環境委員会

1991-04-26 衆議院 全236発言

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会議録情報#0
平成三年四月二十六日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
  委員長 小杉  隆君
   理事 小澤  潔君 理事 片岡 武司君
   理事 久間 章生君 理事 佐藤謙一郎君
   理事 柳本 卓治君 理事 斉藤 一雄君
   理事 馬場  昇君 理事 斉藤  節君
      衛藤 晟一君    鈴木 恒夫君
      戸井田三郎君    前田 武志君
      簗瀬  進君    岩垂寿喜男君
      竹内  猛君    時崎 雄司君
      長谷百合子君    東  順治君
      寺前  巖君    中井  洽君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 愛知 和男君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       森  仁美君
        環境庁企画調整
        局長      渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局地球環境部長 加藤 三郎君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 柳沢健一郎君
        環境庁自然保護
        局長      伊藤 卓雄君
        環境庁大気保全
        局長      古市 圭治君
        環境庁水質保全
        局長      武智 敏夫君
 委員外の出席者
        国土庁地方振興
        局山村豪雪地帯
        振興課長    長田 綏男君
        法務省刑事局参
        事官      鶴田 六郎君
        外務省国際連合
        局軍縮課長   神余 隆博君
        外務省国際連合
        局社会協力課長 鈴木 一泉君
        厚生省生活衛生
        局乳肉衛生課長 難波  江君
        厚生省生活衛生
        局食品化学課長 牧野 利孝君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課産業廃
        棄物対策室長  三本木 徹君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課浄化槽
        対策室長    佐藤 文友君
        林野庁指導部治
        山課長     弘中 義夫君
        水産庁研究部漁
        場保全課長   吉崎  清君
        通商産業省基礎
        産業局化学品安
        全課フロン等規
        制対策室長   小島 直樹君
        通商産業省基礎
        産業局基礎化学
        品課長     作田 頴治君
        運輸省港湾局環
        境整備課長   高井 俊郎君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 小坂 英治君
        建設省都市局下
        水道部流域下水
        道課長     松井 大悟君
        建設省河川局海
        岸課長     葛城幸一郎君
        参  考  人
        (熊本県環境公
        害部長)    魚住 汎輝君
        環境委員会調査
        室長      西川 義昌君
    ─────────────
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  塚本 三郎君     中井  洽君
同日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     塚本 三郎君
    ─────────────
四月二十四日
 かすみ網による野鳥の密猟を根絶するため、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の強化・改正に関する請願(塚本三郎君紹介)(第三三二四号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第三三八〇号)
 同(斉藤一雄君紹介)(第三三八一号)
 同(戸井田三郎君紹介)(第三三八二号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第三四一九号)
 同(竹内猛君紹介)(第三四二〇号)
 同(時崎雄司君紹介)(第三四二一号)
 同(馬場昇君紹介)(第三四二二号)
 同(簗瀬進君紹介)(第三四二三号)
同月二十五日
 かすみ網による野鳥の密猟を根絶するため、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の強化・改正に関する請願(戸塚進也君紹介)(第三四九〇号)
 同(長谷百合子君紹介)(第三四九一号)
 水俣病問題の早期解決に関する請願(渡瀬憲明君紹介)(第三五五八号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 環境保全の基本施策に関する件
     ────◇─────
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小杉隆#1
○小杉委員長 これより会議を開きます。
