翫正敏の発言 (内閣委員会)
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○翫正敏君 ところで、世界情勢ということに関連して言いますと、昨年一九八九年十二月二日から三日にかけて地中海のマルタ島仲で、ブッシュ、ゴルバチョフの米ソ首脳会談というのが開かれたわけであります。そのとき新聞の報道で国民の中でももてはやされた言葉がャルタからマルタへの道と、こういう言葉でありました。
歴史を振り返ってみますと、第二次世界大戦中、米英ソなど連合国は公式発表では常に我々は領土の拡大を求めない、こう言っていたにもかかわらず、ソ連のクリミア半島のヤルタで米英ソ三国首脳会談が行われ、そしてソ連の対日参戦がそこで決定をされまして、その見返りとして我が国固有の領土である北方領土四島のソ連への分割というものが密約をされたと、私はそのように理解をしております。しかし、今やソ連のペレストロイカというものに端を発して、世界に大きな変化が起きつつあるというそういう時代だと思います。ヤルタ協定、これが日本領土の一部を分割してソ連の支配下に置くという密約であったとするならば、なおさら逆にソ連が四十五年間にわたって北方領土四島を支配し続けてきたという、こういう重い現実というものもあると思います。
エリツィン氏は五段階返還論というものを来日のときに唱えられましたけれども、この方はソ連随一の急進改革派というふうに言われておりますが、その一方で民族主義的傾向も強いという評価も物の本には載っておりました。この氏自身の発言の中にも、これは大事なことだと私は思いますが、ソ連の首脳が今ソ連国内で北方領土返還を言い出せば急速に国民の支持を失い指導力を失いかねない、急進改革派の随一の指導者で今度ロシア共和国の最高会議議長というものに当選をされたこの方でさえ、こういうことを日本へ来られたときの講演の中で言っておられるわけであります。
そうしたことを考えますと、先ほど外務省が言われたゴルバチョフ大統領の領土問題についての対応は非常にかたいとこういうことでありますけれども、やはりそれはそれなりにソ連の国内事情というもの、日本の言葉で言うと日本の国民感情というような言葉がありますけれども、そういうものに相当するようなものがやはりあって、ソ連の国内事情というものの中からそういうのが出てきておるのではないかとこのように思うんですけれども、外務省としてはそういう日本で言うところの日本の国民感情とかいうような言葉、ソ連の国内事情、国民感情こういうようなものを、今ほど申し上げましたようなことをどのように把握しておられるかをお答えいただきたいと思います。