馬場昇の発言 (環境委員会)
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○馬場委員 私は、時間は待ってくれないと思いますが、経団連さえも、さえもと言うとあれですけれども、僕は二十年近く環境問題をやっているのに、非常にブレーキになってきたところですよね、この経済界、経団連とかなんとかというのは。これがこの間、二、三日前ですかね、四月二十三日に、地球規模で環境保全に取り組むことを抜きにして今後の企業活動はあり得ない、生態系への配慮を経営方針に取り入れることとして、地球環境憲章を制定したということが伝わってきている。経団連さえこういう地球環境憲章というのをつくるのだから、もうぜひ早くその環境基本法というのを政府はつくって国民をリードしていただきたい。検討するとおっしゃいましたけれども、急いでいただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
次に、もう一つ。環境アセスメント、環境影響評価法について申し上げたいと思うのですが、私は環境アセスメントについては非常に深い思いを実は今持ってここに立っておるのです。
昭和五十五年、大平内閣のときにこの場所で、時の環境庁長官は土屋さんでした。現在の参議院議長。あの人とこの環境アセスメントでここで大いに議論したことを実は思い出して立っているのです。それからその明くる年の昭和五十六年に鈴木内閣のときの環境庁長官は、鯨岡さんが環境庁長官でございまして、あの人はああいう人ですから、あの人とはもう白熱の議論をしたことを実は覚えておるわけでございますが、そういう中から政府が昭和五十六年に環境アセスメント法を閣議決定をして国会に提出したわけですね。そのときに私はこの環境委員会の理事をしておりまして、その環境アセスメントの中には電源開発の部分を対象から除いた、もと入っておったのを除かれた、こんなずさんなアセスメントがあるかと言って、ここで大分やったわけでございます。
そういうこともありまして、しかし、結局その時点では、この環境アセスメント法は廃案になって成立をしてこなかった、こういう経過をずっと思い浮かべながら今物を言っているわけでございますけれども、その後、しかし、こういう法律がないものだから、先ほどもちょっとここで斉藤さんからも議論があったのですけれども、政府は法律を制定しなかったものだから、五十九年八月に、国の関与する大規模な事業に係る統一ルールとして、環境影響評価実施要綱というのを閣議決定で定めて、今環境アセスメントがそれによって行われておるのですね。
しかし、この要綱というのは、今見てみますと実は重大な欠陥を持っておるわけでございます。結論から言うと、大臣にも環境庁にもかかわりますけれども、この環境アセスメントから環境庁を排除しようというような思想がこの要綱の中に入っていますね。
例えばどういうことかといいますと、私たちがここで議論しましたアセスメント法律の中には、環境庁長官は、必要に応じて評価書について意見を述べることができるとなっています。環境庁長官は主体的に意見を述べることができるとなっています。ところが、この閣議決定の要綱によりますと、主務大臣は、その実施によって環境に及ぼす影響について特に配慮する必要があると認める事項があるときに環境庁長官の意見を求めることができる、主務大臣が必要があると認めたときだけ環境庁長官の意見を求めることができる、環境庁はそのほかはもう意見は言えないというような格好になっております。
そして、政府が閣議で決定いたしました環境影響評価実施要綱のその後の実施状況を見てみますと、大体この要綱に照らして四十件以上が、例えばダムの建設工事だとか道路の新設、埋立事業に適用されております。最終的に環境庁長官の意見を求められたのはその中でたった一件ですよ。それは東京湾岸横断道路建設事業、ここでは環境庁長官に意見が求められた。ほかはさっと三十九件ぐらい。何一つ環境庁長官の意見をアセスについて求めていない、そういう状況もあるわけでございます。
そこで、この前アセスが流産しましたときには産業界のいろいろな反対があったのですが、今のような事情も踏まえながら、経団連のこの間の地球環境憲章の中に、その行動指針として、事業活動の全段階で環境影響評価を実施するということが入っています。もうこれは積極的にやるということを言っておるわけでございます。そこで、国も法律として環境影響評価法というものをこの際制定する必要があるのではないか、こういうことを思うのですけれども、大臣、いかがですか。