國松孝次の発言 (地方行政委員会)
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○國松政府委員 確かに、この新法があるいは成立するかもしれないということになりましてから、暴力団の一部におきましては、本法の規制を免れるために若干の偽装工作をしているというような情報も寄せられております。そういった偽装工作が行われるということになりますれば、暴力団の指定をするために得られる資料というものはなかなか得られなくなるわけでございますので、そういう意味では確かに難しくなることはあると思います。しかし、私どもといたしましては、そういった新法を免れる偽装工作というのは、やはり我々治安のプロといたしまして、それを見抜いてやっていくということが必要であろうというように思います。
特に、後半御指摘のございました政治団体を装った場合というようなことが大変多くなるということがあるいはあるのかもしれませんけれども、そういった場合は、確かに指定のための資料を得るということが難しくなるということになるとは思います。
暴力団と政治団体との区別というものはどういうところにあるかということを原則論的に申し上げますれば、要するに、暴力団がその実態を変えずに単に本法の規制を免れるために名目的な政治活動を行うなど、暴力団でないかのごとく装った場合には、実質的には指定の要件を満たしていることに変わりはないわけでありますので、本法による規制を行うことになります。しかし、暴力団が偽装のために変質した結果、政治団体としての実質をも備えた場合には、本来的に暴力団でない一般の政治団体と同様に政治活動を行うことを実質上の目的の一つとしているものと考えられ、政治活動の目的が暴力団としての実質目的に比較して無視できるほど名目的であるようないわゆる右翼標榜暴力団を除き、指定の要件から外れるものと考えます。
そうしたことが原則論でございますが、現実の場合におきまして特定の団体を指定する場合には、その区分けは大変難しいものになってくると思います。しかし、この場合最も肝要なことは、政治団体の実態のあるものを暴力団として指定しないということでございまして、その原則を貫くことが私どもはこの指定の実務を運用する場合に大切であろうというように思います。その一方で、偽装転向を許さないというそれだけの実態掌握力をまた我々が持つべきであるということでもあろうと思います。
いずれにいたしましても、政治団体であるかどうかというような、暴力団として指定すべきなのかどうか、政治団体になっているのかどうかというようなことにつきましては、国家公安委員会におかれます確認の段階で、審査専門委員の御意見を聞きながら適切に指定をしてまいりたいというふうに考えております。