予算委員会
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会
会議録情報#0
平成三年二月十四日(木曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 渡部 恒三君
理事 大石 千八君 理事 鹿野 道彦君
理事 近藤 鉄雄君 理事 二階 俊博君
理事 増岡 博之君 理事 加藤 万吉君
理事 佐藤 敬治君 理事 松浦 利尚君
理事 草川 昭三君
相沢 英之君 粟屋 敏信君
井奥 貞雄君 内海 英男君
越智 伊平君 狩野 勝君
金子 一義君 倉成 正君
小坂 憲次君 後藤田正晴君
志賀 節君 田邉 國男君
津島 雄二君 戸井田三郎君
萩山 教嚴君 林 義郎君
原田 憲君 増田 敏男君
町村 信孝君 松永 光君
松本 十郎君 村田敬次郎君
村山 達雄君 綿貫 民輔君
五十嵐広三君 串原 義直君
嶋崎 譲君 新村 勝雄君
新盛 辰雄君 辻 一彦君
戸田 菊雄君 野坂 浩賢君
藤田 高敏君 武藤 山治君
和田 静夫君 石田 祝稔君
日笠 勝之君 冬柴 鐵三君
矢追 秀彦君 木島日出夫君
佐藤 祐弘君 菅野 悦子君
東中 光雄君 中野 寛成君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
内閣総理大臣 海部 俊樹君
外 務 大 臣 中山 太郎君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
文 部 大 臣 井上 裕君
厚 生 大 臣 下条進一郎君
農林水産大臣 近藤 元次君
通商産業大臣 中尾 栄一君
運 輸 大 臣 村岡 兼造君
労 働 大 臣 小里 貞利君
国 務 大 臣
(総務庁長官) 佐々木 満君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 池田 行彦君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 越智 通雄君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 愛知 和男君
国 務 大 臣
(国土庁長官) 西田 司君
出席政府委員
内閣官房副長官 大島 理森君
内閣官房内閣安
全保障室長
兼内閣総理大臣
官房安全保障室
長 米山 市郎君
内閣法制局長官 工藤 敦夫君
内閣法政局第一
部長 大森 政輔君
総務庁行政管理
局長 増島 俊之君
防衛庁参事官 内田 勝久君
防衛庁参事官 玉木 武君
防衛庁長官官房
長 日吉 章君
防衛庁防衛局長 畠山 蕃君
防衛庁教育訓練
局長 小池 清彦君
防衛庁人事局長 坪井 龍文君
防衛庁経理局長 村田 直昭君
防衛庁装備局長 関 收君
防衛施設庁総務
部長 箭内慶次郎君
防衛施設庁建設
部長 黒目 元雄君
防衛施設庁労務
部長 竹下 昭君
経済企画庁調整
局長 末木凰太郎君
経済企画庁物価
局長 田中 努君
経済企画庁調査
局長 田中 章介君
環境庁企画調整
局地球環境部長 加藤 三郎君
環境庁水質保全
局長 武智 敏夫君
国土庁防災局長 鹿島 尚武君
外務省北米局長 松浦晃一郎君
外務省中近東ア
フリカ局長 渡辺 允君
外務省経済協力
局長 川上 隆朗君
外務省条約局長 柳井 俊二君
外務省国際連合
局長 丹波 實君
外務省情報調査
局長 佐藤 行雄君
大蔵大臣官房総
務審議官 濱本 英輔君
大蔵省主計局長 保田 博君
大蔵省主税局長 尾崎 護君
大蔵省理財局長 篠沢 恭助君
国税庁次長 福井 博夫君
文部大臣官房長 坂元 弘直君
文部省初等中等
教育局長 菱村 幸彦君
文部省高等教育
局長 前畑 安宏君
文部省学術国際
局長 長谷川善一君
厚生大臣官房総
務審議官 熊代 昭彦君
厚生省保健医療
局長 寺松 尚君
林野庁次長 入澤 肇君
通商産業省通商
政策局長 畠山 襄君
通商産業省通商
政策局次長 麻生 渡君
通商産業省貿易
局長 堤 富男君
通商産業省機械
情報産業局長 山本 幸助君
資源エネルギー
庁長官 緒方謙二郎君
中小企業庁長官 高橋 達直君
運輸省航空局長 宮本 春樹君
海上保安庁次長 豊田 実君
労働省労働基準
局長 佐藤 勝美君
委員外の出席者
参 考 人
(日本銀行総裁) 三重野 康君
予算委員会調査
室長 多田 俊幸君
─────────────
委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
愛野興一郎君 増田 敏男君
内海 英男君 井奥 貞雄君
小此木彦三郎君 萩山 教嚴君
越智 伊平君 小坂 憲次君
加藤 紘一君 金子 一義君
佐藤 隆君 町村 信孝君
浜田 幸一君 狩野 勝君
石田 祝稔君 矢追 秀彦君
菅野 悦子君 木島日出夫君
同日
辞任 補欠選任
井奥 貞雄君 内海 英男君
狩野 勝君 浜田 幸一君
金子 一義君 加藤 紘一君
小坂 憲次君 越智 伊平君
萩山 教嚴君 小此木彦三郎君
