ったような印象を否めないわけなんですけれども、そしてまた、それがために日本型のこの大型間接税の特徴というのは何かといい
ますと、単一税率であり、帳簿方式、簡易課税方式、限界控除制度、免税点、こういったとらえ方をしてよろしいですか。
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橋本龍太郎#19
○橋本国務大臣 お挙げになりました視点からは、そのようなことは言えると思います。
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早川勝#20
○早川委員 単一税率にした理由というのは、どういう理由になるわけですか。
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尾崎護#21
○尾崎政府委員 EC等の議論におきましても、税制の複雑化を防ぐために、基本となる税率のほかに軽減税率、割り増し税率、その二種類を認めましょうというようなことで、従来から限定的にすることが望ましい、できれば単一税率が望ましいというのが考え方の基本でございます。
 ただ、申し上げましたように、フランスは現在の付加価値税が始まります前から古いタイプの付加価値税があったということもございまして、やや制度が複雑になっておりますけれども、ドイツ等におきましては軽減税率があるだけでございます。それからイギリスは、そのスタートにおきまして若干他の国と違いがありましたものですから、EC等から批判されておりますゼロ税率を現在でも持っているというような状況でございます。そういう諸国の情勢を、あるいは諸国で行われている議論を考え合わせまして、また我が国の場合、当初導入を試みました売上税におきましても五%という定率の税でいくということでございましたので、売上税の場合その単一税率とそれから非課税を組み合わせることによって税制を組み立てよう、そういう考え方になったわけでございます。
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早川勝#22
○早川委員 単一税率の方は、制度の簡素化、そういったことのためにと言われたのですが、インボイスを、いわゆる伝票方式でない帳簿方式をとっているわけですね。これとの関係というのはあるわけですか。つまり、単一税率というのはインボイスがなくてもいいんだということなわけですが、帳簿方式だから単一税率でなくちゃいけないんだ、こういう関係ですね、ここをちょっと説明いただきたいのですが。
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尾崎護#23
○尾崎政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、売上税におきましては制度の簡素化、特に外国の事例、EC指令等を考え合わせまして、特に一番大きく影響したのは税率水準であると思いますけれども、単一の税率と非課税の組み合わせということで進んだわけでございますけれども、御承知のように消費税の議論に入りましたときには、売上税の際の議論の反省ということが非常に考え方の一つの基礎になっていると申し上げてもいいような情勢でございました。
 そこで、我が国の取引の実情に合わせてインボイスを使わない方式ということになりましたので、インボイスを使わない方式というところから出てきた結論は、単一税率の方がいいのだということは御指摘のとおりでございますけれども、それは売上税のときからそうなっていたわけでございまして、むしろインボイスを使わない帳簿方式だからということで議論の中心になりましたのは、非課税の部分をできるだけなくす、例外をできるだけなくすということであったと思います。非課税をふやす、あるいは複数税率にするということは、事業者にとりまして取引の際の税の取り扱いが複雑になるということでございますから、帳簿方式のもとでは税額票という有効な仕入れ控除の武器を持たないわけでございますので、そこはできるだけ簡単にしようということで、政策的に非課税とするものにつきましては、一番最終の段階でしか出てこないサービスの段階、つまり社会福祉の関係でございますとか、教育の関係でございますとか、医療の関係でございますとか、そういうところにだけ限って非課税を認めまして、事業者間同士の取引に出てくるようなものは全部一律の三%で、例外なしでいきましょうということになったわけでございます。
 御指摘のような面もございますけれども、私は、どちらかといいますと、帳簿方式にした結果、議論され取り入れられたのは、むしろ例外をできるだけ少なくするという点であったように思います。
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早川勝#24