 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として熊本県環境公害部長魚住汎輝君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小杉隆#2
○小杉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
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小杉隆#3
○小杉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田武志君。
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前田武志#4
○前田(武)委員 ことしは環境庁発足以来二十年がたち、今週発表された白書は、たしか記念すべき二十年目の白書ではなかったかというふうに思うわけでございます。考えてみれば、昭和四十六年の七月に環境庁が発足したわけですが、その前年の四十五年の臨時国会、そして四十六年の通常国会、まさしく公害国会と言われたあの当時の高度成長の中で、いろいろなツケが回ってきた。国民が公害関係で、水俣であれ四日市であれいろいろな被害が出てきた中で、官民一緒になって解決の策を見出そうという中での環境庁の発足であったわけでございます。
 それから二十年たって、その間、環境庁も国民の期待にこたえて、その時期その時期のいろいろな問題について対処をしてきていただいたわけでございまして、その間の環境庁の果たしてきた役割に対し、私は大きな評価をし、また、ここまでやってこられた皆様方に敬意を表する次第でございます。そういう中で、新しい役所でございましょうから組織であれ人員であれあるいは予算であれ、期待が大きい割にはなかなか満足なものが整備されなかった。そういう中で、ここまでやってきたそういう皆様方の御努力というものを我々も推測する次第でございます。
 さて、そういう中で新しく就任されました愛知大臣、就任早々たしか一月三十日でしたか、OECDの環境関係の閣僚会議に早速御出席をされ、そしていよいよことしはまさしく地球環境時代という中で、来年のブラジルにおける国連環境会議に向けて日本も非常に積極的な取り組みをなさっておられるというふうに聞いております。まず、そういう中での大臣のお取り組みについて、所見を含めてお伺いをしたいと思います。
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愛知和男#5
○愛知国務大臣 御指摘のとおり、ことしは環境庁ができまして二十年、その間いろいろな経緯がございました。今お褒めの言葉もございましたが、おかげさまで二十年、環境庁としても精いっぱいの努力をさせていただいてまいりまして、その役割を果たしてきたと思っております。ただし、反省をするところもいろいろございまして、この二十年間にまだ解決がつかない、残っている問題もあるわけでありまして、こういう問題にさらに力を入れて努力をしてまいりたいと、決意を新たにいたしております。
 同時に、発足をいたしました当時、いわゆる公害防止というのが主な役割だったわけでございますが、ここ数年と申しましょうか、二、三年と申しましょうか、急に地球規模での環境問題が課題になってまいりまして、環境庁の役割がまことに目まぐるしく大きくなっているわけでございまして、御指摘のとおり環境庁の人員、組織、予算の規模では、最近の環境庁に求められる役割にとても追いついていかれない側面がございまして、非常に苦労いたしておりますが、その中で精いっぱいの努力をさせていただいております。
 国内的な公害の防止あるいは自然保護を求める国民の大きな期待にこたえていくという従来からの役割のほかに、世界の中で日本が果たしていく役割の中に、この公害を防止していく、克服をしてきた過程の中で技術革新もございましたし、あるいは人材の育成もございましたし、国全体としての経済力も大変ついてまいりました。こういうものを総合いたしますと、この環境という分野で世界に大きな貢献ができるのではないか。また、これが日本にとってもふさわしい世界に対する貢献策の中の柱にできるのではなかろうか。また、特に発展途上国に対する環境面での日本の援助、貢献といったようなものは大変大事なことではなかろうか、こういう認識をもとにいたしまして、限られた規模、予算その他の中ではございますけれども、大きな使命感を持って、こういう問題に取り組んでいく決意を新たにいたしております。
 発足二十年、環境庁ができましてから新たに入ってまいりました職員も大分育ってまいりまして、ついせんだって、ことし入ってまいりました新しい職員との懇談会などもいたしましたけれども、非常な使命感を持ってそういう人たちが入ってきておりまして、大変心強く思ったわけでございますが、そういう人たちの先頭に立って私自身も大いに頑張っていきたいと、決意を新たにいたしているところでございます。
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前田武志#6
○前田(武)委員 苦難の歴史と、そしてまた成果を踏まえた上での地球規模に対する取り組み、非常に力強く感じた次第でございます。
 今週、環境白書が発表されたわけでございますが、今年度の環境白書の主なねらい、そういったことについてひとつ簡潔に御説明を伺いたいと思います。
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渡辺修#7
○渡辺(修)政府委員 環境白書は大きく二部からできておりますが、中心は平成二年度、昨年度についての年次報告の部分でございます。ここが総説と各論に分かれておりますが、この総説が毎年毎年の特色のある部分でございます。今回は、環境に優しい経済社会への変革を目指してというテーマのもとで、三つの柱について記述をいたしました。
