商工委員会

1991-03-15 衆議院 全193発言

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会議録情報#0
平成三年三月十五日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 奥田 幹生君
   理事 逢沢 一郎君 理事 甘利  明君
   理事 高村 正彦君 理事 佐藤謙一郎君
   理事 額賀福志郎君 理事 竹村 幸雄君
   理事 和田 貞夫君 理事 森本 晃司君
      尾身 幸次君    加藤 卓二君
      木村 義雄君    古賀 正浩君
      佐藤 信二君    斉藤斗志二君
      坂井 隆憲君    住  博司君
      田中 秀征君    田辺 広雄君
      田原  隆君    谷川 和穗君
      中谷  元君    鳩山 邦夫君
      深谷 隆司君    町村 信孝君
      山本  拓君    渡辺 秀央君
      小澤 克介君    大畠 章宏君
      加藤 繁秋君    小岩井 清君
      渋谷  修君    鈴木  久君
      水田  稔君    安田  範君
      吉田 和子君    権藤 恒夫君
      二見 伸明君    渡部 一郎君
      小沢 和秋君    川端 達夫君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中尾 栄一君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      熊野 英昭君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  高島  章君
        通商産業大臣官
        房審議官    横田 捷宏君
        通商産業大臣官
        房審議官    合田宏四郎君
        通商産業省立地
        公害局長    岡松壯三郎君
        通商産業省機械
        情報産業局長  山本 幸助君
        工業技術院長  杉浦  賢君
        資源エネルギー
        庁次長     深沢  亘君
        中小企業庁指導
        部長      田島 哲也君
 委員外の出席者
        外務省国際連合
        局原子力課長  貞岡 義幸君
        文部省高等教育
        局大学課長   泊  龍雄君
        文部省高等教育
        局専門教育課長 若林  元君
        商工委員会調査
        室長      松尾 恒生君
    ─────────────
委員の異動
三月十五日
 辞任         補欠選任
  浦野 烋興君     住  博司君
  加藤 卓二君     坂井 隆憲君
  田中 秀征君     町村 信孝君
同日
 辞任         補欠選任
  坂井 隆憲君     加藤 卓二君
  住  博司君     浦野 烋興君
  町村 信孝君     田中 秀征君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
     ────◇─────
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奥田幹生#1
○奥田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田範君。
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安田範#2
○安田(範)委員 産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 この改正法律案は、政府の委託による産業技術の国際共同研究の成果として得られた特許権等の一部を研究を実施した企業等に帰属させることと、研究を実施した企業が無償または低廉な対価で実施することを認める、こういうことでありまして、さらにNEDOの委託も政府の委託に準ずること、そしてこの分野での国際関係の円滑化を図ろう、こういうことで出されてまいったと思うのであります。実質的にはこの点が今回の改正の内容であろう、かように考えているわけでありますが、しかし私はこの改正案を検討してまいりますときに、単に法案の内容というものだけではなくして、第二次世界大戦以降の時の流れと申しましょうか、時代の変遷、こういうことに思いをいたし、いろいろな情感に駆られたわけであります。
 同時に、我が国の通商産業政策のみならず、広く経済あるいは外交面での意識や発想の転換期にある、言うならばそういうところに直面をしているという状況を非常に強く感じたわけであります。同時にまた、そういう状況の中でそれぞれの政策課題に対して的確な対処をしていかなければならない、これが国全体としての喫緊の課題であろう、こういうことも感じたわけであります。今日の世界に冠たる日本の経済成長を築き上げてまいりました巨大な政治機構、もちろんあらゆる経済的な努力とかあるいはまた勤勉な、働き過ぎと指摘をされるような国民の多くの皆様方が挙げて努力をしてまいった、こういうことに対しては極めて高い評価をされるべきであり、同時にまたその評価を惜しむべきものではない、かように考えているところであります。
 そういうところで、今この場では特にこの政治機構の問題等について触れてみたいと思うのでありますが、率直に申し上げまして、機構の巨大さといいまするか肥大さ、こういうものがなかなか意識の変革というものにマッチしないというか即応できない、こういう状況になりつつあるのではないかな、こんなことをしみじみと感じているのが現況であります。まあ役所でありますから、今日まで言われてまいりました縄張り意識だとかあるいはまたそれぞれの省庁ごとの既得権の確保と申しまするか、そういうものが閉鎖性となって、なかなか時代の変遷あるいは時代の要請というものに対応できない、こういう事情もあるのではないかな、こんなことを感じているわけであります。
