海部俊樹の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)
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○海部内閣総理大臣 大きな、世界の環境の中が今変わりつつあるわけでして、ついこの間までは、日本も戦後、いわゆる復興途上国としてみずからのことにまず全力を挙げなければならなかった。そして、幸運にも日本は日米安保条約のもとで、平和はアメリカの抑止力に依存するということで平和を守り抜いてくることができた。ところが、東西両陣営のそれぞれ頂点に立った二超大国が、アメリカもソ連も、それぞれ相対的に力の衰退といいますか、経済力の背景もありまして、だんだん一国だけですべてを秩序づける責任を持つことができなくなった。簡単に言えば、このごろ、アメリカは世界の警察官の地位を一人で果たせということは不可能であるし、またそれを言うのは無理である、みんなが力を合わせてやっていかなければならぬという時代になってきつつあります。
そしてそれが現実になったのが、国連で決議ができるようになって、ここに平和の破壊者がある、平和の秩序に反する者がある、皆が力を合わせてこれを排除しろということになるわけでありますから、日本も好むと好まざるとにかかわらず、これだけ国民の皆さんの理解もあり、国際情勢の仕組みもあり、その中で大きくなってきた以上、影響力も責任もあるわけですから、それにふさわしい協力をどうしたらできるだろうか、日本の平和協力政策というものはどうしたらいいかということをまさに考えて政府がお願いした法案がこれであります。もちろん、最初に先ほどちょっと失礼な答弁をして申しわけありませんでしたけれども、不退転の決意でこれをお願いしたいという気持ちでこちらはやっておるのでありますから、どうぞその内容、精神、決して戦争か平和かなんという問いかけの法案ではないと思います。戦争をやろうと言っておるのではございません。
同時にまた、いろいろ議論がなされるときにいつも言うのですが、ニュースの画面なんかに戦車が大砲を撃ちながら走っている姿がいつも出てきては、国連平和協力法はというコメントになってくると、どうしてもこれは錯覚が起こります。あのような、出てくるような画面をやろうと言っておるのでは決してありませんし、それはできないということがこの法案には書いてあるのですから、どうぞそういったことも国民の皆さんにも御理解をいただきながら皆さん方に御協力を願いたい、こう思います。