 第一は、地球的視野で見た環境問題と社会経済システムの変革という点でございます。
 地球的視野で環境問題を見ますと、人口、都市化、経済成長、エネルギー、こういったことに深くかかわっておりまして、こういうものを背景に南北問題、世代間の問題、人類と他の生物との共存の問題、紛争と環境、こういった要素を考慮して、従来の発生源規制といったような手段に加えまして、経済政策、交通政策、エネルギー政策などと密接な連携を図って経済社会システムの変革を行っていく、そういう方向で対処をすることが必要だということを述べております。
 第二は、来年のブラジルで開かれます環境と開発に関する国連会議について、その課題、準備状況等について述べさせていただきました。
 第三は、このテーマ、環境に優しい経済社会の変革を目指してというテーマとかかわりのある個別の二つの問題を取り上げさせていただきました。それが自動車と自然とのかかわりでございます。
 以上三つの柱を中心に述べております。
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前田武志#8
○前田(武)委員 ただいまの御答弁、それからまた大臣のお話の中にもあったわけなんですが、環境庁発足の当初の時期のことを考えますと、個々にいろいろな問題が出てきた、そういった個々の公害に対していかに対応するかということで、その当時はむしろ個別の問題の原因を分析的に究明して対応策を立てていくというような形でやってきたように思うわけです。それが今や、もっとトータルの環境というものを考えて地球規模でやっていかなければいかぬ、そういう大きな流れも感じておるわけでございます。
 さて、我が国のそういう公害対策、環境政策の中で、非常に厳しい規制をやったり、あるいは現実の社会システム、経済・技術状況、そういうものをにらみながらの政治、行政の指導、そういった中で、やはりある面ではその結果として環境の改善になるとともに、技術革新というものも大きく促進させたという面が大きかったように思います。それを通じて経済社会が発展してきたということも、これはもう皆さんの認めるところであります。
 具体的に言えば、例えば水質規制などに伴って下水道整備も随分進みました。瀬戸内海のああいう総量規制的なものもあり、そういう中で個別には水処理技術などというのも随分と進んでおるわけでございまして、けさ新聞をちょっと見たら、松本城のお堀をきれいにするような新しい水処理のシステムをベンチャービジネスが開発したというようなことも載っておったようでございます、まあこれは余談になるわけですが。
 そのほか、ただいまお触れになった排ガス規制だって、日本の自動車産業を世界に冠たるものに仕上げたというのは、まさしくあの当時の環境行政あるいは国民一体となった努力のたまものだろうというふうに思うわけでございます。
 そこで、特に今局長が指摘された排ガスについて、日本の車というのは確かに相当改良はされておるわけでございましょうが、やはり車社会のますますの発展、特にディーゼルトラック等のこともありまして、排ガスについては総量規制をやっていかなければいかぬというふうな認識になってきたと思います。そしてそういう中で、この排ガス関係について環境庁が今具体的にどういうような認識であり、どういうような取り組みをしておられるのか、これも簡潔にお願いしたいと思います。関連する分野が、役所でいえばあらゆる役所、あらゆる面にわたると思いますので、ひとつ簡潔にまとめてお答えを願いたいと思います。
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古市圭治#9
○古市政府委員 今お尋ねの単体規制につきましては、平成元年十二月に問題のディーゼル車の規制を答申をいただきまして、長期、短期、世界一厳しい規制に今向かっているわけでございます。既に平成三年度の規制というものは、運輸省と一緒になって規制値を告示いたしました。ただ、それだけでは現在の物流、人流の自動車の総量の増加というものがその規制値の効果を相殺しますので、新たに大都市を中心に排ガスの総量規制というものが必要であるという観点から、現在具体的な案の検討を進めております。各関係業界、各関係省庁に影響するところ非常に大きゅうございますので、現在いろいろ意見をヒアリングしておりまして、具体的に実現可能な案を得て法案に持っていきたい、このように考えているわけでございます。そのほかにも低公害車、電気自動車を中心に大量普及を図っていきたいと考えております。
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前田武志#10
○前田(武)委員 次に、ちょっと水質関係について、具体的なことについてお尋ねしたいわけですが、私の郷里の奈良県吉野郡というのは、もともと大台ケ原原等非常に降雨の多いところでございまして、水資源の宝庫でございます。高度成長の時期に、十津川水系、熊野川水系というのですが、随分と電源開発あるいは平たん部に農業用水、生活用水を送るそういう総合開発が行われまして、実は私の本籍地も風屋ダムという大きなダムに没しております。そして今、山の非常にきれいな渓流、山林、温泉、そういった中で新たな観光リゾート基地として脚光を浴びているわけなんですが、実はここに大きな問題が生じております。
 それは赤潮、赤潮というと何か海のように聞こえがちなんですが、実はダム、湖、淡水の閉鎖性水域における赤潮問題というのがあちこちに発生しておりますが、特にこの十津川水系、十津川・北山・熊野川水系の赤潮問題というのは、なかなか原因の究明、対策等が難しいようでございます。こういった問題が非常に難しいということはよくわかるわけでございますが、これも関連する分野が非常に多いわけでございまして、環境庁におかれまして今どういうような把握をされ、どういう対応をされておられるか、お聞きしたいと思います。
