海部俊樹の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)

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○海部内閣総理大臣 基本的なことを申し上げますと、日本の外交の座標軸というのは、第一は、日米関係が基調でございます。そして、それは日本が戦後多数講和か全面講和かで独立国家の道を選ぶときに、自由と民主主義の陣営に属してやっていこう、それから、我が国の安全保障は日米安全保障条約のもとで維持し、確保していこう、こういう決断をいたしました。以来、貿易、経済の面では、自由経済、自由貿易の中で日本は対処をしてきました。いろいろな意味で、平和と繁栄を守り抜いてくるために、日米関係というものはその基軸にあって大きな役割を果たすとともに、これが非常に大切な両国間の、安全保障の面でも、経済発展の面でも、あるいはそのほかのアメリカの生活スタイルを日本の国民生活スタイルの中に取り込んでくるという日常の生活面でも、非常に密接な関係があり、パートナーとしての地位が今日高まるまでになってきた、私は基本的にはこう認識をしております。
 ただ、現状を申し上げますと、率直に言って、日本のそういった経済面での大きさというものが、よく言われますように粗っぽい計算でアメリカが五兆ドル、日本が三兆ドル、両方合わせると世界の四〇%近く、二国間の経済行動とか二国間の世界経済に与える役割というものが、好むと好まざるとにかかわらず非常に大きな影響を与えます。
 同時に、最近は日本とアメリカの間の貿易インバランスの問題も、一年五百億ドルというライン、最近は四百九十以下にちょっと落ちておりますけれども、依然として高いレベルにある。そこで、日米両国間では、もう少し経済構造を改善していくような努力が必要だというので、昨年SIIの交渉が行われ、今年まで引き続いて最終文書をまとめ上げることができたところでありますけれども、この文書に盛られた問題を今後お互いに誠意を持って話し合いをしながら、お互いに指摘し合った問題は解決、改善して、やはり共通の認識を得るように努力をしていかなければならないという問題点もありますけれども、依然として一番重要な二国間関係であることは間違いありませんし、同時に、世界でいろいろな問題が起きますときに、やはり自由陣営と共産主義陣営とに分かれて対決しておったころ果たしてきたアメリカの役割と、今日、世界が一つの共通の価値を求めて民主化、自由化で行こう、東西の対決よりもむしろ国連を中心にして世界の平和とか世界の安全保障とか、世界の繁栄の枠組みをつくっていこうという時代になりますと、さらにアメリカの負わなきゃならぬ責任は大きいと思うし、同時に、それなりに経済的にも大きくなってきた日本が地球的規模で協力をしていかなきゃならぬ役割も大きいと思っております。
 過日のサミットとか日米首脳会談等において、やはり地球環境の問題とか途上国の累積債務の問題とか、麻薬の問題とかいろいろなことについても、日本もアメリカ、ヨーロッパとともにアジアの代表としての責任と自覚と協力とを強く求められ、強く話し合いをし、将来はそれらについて責任を負っていかなければならないという世界の目があるということ、これも事実だと思います。
 そういったことを全部とらえますと、今後とも日米間はさらに世界の平和と繁栄に、そして環境問題やその他の問題にも地球的な規模で責任を負っていかなければならぬ、パートナーとしての役割を分担していかなければならぬ、そういう立場に立っておると私は自覚をしております。

発言情報

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発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1990-10-29

院: 衆議院

会議名: 国際連合平和協力に関する特別委員会