渡辺允の発言 (国際連合平和協力に関する特別委員会)
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○渡辺(允)政府委員 お答えいたします。
最初に、今回のイラクのクウェート侵攻は、まさに両方が国連の加盟国でもあり、またアラブ連盟の加盟国でもあった独立国同士の間で起こった話でございまして、一つの国家が他の主権国家を武力で侵攻し併合するという、国際社会のいわば法秩序の根本に触れる問題であったわけでございます。他方、パレスチナ問題、いわゆるアラブ・イスラエル紛争と申しますのは、これはパレスチナという土地をめぐるユダヤ人とパレスチナ系のアラブ人の間の非常に長い歴史のある争いでございます。
そういう前提に立ちまして、御指摘の一九六七年のいわゆる第三次中東紛争の場合には、確かにイスラエルが西岸、ガザ地区を占領したわけでございますけれども、これに対して国連は安保理決議二四二を採択し、この占領された領土からのイスラエル軍隊の撤退、交戦状態の終結等を求めて問題を交渉で解決するように求め、その後もこの決議に基づきまして問題の平和的な解決のためにいろいろな外交努力が行われてきておるわけでございます。他方、今回のイラクのクウェート侵攻につきましては、これは国連の安保理が国際の平和と安全が破壊されたという認定をいたしまして、それを受けまして安保理諸決議の実効性を確保したりイラクのさらなる武力侵攻を抑止するということを目的にして、例えば現在の多国籍軍の展開を含めまして国際社会が努力をしておるということでございます。
逆に申し上げれば、六七年のイスラエルの西岸、ガザの占領につきましては、今回のイラクのクウェート侵攻の場合と異なりまして、国際の平和と安全の破壊があったという認定がなされたわけではないということにおいて、状況が全く異なっておるというふうに考えます。