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武智敏夫#11
○武智政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘ございました、熊野川水系といいますか十津川水系といいますか、風屋ダムの貯水池におきまして五十四年の五月以降淡水赤潮が発生いたしまして、その後も毎年発生しておるというようなこと、それからまた、二津野ダム等の付近のダムでもやはり淡水赤潮が発生しておるというような状況でございます。そのほかの琵琶湖なりあるいは霞ケ浦等の内水面におきましても発生しておるというような状況でございます。
 こういった湖沼ですとかあるいはダム湖におきます淡水赤潮につきましては、これは海と違いまして、先生の方があるいはお詳しいわけでございますが、海の場合には富栄養化された海水のところで発生するわけでございますが、淡水の場合には必ずしもそうじゃございませんで、中的な栄養湖、まだある程度きれいなところでも発生するというふうに言われておるわけでございまして、いまだ発生のメカニズムにつきまして必ずしも明快でない部分が多いわけでございます。
 それで、そういったようなこともございまして、環境庁としましては、この風屋ダムを中心にしまして、国立環境研究所なりあるいは関係の自治体の参加も得まして六十三年度から調査を実施いたしております。これからも、ほかの湖沼も含めまして淡水赤潮の発生のメカニズムにつきまして、建設省なりそのほかの関係省庁とも連絡をとりながら検討を進めていきたいと思っておるわけでございます。
 なお、こういった富栄養化のおそれのある湖沼につきましては、昭和六十年の七月から水質汚濁防止法に基づきまして窒素と燐の排水規制を実施いたしております。これが淡水赤潮の防止に役立つということでございまして、この風屋ダム等につきましても燐については規制しておるというようなことでございまして、これからも規制の的確な運用に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
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前田武志#12
○前田(武)委員 今のお答えを聞いておりまして、やはり非常に複雑な難しい問題であるということはよくわかるわけですが、これは要望でございますけれども、こういう問題というものは、ある意味では個別のマイナーな問題でございますから、先端の若い優秀な学者、技術者等が、この解決に向いて人材を投入するというようなことがなかなか難しい。予算の制約もございましょう。しかし、考えてみれば、こういった問題こそ学際的に総合的に対応して解決する、そういうシステム自体が多分、町の環境、先ほど申し上げた松本ではございませんが、都市、あるいは日本国内のみならず東南アジア等においても、そういう水質の問題というのは各所にあるわけでございまして、こういうものを率先して解決して対応するシステムを開発していく、これはやはり地球環境時代の日本の責務ではないかと思いますので、もっともっと総合的に、そして力を入れて御対応を願いたい、このように思うわけでございます。大臣に一言お答えを願います。
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愛知和男#13
○愛知国務大臣 そのとおりだと思いますので、その方向で私どもも努力をさせていただきます。
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前田武志#14
○前田(武)委員 まことにありがとうございます。
 さて、余り時間もないのですが、ここでひとつ我々の日本の国の環境であり、国土の成り立ち、そういったものについての議論を進めながら、環境庁並びに政府のこれからの環境行政といいますか、地球環境に対する基本的な考え方、理念と申しますか、そういったことについて議論をさせていただきたいと思うわけでございます。
 今までのお話、御答弁の中で、そういう公害防止から個々の問題から人間社会、地球、そういった総体に対しての環境のあり方、対策、そういったものに日本の環境行政というのも大きく次元を高くして展開がされつつあるというふうに心強く感じるわけであります。
 ただ、公害白書のところでもちょっと申されておりましたが、環境に優しい、まさしくそういうことで大いに対応していただきたいわけでありますが、これはもともと自然に対して、人間文明が自然を収奪し、征服してというヨーロッパ型の国土の利用であったり、あるいは結果として自然環境の破壊であったり、これは現実にアメリカ等においても土壌浸食なんというのは非常に大きな問題になっているわけでございます。そういう中から出てくる反省としては、こういう方向に行きがちでございましょう。
 しかし、日本の自然というのが本当にそういうものであったかということを考えるわけでございます。たしか、白書等を見ておりましても、循環型社会システムというようなことを御指摘になっていたと思うのですが、日本の国土の成り立ちというものを考えますと、これは非常に小さな流域に分かれて、その流域ごとに海に近いところに小さな平たん部があり、そして里山があって、そのあとは全部山というようなことでございます。こんなことを申し上げるのは、私も川が好きで、外国の川というのはあらゆるところを見てまいりました。
 一番特徴があるのは、大陸諸国というのはほとんどが大流域であります。いわゆるライン川だとか黄河だとかミシシッピ川だとか、そういう非常に大きな流域で構成されていて、例えば韓国であってもそういう大きな流域になっております。日本は、利根川でさえ日本の国土面積からいうと大したことはないわけでございまして、非常に小さな流域が本当にしわしわの国土を刻んで、その中で自然の循環の中で水をうまく管理して水田農耕をやり、そしてその水源を養う山には山村があって、その山の幸というものをうまく生かしながら、上下流一体となっていわば自然の循環システムというのを利用し、その中にビルトインされて共生しながらやってきたというのが日本の国土のあり方ではないかなというふうに思うわけでございます。
