吉田正雄の発言 (文教委員会)
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○吉田(正)委員 今お認めになっておりますように、日本の大学院教育というものがアメリカ等に対して非常に劣っておるといいましょうか大きな力を発揮し得ない状況になっている。その理由はいろいろあろうかと思うのですけれども、これは大臣ちょっと聞いておいていただきたいのです。これもある調査なんですけれども、大学院の学生の六〇%近くの者というのが自己資金で生活を賄っておる。米国では学生の生活支援体制というのが非常に整っておりますから、みずからの資金で生活を賄う学生というのは非常に少ないということが言われておるわけです。日本の場合、理工系では博士号を取得できないまま社会に出ていく人たちが現在約三割くらいなんですね。それから博士課程修了者は現在理学部で四〇%、工学部で二〇%が修了時点で無職なんです。だから仮に博士課程をもらったとしても今度は就職先がないという状況がまた出ておるわけなんですね。
こういう状況というものが大学院へ進む学生の数を少なくしている、また意欲をなくしておるということで、悪循環だろうと思っているわけです。そのことがまた大学院の質を低めておるということで、現在、もう大学院に残っている学生というのはどちらかというと質が余りよくないのじゃないか、立派な学生というのは全部民間一流企業に就職をしている、またそういう状況というものが相当続いてきたために大学院の教授の質も低下をしているのじゃないかというふうなことを辛らつに言う方も最近ふえているように思われるのです。
そういう点で、これは高等教育局長もよく聞いておいてもらいたいと思うのですが、この大学院の質を高めるという観点から、学生たちの経済的に自立できる条件、研究施設の充実整備、それから大学院修了者にふさわしい職場の確保、進路の確保などについて、文部省としては、今後一体どのように考えられておるのか。文部省から出されている時報やいろいろな書類等にもいろいろなことを書かれておるのですけれども、余り具体的な内容ではない。要するに文章なんですね。
だから、いつまでたってもこの問題が解決されない。このことがまた大学院教育だけでなくて学部にもはね返って日本全体の高等教育の質的充実というものを、質的な向上というものを阻んでいるのではないかと思われますので、今後この質的向上を目指しての整備改善の具体策をどのように考えられていくのか、お聞かせを願いたいと思うのです。いかがでしょうか。