海部俊樹の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)
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○海部内閣総理大臣 御質問の中に二つの視点があると思うのです。
一つは、日本が戦後一番大切な外交の指標軸にしてきたのは日米関係であります。これはさきの安全保障の問題のみならず、相互の経済関係にしても、あるいは自由と民主主義という日本の戦後一貫して貫いてきた価値の問題にしても、みんなアメリカと共通し、そしてアメリカと親密な関係でやってまいりました。それはそのとおりであります。ですから、これは日米安保条約にも書いてありますように、やはり国際社会というものがきちっとできるまで、安全保障の制度とか国連の機能とかいろいろな問題について、日本とアメリカとは安全保障の面でも経済協力の面でもその他の福祉の面でも、ともに条約でやっていこうと両国で決めておるわけでありますから、これが一番大切な二国間関係であることは間違いありませんし、また今日、世界のあるがままの姿を見ても、粗っぽいことを計算しますと、大体二十兆ドルという世界の生産の中で五兆ドルがアメリカ、三兆ドルが日本なんです。ヨーロッパ全部集めて五兆ドルですから、日本とアメリカの関係がどれほど
世界で大きな二国間関係であるか、経済的な面からだけでも言えると思うのです。
それは単に日本だけじゃなくて、今お触れになったアジアの国々のことを考えますと、日本は去年一年でアジアの国からいろんなものを輸入しましたけれども、総計六百四十億ドル輸入しておるのです。日本の力がなくなって、日米関係がおかしくなって、日本の経済がおかしくなって買うことができなくなると、アジアの国々が日本に市場として売っておったものが売れなくなれば、アジアの国々にも悪い経済的な影響がまた間接的に響いていく。日本の立場というのはもう一国だけで議論できない。相互依存関係が非常に強くて、特にアジアとは関係が深く強いということであります。ですから、そのアジアの国々の懸念を生まないためにと言いますが、アジアの国々に対しては、歴史の反省に立って二度と侵略戦争はしません、二度と軍事大国にはなりません、誓いを立ててやってきたのがきょうまでの日本の態度であり、その日本の態度、立場がアジアの平和と安定に役立ってきたことは、これはもうだれしも認める事実だと思いますから、このことについては大切に考えていかなければならぬのは当然であります。
日本がほしいままに、何十年か前のように勝手に、あそこへ出ていく、ここへ出ていくというような誤りは二度と繰り返しませんということは誓っておるわけですし、この法案の大前提をお読みいただくと、国際連合の決議に従って平和と秩序を守るためにやろうとする行為に対して日本が協力をするということで、世界の秩序、国連の決議というものが大きく前提として出てくるわけですが、その国連の決議を決める場所には、中国も常任理事国として、ほかのアジアの代表も入っていらっしゃるわけですから、これは世界の秩序の指さす方向に日本ができるだけの平和協力をするという考え方の平和政策でありますから、決して矛盾するものではないと思いますし、鈴木先生の考え方、私もそのとおりだと思いますから、どうぞ御理解を深めていただきたいと思います。ありがとうございます。