吉田正雄の発言 (文教委員会)

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○吉田(正)委員 それでは次に、新潟大学の歯学部の問題について若干お尋ねいたしたいと思うのです。
 幾ら文部省で高等教育の充実、振興、整備というふうなことを言われましても、大学における実態というものがその精神から甚だしく逸脱をしているとか外れておるということになりますと、結局は絵にかいたもちであり、仏つくって魂入れずというふうなことになるわけであります。今の筑波大学の問題もそうでありますし、新潟大学歯学部の問題も、私は今日の大学教育の問題点というものを浮き彫りにしておるのではないかというふうに思います。
 新潟大学歯学部の問題と申しますのは、大臣、余り御存じないかもわかりませんので概要をちょっと申し上げますと、実は六十三年三月三十日の文教委員会で公明党の鍛冶委員からも、歯の弗素洗口の問題について質問がなされております。この弗素洗口の安全性の問題、それからまた、この実習はどういう形でどうなったのか、文部省の考えを鍛冶委員は伺っておいでになるのです。これに対して政府委員の阿部高等教育局長から、次の答弁がなされております。
  去る二月の新聞報道で、学生を使った人体実験であって人権侵害行為であるという申し立てがあったという報道を見まして、私どももびっくりして、大学当局に問い合わせをし、報告を得たわけでございますけれども、大学当局からの報告によりますと、これは歯学部の学生、将来歯科医師になろうという学生に対しまして、実習の一つの形といたしまして弗化物洗口法というものを行ったということでございます。これは全国的にも、特に新潟県あたりでは弗化物によって口をゆすぐということを特に子供たちの虫歯予防でやっておるわけでございますけれども、学生にそれについての知識、技術あるいはそれの態度等を修得させることを目的としてやったものでございます。この洗口液がどんな味がするかということを学生にも味わっておいてもらいたいし、また、間違って飲んだ場合でも命に別条のあるようなものではないということを学生に理解させるために行ったということでございます。
  もちろん、使用した弗素の量はいわゆる基準量、危険と言われる量の七分の一以下というような非常に濃度の薄いもので行ったわけでございまして、昨年初めてやったわけではなくて、ここ数年来ずっと行ってきているものでございます。
  そういう意味で、まさに学生の実習として例年行っているものであって、人体実験などという、弗素の影響を人体によって調べようなどというたぐいのものでは全くないということでございますので、私どもとしてもこれについては特に問題はなかったもの、こういうふうに判断をしておる次第でございます。
こういうふうに答弁をされているのですね。
 実は今の答弁にもいろいろ問題がございます。時間がありませんので余り詳しくは指摘できないのですが、二、三指摘をいたしますと、実習の一つの形として行ったという点についてなんですけれども、弗素洗口法で言う弗化物で口をゆすぐというものではなくて、食塩水に弗化ナトリウムを混入したもの、これは弗素量として十八ミリグラムのものを飲用させたものなんです。これは、昭和五十二年に松本歯科大学で同趣旨のテストが実施された際に、弗素量十ミリグラムで中毒症状が出たのですけれども、この約二倍近い量であって、実習と言うには大きな危険を伴うものなんです。
 特に、この洗口液がどんな味がするかということを学生に味わってもらうというのは許せるとしても、間違って飲んだ場合でも命に別状のあるようなものではないということを学生に理解させるために行ったということは、もうこれは常識では考えられないことなんですね。
 なぜなら、アメリカで弗素論争が話題になったのは一九五〇年代のこと、それ以来今日まで弗素の安全性について論争が続いてきており、いまだ決着がついておりません。ごく最近の、最近のというのはことしの二月十五日のニューズウイーク、ここでこういう記事があるわけです。
  この論争は終わってはいない。それも今まで以上にPTAの不安をつのらせそうな形で、議論が蒸し返される気配だ。政府系機関の諸研究によれば、フッ素の効果は疑わしいばかりか、人体に害がないとは言い切れないらしい。
  なかでも最も気がかりなのは、NTP(毒物調査プログラム)の調査結果だ(NTPは一九七七年以来、議会の要請でフッ素の発癌性に関する研究を進めてきた)。先ごろNTPが発表したデータによれば、フッ素を添加した水を与えたネズミに骨肉腫(骨の瘍)の発生率が異常に高かったという。米環境保護庁(EPA)も、フッ素「灰色」説に立つメモを発表している。
という記事がこの二月十五日のニューズウイークに出ておりますし、さらに最近の四月十九日のメディカル・トリビューン、ここでもこの問題を取り上げて、こういうふうな記事があるわけです。
  フッ素がげっ歯類で骨腫瘍を起こしたとする研究が明らかにされたことから、フッ素の発癌性が大きくクローズアップされているが、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社が一九八〇年代初めに行なった未発表の研究が、実はこれを追認するものなのでは、と注目を集めている。米環境保護局(EPA)は、フッ素を発癌物質と分類するかどうかの判定審査を間もなく開始することにしているが、この審議にも大きな影響を与えそうだ。
同じ新聞の別のページのところでこういうことも書いてあるわけです。
  全国毒性学プログラム(NTP)の調査で、フッ素がげっ歯類で発癌性を示したという思いがけない結果は、各方面に衝撃を与えているが、米環境保護局(EPA)はフッ素を発癌物質と認定せざるをえなくなるだろうとみられている。そうなれば、米国で四十年間続いてきた、公共水道水へのフッ素の添加は中止されることになる。
というふうないろいろな記事が出ているわけですね。
 つまり、この弗素の安全性についてはいまだ決着がついていない。最近またこのように危険性を指摘をするいろいろな実験結果等が発表をされ出したということなんです。
 これについては、いろいろ論議がありますから、ここでやってももちろんけりのつく問題ではありませんが、ただ、この点について私はひとつ文部省、大臣にもよく認識をしていただきたいと思うのですけれども、今のこの問題に絡んで、ことし一月二十九日に新潟県弁護士会が次のような要望書というものを新潟大学歯学部に提出をいたしております。つまり、「「新潟大学歯学部の学生実習に関わる人権救済申立」に対する新潟県弁護士会の新潟大学歯学部予防歯科学教室堀井欣一氏への要望書」というものが出されておるわけです。
 これについてお尋ねしますが、この要望書については御存じでしょうか。

発言情報

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発言者: 吉田正雄

speaker_id: 30796

日付: 1990-05-30

院: 衆議院

会議名: 文教委員会