日笠勝之の発言 (大蔵委員会)
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○日笠委員 地価税の創設となりますと三千億円から四千億円ぐらいの税収があるというのは、予算委員会へ提出された資料にも載っております。午前中、参考人の方々にもお聞きいたしましたのですが、税収三千ないし四千億円の使途について先ほどいろんな議論もありましたが、私は私の議論として、また我が党の一つの政策としてここで主張を申し上げ、またお考えをお聞きしたいと思うんです。
これはもう既に大蔵大臣と何遍も実はやったことなんですが、家賃補助、家賃控除制度なんですね。先日、国会図書館の調査及び立法考査局の「調査と情報」百四十六号のイシューブリーフ、これは各議員会館の部屋に定期的に来るわけですが、これをずっと読んでみますと、賃貸住宅の政策の流れは、欧米諸国においては賃貸住宅の建設補助から家賃補助制度に大きく比重を変えているという、そういう報告がなされているわけです。私も大蔵大臣と何回か議論したときに、家賃補助で個別的にばらまきではなくて、良質な賃貸住宅の建設を促進する、そういうふうな方向がいいんではないかというようなお話を聞いたこともございます。
日本におきましては、持てる者と持たざる者との資産格差ということもございますが、住宅を取得した場合は例えば住宅金融公庫の低利な融資もございます。また、租税特別措置法を先日改正をいたしまして、住宅取得減税ということで、最高一年二十五万円までで、六年間で計百五十万円までの減税となるわけですね。そしてまた住宅地には、地方税でございますが、固定資産税の軽減もございます。住宅を持つ人はいろんな特典がある。しかし、賃貸住宅居住者には何もない。何もないどころか消費税まで払っておるわけですね。
先日、総理府が大都市圏の借家住まいの方々のアンケート調査を報告しておりました。それを見ますと、大都市圏の借家住まいの三割の方はもう持ち家をあきらめた、こういう総理府の報告でございます。それからまた、日本住宅総合センターの意識調査によりますと、社宅の居住者の中で、同じくもう持ち家をあきらめたという方が三五・九%、そのかわりに家賃補助制度ないしは社宅を充実してもらいたいという人が四五%、こういうふうな報告がなされております。
政府もこういう家賃補助制度について全然後ろ向きとは言いません。一歩前進だと思いますのが、本年度から建てかえ差額負担補助制度であるとか、借り上げ住宅制度等を一部導入されました。一歩前進だと思います。しかし、国税として地価税の税収が三千から四千億円あるということから、もう一度前へ戻りまして、平成二年度の建設省、労働省の税制改正要求のときに、家賃控除制度というものを大蔵省さんの方へ恐らく要求したと思うんです。
その制度は、簡単に申し上げますと所得制限をしております。所得制限は、年収一千万以下であるとか、対象住宅は賃貸住宅であるとか、減税方式は所得控除であるとか、また五十平米未満の賃貸住宅については五万円を限度に月額家賃の一年分を所得控除する、六十万円までということですね。五十平米以上の賃貸住宅については、これはいろいろ制限をいたしまして最高九十万円まで。五万円までは十二カ月分、五万円を越える十万円までは二分の一ということでございますから、最高九十万円までの所得控除、こういうことに税制改正で建設省の方が大蔵省さんの方に要請したと思うんです。そういう条件でいきますと、減税額が三千四百億円なんですね。まさに地価税の税収とほぼぴったり一致をするわけなんです。
そこで、先ほどの欧米の流れも賃貸住宅建設促進から家賃補助制度に大きく変わっているということ、それからまた地方自治体におきましても、高齢者の方とか一人親の方とか、そういう方々に対しまして、東京二十三区だけ見ましても、渋谷区を除いた二十二区が住みかえの場合は補助制度を設けておりますし、そのほか障害者の方であるとか母子家庭であるとか新婚の方とか、いろんな条件はついておりますが、埼玉県でも神奈川県の一部でも愛知県の一部でも、大阪府、兵庫県と、次第にこの家賃補助制度というものが地方自治体独自の施策として今実施をされつつあるわけなんです。
そういうことから考えまして、日本もそろそろ、持てる者と持たざる者、住宅を取得できる人とできない人の格差も出てきておりますし、この平成二年、建設省、労働省が税制要求しました家賃控除制度、まあ税額控除でも所得控除でもいろいろやり方はあると思いますが、要はこういう制度をこの増収分で賄い得ると思いますので、ぜひひとつこれは前向きにそろそろ検討する時期ではなかろうか、かように思いますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。