 ここにちょっと農林省の方で調べてもらった資料があるのですが、大体日本の面積が三十七万平方キロですが、そのうち五万三千平方キロぐらいが農地のようでございます。そのうちの三万三千平方キロぐらいが水管理システムができておるのですね。水田を中心とする用排水系統ができ上がっておりまして、結局そこを通じて水を取り、そして水を供給し、排水し、それが小川に集まり、川に流れていくというようなことになっておるわけでございます。残りの大部分の面積が山林であり、そしてわずかな面積が都市、こういうふうになっておるわけでございますが、実は我々の住んでいるこの平地部なんというのは、平地部といいますか、かなりエレベーションの高いところまでも、レベルにこうやって水田をつくり、ずっと農耕、水田をやってきた。水管理システムがぴっちりとでき上がっているわけでございます。最近、都市化したところでございましても、我々の奈良県もどんどん都市化しております。しかし、住んだ人たちは、雨が降ったら水は勝手に流れているものと気楽に思いがちでございますが、それは、大抵はそういう農業の排水路に入り、そしてそこにはちゃんと管理している方がおられるわけでございます。この水システム、約三万三千平方キロの水管理がなされている、それにかかわる農業の方々が約四百六十万人だ、こういうふうに言われておるわけでございます。
 そのほか、山村、これはちょっと林野庁の方にもお聞きしたいわけでございますが、多少マクロな資料でございますので私の方で申し上げますと、振興山村という制度がございまして、過疎地というものがこういうことになっておるわけなんですが、それが十五万平方キロに近い山村部分を占めておるわけですね。日本の約六七%の山林のうちでも五割近い面積が振興山村ということになっております。そこに住んでいる人たちが約五百十万ぐらい、人口で言うとわずかなものでございます。
 私が申し上げたいのは、こういうわずかな人たちが農林業を営みながら日本の国土の大部分を、実は我々都会に住む人たちが余り気づかないところでお守りをしていただいている。それが日本の国土の実態であり、環境管理の実態ではないかなと思うわけでございますが、この辺について簡単に、国土庁の国土管理からのお立場で御答弁をいただきたい。
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長田綏男#15
○長田説明員 お答えします。
 先生のおっしゃられるように、振興山村、全国で千百九十五の市町村がございますが、国土の半分、約千七百九十万ヘクタールを……(前田(武)委員「それはいい。ちょっとそのお答えだけ」と呼ぶ)こういう非常に大事な山村でございますが、今森林・林業の停滞とか若者の減少ということで、山村地域において森林の質等の保全を図るということが緊急の課題になっておるわけでございまして、それで先般、先生方のお力で議員立法で山村振興法を直していただきまして、若者を定着し、森林保全等を図る仕組みを第三セクターという形でつくらせていただいたわけでございまして、それに必要な税制措置、財政措置等を講ずることとしております。
 今後とも、このような方向で各省力を合わせて山村振興に努めていきたいという所存でございます。
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前田武志#16
○前田(武)委員 時間もないので、少し急がせていただきます。
 実はここに一つ、割りばし問題というものがあります。ここにも資料を持ってきておるのですが、当初、割りばしというのがまるで熱帯雨林を破壊する元凶のようなPRがちょっとなされて、新聞論調を読んでおりましても、その後大分冷静化しておるようでございますが、これも実態はある程度把握しております。輸入も多いのですが、中国がほとんどであり、インドネシアもあります。しかし、そういうはしに使う材木というのは、まさしく松根油を取った残りの、本当にほっておけば利用価値のないようなものを使ってはしとして日本に輸出する。
 それから、我が地元の奈良県の吉野というのは実は割りばしの産地でございまして、もともと後醍醐天皇が使い始めたということで、そのぐらいの歴史を持っておるわけでございますが、これは材木を、吉野杉等を使った端材、丸い材から四角の材を切り出したら必ず端材が出ます。それを利用しての、まさしく資源の有効利用であったわけでございます。
 こういうものについて、若干私は環境庁に疑問を呈しますのは、元年度の環境白書かどこかにこの割りばしの問題についてちょっと付言しているところがございます。こういう資源のむだ遣いというようなニュアンスの言い方でちょっと付言しておるところがございます。こういうものも、今の日本の国土の成り立ち、そういったものをよく考えていただきたい。
 例えば利根川流域、それから木曽川流域等にいたしましても、これは先人たちが営々としてつくり上げてきた水管理システムの中で技術が進歩し、そういった自然の猛威とうまく調整しながらやってきたことでございまして、あの地域の農業生産の向上、人口のふえ方、そういうものはまさしくあの地域の水管理システムの進歩と一体になっておるわけでございます。当然そういった中での河口ぜき問題ということもあるわけでございまして、要するに結論としては、我々の国土というのは、私たちがそういう自然観の中でうまく水管理、そして森林、これを管理しながら自然の中に共生するような形でやってきた結果、これだけの大きな人口がこれだけの大きな経済活動を営みながら、しかも非常に自然に対して被害を受けやすい地形、雨、気候、そういう特性の中でここまでやってきた、そういったところをぜひ環境庁においても御認識をされて、そういったことをむしろ体験する機会の少ない子供たちに、教育という面でもぜひPRをしていただきたい、こういうふうに思う次第であります。
