吉田正雄の発言 (文教委員会)
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○吉田(正)委員 この内容を、大臣、御理解いただくために要点だけちょっと申し上げますと、これは、三百七十一人が弁護士会に人権擁護ということで申し立てをしたんですね。
本申立の趣旨は、新潟大学歯学部予防歯科学教室が昭和六二年七月、二回にわたり同学部三年生七〇数名に対し実施した「フッ素の急性毒性」に関する二重盲検法テストは、左記の事実から、学生らが拒否の自由を奪われた強制的な人体実験であるから、これを直ちに中止するとともに、ふたたびかかる違法行為を行わないよう同学部に対し、厳しく警告されたいというにある。
こういう申し立てに基づいて行っておるのです。
「当会の判断」というのは、これは弁護士会なんですが、「判断に供した資料」として関係者からの聴取結果、その他のいろいろな文献等二十件が判断に供した資料として用いられております。
「事実の認定」として
当会人権擁護委員会が、前記資料などにもとづき調査したところによれば、本件に関し以下の事実が認められる。
ということで、「本テスト実施の概要等」として1、2、3、4、5、6、7とずっと書いてありまして、「本テストの結果」としてこれも五点にわたって書いてあります。
一回目のテストの結果は、フッ素混入液を飲用した三八名のうち、吐き気の五五・三パーセントを中心に、腹痛、よだれ、顔色変化など種々の症状が申告され、結局六八・四二パーセントにあたる二六名の者が、何らかの症状を訴えた。
他方、偽薬を飲用した三七名の中からも一四名の者が、吐き気を中心に種々の症状を申告した。
時間の関係で「判断」というところを申し上げますと、
右認定事実等をもとに、本テストが学生らの人権侵害に該当するか否かを判断することとなるが、その際考慮すべき主要なポイントは、飲用に供された本件フッ素量ならびに学生らに発現した種々の身体的影響についての人権侵害の程度に関する評価、本テストの目的とその相当性の有無、本テスト実施方法の適否、これら三点と思われる。以下に、順次検討の結果を述べる。
1、生理的機能障害と人権侵害
本テストの結果、多数の学生に前認定の吐き気、腹痛などの諸症状が発現している。これらは、明らかな人体の生理的機能の障害である。
当弁護士会は、まず、このような結果をもたらす行為は、その目的方法等においてこれを正当とすべき特段の事情のない限り、原則として人権侵害行為であり許されないものと考える。
というふうに判断をいたしているわけです。
その理由をまたずっと述べてありますけれども、最後の「結び」のところでこういうふうに述べているわけです。
当弁護士会は、このような観点に立ち、本テストを人権侵害と認めつつも、事件処理としては、これを頭書のとおり「要望」にとどめ、大学の自主的努力による本問題の解決に期待することとしたものである。というふうに述べておるわけです。それのちょっと前になりますが、
但し、ことは大学における具体的な教育内容に直接関わる事柄である。大学の自治の理念に照らし、本件の如き問題は、学生を含む民主的な討議を経て、大学内において自主的に解決の筋道が見出されることが最も望ましい。
ということで要望書に書いたということなんですね。大学側の立場、教育的な立場というものを非常に配慮をしてこういう取り扱いにしたということを述べているわけなんです。
そこで、時間もありませんので、大臣からは最後にお答えをいただきますが、法務省にお尋ねいたします。おいでになっておりますか。
以上述べましたように、弁護士会の要望は、大学の自治の理念に照らし学内において自主的解決を求めたということは今申し上げたとおりなんですけれども、人権救済の申し立てが直接法務局や人権擁護委員等になされず、直接かかわらなかったため、弁護士会の要望書についての見解は出せぬと思いますけれども、一般論、原則論として、薬物の安全性が確認をされず、その許容基準等も明確でない場合、その使用、飲用を含めて当人の承諾なく、または拒否しがたい状況、あるいは本人の知らないうちに実験的に用いることは許されないことであり、場合によっては人権侵害のおそれがあるというふうに思われますけれども、いかがでしょうか。