町村信孝の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)

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○町村委員 この点はどうも日本の国の中で誤解なりあるいは意図的な悪宣伝が行き届いておりまして、とにかくアメリカが中心だからいけないんだ、こういうような非常に誤った悪宣伝、意図的な悪宣伝が行われている、このように私は考えておりまして、日本の憲法がいかなるものであろうとも、多国籍軍の評価について、これをどのように評価をするのかということをまず私どもは認めなければならない。
 政府から出された資料の中でも、多国籍軍、非常に数多くの国々が出ております。この春に総理に同行いたしましたあの非常に貧しいパキスタンとかあるいはバングラデシュとか、非常に日々の生活にも苦しんでいるような国々までが地上軍二千人、三千人という兵力を出している。やはり私は、これらの国々は、それはもちろん国内の事情、憲法の違い、法律の違いはあるにせよ、自分らの国々でも苦しんでいるような、そんな人たちも今一生懸命多国籍軍の一員として努力をしている、これに対して我々日本があらゆる方法をもって支援をするというのは、これは当然のことだろうということを再三強調をしたい、こう思います。
 それから次に、国連中心主義という言葉が最近非常に使われております。日本政府は、かねがね外交青書などを見ると、国連中心主義というのが日本のいわば外交の一つの基軸であり柱であった、こう思います。しかし、現実には私は、国連というものは米ソが対立をしているという状況の中で非常に機能していなかった、このように私の個人的な体験でも思うのですが、ようやく機能しようとしている。
 しかし国連憲章を見るまでもなく、国連の重要な機能の中には、国際の平和及び安全を維持するため軍事行動をとることができるという一項目が数条にわたって事細かに書いてあるわけでありまして、軍事行動をとることによって最終的には世界の平和と安全を維持するんだということがこの国連憲章には書いてある。ところが、非常に不思議なんですが、その部分はどうも、どちらかというと無視しようというか、もちろん平和的な手段で解決するのがいいのはもう論をまたないのですが、あえてその国連の持つ軍事的な機能というものを消そうとしている。
 例えば、これは十月二十八日日経新聞の一面の「緊急インタビュー 社会党委員長土井たか子氏」、質問は新聞社の質問ですが「土井さんは代表質問で二度と青年を戦場に送るなと訴えましたが、半面、米国もそういうことを言っていたら今回のイラク侵攻を止め得ただろうか、という声もあります。」という問いに対して土井委員長は「国連の任務は本来、調停機能にあるので、国連自身が兵員を動員し、武力で対決する当事者になってはいけない、というところが非常に大事な国連の役割であり、国連の機能そのものだと考えます。」これは立派な学者である土井委員長が、よもや国連憲章を読んでいないということはあり得ないのであって、もしかしたらばこれは国連に対する理解不足であるのか、あるいは私の考えで言えば、非常に空想的な観念的な平和論の所産でこういう議論が出てくるのかな、こう思わざるを得ないわけであります。個人的にそういう印象を受けます。
 でありますから、私は国連というものは、もちろん平和的な活動、平和維持の活動、経済制裁、そして最終的には軍事的な行動までも伴って初めて世界の平和が維持できるんですよというのが国連の姿であるというこのことについて、やはり国民の理解を得る、私どもも努力をしなければならぬし政府ももっと努力をしていただきたい、こう思うのであります。
 そして私は、さっき言ったように、国連が十分機能していないということを考え、あるいは最近ソ連が国連の軍事機能に着目して、もう少し機動的に迅速に行動できるようにすべきではないかという提案を出されたというような報道もありますが、日本として国連の機能、軍事行動も含めて、日本としてこの国連の機能をより強化するため、活性化するためにこの際何か具体的な提言をまとめ、その実現に向けて努力をすべきときが今まさに来ているのではないだろうか、このように思うのですが、いかがお考えでしょうか。

発言情報

speech_id: 111904310X00719901031_022

発言者: 町村信孝

speaker_id: 34906

日付: 1990-10-31

院: 衆議院

会議名: 国際連合平和協力に関する特別委員会