遠藤登の発言 (本会議)
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○遠藤登君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。
冒頭、私は、平成三年度政府予算案の組み替えあるいは補正について、政府の見解を問いたいと存じます。
政府においては、平和と福祉を求める国民の声、世界の批判と警鐘を無視し、湾岸戦争積極参加の道を選択してきたことは極めて遺憾であります。しかし、今日、湾岸戦争は急速な展開を見せ、多くの人命を失い、環境破壊など悲惨な結果をもたらし、停戦を迎えました。この間、日本政府の戦争回避、また戦争早期終結に向けた積極的外交努力はほとんど皆無でありました。まことに残念であります。
今後、湾岸地域における完全な平和の実現、また戦災復興や環境の回復、難民救済や周辺国の経済、社会の安定、パレスチナ問題の解決に向けて、課題、難問は山積みであります。我が国は、不幸にして戦争加担により、中東地域の人々と長い間培ってきた友好信頼関係を著しく損ねてしまいました。私は、今こそ日本は、戦後対策と平和の維持に積極的に貢献すべきであると確信をいたします。(拍手)
我が党は、以上の観点から、湾岸地域の安定と戦後対策、アジアを初めとする平和・軍縮・信頼醸成の促進と協力・交流推進を第一の柱とする平成三年度政府予算案の組み替え要求をまとめました。
我が党の組み替え案は、湾岸戦争終結に伴う国連による停戦監視、難民救済や環境回復、周辺国援助、戦争当事国の戦災復興などに、平成三年度において約四千五百億円の援助、拠出を実施するというものであります。
海部内閣は、米軍の戦費調達には平成二年度補正予算及び平成三年度増税法案で協力しても、戦後対策については何も手当てをし狂いおつもりであるのか。それとも、今後改めて二回目の予算修正を行うのか。また、アメリカの要求に基づき補正予算を組み替えするつもりであるのか。戦争終結に伴い、アメリカへの戦費負担を中止ないし削減し、湾岸地域への援助、国連への拠出に振りかえるおつもりはないのか。世界が戦後対策に向けて動き出しているとき、明快な見解を示すべきであります。
海部内閣は、今後戦争の戦後対策にどのように貢献される決意であるのか、国連の中東安定化活動にどのように貢献されるのか、海部内閣総理大臣の所見を問い、我が党の組み替え要求にどのようにこたえられるのか、御答弁をお願いをいたします。(拍手)
次に、消費税について伺います。
ちょうど一年前に海部総理は、消費税の思い切った見直しを国民に公約いたしまして、見直し法案を提出いたしました。その軽減額は平年度一兆一千三百五十億円とされました。私ども野党四会派は、消費税の廃止を公約し、廃止法案を提出いたしました。その軽減額は消費税の総体六兆三千九百億円であります。結論からいえば、残念ながら両案とも廃案となり、両院合同協議会が設置をされ、両案の妥協が模索されることとなったわけであります。六兆円と一兆円の妥協ラインはどこか。国民の期待を裏切り、自民党が年末に提示したのは、みずからの提案を大幅に下回る一千四百八十億円の軽減措置であります。なぜ思い切った見直しか思い切り小さな見直しになってしまったのか、今でも私には理解できません。しかも、その小さな見直しも平成三年度税制改正案には盛り込まれていないのであります。
海部総理は、協議会の合意が得られていないと弁明されるのでありましょうが、あなたは、つい先日の国会で否定された自衛隊の海外派兵は政令改正でも強行しようとしているではありませんか。国会の決議や答弁を踏みにじって国庫補助負担率カットも提案しているじゃありませんか。外国から持ち込まれた戦争加担政策によって予算書も書きかえられるのであれば、ぜひ税制改正案も修正して、少なくとも一兆一千三百五十億円の消費税の緊急軽減策を提案してほしいと思うのでありますが、総理は国民に何と約束されるのか、そのお答えをいただきたいと存じます。
また、自治大臣に伺いますが、公共団体の一般会計に計上される使用料、手数料の三%値上げは益税が含まれていると考えますが、地方自治法上許されることではなく、是正されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、土地税制について伺います。
本日は地方税に関する質問でありますから、できるだけ国税については省きたいと存じますが、消費税と同様に、政府が提案している地価税も地方税と切っても切り離せない問題であります。
端的にお尋ねをいたします。
シャウプ税制以来、我が国の土地保有課税は地方税源として位置づけられてまいりましたが、今回の地価税は国税であります。なぜ国税であるのか、シャウプ以来の考え方に誤りがあると考えられるのか、また、今後、保有課税の根幹は国税へと移行させていくのか、まずこの点につきまして大蔵大臣、自治大臣、それぞれ御見解を承りたいと存じます。
