中山太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(中山太郎君) まず最初に、ヨルダン、イラク等の危険地域の在外邦人、たくさんおられるわけでございますけれども、今般のような危機に直面した場合に、在外邦人の安全の確保というものに対して議員が大変御心配をいただいていることを拝聴いたしました。
今回の湾岸情勢の危機につきましては、在外邦人がクウェートにおられてクウェートからどのようにして脱出をされるか、また、イラクの在留邦人の安全をどう確保するかということにつきましては、外務省の領事移住部で随分、二十四時間体制で努力をいたしております。
しかし、私も先般中東五カ国を訪問いたしました際に、この日本が国際化をするにつれて、これからいろいろと日本の各種の企業の方々が多く世界の各国でその地のあるいは企業へ、あるいは学校等で教職につかれる方も出てこられます。その方々の地域が紛争地域に入った場合に一番大きな問題は、正しい情報がその方々にどのようにして届くかということが一番重大な問題だということを、私は今回の五カ国訪問で十分認識をいたしました。
帰国後、直ちにNHKを呼びまして、NHKがやっておりますラジオ日本、これで一日三時間放送をいたしておりましたが、これを十一時間半に放送時間を延ばしまして、アラビア語と日本語で日本からの情報を発信させたようなことでございまして、NHKは大変この点について協力をしてくれているわけでありますけれども、これから将来の在外邦人の安全のための情報伝達手段としては、日本の国際放送を一層充実することが極めて重要であるという認識を今回確認したようなことでございます。このようなことで、私どもは邦人の保護、これについて今後一層外務省の機構、機能を充実しなければならないと考えております。
また、イラクの在留邦人の生活状況に対して、極めて混乱している現地の状況の中で、大使館も十分接触をしながら私どもの本省に対して報告をいたしてきております。個々の具体的なケースにつきましてはいろいろと相談をいたしておりますけれども、在留邦人の食糧の確保は、在イラクの日本企業の各社におきましてもかなり長期の備蓄が行われております。最悪の場合になりましても、大使館では十分な食糧の確保がなされておりますから、その点につきましては不安がないという認識を持っております。
次に、日本にできる貢献策として、ODAとは別枠にその二倍の予算を計上して、貧困の解消、環境保全のために平和環境基金を創設したらどうかという御意見がございました。
地球の環境問題、貧困の解決は国際社会の重大な課題でございます。日本政府は三年間に三千億円の環境保全の予算を組んで各国に協力をいたしております。また、地球環境の保全の問題につきましても、国際機関であるUNEPに対して今年度七百五十万ドルの拠出をいたしまして、世界の第二位であります。このようにして、国民の納めていただいた税金も国際環境の確保、そのようなために使われていることをこの機会に御紹介をさせていただきたいと思います。
なお、先般、総理の御答弁の中で北朝鮮との国交の修復問題については既にお触れになりましたので、この点につきましては重複を避けさせていただきたいと思います。
日ソの正常な国交回復のために、ソ連を金融と経済、技術面でもっと支援して官民ともに信頼、友好な関係を醸成することが大切ではないかという御指摘でございますが、極めて重要な御指摘であろうと思います。
ソ連との関係につきましては、戦後最大の懸案であります北方領土問題を解決して平和条約を締結するということが日本国民の大きな願望であります。このようなことで日ソの関係をこれから一層改善していくということで、私ども、先般シェワルナゼ外相の訪日の際に日ソの外相会談で十分話し合いをいたしました。その節に私どもの方から、従来行われております平和条約作業グループのほかに政策企画会議なるものを二国間でつくることも合意を見たわけでございます。このようなことで双方の外務大臣協議が行われた際に、この十二月十日から二十日の間に日ソの外相会談をモスクワで開くことに決定をいたしました。それまでの間、ただいま御報告を申し上げましたように、両国間でつくられております平和条約作業グループあるいは政策企画会議というものを事務レベルでやりまして、私ども日ソ外相会談において、明年予定されておりますゴルバチョフ大統領の訪日に向けて、いろいろと両国間にある問題を解決するために双方が熱意を持って努力することを合意したことでございます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