海部俊樹の発言 (予算委員会)
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○海部内閣総理大臣 国連安保理の決議が最初行われてから、六百七十八号の決議が行われるまでにも随分いろいろな経過があったことは、これは委員御承知のとおりであります。五カ月以上にわたるたび重なるいろいろな努力が行われたこともそのとおりであります。ただ単に決議をしておったというだけじゃなくて、あらゆる国の首脳がいろいろな努力をしてこの問題についてイラクに迫ったことも事実でございます。私どもも、直接あるいは文書でもって意向を伝え続けてきました。
また、国連の努力の中で、たしか十一月の二十九日でございましたか、六百七十八号の決議があり、そしてあらゆる手段をとることができる決議が行われた直後で、これはイラクに対して平和に向かって反省をする最後の機会を提供するのだという意味のことが言われ、直ちにアメリカはイラクに対して直接対話を呼びかけて、私たちは、その直接対話で本当に腹を割って話し合ってもらいたい、強い期待を持ったことも思い起こします。また、国連事務総長は、最後まで和平のための努力を続けました。
また、国連総会で、私もブッシュ大統領の演説も聞きましたし、またミッテラン大統領の演説も、その中の提案も聞きましたけれども、皆が国連決議に従って、まず力でもって侵略したという事実をもとへ戻して、国連決議に従った第一歩を踏み出せば、中東の恒久和平とかあるいはアラブとイスラエル、パレスチナ問題を含むいろいろな問題について話し合っていく機会が提供されるということを何回も繰り返し呼びかけた。最後の最後まで、国連事務総長は夜を徹して声明を出してぎりぎりの努力をしたのですが、果たされなかった。
私は、この五カ月以上にわたる各国のあらゆる努力というものは、これはやはり忍耐強いぎりぎりの努力が行われたものと率直に認めます。そして、イラクが悪い、けれどもアメリカも悪いというような、もう一日待てないか、もう二日待てないか。たしか十二月三十一日までに事態を解決したいといった当初の提案は、ソ連その他の国のやはり十五日まで、もうちょっと待ったらどうだという話し合い等があったということも私は当時の報道で詳しく聞いておりました。ぎりぎりの努力の結果でございます。
現在はまだ絶対平和が世界に実現しておるわけではございません。現在の国際社会において、反対するだけではなくて武力侵略行動そのものを結果的に容認してしまうことは、これはとるべき態度ではない。国連の加盟国がみんな一致して平和の破壊をこれ以上してはいけないということは、これは権威として守っていかなきゃならぬと思うのです。
私は二月二日の新聞で読んでなるほどと思ったから控えておきましたけれども、「反戦を叫ぶだけで済ませたり、絶対平和の手段のみで対処することは武力侵略行動を結果的に容認し、利することにつながり、逆に戦争への道に近づいてしまう。一番喜ぶのはフセイン大統領だ。」これをお書きになったのは、新聞報道によれば、社会党の新人議員でつくられるニューウェーブの会の人の意見だとして新聞に出ておるのです。だから私は、この点に関しては全く同感をして、こういった話し合いをさらに進めていくべきではないだろうか、こんなことを思ったわけであります。
ですから、そういった意味で、やはりこの問題の本質というものをよく考え、国連の平和回復への努力というものが一日も早く成功することを、そして世界にジャングルの中のおきてだと言われないように、正義と秩序を基調とした平和が達成されるように心から願っておる次第でございます。