 そういう中で日米構造問題協議、そういう中での幾つかの問題点がありますけれども、それが典型的に、適切な政府の対応が欠けている、こういうことがあらわれているのではないか、こんなふうに実は思います。といいますのは、国内でいろいろな政治的なあるいは事象的な矛盾なんかがたくさんありまして、そういうものを解決しようという努力はそれなりにされているのですけれども、数年たちましてもそれらの問題というものがなかなか解決をされていない。ところが反面、日米構造問題協議の中で一つの問題をとらえられて外国からいろいろな注文が出てくる、要請が出てまいるということになりますると、巧みにそれを
工夫しまして、今まで困難だ、できないというふうに言い切っていたものまで何とかやり抜けられる、こういうような状況があるわけですね。
 そういう面を考えますると、言うならば日本の政治の主体性と申しますか自主性と申しますか、そういうものとのかかわりの中で大変妙な印象を今受けざるを得ない、これは実感であります。そういう実感を前提にしまして今回の法改正というものを見ましたときに、やはりこれは何なのかな、言うならば今回の法改正というものは遅きに失した分ではないのかな、こんなことを感ずるわけであります。が、そういうことにつきまして諸般の情勢から今回一部改正ということで出されました、法案の提出をした背景と申しまするかそういうものについて実はお聞きをいたしたいな、こんなふうに考えております。
 同時にまた、今回の改正によりまして、今までの諸外国との言うならば摩擦でしょうか、そういうものが解消できるのか、こういうことも一つの課題としてあると思うのであります。外国の不満はこれでなくなるというようなことで受けとめてよろしいのかどうか、この辺につきましてもあわせてひとつ包括的に御答弁をいただきたい、かように思います。
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杉浦賢#3
○杉浦(賢)政府委員 今回、法案の提出に至りました背景を御説明させていただきたいと思います。
 近年、技術革新が非常に急速な勢いで進展しているかと思います。こういう中にございまして、産業技術分野における研究開発におきましては今までより一層複雑でいろいろな専門知識を組み合わせた研究を進めていくことが必要となってきております。このようにいろいろな分野にわたる専門的な知識を必要といたしますことから、我が国だけで対応するよりも広く各国の研究者の知識を集めて行う国際共同研究によって研究開発を進めることが非常に重要になってきていると考えております。特に政府、または新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOと略称いたしますが、その委託により研究開発を行っている分野を申しますと、基礎的で先導的な分野でありますので、広く各国の研究者の専門的知識を組み合わせた国際共同研究により行う必要性が非常に高くなっているかと思います。
 しかしながら、それにもかかわらず、その研究開発の成果の取り扱いにつきまして諸外国の取り扱いと異なった点がございます。このため外国企業が研究に参加しにくくなっておるのが現状でございます。このような状況を踏まえまして、政府またはNEDOが委託する国際共同研究を促進するために、その成果であります特許権の取り扱いにつきましてこの法案により措置を講じたいと考えているところでございます。
 先生の方から摩擦解消になるかという御質問がございましたけれども、摩擦解消にはいろいろな手だてを行っていく必要があるかと思いますけれども、我が国の基礎的、先導的産業技術分野の研究開発を外国にオープンにする、しかも外国企業が参加しやすくなるということでございますので、摩擦解消のための非常に大きなステップになると考えております。
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安田範#4
○安田(範)委員 院長の今の答弁なんですけれども、言葉じりをとらえるわけではありませんが、今回の措置というものが摩擦解消のステップになるだろうという話なんですけれども、私は、この改正でおおむね外国の不満というものは消えるというか不満はなくなる、こういうふうに受けとめてよろしいのかどうか、こういうことについてもう一遍、ステップじゃなくて、これは序の口ですよという話なのかわかりませんけれども、その辺については認識としてはいかがなんですか。
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杉浦賢#5
○杉浦(賢)政府委員 摩擦解消の大きなステップになるかと思っておりますけれども、国際共同研究をやるということで日本の技術のよいところが外国にも伝わっていくというようなことが進んでまいりますと、現在ございます例えば技術ただ乗り論というようなことに対しまして、やはり日本はよくやっている、力もあるというようなことが実証されていくとともに、そのような批判あるいは摩擦が解消されていくものと思っております。
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安田範#6
○安田(範)委員 この問題については後でまた若干触れさせていただきたいと思うのです。
 次に、今回の改正で、国の委託した研究開発の成果である特許権等、これは従来一〇〇%国に帰属をしていた、こういう状況でありますけれども、これが改正をされまして五〇%以上が国、そしてまた五〇%までが受託者などとすることになるという状況だと思いますね。受託者などによる特許を実施するときの対価につきましても、従来有償であったものを無償または廉価にする、こういう状況でありまして、この内容につきましては一定の前進だな、こんなふうに私は評価をいたしているわけでありますけれども、その中で特に私は、今日の日本の政治体制の中でやはり何といっても財政中心主義といいますか、そういう一つの流れがあったわけなんですが、その財政中心主義、これをちょっと枠が外れると申しまするか、今までですと研究開発の成果が財政法によりまして原則としてすべて国が占有する、こういう状況になっていたわけでありますから、そういう意味では一つの枠を取り払って、言うならば一つの前進と申しまするか、国際的な門戸を開けた、こういうことで評価をしているわけであります。
