海部俊樹の発言 (予算委員会)
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○海部内閣総理大臣 その一言でということだけはちょっと御勘弁いただきまして、やっぱり国際社会の中で今日ほど劇的に世界の情勢が変わったことはございません。しかもスピードも物すごく劇的であります。私が、ことしの一月早々にヨーロッパを訪問したときにコール首相と話し合いをしましたときは、ドイツの統一問題についても三段階方式とか、十項目の提案とか、最初は条約共同体からスタートしてのいろいろな話がございました。けれども、あれから一カ月くらいの間に、予想以上に世界の情勢は変わって、ドイツの統一問題というのはもう具体的にあすの日程に入ろうとしておるほど進歩は速いわけであります。ですから、こういったヨーロッパの動きに対して、アジア・太平洋にもいい影響が来るように積極的な努力をしていかなければなりません。新しい世界の秩序をつくろうという模索の中に日本も積極的に参加をしていって、力の支配が世界の枠組みをつくっておるときには力でお役に立ちましょうということは言えないし、言ってはいけない立場でありましたけれども、自由で豊かで明るい世の中をつくりたいという世界の動きに対して御協力をし、国づくり、人づくりに積極的に貢献していくというのは、これは日本がきょうまでを顧みて果たさなければならぬ大きな使命だと思いますから、まずこれは力強く取り組んでまいります。
国内は、いろいろ豊かさが実感できるように、そして公正であるように、高齢化社会に消費者の立場を考えながらやっていかなければなりません。特に、今問題になっております、国は豊かになったが一人一人に豊かさの実感がないというお言葉には、住宅問題から土地問題から幅広くあります。とても一言では言えませんけれども、それらのことを全部踏まえて、公正な社会をつくるための、そして心豊かな世の中をつくっていくための諸施策を強力に進めていきたい。
ですから、そういった意味において、きょうまで選挙その他を通じて訴えてきた問題を実現すると同時に、これは実はかねて前川レポートというものがありましたけれども、あれなんかにおいても構造を変えていく、内需中心の経済政策にしていく、それが世界との摩擦をなくしていく方法だということで努力してまいりましたが、特に最近重要な日米の間における経済構造協議の問題もございます。いろいろな努力を続けてきてはおりますけれども、結果がまだ双方において大変な隔たりもあります。これはもう、ことしの目の前の春に中間的評価、夏には最終報告という日程も近づいてきております。これに対しても、きょうまで各実務者間においてそれぞれ日米間で問題を指摘しながら、日本から米国へは七項目、米国から日本へは六項目、大きく分けるとそれだけのものをさらに細分してどうするかという構造問題の協議も続いておるさなかでありますから、これを双方の努力によって片づけていくことが、世界の大きな秩序づくりの根底になるべき日米関係がこれによってゆがんでいったりよくない方へ走っていくということは断じて避けなければならぬと考えておりますので、これを当面の経済の最重点課題として取り組んで解決に向かって努力をしていきたい、こう思っております。