 時間がなくなって非常に残念なのですが、もう一点だけちょっとお許しをいただいて指摘しておきたいのは、そういった山村農業というものが、実は今まさしく崩壊しようとしておるわけでございます。そういう意味で、米の問題にしろ何にしろ、もう少し、環境庁が日本の農林業が持っているすばらしい環境のお守り役、いわばレンジャーみたいな仕事をしておるわけでございますから、その辺のことについて声を大きくしてPRもしていただきたい。外国に対してもしていただきたい。そして、こういうことが恐らく、二十一世紀の地球環境という場合、この日本の持つ文化そのものが、それをもっとリファインしてきちっとしたシステムとしてやっていけば、二十一世紀の地球に大きく貢献できる、発進できる文化のリソースになるのじゃないかと私は思います。
 最後に、お願いといたしましては、この一番大きな面積を占める山村において何が一番問題かといいますと、実は十五年、二十年たった間引かなければいかぬ木が、利用がなくなったために放置され、それが今、山を腐らせようとしております。これの利用というものは、実は林野庁あるいは農林省のいろいろな農業整備、それから建設省関連の河川の護岸であるとかあるいは道路ののりどめであるとか、そういったことも含めまして、随分と利用の道があるわけでございまして、これこそ自然に優しい用い方ではないかな、こういうふうに思うわけでございます。
 各省に来てもらっているのですが、時間がありませんので、最後に大臣に、御所見を含めて御回答をいただきたいと思います。
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愛知和男#17
○愛知国務大臣 今先生御指摘になりましたことは大変重要なことでございまして、具体的に割りばしの問題あるいは水田の問題等々、お触れになりました。私も、水田の点から申しますと、宮城県でもございますので、この農業の果たす自然環境を守るという環境の面での重要性というものは非常に認識をしているつもりでございまして、個人的にも機会をとらえてそのような話をいたしてまいっておりますが、その重要性を私どもとしても大いにまたPRをしていきたい。
 一つ、農業で申し上げますと、最近は少々肥料をやり過ぎるということで、若干その辺の問題はあるとは思いますが、その点のことは指摘をさしていただいた上で、この農業の問題というのは、環境の面からも大変大事だということを私ども認識をいたしているつもりでございます。
 最後に、文化のお話がございました。
 せんだって、環境庁でいろいろな幅広い方々にお集まりをいただきまして、二年ほど前から環境と文化に関する懇談会というのをやっていただきまして、中間報告をまとめていただきましたけれども、まさに文化の問題だ、いよいよこの日本の古来の文化のいいところをこの際見直していくということが大変大事なことではなかろうかというような御指摘もございました。
 環境の問題というのはいろいろな切り口がございますけれども、大変奥深い問題だということを改めて認識をいたしたわけでありますが、今先生の御指摘の点をよく踏まえまして、私どもも今後とも頑張らせていただきます。
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小杉隆#18
○小杉委員長 時間ですので、済みません。
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前田武志#19
○前田(武)委員 終わります。
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小杉隆#20
○小杉委員長 衛藤晟一君。
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衛藤晟一#21
○衛藤(晟)委員 地球環境保全問題についてお尋ねをいたしたいというように思います。
 環境庁長官は所信でも、地球環境保全問題が、我が国が最も国際的に貢献できる分野であるというぐあいに決意を述べられております。私ども、そういうように思っております。
 一昨年、マルタで会談を持たれました。マルタでの会談はまさに第二次大戦後の世界のいわゆる管理というか支配を決めたヤルタ、その中から起こってきた冷戦構造、その終えんをマルタで宣言をし、新しい世界構造ができつつあるのだということを宣言した画期的な会談でもありましたが、いま一方で忘れてならないのは環境問題であったというように思います。まさに、マルタにおいて米ソ両大国、ブッシュさんとゴルバチョフさんが地球環境保全について高らかに宣言をし、スタートした。そういう意味では、特に環境問題についてはマルタの意義は大きいのじゃないのかというように私どもは思っております。
 そこで、内外の最重要課題であります地球環境問題に取り組まれる環境庁長官の決意を一言お伺いいたします。
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愛知和男#22
○愛知国務大臣 先生御指摘のとおり、地球環境問題はまことに重要な課題になっておりますが、先生御自身も新地球環境議連などを通じて大いに議員の立場からこの問題に取り組んでいただいておりますことをこの機会に心から感謝を申し上げ、また敬意を表したいと存じます。
 御指摘のとおり、まさに地球環境問題、これは再三申し上げておりますけれども、日本が国際社会の中で果たすべき役割の中で大きな柱に据えていくにふさわしい課題であろう、このように考えます。そういう考えをもとにいたしまして、これからも全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
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衛藤晟一#23
○衛藤(晟)委員 ありがとうございました。