 そういうことで、私は一歩前進したというふうには感じておるのですけれども、ただ、これで事成れりといいますか快哉を叫ぶような状況ではないのではないか、こういうふうにも考えざるを得ない面があろうと思うのであります。したがいまして、今回のこの一部法改正というものはとりあえずの一部法改正、こういうふうに私は見なければならないと考えております。変な話で表現をしては悪いのですけれども、例えば外圧に対する応急の措置と申しまするかそういう程度のものかな、こんな印象をいたしているわけであります。その内容は、この法改正というものは、法第十条で明らかになっておりますように、当該外国法人の参加が不可欠の条件である、もう一つは、相手国においても我が国同様の措置がとられていることが要件になっている、言うならば相互主義といいましょうか、そういう二つの条件、要件というものがそろえられなければ今回の法改正の対象になっていかない、こういう事情であろうと思うのです。
 そういう面で考えますると、端的に疑問に思いますのは、なぜ外国法人が入っていなきゃならないのか。反面、言いかえますると、国内企業だけの国の委託の研究開発部門、こういうものについては一切触れられないわけですから、そういう面で国内に対して大変冷たい措置と申しまするか、そういう印象を非常に強くするわけなんですが、この辺についてはどのようなお考えなのか、まず、お聞かせをいただきたいと思うのです。
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杉浦賢#7
○杉浦(賢)政府委員 お答えいたします。
 外国企業が入ったときだけではないか、こういうことでございましたが、その点についてお答えいたしたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、近年産業技術の分野での研究開発につきましてはいろいろな専門分野の知識を組み合わせることが大切であるということから、国際共同研究の必要性を御説明いたしました。そして、政府が資金を提供して行います研究開発の成果である特許権の取り扱いが海外の先進国と異なることが大きなネックになっている、円滑に進まない理由になっているということもお話をいたしました。そして、このため、今回の法改正によりまして産業技術分野の共同研究の成果について特例措置を講ずることとしたものでございまして、国内企業につきましては、国内企業に対してこの措置の対象とすることにつきましてはその必要性につきまして従来からいろいろな御指摘をいただいてきております。しかしながら、国有財産の適正な管理という一つの政策的な要請もございます。これとのバランスを考慮いたしまして、今後ともこの改善について引き続き努力をしていきたいと考えております。
 それから、ただいまの御質問の中に、外圧によ
るのではないか、こういうお話がございましたが、例えば技術ただ乗り論というような批判があったことは事実でございますけれども、私ども、一九八〇年代の中ごろから日本の科学技術をめぐる大きな変化を踏まえながら、我々の考え方の中にも随分大きな変化がございまして、いろいろなところでの答申、例えば科学技術会議の第十一号答申などにおきましても積極的な国際的貢献を科学技術の分野でもやっていかなければいけないというようなことが指摘されてまいりましたし、私どもの通商産業省において先般産業技術審議会で御審議いただきました「九〇年代における産業科学技術政策のあり方」におきましてもこのような点が指摘されておりまして、やはりこれから日本が進むべき道として今回のこの措置をお願いしていると考えております。
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安田範#8
○安田(範)委員 ただいまの話なんですけれども、国内企業については国有財産の適正な管理、こういうものを中心にして考えざるを得ないんだという御答弁だと思うのですね。しかし、国有財産の管理ということからすれば、今回の外国企業が入ったからといって、あるいは国内の企業だからといって別に関係のある話ではないと思う。ただ、外国との技術の提携、交流、こういうものを中心にして考えた場合の特例ということですから、これはある部分は私は認めます。ある部分は認めますけれども、しかし、国有財産の適正な管理ということだけを中心にして物を考えるのではなくして、やはり今日のハイテクその他の技術、そういうもののより一層の伸長と申しまするか、開発のさらに一層の助成と申しますか、そういうものを考えていった場合には、これは国有財産の適正な管理だけを中心にした議論というものは当てはまらないような感じがして仕方がありません。
 と申しますのは、それぞれの団体からも今まで提議があったことも私は承知をいたしておりますけれども、それ以外に、今この改正案が出されてきましてからいろいろな面で検討されて、これでは国内企業が逆差別というような印象を受けるのではないか、こういう批判もあるわけですね。そういうことを考えてみました場合には、やはりその国内企業に対してもしかるべき措置というものは、あるいは言うならば特許権等の実施、言うならば企業化するに対して何らかの、今のこの一部改正法案にもありますように、言うならばそれを実施するときには無償ないしは廉価、こういう話もあるわけですから、そういう意味では国内企業に対しても何らかの措置があってもよろしいのではないか、こういうふうに私は考えるわけですね。特に特許権については、国が委託したということでありましてもやはり同じようなレベルで物を考えてみますれば、ある部分の権利というものを、開発した者にある部分は権利を与える、こういうことも可能ではないかと思うのですが、そういうものはやはり全体としては大変公平な取り扱いになるのじゃないか。同時にまた、それぞれの企業の発展なりあるいは成長、こういうものと結びついていくのではないか、かように考えますけれどもいかがでしょうか。
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杉浦賢#9
○杉浦(賢)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘のありました点は、私どもも先生のお話は非常によく理解できたわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、やはり国有財産の適正な管理というのも一つの非常に大きな政策的要請だと思っておりますので、そのバランスをとることも考慮に入れながら私どもといたしましても特例を拡大していくことは大変重要な課題だと考えております。そこで今後ともこの改善に向かっての努力をしていきたいと考えております。