また、大蔵大臣にあわせてお答えをいただきたいと存じます。
地価税は損金に算入されるとのことでありますが、そうなれば、地価税の税収が大蔵省の説明どおり三、四千億円になっても、法人税の税収が目減りし、法人住民税にもはね返るのではないでしょうか。お教え願いたいと存じます。
また、総理に率直に伺います。
総理は土地神話を打破する御決意がおありですか。もし十分な決意があるとすれば、地価税の創設などなど今回の土地税制改正によって、地価は何割引き下げられると国民に公約されるのかをお示し願いたいと存じます。(拍手)
引き続き、自治省に固定資産税の問題について伺います。
新しく創設される地価税はいろいろと抜け道があるようでありますけれども、逃れようがないのが庶民が負担する固定資産税であります。平成三年一月一日付で行われる評価がえの全国平均上昇率は約三割とされているのであります。札幌、千葉、横浜、名古屋、京都、神戸などの大都市では軒並み六割以上であります。三年に一度、地方税改正においては必ずこの問題が取り上げられ、さらなる軽減措置の検討という附帯決議がつけられ、自治省も固定資産税の存続にかかわる問題であるので、中長期的に研究していくと言って今日に至っているのが実情であります。自治省は、三年に一度ですから答弁する方もかわりますし、中長期といえば十年ぐらいとされているのかもしれませんが、住民は、三年に一度ずつ大幅に固定資産税がふえるのではたまったものではありません。しかも、東京だけではなく、地方の中小都市にまで波及しているのが現状であります。
昭和四十年代後半の狂乱地価の折には、住宅特例、小規模住宅特例が設けられました。六十三年に続く今回の大幅アップですから、この特例による割り落としをさらに拡充して、五分の一あるいは六分の一になぜしないのでしょうか。三年の負担調整期間を五年に延ばしたところで、結局は負担は上昇するではありませんか。自治大臣の明確な答弁を求めます。
次に、平成三年度地方税改正の考え方について伺います。
政府、自治省は、資産課税である固定資産税の税収増を所得課税である個人住民税の減税で相殺するとしていますが、増税と減税は納税層が同じなのでしょうか。年金生活者や零細な店舗を経営している人はどうでしょうか。お答えをいただきたい。
また、地方自治体の増減収はプラマイ・ゼロになるのでしょうか。交付税で手当てとはいっても、現状において依存財源が多いのに、ますます財源依存率が高くなってしまいます。地方税と交付税を直ちにリンクさせ、マクロで収支が合えばよいという見解を普遍的におとりになるのか。また、そうであるなら、他の税源を拡充し、住宅特例を全国普遍的に拡充する道をなぜとらないのか、所見を伺いたく存じます。
さらに、自治省は、平成六年度評価がえについては、固定資産評価を地価公示の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進するとしていますが、これは第一には、評価は税の性格に基づき行われるものであり、他の公的評価を固定資産評価に持ち込むことは適当でないという従来の自治省見解と異なること、また、地価公示はその鑑定評価の仕組み上バブルを含んでいるが、固定資産評価はバブルを含まないとしてきた見解と異なること、さらに、地価公示を基準評価とすれば、固定資産税評価は約三倍となることも想定され、その際は適切な負担調整措置を講ずると逃げているのでありますが、負担調整とは一体どのような方法であるのか、以上についての所見をお示し願いたいと存じます。(拍手)
次に、自治大臣に伺います。
自治省は、過去においては、地方税源を大切にし、譲与税等で同じ収入が保障されるといってもそれは将来にわたる保障ではない、地方自主税源の拡充という要請を常に念頭に置くべきであるとしてきました。消費税や特別地方消費税の問題、地価税と固定資産税の問題、繰り返し延長されている非課税等特別措置は、こうした自治省の主張とどのようにかかわるのでありましょうか。私は、自治省においても、地方自治の基盤たる地方財政の確立、地方自主税源拡充という基本理念が放棄され、単に三千三百自治体財政のマクロで金さえ確保できればいいと、安易な考え方に埋没しているのではないかと危惧いたしております。大臣の所見をお示しいただきたいと存じます。
国の財政もさることながら、地方は、二十一世紀に向かって多様な住民ニーズにどうこたえていくか、個性豊かな地域をどう創造するか、過疎の拡大の中で地域振興と財源確保をどうするのか、苦悩の連続であります。しかも、こうした中で、地方自治を育てるという趣旨で定められたシャウプ税制は徐々に形骸化され、公平、公正という税制の理念も忘れられがちであります。地方自治と租税民主主義がどのように国の施策の中で……