 私どもも、まさに日本が世界に向かって貢献できる最も大きな分野だ、経済と技術というのは大きいわけですが、これをどちらの方向に向けるかというと、日本は、軍事ではなくてやはり環境問題であるというぐあいに思っております。長官のまさにダイナミックな活躍を御期待申し上げる次第でございます。
 二番目に、積極的な環境外交を展開されております長官が、四月末から五月初め、この連休にかけてインドネシア、中国等へ海外視察に出かけられるというぐあいにお聞きをいたしておりますが、その目的は何なのでしょうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
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愛知和男#24
○愛知国務大臣 明日出発をいたしまして、インドネシア、中国、シンガポールを訪問する予定にいたしております。
 日本にとりましては、いわゆる発展途上国に対する環境面での支援、協力というのがやはり、先ほど申しました日本の国際社会における役割の大きな柱で、その中でも発展途上国に対する支援、協力が大変大事ではなかろうかという認識をもとにいたしまして、とりあえずこの両国を訪問することにいたしました。
 インドネシアにおきましては、カリマンタンにおける熱帯林の現地視察を行っていきたいと思っております。また、その視察をもとにいたしまして、インドネシアの指導者といろいろ意見交換をしてまいりたいと考えております。また、我が国の協力で環境管理センターを計画しているわけでございますが、こんなような問題についても話をしていきたいと思っております。
 中国につきましては、御承知のとおり大変多くの人口を抱えた中国でもございますので、今後、中国が環境問題でいろいろな問題に直面する可能性がございます。そういうこともございまして、実は日中友好環境保全センターというのを既に日本の協力で建設することが決定をいたしておりまして、ことしの秋にはそれが着工されることになっておりますが、このプロジェクトに関する点、またさらに、もっと幅広く、これから中国と日本との間で環境問題にどのような協力体制が組めるか、その体制づくり等につきましても中国の指導者と意見交換をしてまいりたいと考えております。
 シンガポールにつきましては、ああいう土地柄でございますので、自動車交通量、自動車の公害の問題がシンガポールでも発生をいたしまして、これをいわゆる総量規制等を講じて先進的な取り組みをしているわけでございまして、逆にシンガポールにおきましては、いろいろとこれからの日本の自動車の総量規制、大気汚染の取り組みに関するそういう対策についてかなり参考にできることがあるのではなかろうか、こういうこと。また、あそこの、シンガポールの方が、来年の国際会議における重要な役割を果たす方がおられると聞いておりまして、こういう方々との意見交換あるいは人間的な交流などを図ってまいりたい。
 ごく概略、このような目的で行ってくるつもりでございます。
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衛藤晟一#25
○衛藤(晟)委員 大きな成果を期待いたしています。
 さて、地球環境保全に向けては各省庁がさまざまな施策を行っています。私どもも一応これを見させていただいておるわけでございますが、どうもこれらの施策についてどのような整合性を持たせているのか、本当に地球環境保全という目的に向かって各省庁の連絡が密になり、ちゃんとした一本のテーマのもとにそれが進められているのかどうか、何かある意味では、各省庁がやりやすいところから勝手にやっているというような感を受けないわけでもありませんので、そのことについてどうされているのか。また、現状そのような取り組みで世界に貢献する我が国の取り組みとして十分と言えるのかどうか。それについてお聞かせをいただきたいと思います。
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加藤三郎#26
○加藤(三)政府委員 先生御指摘のとおり、環境問題、なかんずく地球環境問題はいろいろな省庁にまたがっております。例えば温暖化一つとりましても、エネルギーに絡まりますし、それから都市住宅問題にも関係いたしますし、交通、運輸にも関係いたします。廃棄物にも関係いたしますし、植林とか緑、そういったもの、あるいは調査研究、いろいろな分野にかかわっております。
 そういう意味で、先生御指摘のように、それぞれの部門部門をつかさどっております関係省庁がそれぞれいろいろなことをしておりまして、一見何かばらばらにやっている、そういう印象があるいはあるのかもしれません。しかし、私どもといたしましては、特に環境庁といたしましては、政府部内におきまして環境政策を調整する立場、基本施策を企画し、そういった関係省庁のいろいろな諸施策を調整する立場から、私ども、微力ながらも奮闘しているつもりでございまして、例えば地球温暖化防止行動計画をつくり、昨年の十月に最終的に決定いたしましたが、それに至るまでの四カ月間、すべての関係する省庁と綿密に練り上げまして、私ども、その役割をさせていただきまして、一つの政府として整合性のとれた行動計画をつくっておるわけでございます。
 また、今回の湾岸問題につきましても、環境という立場では、環境庁それなりに役割を演じているというふうに自負をいたしておりまして、今後とも、非常に幅広い分野でございますので、いろいろな省庁ともちろん協力関係を保ちながらも、調整のとれたきちっとした政策をまとめ上げるように努力をしてまいりたいと思っております。
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衛藤晟一#27
○衛藤(晟)委員 ありがとうございました。
 そこで私は、環境庁はどちらかというと今まで規制官庁で来過ぎたのではないのか、そういう意味では、もっと事業をダイナミックにできる官庁に脱皮する必要があるのではないのかというぐあいに一つ思っています。
