海部俊樹の発言 (予算委員会)

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○海部内閣総理大臣 基本的に申し上げますと、日本の外交の基軸は日米関係であることは御承知のとおりでございます。そして私は、この日米関係を基軸にしながら日本が戦後選択をした自由民主主義と市場経済は制度として間違いなかった、ますますその意を強くしております。同時に、世界の大きな移り変わりの中でヨーロッパにおける大きな変化も、自由と民主主義と市場経済の価値を認めて、平和共存のできる対決と対立のない時代をつくっていこうという動きに入っておることは御承知のとおりでございます。そうなりますと、アメリカとヨーロッパの動きというものについて日本も積極的にできるだけの協力をし、できるだけ参加もしていかなきゃならぬ、またいくべきである、こう思ったのです。
 昨年の九月、ブッシュ大統領と日米首脳会談をいたしまして、日本もアメリカと政策協調しながら二国間関係のみならず、例えば累積債務問題で苦しむ途上国に対する協力の問題でメキシコともいろいろ話し合いをしましたし、また、地球環境の問題で方々の環境問題について日本も積極的に協力をしていくというような話もしておりました。今年早々、松永前通産大臣が訪米のときにブッシュ大統領と出会って、議題を決めないでこれからの大きな、グローバルの関係についても話し合いたいという、そういう伝言もいただき、また、マルタ会談にブッシュ大統領が臨む前にも電話がかかってきましたときに、世界の動きについて日本の意見も聞いてきたり、私は、アジア・太平洋の問題もどうぞ忘れないで、平和と安定はヨーロッパだけで終わるものではありませんし、日本には日ソ問題というものもあるし、いろいろなことをそのとき電話で要望しました。
 また、地球的規模の協力という面からいくと、日本がきょうまで鉄のカーテンの向こう側にあって入りにくかった東ヨーロッパに対して積極的な援助をするということは、まさに地球的規模の平和と繁栄への協力でございますが、それらのことについては西側の首脳も高い評価をしてくれましたし、またブッシュ大統領ともそのことについていろいろ話し合いをしておきたい、こう思いましたので、ヨーロッパ訪問が終わった後では外務省を通じて、西側首脳との会談内容等についての報告とともに、それらのことについての話し合いもしたいという私の意向も申し上げておきました。
 日米関係が極めて重要であるということは、これは与野党挙げてお認め願っておるところであり、過般の党首討論会においても、社会党の委員長もそのことをお認めになり、アメリカを訪問するという意向を表明される。私も訪米して、率直な意見の交換をしたいということで、その点は全く意見が一致したわけでありますけれども、大統領の方から電話がかかってきて、自分の都合のあいておる日はこの日であるから、西海岸まで行くので都合がついたらそこで話すことはできないかという電話の申し入れもありました。私はそのときに、国会の開会中でありますから、施政演説や質問を受けなければならぬその日程もあります、同時に、海外へ出るには議院運営委員会の了解も要りますから、その二つを取りつけてから御返事をしますということで、提案だけは受けたのでありますけれども、皆様方の御了解がいただけましたことと、幸いに西海岸まではトンボ返りで往復して会談時間ができるということでありましたので、決心をして往復をしてまいりました。
 積極的に、これからは首脳同士の話し合いも、ヨーロッパ、アメリカではもう日常茶飯事のように気軽に行われておるわけでありますから、事情が許すなれば、議題を特定しないでいろんな問題について率直な話し合いをするということを続けていったらいいのではないか。友好国の間柄というのは、まさにそういうものであってしかるべきものだと、私はこう判断をして、日米首脳会談をやってきたわけでございます。

発言情報

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発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1990-03-08

院: 衆議院

会議名: 予算委員会