村上健一の発言 (科学技術委員会)
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○村上政府委員 関西電力株式会社美浜発電所二号炉において、去る二月九日に発生した事故の概要とその後の状況について御説明いたします。
同炉は、加圧水型軽水炉(PWR)で、定格出力は五十万キロワット、美浜一号炉に次いで我が国二番目のPWRとして、昭和四十七年七月二十五日に運転を開始しています。
昨年七月に第十三回定期検査を終了し、定格出力で運転中のところ、二月九日午後十二時四十分ごろ蒸気発生器ブローダウン水モニター指示値がわずかに上昇し、調査を行っていましたが、その後、午後一時四十分、タービン復水器、これは蒸気を冷やして水に戻す部分でありますが、についている空気抽出器のガス中の放射能をモニターしている装置の放射能レベルが上昇し、警報を発しました。
これは蒸気発生器に漏えいが発生し、一次側の水が二次側に漏れたものと推定されたので、手動停止の操作にかかりました。
この停止操作により原子炉の出力が低下し始めた午後一時五十分、空気抽出器ガスモニターが警報を発信するとともに、原子炉内の圧力を一定に保つ役割を持った加圧器の圧力が低下したという信号を受け、制御棒が緊急挿入され、原子炉が自動停止いたしました。引き続き、加圧器圧力低下と加圧器内の水位低下の一致の信号を受け、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動いたしました。
蒸気発生器の細管に漏えいが発生した原因はただいま調査中でありますが、現在までに得られた調査結果によりますと、A、B二基ある蒸気発生器のうちA蒸気発生器内の三千二百六十本の細管、これは直径約二センチメートル強の逆U字型をした伝熱用の細管ですが、この細管に何らかの理由で穴があき、圧力の高い一次側の水が二次側に流れ込んだためであることが判明しております。
この結果、不足した一次側の水を補うために緊急炉心冷却装置が作動し、その一部を構成している高圧注入ポンプから原子炉中に水が注入されました。同ポンプは間もなく停止されて、その後は通常の冷却系を用いて原子炉は冷却され、翌二月十日午前二時三十分冷態停止状態、すなわち温度約九十三度C、圧力二十・三キログラム・スクエアセンチgになりました。
また、一次側から二次側に流入した放射性物質を含んだ水及び復水器の空気抽出器等を通じ、放射能を有する希ガスの一部が環境中に放出されましたが、それらの量は年間放出管理目標値に比べ、液体については数万分の一、希ガスについては数十万分の一程度とされております。また、当該発電所周辺に設けられている環境モニタリングの数値は、平常値を示しており、周辺環境への影響はありませんでした。
十四日現在、一次側の水を排出し、破損箇所の特定作業が進められておりますが、一つの破損箇所が水平方向比較的中央部のX45、Y14の位置にある細管の、下から第六番目の支持板近傍にあることが特定されている状況であります。
今後の予定といたしましては、現在行われている関西電力による原因調査の結果を踏まえて、原因の究明が行われるとともに必要な再発防止対策が講じられることになるものと考えております。
また、原子力安全委員会においては、本事故を重視し、一昨日臨時会合を開きましたが、本日も定例会合を開催し、引き続き所管行政庁等から調査状況等について報告を受け、審議を行うこととしております。
当庁といたしましては、今回の事故が環境に影響を与えることはなかったものの、我が国で初めて緊急炉心冷却装置が作動したものであることは重大なことであると認識しております。
今後、事故原因の徹底究明が図られ、これに基づいて万全の安全対策がとられることが重要と認識しており、今後努力をしてまいりたいと考えております。