 そこで、長官に私、お尋ねしたいというか、自分の意見を申し上げながら長官のお気持ちをお聞きしたいわけでございますが、やはり世界に貢献するということになりますと、今ある、例えばシステムというかでは、国立環境研究所の中にある地球環境研究センターではちょっと足りないし、あるいは地球環境財団なんかを見ましても、基本財産は二億程度で事業費も二億五千万程度なんですね。とてもこんなレベルでは足りないのではないのか、最初のシステムづくりにおいてもっとダイナミックさが要るのではないのかなという感じを正直言って持っています。やはりどちらかというと今まで、過去三年くらい前までは公害規制の方に重点が行っていて、どうもただ守ればいい、規制すればいいという感で来たからこういうぐあいになったのではないのか。せっかくマルタでも、世界的な環境問題における一大転機が来たということは間違いのないことですし、国内的にもそういう合意がやっとでき上がりつつあるというときに、もっともっとダイナミックなシステムづくりが私は必要であるというように思っています。
 そこで、例えば酸性雨等に関してはやはり中国——我が国でいきますと、東欧というよりむしろお隣の中国と、十億トンも石炭を燃やしているわけでございまして、単に技術供与したからといって、恐らく粉じんやあるいはSOxやNOxを回収する装置をつけないと思うのですね。そうしていくと、やはり日本の方からむしろODA絡みでもいいから供与、設備を提供するということが必要になってくるのではないのかという感じがいたします。
 砂漠化の防止につきましても、砂漠は具体的に緑化していくことが必要だし、あるいは熱帯雨林が伐採されている。特にブラジルなんかでは、最近言われているのは、一体切ったのはだれなんだ、材木を使ったのはだれなんだ、日本じゃないのかというふうに世界の中で言われているわけでございまして、それであれば、砂漠化の問題にしろ、日本が思い切って世界じゅう造林をして回る、植林をして、造林をして育林をしていくというくらいのことはやらなければいけないのではないのかという気がするのですね。
 あるいは低公害車にいたしましても、アメリカでも相当な技術開発がなされていますが、日本の役所においても十カ年間計画くらい組んで、このうちで、余り長距離でないところについては完全に役所の車をかえようじゃないか、あるいはその技術開発について思い切った資金をメーカーに対しても提供していく、それを進めていくんだという意思をはっきりとメーカーに対しても宣言するというくらいのことは、私は必要だと思うのですね。
 そういうことをやろうとするのであれば、二億くらいの今の財団法人の地球環境財団くらいではとても足りない。やはり一千億とか二千億とかという単位の基本財産を持った、こんな地球環境保全センターみたいなものが必ず必要だし、またこいねがわくは、大きい話かもしれないけれども、先ほど言ったような話を実現していこうと思えば、GNPの一%くらいは環境関連の事業に投入する。ODA絡みを入れて、あるいは役所に低公害車を導入するにしても、現状では二、三倍の値段がしますし、また大量生産されるようになっても二、三割はどうしても高くなるわけですから、そういうような関係に思い切ってやるためにGNPの一%くらいは投資するんだ、投入していくんだというような形で、そういう合意づくりを今からしていくべきではなかろうか。それをぜひ環境庁長官にやっていただきたい、そんな財団をつくるためのスタートをしていただきたいなというふうに思っているわけでございますが、そこのところを長官に、リーダーの役割を果たしてもらいたいという願いを込めまして、ひとつ決意のほどをよろしくお願いいたします。
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愛知和男#28
○愛知国務大臣 先生がかねてからこの環境問題、特に地球環境保全のためにはもっとダイナミックなシステムをつくっていかなくちゃいけないと御提唱されておられることを伺っておりまして、その構想の壮大なこと、まことに傾聴すべき御意見だ、このように考えております。現実問題として直ちにそれがすぐできるということも難しい面もございますが、しかし、その先生のアイデア、構想そのものにつきましては、私は個人的には大変敬意を表したいと思います。
 そのゴールに到達する間でそれなりに環境庁としてもいろいろと施策を講じてきておるわけでございますが、確かにその都度、資金の問題などでも壁に突き当たりまして、なかなか思うようにいかないところがございますが、最近、おかげさまで民間でもいろいろと新しい財団をつくっていただいたり、いろいろな動きがございますので、当面はそういうことを大いに推奨していきながら、最終的には先生が言われるような大きな、それをまとめ上げていくというものができれば理想的ではなかろうかと思いますが、私も、長官としてもそうではございますが、また個人的にも、政治家の一人としてこれからも頑張っていきたい、このように考えます。
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衛藤晟一#29
○衛藤(晟)委員 長官、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、我が国におきましては、やはり世界に先駆けて環境保全型社会を実現するためにも、国内的には地球温暖化防止行動計画等の着実な推進が必要であるというぐあいに思っておりますが、地球温暖化問題は、生活と産業のあらゆる分野と深くかかわっています。政府だけではなくて、産業界を挙げて、あるいは国民をも挙げて取り組んでいくことがどうしても必要なことだというように思っておりますが、そのことについてお答えいただきたいと思います。
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