○早川委員 そうすると、今回の見直しの中で例外、先日来、生活必需品云々と議論がありましたけれども、少なくとも広がったわけですね。また、税率も単一税率が望ましいわけだけれども、複数税率になったわけですね。そうすると、先ほどヨーロッパの例を紹介いただいたわけですけれども、基本的には、きちんと帳簿をつけてやっていた歴史の中で現在のような付加価値税に移行していったと思うのです。日本だけは帳簿方式をとった。そして、スタートした。売上税の反省からスタートした。ところが、今回の見直しの中では非課税を広げた、範囲を広げた、税率も複数になってしまった、こうなったわけですけれども、そうすると、そもそも消費税を入れたそのベースが若干、まあ崩れたとは言いませんけれども、揺れてきているんじゃないかなと思うのです。そうしますと、一体見直しの方がいいのか、前の消費税がいいのか、どう判断したらよろしいのですか。
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尾崎護#25
○尾崎政府委員 課税ベースの広い間接税としての消費税についての考え方が揺れてきているのではないかという御指摘でございますけれども、私はそういうことも言えようかと思います。と申しますのは、売上税の場合には非常に幅広く、各方面に配慮をいたしまして、例外といいますか非課税をかなり幅広く認めた制度であったわけでございますけれども、そうすることによってあるものが非課税となり、他のものが非課税とならないという、その境目の議論がたくさん出てまいりまして、それが不公平だという議論になったわけでございます。
 消費税の場合には、今度は先ほど申しましたように例外を極力なくしまして課税ベースを広くとりまして、そのかわり売上税の五%の税率から三%の税率にするということをしたわけでございますけれども、今度はそれに対します消費者の皆様、国民の皆様からの御意見は、少し配慮が足りなさ過ぎるんじゃないか。例えばお産のようなもの、あるいは食料品のように日常毎日のように取引するようなもの、そういうものについてまで同じ税率でどうかね、こういう御意見が出てまいったわけでございまして、その消費税のときにとりました思想そのものを国民の御意見が何であろうと貫くというようなお考えもあるのかもしれませんけれども、そこは初めて日本で行うものでございますから、初めての経験に対して国民の皆様がどういう反応を示すのかということは、これは非常に大切なことではないかと思います。よく御主張にございますように国民が納得できるような税制ということになりますと、それは理屈だけではなくて、やはり国民の感情、負担感、そういったものに対する配慮も必要であろうかと思います。
 そこで、帳簿方式のもとでどこまでのことができるのかというぎりぎりの議論をいたしました。基本的には、先ほど申しましたように取引に影響を与えるという点からサービスの分野で広げていくということ、お産でありますとか家賃でありますとかそういうことでございますが、三つ例外がございまして、一つは検定済み教科書、それから身体障害者用物品、この二つにつきましては、これは物でございまして取引に出てくるのですが、その取引の範囲が極めて限られている、限定された分野での取引であるので、これは一般的に取引に与える影響は小さいだろうというように考えました。もう一つは食料品でございます。これは非常に幅広く取引に関係してまいりますので、そのまま非課税にするということになりますとその影響は甚大であろうというように考えまして、そこで、いずれにしましても、食料品に関係した事業者の方々には今までよりかお手数を余計にかけることになるわけでございますけれども、しかし事業者間取引は軽減税率にしておいた方が取引の上での影響は少なくて済む。それから、軽減税率にしておいた方が最終段階での税負担の減というのを全部非課税にするよりか把握しやすい。したがって、消費者の利益のためにもいいというようなことで、そこで軽減税率というものが入ってきたわけでございます。それで最終段階につきましては、これはもう消費者が買う段階でございますか
ら取引に対する影響も比較的小さいということで、そこは非課税にするという方法をとりました。
 国民の皆様のいろいろな御意見を取り入れるに当たり、従来の消費税がスタートしたときの考え方とどの程度そこは折り合いをつけていくのかということでいろいろ考えた結果の見直し案でございますので、我が国の実情を考えました場合には、やはり今の見直し案の方が現行の消費税よりかは国民の生活等に適合するのではないかというように考えている次第でございます。
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早川勝#26
○早川委員 消費税をつくったときには、売上税と比較して非課税範囲を五十一から非常に、八つぐらいに縮小した。これは不公平だったからより公平にするためにできるだけ非課税の範囲は狭くした方がいいんだ、こういうことで消費税はつくられたんですね。しかし、今回はいろんな国民の声を反映させるためには非課税範囲を広げる。そうすると、売上税の五十一まではいかないとしても、国民の要求というのは、基本的に逆進性の問題がベースにあるわけですけれども、そうしますとこれもかけてほしくないというのが必ずあるわけですね。そうすると、消費税より見直しの方が国民に受け入れられるだろう、こう言われたわけですけれども、税制度として見ると不公平がちょっと広がったな、こういうとらえ方もできるんじゃないかと思います。