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安田範#10
○安田(範)委員 ただいまの問題につきまして、言うならば国内企業をどう取り扱うかあるいはどのような形で措置してまいるかということは、これからそれぞれの委託を受けた企業等の将来の伸長といいますかこういうものに大きな影響があるんじゃないかと思うのですね。
 ちなみに申し上げますると、日本の頭脳がいつも海外へ流れていってしまう、こういうことが言われておりますね。これはもう技術院長おわかりのとおりだと思うのですが、後でも細かい数字も申し上げたい気持ちもあるのですが、時間の関係でどうなるかわかりませんが、いずれにしましても、日本の優秀な技術者なりが、あるいは研究者なりが日本に居つかないでみんな外国へ流出してしまう、それで外国と共同開発あるいは共同研究をしている、こういうような状況というものは事実としてあるわけですね。したがって、そういう面からしますると、先ほど技術院長もお話ございましたように日本の技術ただ乗りといいますか、そういう形になってまた戻ってくるわけですね。
 そういうことは何かといえば、一つはやはり基盤としての優秀な魅力のある研究開発の施設設備がないということ、例えば大学においてもそうでしょう。あるいは企業においてもあるいは国営のそれぞれの研究機関においてもそうだと思うのですが、そういうものがないということ、そういうものがやはり一つ底流として流れている。同時にまた、今の御答弁のようにやはり国内は別だよ、言うならば国有財産管理のためにこれはしようがないんだというような形でやりますると、どうしてもやはり国内の企業に対する魅力というものあるいは研究の、開発の意欲というもの、そういうものがどんどん薄れてしまうという現実が出てくるんじゃないかと思うのですね。どこに魅力を与えるか、そしてどこで定着した研究をしてもらうか、これがやはり日本の、例えば当面皆さんがおやりになっている仕事の大きい課題なんじゃないかなというふうに思うのですね。そういう面で私は、やはりこの問題についてはしっかりした方針なり見通しというものを立ててもらいたい、かように考えているわけなんです。くどいようなんですけれどももう一遍その辺についてお答えいただきたいと思います。
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中尾栄一#11
○中尾国務大臣 この問題は私は非常に関心を持っている問題でございますから、きょうはもう本当に安田先生のお話を先ほどから聞いておりまして、一つ一つがみんな私の言いたいことを申されているなという感じで受けとめているのでございます。けさからまた私もひどい花粉病にかかってしまいまして、本当に朝からくしゃみの連続でどうにも耐えられないぐらいでございまして、真っ当なお答えができないことがまことに残念でございますけれども、私は、先ほど来安田先生がおっしゃっているように、日本でこれだけの発展した、しかもこれだけに非常にアドバンスしただけの技術を持っていながらそれが日本で活用されずに外国へみんな流出してしまう、場合によってはまたもう日本の国の今日までの、言うなれば科学技術立国だといいながら現実は外国のただ乗り論じゃないか、この批判があって当たり前かと思うような面も否定できません。そういう意味におきましては、全く我が国の行う技術開発につきましては海外の基礎研究の成果そのものを利用いたしまして製品開発に特化するということによって利益を上げているという、いわゆる先ほど来委員御指摘の技術ただ乗り論という批判が海外にあることは特に承知しつかまつっている次第でございます。こうした批判の根拠は、そのものがずばりこれが理由だという明確さはないにせよ、我が国の論文の引用数が少ないこと、あるいはまたノーベル賞の受賞者そのものがほかの国の、先進国から比べるとまことに少ないのではないかという批判、あるいは我が国における研究開発費のうちの基礎研究費と申しましょうか、その比率が極めて低いのじゃないかということが大きなメーンファクターの理由になっているような感じもいたします。
 近年、科学と技術の分野の接近が顕著となっておりますことから、通産省及び俗に言うNEDOの行う産業技術開発、科学技術の研究開発につきましては、より探索的かつ基礎的な分野に重点を移しているところでございまして、基礎的、独創的な研究の強化を図っていくのがまことに肝要なことである、こう考えておるわけでございます。今後こうした研究開発が成果を上げることを期待
するや切でございますが、さらに政府が中心となりまして我が国の大学、国立試験研究所等の研究レベルを世界的に見ましても魅力のあるものに向上させるように、関係省庁とも連携を深ういたしまして、そしてまた研究体制あるいは研究設備、またそれを整えるだけの予算措置などを図っていく所存であることを申し伝えたいと思います。
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安田範#12
○安田(範)委員 答弁はそのとおりだと思います。ぜひそういうことで、これからは基礎的な分野についての充実強化といいますか、そういうものはさらに一層努力をされたいというふうに思うのです。
 ただ、先ほど申し上げましたように、これはあくまでも外国企業が加入していることが条件ということで、国内企業は財政上の理由といいますか国有財産の管理、そういうことで線引きをしてしまうことがいいのかどうか、これについては大変な疑問があると思いますから、ぜひこの国内企業、特にこれは政府が委託するわけですから、あるいはNEDOであってもそうなんですけれども、そういう委託企業に対する措置の仕方、これは重い軽いはあるかもわかりません、しかしそれはできる範囲内で適切な措置を強く求めたい、こういう気持ちでいっぱいであります。これは申し上げておきたいと思うのであります。
 次に、今回の一部改正というものは率直にいいますると通産省所管の分野のみ、こういうことですね。それで、私はいろいろ検討いたしましたけれども、通常、情報、電子関係の分野であるとかあるいは生命工学の関係、ソフト系の分野、宇宙、航空の分野、海洋開発、地球環境の問題等々たくさん広範囲に今日取り組まなければならない問題があると思いますね。こういうことを押しなべて考えますると、なぜ今回通産所管だけの分野に限られたのかな、このことについてどうも残念な気がしてならない。やはり行政全体の大枠と申しますか、日本の政治全体をグローバルに見詰めて、そういう中で言うなれば整合性を持たせてそれぞれの省庁の関係とかそういうものを含めて方向が出される、これが一番すばらしいのじゃないかというふうに思っていたのですけれども、今回通産だけの分野に限られるということについてはどうも納得しかねるような気がするものですから、この辺についての所見をお願いしたいと思います。
