中尾栄一の発言 (商工委員会)

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○中尾国務大臣 私も委員同様にそういう問題につきまして、すなわち国益、今委員は技術ナショナリズムという言葉を使いましたが、しからば世界の対決、相克とは一体何なのか、それは私いつも悩み考えたこともございます。
 確かにワールズガバメントという言葉がありますように、世界政府、あるいは今度行われようとしておりますECの統合、ECの統合も経済市場統合はできましょう。では、しからば言語も違う、人種も違う、そういうものが、統合的なユニティーというものは本当にECの中における政治的な立場で一体でき得るかということになりますと、これは問題があろうと思うのでございます。したがいまして、各国、人種もある意味においては違いがある、言語の違いがある、場合によっては立場に応じて、私どものような日本の国は他の国と性質的にちょっと違うことは、灘の生一本的な、北海道から九州、沖縄に至るまで一つの言語を使い、一つの単一民族であるという特徴もあるかもしれません。
 そういう点から考えますと、国益はいかなる場合においても優先しなければやはり存立するものではない、一国のレーゾンデートルはあり得ないという結論がどうしてもでてくるわけでございます。相手が宇宙からの、サテライトからの地球に対する挑戦というような場合には地球は団結するかもしれません。それがゆえに地球上の相克というものは国益がいかにしても優先するというのは、歴史上の今日までの流れであり、また今からも多少、そういうことでなく大きなグローバルな気持ちを持っておっても、そのことは否めない事実として存続することも事実であろうと思うのであります。
 そういう点から考えますと、我が国は二十一世紀に向かいまして経済社会の発展の原動力でございます技術開発の能力というものをさらに発展させるとともに、いわゆる技術ただ乗り論等の国際的な批判というものにはこたえなければならない。日本という国は資源がないものですから外国からの物まねだけでやっているんじゃないか、こういう極論もございますが、そういうこともある意味においては払拭するだけの努力を傾注しなければならぬことも事実でございましょう。世界経済の発展のために相応の貢献を行うためには、我が国がみずから基礎的な先導的な技術開発の積極的な推進を図ることがいかようにも喫緊の課題である、私は断言できると思うのでございます。
 また、欧米諸国の一部におきまして技術囲い込みと言われておりまする動きが出てきておりまして、OECDの場におきましてもこのような動きに対する懸念が表明されているわけでございます。私もOECDの会議には何回か出させていただきましたけれども、私自身もいつも思いますのは、日本はこれだけの先進国になってはいながらも、血は水よりも濃いといいましょうか、欧米というのは最終段階では相当なネゴシエートが巧みに行われて、そしてアイソレートされていくような立場というものを我々は感ぜざるを得ないのでございまして、それも考えますると、技術開発の創造活動あるいはその成果の流通、移転というものを活性化するということは、いわゆるテクノグローバリズムの理念に基づいて産業技術政策を推進してまいるのは我々の喫緊の課題であると言っても差し支えはございません。
 このような観点から、通産省としましては、これまでサミットの場におきましてもヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進を提唱するとともに、地球環境技術対策というものにおける先導的役割を果たす、場合によってはイニシアチブをとっていく、積極的にこの理念を実践したいところでございます。またしなければならぬと思っておるのでございます。これによりまして科学技術が我が国を含め世界全体にもたらす利益を最大のものとするものと考えるものでございます。
 ちなみに、委員御指摘のとおり、日本の頭脳開発が、ブレーンストーミングじゃありませんが、せっかく日本でつくったものが自分自身の与えられている環境、待遇のために外国に行って、むしろ頭脳は移動されてしまう、こういうことは厳に避けなければならぬな、そのためにはあらゆる観点においての私どもの処遇改善あるいは予算措置、こういうものを国家的レベルで、しかも官庁などのセクショナリズムを排して、こういう問題に積極果敢に取り組んでいくことが必要だと思っておる次第でございます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中尾栄一

speaker_id: 15618

日付: 1991-03-15

院: 衆議院

会議名: 商工委員会