 それから、消費税の特徴である簡易課税制度というのは、例外的な措置なのか、特別なのか、これがよくわからないのですけれども、きちんと計算してやりなさいというのが、本則というのはあるわけですね。これが原則だと思うのですけれども、その例外が簡易課税制度というふうにとらえていいわけですか。
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尾崎護#27
○尾崎政府委員 小さい事業者の方々の納税手続を簡素化するための例外的な措置というように考えております。したがいまして、原則に従う、それに対して例外でございますから、簡易課税をわざわざ選択するという手続を必要としているわけでございます。
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早川勝#28
○早川委員 先日来の答弁の中で、一年たってどんな状況か調べてみるんだと、初めて簡易課税をどれぐらい選択されたか。ただ、今回届け出がもうちょっと伸びたようなことになっておるわけですから、また伸びるかもしれませんけれども、そういうことなんですが、ただ売上高五億円以下の事業者の九六%ですか、五%か七%ぐらいまでですね、対象。それから、ある調査したものを見ますと、小売業者の場合、売上高五億円以下のものは、写し違いじゃないかと思うんですけれども、九九・九%ぐらいだったんですね、事業者の数からすると。つまり、ほとんど五億円以下の売り上げの小規模事業者なんだと、小売の場合はですね。そうしますと、その人たちが全部とったとすれば、本則というのは小売業者の場合は〇・〇一%だから、本則で税額計算する人はいないようなものですね。ほとんど一〇〇%の人が、小売業者に関して言えば簡易課税制度を使っているということになっちゃうわけですね。
 それから、全事業者についても九七%ぐらいだ。これはまあ免税点制度についても同じことが言えるわけでして、六七%ぐらいですか。つまり全事業者のうち、大体例外というのは、普通に考えますと例外というのは半分に割った五〇%以下の場合が例外じゃないか。一〇%とか二〇%は例外だ。大宗は八〇、九〇あるいは六〇、悪くても六〇から七〇ぐらいは本来の本則でやる。だからそれが原則であって、少ない方が例外なんだ、こういうふうに思うんですけれども、今回の消費税で採用している簡易課税制度というのは、そういった観点から見ると、簡易課税制度の方が本則のような錯覚を持つんですけれども、この点はいかがですか。
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尾崎護#29
○尾崎政府委員 消費者の立場から見ますと、結局扱っている業者の割合がどうかということよりか、その全体の売上高につきましてどのぐらいのものが簡易課税あるいは非課税の対象になっているのかということではないかなという気がするわけでございます。したがいまして、御指摘のように九割を超える高い率で、業者の数でいきますと五億円未満の業者はそういうことになっているわけでございますが、売り上げベースで考えてみますと、一七、八%、二〇%を切る程度の売り上げがその対象になっているということでございます。間接税の場合、すべて消費者から見ますと価格の問題になるわけでございますが、売り上げという点からいいますとそういうことになっているわけでございます。
 それから、現実に簡易課税制度の選択状況というのを見てみますと、課税事業者のうち、課税事業者の届け出というのを提出する必要があるわけですが、その届け出をした方の中で売上高が五億円以下の方の中におきまして、簡易課税制度の選択届け出をした方が八割ぐらいでございます。全事業者を分母にして考えてみますと、七割程度が簡易課税の選択をしているということでございまして、必ずしも九割を超える方がすべて簡易課税というわけでもございません。
 それから、小売業の場合にはほとんどじゃないかという御指摘でございましたが、実は簡易課税で問題になっておりますのは、付加価値率が全法人の平均の二〇%からかけ離れている方々がございまして、そこにおかしな問題が生ずるという御指摘をいただいているわけでございますけれども、小売の場合には大体付加価値率が二割でございますので、簡易課税を選択なさっても一番本来の選択に近いところに、本則で計算したのに近いところになる分野のように思います。そういう意味で、簡易課税制度を仮にそれらの方々が選択なさったとしても、そこにおきますひずみといいますかゆがみは比較的小さい分野であるというように存じます。
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