伊藤茂の発言 (本会議)

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○伊藤茂君 ただいま議題となりました消費税法を廃止する法律案外三法律案は、昨年参議院において可決され、本院に送付された消費税廃止関連法案を基本に踏まえて、公明党・国民会議の神崎武法君、宮地正介君、民社党の中野寛成君、進歩
民主連合の菅直人君、並びに日本社会党・護憲共同の森井忠良君、中村正男君、元信堯君及び私、伊藤茂の八名共同で、提出者の属する四会派所属議員の賛同のもとに本院に提出されたものであります。私は、提出者を代表いたしまして、これら四法案について、提案理由と概要について御説明申し上げます。
 まず、消費税法の廃止を求める理由について申し上げます。
 消費税は、言うまでもなく公約違反の大型間接税であり、その成立過程についても著しく民主的手続を欠いた税金であります。昨年の参議院選挙の結果は、国民の消費税に対する拒否権の発動でありました。また、先般の総選挙において自民党は過半数を維持したものの、消費税に対する国民の批判は、世論調査を見てもいまだ根強いものがあります。現行の消費税は、圧倒的多数の国民の反対を受けているのであります。(拍手)
 また、政府は、消費税は最善と強弁しながらも、その実施後半年もたたないうちに見直しを表明し、消費税が欠陥税制であることを認めております。さらに、政府の見直し案についても、自民党内には再見直しの声が強く上がっております。そうして、今回提出されております消費税見直し法案自体、逆進性も解消せず、税金が国庫に入らないという問題も何ら是正されておりません。欠陥消費税は、このような見直しによってその矛盾や欠陥を解消できるものではないのであります。
 消費税は廃止し、間接税を含めまして国民合意の税制再改革を実施するのは当然のことと言わなければなりません。今、海外においても、イギリスにおける人頭税導入、カナダにおける小売売上税導入などが大きな問題となっておりますが、為政者は税に対する国民の信頼と理解こそ第一の理念とすべきであり、また、常に税の使途について国民の合意が得られていなければ増税は受け入れられません。税制は「政治の顔」であると言われております。私たちは、消費税に示されるようなゆがんだ税制、ゆがんだ政治を抜本的に改善して、真のデモクラシーの日本を表現するような国民合意の税制をつくり上げることが国民の皆様に対する政治の大きな責任であると感ずるのであります。(拍手)
 政府・与党の中には、参議院選挙の結果は国民の理解不足、総選挙の結果は消費税の信任と受け取っておられる方も多いようですが、与党候補者の多くの皆さんが選挙争点から消費税を外そうと必死になられていたことは、総選挙を目前にした党首公開討論会における海部首相の姿、また、皆さんの選挙公報などを見れば明らかであります。
 大型間接税は強行導入する、戦後最大の構造汚職は引き起こす、そして、政権維持が困難になれば、みずからに都合のいい選挙制度改正に腐心するといった姿勢を続けていれば、自民党という政党に対してだけではなく、政治に対する信頼が損なわれることを篤とお考えいただきたいのであります。
 政治に対する信頼回復のためにも、政治家は納税者の批判に真摯にこたえ、反省するという姿勢を明らかにするためにも、提出させていただきました消費税廃止法案をぜひ御可決いただきたいと存じます。(拍手)
 次に、税制再改革の問題であります。
 国民の合意のない消費税を廃止した上で、真に国民の信頼と理解を得られる税制をつくり上げなければなりません。政府の税制改革は、今早急に取り組むべき課題をなおざりにしながら、ただ「初めに大型間接税ありき」という姿勢でありました。今日、土地税制の改革が問題となっております。これは、さきに政府がシャウプ以来の税制抜本改革と宣伝した税制改革において欠落した問題であります。国民が求めてやまない不公平税制の是正を初めとして、改革すべき課題は数多く存在しております。
 今日、国民の間に高まっている税の不公平感、重税感は、シャウプ税制の理念を忘れて我が国の税制を不公平なものに変貌させた歴代自民党政府の責任に帰せられる面が少なくありません。国民は、民主的で公正、公平な税制の確立、税制における所得と富の社会的再分配機能の向上を求めているのであります。不公平感や重税感を生み出している根源に迫ることなく、消費税を存続させ、小手先の見直しで済ませようという政府・自民党の姿勢では、国民は納得いたしません。国民負担率は上がる一方、福祉は何ら改善されないということになります。
 勇気を持って、まず不公平の一掃を国民に宣言し、公平と公正を最大のキーワードとする税制再改革に着手すべきであります。さきに定めた税制改革法は、言葉でこそ公平、公正をうたっておりますが、消費税、土地税制、法人課税、キャピタルゲイン課税どれ一つを見ても公平、公正ではありません。したがって、私たちは、ここに税制再改革基本法案を提案している次第であります。私たちは、民意の赴くところに従い、消費税法を廃止する法律案を初めとする四法案を提出し、その成立のために全力を尽くす決意を明らかにするものであります。(拍手)
 次に、法律案の概要について御説明いたします。
 四法案は、消費税の廃止のための三法案と消費税の廃止を踏まえて税制再改革を行うことについての基本法案から成っております。
 まず、消費税法を廃止する法律案外二法律案についてでありますが、既に法案については院より皆様に配付されておりますので、多弁は省きます。平成二年九月三十日をもって消費税を廃止し、消費譲与税、地方交付税を含めまして経過措置等を定めたものであります。本案に基づく減収額は、平年度においては政府資料をもとに六兆三千九百億円と見込んでおります。
 また、税制再改革基本法案についてであります。これにつきましても既に配付済みのことでもあり、多言を避けますが、不公平税制の徹底的な是正、土地税制など資産課税の適正化などを初め、改革の基本原則、基本方針、手順などを明らかにしたものであり、昨年提出された法案をもとに、参議院における八十四時間余にわたる御審議を踏まえまして改めて整理し、御提案させていただいているものであります。
 なお、本法案の附則において、現行の税制改革法は廃止することといたしております。この法律の施行に必要な費用は、平年度約八千億円を見込んでおります。
 以上で法案の提案趣旨並びに概要の御説明を終わりたいと存じますが、消費税廃止に係る代替財源について一言申し上げます。
 消費税廃止に係る代替財源につきましては、既に昨年の国会に代替財源五法案として参議院に提出し、参議院で可決後、衆議院に送付された経緯がございます。昨年の臨時国会においては、政府予算案も提出をされておりませんでしたが、今国会においては、平成二年度政府予算案が国会に提案され、また、政府の消費税見直し法案も提出をされておりますが、政府からもそれに伴う代替財源法案は提出をされておりません。
 したがいまして、私どもは、消費税廃止に係る代替財源につきましては、基本的に昨年の代替財源案を踏襲する考えでおりますが、平成二年度政府予算案に対する組み替え要求をもちましてそれは明らかにいたしました。代替財源につきましては、消費税廃止法案が成立した時点で与野党の責任で措置されるべきものと考えております。
 何とぞ、議員の皆様の御賛同をもちまして本四法案が速やかに可決されますことを再度お願いいたしまして、提案を終わります。(拍手)
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 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出)及び税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出)の趣旨説明に対する質疑

発言情報

speech_id: 111805254X02519900611_018

発言者: 伊藤茂

speaker_id: 9141

日付: 1990-06-11

院: 衆議院

会議名: 本会議