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杉浦賢#13
○杉浦(賢)政府委員 お答えいたします。
 今回は産業技術に関する政府またはNEDOの委託による研究開発に限ってこの措置の対象といたしております。これは産業技術分野での委託研究開発の成果の取り扱いについて特例措置を講ずる必要性がこの分野において特に高かったからでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、平成元年度からNEDOの委託による研究開発プロジェクトにつきまして外国企業の参加を進めてきております。政府が資金を提供して行う研究開発の成果の取り扱いが我が国と諸外国とで異なっているために、外国企業との契約内容の調整に非常に長い時間をかけた事例がございました。しかも、今後通商産業省またはNEDOの行う委託研究開発につきましては、情報処理技術、先進的加工技術、ソフトウエア技術などの分野におきまして外国企業が参加することが予想されておりますので、当面産業技術について措置を講ずることが急がれるということでこの措置をとったわけでございます。
 なお、今後産業技術以外の分野におきまして今回と同様な措置を講ずる必要性が生じた場合におきましては、関係省庁においてより広い技術分野を対象とした措置が検討されることを私どもとしては期待をいたしております。
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安田範#14
○安田(範)委員 工業技術院長さんですからね、そういう御答弁にしかならないのだろうと思いますよ。しかし考えてみますると、産業技術分野だけを大変緊急な課題だからということであえて取り上げて、これはもうやることは当然なのですけれども、それだけ突出をしなければならないという状況ではないと思うのですね。例えば、農水省にあっても、あるいは逓信省にあっても、いろいろな各省庁でたくさんの関連を持って今日的な課題、言うならば同じような課題を持っていると思うのですね。そういう面からしますると、ただいまの答弁のように、いずれ政府の方でというふうな考え方の答弁ではちょっとなかなか理解ができない。
 これは技術院長ですからなかなか答弁しにくいのだと思うのですが、大臣の方から、この問題については、普遍的といいますか広い分野で、日本のそれぞれの省庁を含めた形で、こういう問題については早急に対応する、こういう姿勢が今望ましいのじゃないか。やはり、いつでも私ども感じますのは、後追い行政と申しまするか、問題があってから後にどうするかという議論がついて回るわけですね。これが国際的にも大変な批判を買うという状況にもなっていると思うのです。やはり一歩先んじて、何をするかというのが今日日本の政治に求められているのだろうと思いますが、この辺についていかがなものでしょうか。大臣からお聞かせください。
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中尾栄一#15
○中尾国務大臣 いささか政治的分野でございますから私から答えさせていただきます。
 今回の、産業技術に関する政府またはNEDOの委託によります研究開発に限ってこの措置の対象といたしましたのは、国際技術分野での委託研究開発の成果というものの取り扱いについて特例措置を講ずる必要が特に高かったというためでございますが、先ほど委員御指摘のとおり、これは何も一省、通産省だけに限る問題ではございません。本当に各般にわたって、例えばバイオの問題みたいな大きな問題などは、これまた通産省もさることながら農林省の大きな各般の分野でございますし、今後、産業技術以外の分野におきましても今回と同様の措置を講ずるよう、必要性が生じた場合には関係省庁において広い技術分野を対象とした措置が検討されることは申すまでもないことでございますから、これは御案内のとおり、また御指摘のとおり、対象を広げることによって各省庁にも呼びかけていくということは私の責任においてやりたい、こう考えております。
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安田範#16
○安田(範)委員 どうも大臣、大分花粉症がひどそうで答弁を求めるのが大変気の毒なものですからその辺は配慮したいと思うのですが、いずれにしましても、ただいまの御答弁をいただいて、積極的に他の省庁にも働きかけをいただくということについて御理解を深めていただきたいと思うのであります。
 次に、中小企業関係についての関連と申しまするか、今回の法改正によりまして中小企業関係はどうなっているのだろうか、こういう視点で若干質問させていただきたいと思うのです。
 御承知のように、国の委託あるいはNEDOの委託、こういうものについては、ほぼ大企業と言ってよろしいんでしょう、国内大体三百カ所以上でしょうか。大体三百カ所ぐらいを対象にしているのかなというふうに思うのですが、それにしましても、今日の中小企業は非常な力をつけている、技術的にも大変なレベルに達している、こういうことが言えようかと思うのであります。しかし、中小企業なるがゆえに、言うなればビッグプロジェクトといいますか、そういうものにはなかなか参加し得ない、こういう状況も否定し得ない問題だと思うのです。
 そういう面で考えますると、今日の法改正を一つの契機にいたしまして中小企業等についても何らかの措置が必要なのではないかな、こういうことを一つは考えてまいりました。一つは、工業技術院としての目に見える中小企業に対する援助の措置、技術向上、開発のための諸般の助成、こういうことについて一層力を尽くしてほしいな。これは、中小企業庁なんかを中心にしましていろいろな中小企業の育成強化のための施策というものがやられている、このことについては私も了承はいたしております。ただ、それだけではなしに、どうも工業技術という面から見ての援助、指導というものがなかなか目に見えない、こういう状況があろうかと思うのです。この際、今回を契機としましてぜひこれに視点を当てて行政を推進してもらいたい、このことを強く申し上げておきたい
