野中広務の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○野中委員 ただいままで私が若干触れました幾つかの問題は、過去を限りなく風化をさせてはならないという大きな私の願いを込めた質問であります。どうぞ関係当局におかれても強い決意で臨んでいただきたいことを要望いたしたいと存じます。
さて次に、中東における情勢の認識についてお伺いをいたしたいと存じます。
八月二日のイラクのクウェートに対する暴力的な併合から三カ月、フセインの人質解放が意図的に順次行われ、なぜか時間稼ぎが行われておるような気がしてなりません。そして、関係諸国の連帯感をつぶそうと意図しておる悪質な手段が見え隠れしておるように見えてなりません。こういう時間稼ぎで、やがて雨季がやってきて戦闘をも困難な状態の中で、フセインの作戦が成功し、国連諸国の連帯が崩れていく中でクウェートの併合は完全に既成の事実となっていくのではないか、こういう懸念を私は持つのであります。こんな暴力が許されるならば、第二、第三のフセインが世界にまた今後あらわれてくるであろうことも危惧するのであります。
イラクのクウェート侵攻後、直ちにアメリカ、イギリスを初めとする関係諸国の軍隊がサウジアラビアに赴き、さらに湾岸警備の任についたからクウェートのみでおさまって、サウジアラビアや首長国連邦へのフセインの軍事力の制圧を免れることができたと私は思うのであります。そうでなければ、フセインはクウェートを含めまして中東における原油の六割以上を押さえて、世界経済は極度の大混乱をしていたと思うのであります。一国が武力で一国を制圧するようなことを断じて許してはならないのであります。軍事的に小さな国は、このようなことでは安全な暮らしを保障されることはないのであります。時間の経過の中で、私たちは人質解放とは別の視点でフセインの許すことのできないこの暴挙を改めて認識し、我が国の責任の重大さを自覚するべきだと考えるのでありますが、総理のお考えをお伺いいたしたいと存じます。