前田武志の発言 (環境委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○前田(武)委員 時間もないので、少し急がせていただきます。
 実はここに一つ、割りばし問題というものがあります。ここにも資料を持ってきておるのですが、当初、割りばしというのがまるで熱帯雨林を破壊する元凶のようなPRがちょっとなされて、新聞論調を読んでおりましても、その後大分冷静化しておるようでございますが、これも実態はある程度把握しております。輸入も多いのですが、中国がほとんどであり、インドネシアもあります。しかし、そういうはしに使う材木というのは、まさしく松根油を取った残りの、本当にほっておけば利用価値のないようなものを使ってはしとして日本に輸出する。
 それから、我が地元の奈良県の吉野というのは実は割りばしの産地でございまして、もともと後醍醐天皇が使い始めたということで、そのぐらいの歴史を持っておるわけでございますが、これは材木を、吉野杉等を使った端材、丸い材から四角の材を切り出したら必ず端材が出ます。それを利用しての、まさしく資源の有効利用であったわけでございます。
 こういうものについて、若干私は環境庁に疑問を呈しますのは、元年度の環境白書かどこかにこの割りばしの問題についてちょっと付言しているところがございます。こういう資源のむだ遣いというようなニュアンスの言い方でちょっと付言しておるところがございます。こういうものも、今の日本の国土の成り立ち、そういったものをよく考えていただきたい。
 例えば利根川流域、それから木曽川流域等にいたしましても、これは先人たちが営々としてつくり上げてきた水管理システムの中で技術が進歩し、そういった自然の猛威とうまく調整しながらやってきたことでございまして、あの地域の農業生産の向上、人口のふえ方、そういうものはまさしくあの地域の水管理システムの進歩と一体になっておるわけでございます。当然そういった中での河口ぜき問題ということもあるわけでございまして、要するに結論としては、我々の国土というのは、私たちがそういう自然観の中でうまく水管理、そして森林、これを管理しながら自然の中に共生するような形でやってきた結果、これだけの大きな人口がこれだけの大きな経済活動を営みながら、しかも非常に自然に対して被害を受けやすい地形、雨、気候、そういう特性の中でここまでやってきた、そういったところをぜひ環境庁においても御認識をされて、そういったことをむしろ体験する機会の少ない子供たちに、教育という面でもぜひPRをしていただきたい、こういうふうに思う次第であります。
 時間がなくなって非常に残念なのですが、もう一点だけちょっとお許しをいただいて指摘しておきたいのは、そういった山村農業というものが、実は今まさしく崩壊しようとしておるわけでございます。そういう意味で、米の問題にしろ何にしろ、もう少し、環境庁が日本の農林業が持っているすばらしい環境のお守り役、いわばレンジャーみたいな仕事をしておるわけでございますから、その辺のことについて声を大きくしてPRもしていただきたい。外国に対してもしていただきたい。そして、こういうことが恐らく、二十一世紀の地球環境という場合、この日本の持つ文化そのものが、それをもっとリファインしてきちっとしたシステムとしてやっていけば、二十一世紀の地球に大きく貢献できる、発進できる文化のリソースになるのじゃないかと私は思います。
 最後に、お願いといたしましては、この一番大きな面積を占める山村において何が一番問題かといいますと、実は十五年、二十年たった間引かなければいかぬ木が、利用がなくなったために放置され、それが今、山を腐らせようとしております。これの利用というものは、実は林野庁あるいは農林省のいろいろな農業整備、それから建設省関連の河川の護岸であるとかあるいは道路ののりどめであるとか、そういったことも含めまして、随分と利用の道があるわけでございまして、これこそ自然に優しい用い方ではないかな、こういうふうに思うわけでございます。
 各省に来てもらっているのですが、時間がありませんので、最後に大臣に、御所見を含めて御回答をいただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 112004006X00519910426_016

発言者: 前田武志

speaker_id: 33323

日付: 1991-04-26

院: 衆議院

会議名: 環境委員会