と思います。
 同時にまた、もう一つの問題としましては、言うならば特許権の実施の仕方にかかわる問題なんですけれども、国が五〇%持つということになった場合に、やはり持ち分の五〇%を今度は中小企業の面でいわば企業化をするとか、そういうことに対しての配慮、言うならばそれは廉価ということになるかもわかりません、そういう配慮というものはもう不可欠になってきているんじゃないか。そうでないと大企業と中小企業の差というものがますます拡大をしてまいる、こういうことにも相なろうかと思うのです。したがいまして、その辺をどのようにお考えになっておられるか、あるいは措置についてどのような御検討をなされておられるか、この辺をひとつ御説明をいただきたい、かように思います。
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杉浦賢#17
○杉浦(賢)政府委員 お答えいたします。
 今回の措置の対象となりますのは政府またはNEDOの委託による研究開発でございまして、これは企業の規模の大小を問わずあらゆる企業に対して参加の機会が開かれているものでございます。したがいまして、大企業のみが今回の措置によって恩恵をうける、そういう制度ではございません。実際にも大型工業技術開発制度で行ってまいりました自動縫製システムの研究開発のプロジェクトがございますが、中小企業が多数参加して行われております。中小企業の方で、先生のお話にもございましたように、力のある企業はたくさんございますが、そういう方々がその技術を持って御参加いただくことができるわけでございまして、中小企業にも開かれた制度でございます。
 ただいまお話がございましたように、中小企業は我が国の経済の活力の源でございまして、この点につきましては、先生からお話がございましたように、中小企業庁におきましていろいろ技術力の向上に努めてきておりますが、私ども工業技術院といたしましても、技術による地域の活性化というのは一つの重点施策になっておりまして、いろいろな施策を進めております。もう少し具体的に申しますと、工業技術院傘下の試験研究所、地域に七つございます。これと各県にございます公設試験所との連携、それから地域試験研究所による技術指導、地域における重要技術の研究開発プロジェクトなどを行っております。これらの施策によりまして中小企業の技術力の向上を私どもも側面から支援をしてきております。今後ともこれらの施策の充実に努力していきたいと考えております。
 なお、中小企業が国有特許を使う上での配慮について御質問がございましたが、これにつきましては私どもこれから検討をしていきたいと考えております。
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安田範#18
○安田(範)委員 最後の御検討の話なんですが、できるだけ早い機会に、しかも具体的な検討結果、これをおまとめいただきたいというふうに思います。これは強くお願いしておきたいと思います。
 お話にありましたように、これは建前はまさにそのとおりだと思うのです。あらゆる企業に門戸は開放してありますよ、すべての企業どうぞ入ってきてください、こういう話はもう当然の話だと思うのですけれども、実態としては、幾つかの中小企業が入っておりますよという話なんですけれども、今までのプロジェクトをずっと考えてみたりなんかしますると、中小企業の入る場、チャンスというものはそうない。中小企業の実態というのはなかなか、それは技術や何かが優秀なものがありましても、大企業と比較するとどうしてもチャンスというものは恵まれない、こういう実態があろうと思うのですね。したがって、お話にありますような、言うならば建前と言っては大変失礼なんですけれども、そういうものが実態として、事実上の問題としてそれぞれの中小企業に波及をするような、そういう具体的な啓発なり指導というものをしっかりやっていってもらわないと、これはやはりなかなか入りにくいんじゃないか、こういうことを強く感じます。ぜひその辺についても御留意を賜りたい、このことだけ指摘をしておきたいと存じます。
 それと同時に、今回の法改正の中心といいますか外国企業の参入というものは、これは大体先進諸国と言っては間違いでしょうか、恐らく間違いないんだと思いますね。今の中小企業の参加と同じような形で、いずれの国におきましてもという話になるに違いないと思います。しかし、実態はどうかということになれば、これはもう先進諸国を対象にしてということに結論としてならざるを得ないのが今日の状況ではないかと思うのですね。
 したがって、そういう面からしますると、私が考えまするのに、今日の経済大国日本と言われている現況の中におきましてやはり大切なのは、言うならば先進諸国、これは当然その対象としなければならない気持ちはわかりますけれども、むしろ今日本が大切なのは途上国に対する貢献、こういうものをいかに進めるかということが極めて重要な問題ではないかと思うのですね。したがって、視点をそういうところに求めていこう、開拓をしていこう、そして経済大国としての日本の役割というものを世界にきっちりと示していこう、こういう姿勢が非常に大切なことではないかと考えます。
 したがって、これは私の主張だけにしておきますけれども、ひとつお聞きとどめおきいただきまして、これら開発途上国に対する技術の援助なり、時にはこういう外国企業の参加という形でそれぞれの機会を与えてはどうなのかな、こんなことも考えますものですから、所感があれば別ですけれども、これは私の主張ということで御理解をいただいておきたいと存じます。
 それで、先ほどの頭脳の流出、これはあってはならないんですけれども、先ほど触れたかったんですが、実は日本の国内の研究者と申しますか、そういう方々の海外流出が非常に多い。逆に日本に入ってくる人たちは極度に少ない。これはもう現況として、数字を挙げるまでもないと思いますね。これをどういうふうに解決していくかということは、先ほど来話が出ておりましたように、魅力のある機関をどうつくるか、同時にまた、入ってきた人たちが日本の風習あるいは風俗、言語等々、たくさんの不便な問題がありますから、そういうものも含めて受け入れ体制というものをどうつくっていくか、これらが問題として考えていかなければならないことであろう、かように思います。言うならば総合的に、バランスのとれたといいまするか、日本から出ていく研究者もある、それに見合う形で外国からもどんどんこちらが期待するような人たちが入ってくる、こういう体制を確立するように、ひとつ特段の御配慮をいただきたい、かように考えるわけでございます。
