前田武志の発言 (環境委員会)

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○前田(武)委員 まことにありがとうございます。
 さて、余り時間もないのですが、ここでひとつ我々の日本の国の環境であり、国土の成り立ち、そういったものについての議論を進めながら、環境庁並びに政府のこれからの環境行政といいますか、地球環境に対する基本的な考え方、理念と申しますか、そういったことについて議論をさせていただきたいと思うわけでございます。
 今までのお話、御答弁の中で、そういう公害防止から個々の問題から人間社会、地球、そういった総体に対しての環境のあり方、対策、そういったものに日本の環境行政というのも大きく次元を高くして展開がされつつあるというふうに心強く感じるわけであります。
 ただ、公害白書のところでもちょっと申されておりましたが、環境に優しい、まさしくそういうことで大いに対応していただきたいわけでありますが、これはもともと自然に対して、人間文明が自然を収奪し、征服してというヨーロッパ型の国土の利用であったり、あるいは結果として自然環境の破壊であったり、これは現実にアメリカ等においても土壌浸食なんというのは非常に大きな問題になっているわけでございます。そういう中から出てくる反省としては、こういう方向に行きがちでございましょう。
 しかし、日本の自然というのが本当にそういうものであったかということを考えるわけでございます。たしか、白書等を見ておりましても、循環型社会システムというようなことを御指摘になっていたと思うのですが、日本の国土の成り立ちというものを考えますと、これは非常に小さな流域に分かれて、その流域ごとに海に近いところに小さな平たん部があり、そして里山があって、そのあとは全部山というようなことでございます。こんなことを申し上げるのは、私も川が好きで、外国の川というのはあらゆるところを見てまいりました。
 一番特徴があるのは、大陸諸国というのはほとんどが大流域であります。いわゆるライン川だとか黄河だとかミシシッピ川だとか、そういう非常に大きな流域で構成されていて、例えば韓国であってもそういう大きな流域になっております。日本は、利根川でさえ日本の国土面積からいうと大したことはないわけでございまして、非常に小さな流域が本当にしわしわの国土を刻んで、その中で自然の循環の中で水をうまく管理して水田農耕をやり、そしてその水源を養う山には山村があって、その山の幸というものをうまく生かしながら、上下流一体となっていわば自然の循環システムというのを利用し、その中にビルトインされて共生しながらやってきたというのが日本の国土のあり方ではないかなというふうに思うわけでございます。
 ここにちょっと農林省の方で調べてもらった資料があるのですが、大体日本の面積が三十七万平方キロですが、そのうち五万三千平方キロぐらいが農地のようでございます。そのうちの三万三千平方キロぐらいが水管理システムができておるのですね。水田を中心とする用排水系統ができ上がっておりまして、結局そこを通じて水を取り、そして水を供給し、排水し、それが小川に集まり、川に流れていくというようなことになっておるわけでございます。残りの大部分の面積が山林であり、そしてわずかな面積が都市、こういうふうになっておるわけでございますが、実は我々の住んでいるこの平地部なんというのは、平地部といいますか、かなりエレベーションの高いところまでも、レベルにこうやって水田をつくり、ずっと農耕、水田をやってきた。水管理システムがぴっちりとでき上がっているわけでございます。最近、都市化したところでございましても、我々の奈良県もどんどん都市化しております。しかし、住んだ人たちは、雨が降ったら水は勝手に流れているものと気楽に思いがちでございますが、それは、大抵はそういう農業の排水路に入り、そしてそこにはちゃんと管理している方がおられるわけでございます。この水システム、約三万三千平方キロの水管理がなされている、それにかかわる農業の方々が約四百六十万人だ、こういうふうに言われておるわけでございます。
 そのほか、山村、これはちょっと林野庁の方にもお聞きしたいわけでございますが、多少マクロな資料でございますので私の方で申し上げますと、振興山村という制度がございまして、過疎地というものがこういうことになっておるわけなんですが、それが十五万平方キロに近い山村部分を占めておるわけですね。日本の約六七%の山林のうちでも五割近い面積が振興山村ということになっております。そこに住んでいる人たちが約五百十万ぐらい、人口で言うとわずかなものでございます。
 私が申し上げたいのは、こういうわずかな人たちが農林業を営みながら日本の国土の大部分を、実は我々都会に住む人たちが余り気づかないところでお守りをしていただいている。それが日本の国土の実態であり、環境管理の実態ではないかなと思うわけでございますが、この辺について簡単に、国土庁の国土管理からのお立場で御答弁をいただきたい。

発言情報

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発言者: 前田武志

speaker_id: 33323

日付: 1991-04-26

院: 衆議院

会議名: 環境委員会