 最後になりますけれども、この問題を契機にして、私はこれは大変難しいなという感情にとらわれたことがございます。それは、技術ナショナリズムといいますか、そういう言葉で表現していいのかどうかわかりませんけれども、そういう気持ちというものはあるんじゃないでしょうか。特に日本のような資源の少ない国、これは技術立国なんていう言葉がありますように、とにかく技術で何とかやっていかなければならない、こういう立場のものもあるわけですね。あるいは、よその国のように、資源は豊富である、しかし技術的にはまだ高まっていないという国もあるでしょう。同時に、資源と技術がほぼ両々相まって均衡して発展をしている、こういう状況の国々もあるわけですね。それぞれの国の様相というものは違うわけなんですけれども、それにしましても、国益という言葉でいつも表現されますように、それぞれの国においてはそれぞれの国の一つの経営と申しまするか、それぞれの国を運営していくのに、どういう形でそれぞれの工業技術やなんかについての、あるいは産業技術についての立場を守っていくかというか、立場を発展さしていくかというか、そういうことに相当心を砕いているんだろうと思うのですね。
 したがって、今回の措置というものは、言うならば非常に善意な形だと思うのですね。すべての
国がこういう形で、言うならば崇高な精神を持ってそれぞれの国が全くオープンにして、できるだけの技術力あるいは能力というものを全部集中して新たなものをつくり上げようではないか、そしてそれを全世界の人類のために貢献しようではないか、こういうことがそのまま広がるとすれば、これはまことにすばらしいことだと思う。
 ただ、実際問題としてそういうことが考えられるかどうか、極めて難しい話があろうかと思うのですね。特に今日、あってはならない戦争もあったりなんかしまして、特に技術の面についてはいろいろな国がそれぞれの研究開発をしている。あるいは、そういう国絡みじゃなくて、一企業におきましても企業秘密なんていわれるほどに自分の開発、経営なり結果というものについてはきちんと秘密の保持といいますか、そういうものをやっていくということは通常ありふれた話であるわけですね。そういう面から考えますると、先ほど申し上げました善意で一生懸命やろうというものと、ナショナリズムみたいな形でみずからの国のみをどうするかというものとの矛盾といいますか、言うならば板挟みの関係というものは必ず出てくるんじゃないかと思う。その辺についてどういうふうに整理をしたらよろしいのか。私はこの辺について、まことに不明ながら結論は出ないわけなんですよ。したがって、これらにつきましては大臣、最後、花粉症で恐縮なんですが、ひとつ所見をお述べいただきたいな、かように思います。
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中尾栄一#19
○中尾国務大臣 私も委員同様にそういう問題につきまして、すなわち国益、今委員は技術ナショナリズムという言葉を使いましたが、しからば世界の対決、相克とは一体何なのか、それは私いつも悩み考えたこともございます。
 確かにワールズガバメントという言葉がありますように、世界政府、あるいは今度行われようとしておりますECの統合、ECの統合も経済市場統合はできましょう。では、しからば言語も違う、人種も違う、そういうものが、統合的なユニティーというものは本当にECの中における政治的な立場で一体でき得るかということになりますと、これは問題があろうと思うのでございます。したがいまして、各国、人種もある意味においては違いがある、言語の違いがある、場合によっては立場に応じて、私どものような日本の国は他の国と性質的にちょっと違うことは、灘の生一本的な、北海道から九州、沖縄に至るまで一つの言語を使い、一つの単一民族であるという特徴もあるかもしれません。
 そういう点から考えますと、国益はいかなる場合においても優先しなければやはり存立するものではない、一国のレーゾンデートルはあり得ないという結論がどうしてもでてくるわけでございます。相手が宇宙からの、サテライトからの地球に対する挑戦というような場合には地球は団結するかもしれません。それがゆえに地球上の相克というものは国益がいかにしても優先するというのは、歴史上の今日までの流れであり、また今からも多少、そういうことでなく大きなグローバルな気持ちを持っておっても、そのことは否めない事実として存続することも事実であろうと思うのであります。
 そういう点から考えますと、我が国は二十一世紀に向かいまして経済社会の発展の原動力でございます技術開発の能力というものをさらに発展させるとともに、いわゆる技術ただ乗り論等の国際的な批判というものにはこたえなければならない。日本という国は資源がないものですから外国からの物まねだけでやっているんじゃないか、こういう極論もございますが、そういうこともある意味においては払拭するだけの努力を傾注しなければならぬことも事実でございましょう。世界経済の発展のために相応の貢献を行うためには、我が国がみずから基礎的な先導的な技術開発の積極的な推進を図ることがいかようにも喫緊の課題である、私は断言できると思うのでございます。
 また、欧米諸国の一部におきまして技術囲い込みと言われておりまする動きが出てきておりまして、OECDの場におきましてもこのような動きに対する懸念が表明されているわけでございます。私もOECDの会議には何回か出させていただきましたけれども、私自身もいつも思いますのは、日本はこれだけの先進国になってはいながらも、血は水よりも濃いといいましょうか、欧米というのは最終段階では相当なネゴシエートが巧みに行われて、そしてアイソレートされていくような立場というものを我々は感ぜざるを得ないのでございまして、それも考えますると、技術開発の創造活動あるいはその成果の流通、移転というものを活性化するということは、いわゆるテクノグローバリズムの理念に基づいて産業技術政策を推進してまいるのは我々の喫緊の課題であると言っても差し支えはございません。
 このような観点から、通産省としましては、これまでサミットの場におきましてもヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進を提唱するとともに、地球環境技術対策というものにおける先導的役割を果たす、場合によってはイニシアチブをとっていく、積極的にこの理念を実践したいところでございます。またしなければならぬと思っておるのでございます。これによりまして科学技術が我が国を含め世界全体にもたらす利益を最大のものとするものと考えるものでございます。
 ちなみに、委員御指摘のとおり、日本の頭脳開発が、ブレーンストーミングじゃありませんが、せっかく日本でつくったものが自分自身の与えられている環境、待遇のために外国に行って、むしろ頭脳は移動されてしまう、こういうことは厳に避けなければならぬな、そのためにはあらゆる観点においての私どもの処遇改善あるいは予算措置、こういうものを国家的レベルで、しかも官庁などのセクショナリズムを排して、こういう問題に積極果敢に取り組んでいくことが必要だと思っておる次第でございます。ありがとうございました。
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安田範#20
○安田(範)委員 質問の時間は終了しました。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、特にこの点だけはということで御留意いただきたいのは、まずは今回の措置を契機といたしまして国内企業に対しての措置、さらに中小企業に対する育成強化、もう一つは開発途上国に対する工業技術院としての考え方、これらのことにつきましては十分配慮の上、さらに加えて言うならばそれぞれの省庁にもまたがる分野、こういう理念のもとに精いっぱい連携を強化して所定の目的を達成してほしい、これだけ申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。
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奥田幹生#21
○奥田委員長 小岩井清君。
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小岩井清#22
○小岩井委員 小岩井清です。
 私は、今回の産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律の一部を改正する法律案のうち、最初に第十条の関係について質問をいたしたいと思います。
 十条では「政府は、その委託に係る産業技術に関する国際共同研究を促進するため、その成果について、次に掲げる取扱いをすることができる。」として、三点あるわけであります。一点目については、「当該成果に係る特許権若しくは実用新案権(以下「特許権等」という。)又は特許を受ける権利若しくは実用新案登録を受ける権利のうち政令で定めるものについて、政令で定めるところにより、その一部のみを受託者から譲り受けること。」とあります。あと二点、三点目は順次質問いたしますが、これの内容について説明をしていただきたいと思います。
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山本幸助#23
○山本(幸)政府委員 お答え申し上げます。
 この十条、政令が非常に多うございましてややこしくなっておりますけれども、先生御指摘の政令、第一号には二つございます。
 第一の政令は、この国際共同研究に参加する外国企業の場合についてはいわゆるレシプロシティーということで、その本国でもって同じような措置が講じられている場合に同じようなことをやろうということで、レシプロシティーについての原則を書いてございます。それからもう一つ。外国
法人がこの研究開発に加わることが不可欠である、この研究開発のためには我が国及び外国の企業の知識を用いることが不可欠である、この二つの点を内容とする政令がこの第一号の初めの政令でございます。
 それから第一号の第二番目の政令でございますが、これは受託者との共有を認める場合はその共有の持ち分は政府の持ち分が二分の一以上、二分の一を下回らないということを定める、これが第二の政令でございます。
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小岩井清#24
○小岩井委員 第十条の第一について、この最初については、当該外国法人等の参加が不可欠である、そして相手国においても我が国と同様の措置がとられていることを要件とする、その次の政令については政府の特許権等の持ち分を二分の一以上の範囲内に定める、こういうことですね。これで発展途上国の参加は可能ですか。先進国は可能かと思いますが、可能ですか。
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山本幸助#25
○山本(幸)政府委員 可能でございます。
 ただ、発展途上国におきまして、今度認めますような政府の持ち分というのを民間に渡すことを認めていない場合には、これはレシプロシティーの原則から認められないということになります。
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小岩井清#26
○小岩井委員 可能だということ、相手国においても我が国と同様の措置がとられていることを要件とするということですが、じゃ、具体的に発展途上国、どこの国が可能なんですか。
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山本幸助#27
○山本(幸)政府委員 具体的には発展途上国の制度はまだ調べておりません。
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小岩井清#28
○小岩井委員 調べてなければ可能だと言えないじゃないですか。
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山本幸助#29
○山本(幸)政府委員 この制度を今回内部で検討し、また法律にするに当たりましては、現実に国際共同研究が相手国企業から申し込まれている事例についていろいろ研究をしてつくったわけでございます。現在の段階におきましては、こうした先端技術の国際共同研究について発展途上国からの申し込みはございません。したがいまして、発展途上国の制度はまだ調べておりません。ただ、この法律制度上はレシプロシティーということが、そういう要件が満たされれば、発展途上国も当然対象になるということでございます。
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