増田 敏男君 愛野興一郎君
町村 信孝君 佐藤 隆君
矢追 秀彦君 石田 祝稔君
木島日出夫君 東中 光雄君
─────────────
本日の会議に付した案件
平成三年度一般会計予算
平成三年度特別会計予算
平成三年度政府関係機関予算
────◇─────
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 渡部 恒三君
理事 大石 千八君 理事 鹿野 道彦君
理事 近藤 鉄雄君 理事 二階 俊博君
理事 増岡 博之君 理事 加藤 万吉君
理事 佐藤 敬治君 理事 松浦 利尚君
理事 草川 昭三君
相沢 英之君 粟屋 敏信君
井奥 貞雄君 内海 英男君
越智 伊平君 狩野 勝君
金子 一義君 倉成 正君
小坂 憲次君 後藤田正晴君
志賀 節君 田邉 國男君
津島 雄二君 戸井田三郎君
萩山 教嚴君 林 義郎君
原田 憲君 増田 敏男君
町村 信孝君 松永 光君
松本 十郎君 村田敬次郎君
村山 達雄君 綿貫 民輔君
五十嵐広三君 串原 義直君
嶋崎 譲君 新村 勝雄君
新盛 辰雄君 辻 一彦君
戸田 菊雄君 野坂 浩賢君
藤田 高敏君 武藤 山治君
和田 静夫君 石田 祝稔君
日笠 勝之君 冬柴 鐵三君
矢追 秀彦君 木島日出夫君
佐藤 祐弘君 菅野 悦子君
東中 光雄君 中野 寛成君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
内閣総理大臣 海部 俊樹君
外 務 大 臣 中山 太郎君
大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
文 部 大 臣 井上 裕君
厚 生 大 臣 下条進一郎君
農林水産大臣 近藤 元次君
通商産業大臣 中尾 栄一君
運 輸 大 臣 村岡 兼造君
労 働 大 臣 小里 貞利君
国 務 大 臣
(総務庁長官) 佐々木 満君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 池田 行彦君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 越智 通雄君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 愛知 和男君
国 務 大 臣
(国土庁長官) 西田 司君
出席政府委員
内閣官房副長官 大島 理森君
内閣官房内閣安
全保障室長
兼内閣総理大臣
官房安全保障室
長 米山 市郎君
内閣法制局長官 工藤 敦夫君
内閣法政局第一
部長 大森 政輔君
総務庁行政管理
局長 増島 俊之君
防衛庁参事官 内田 勝久君
防衛庁参事官 玉木 武君
防衛庁長官官房
長 日吉 章君
防衛庁防衛局長 畠山 蕃君
防衛庁教育訓練
局長 小池 清彦君
防衛庁人事局長 坪井 龍文君
防衛庁経理局長 村田 直昭君
防衛庁装備局長 関 收君
防衛施設庁総務
部長 箭内慶次郎君
防衛施設庁建設
部長 黒目 元雄君
防衛施設庁労務
部長 竹下 昭君
経済企画庁調整
局長 末木凰太郎君
経済企画庁物価
局長 田中 努君
経済企画庁調査
局長 田中 章介君
環境庁企画調整
局地球環境部長 加藤 三郎君
環境庁水質保全
局長 武智 敏夫君
国土庁防災局長 鹿島 尚武君
外務省北米局長 松浦晃一郎君
外務省中近東ア
フリカ局長 渡辺 允君
外務省経済協力
局長 川上 隆朗君
外務省条約局長 柳井 俊二君
外務省国際連合
局長 丹波 實君
外務省情報調査
局長 佐藤 行雄君
大蔵大臣官房総
務審議官 濱本 英輔君
大蔵省主計局長 保田 博君
大蔵省主税局長 尾崎 護君
大蔵省理財局長 篠沢 恭助君
国税庁次長 福井 博夫君
文部大臣官房長 坂元 弘直君
文部省初等中等
教育局長 菱村 幸彦君
文部省高等教育
局長 前畑 安宏君
文部省学術国際
局長 長谷川善一君
厚生大臣官房総
務審議官 熊代 昭彦君
厚生省保健医療
局長 寺松 尚君
林野庁次長 入澤 肇君
通商産業省通商
政策局長 畠山 襄君
通商産業省通商
政策局次長 麻生 渡君
通商産業省貿易
局長 堤 富男君
通商産業省機械
情報産業局長 山本 幸助君
資源エネルギー
庁長官 緒方謙二郎君
中小企業庁長官 高橋 達直君
運輸省航空局長 宮本 春樹君
海上保安庁次長 豊田 実君
労働省労働基準
局長 佐藤 勝美君
委員外の出席者
参 考 人
(日本銀行総裁) 三重野 康君
予算委員会調査
室長 多田 俊幸君
─────────────
委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
愛野興一郎君 増田 敏男君
内海 英男君 井奥 貞雄君
小此木彦三郎君 萩山 教嚴君
越智 伊平君 小坂 憲次君
加藤 紘一君 金子 一義君
佐藤 隆君 町村 信孝君
浜田 幸一君 狩野 勝君
石田 祝稔君 矢追 秀彦君
菅野 悦子君 木島日出夫君
同日
辞任 補欠選任
井奥 貞雄君 内海 英男君
狩野 勝君 浜田 幸一君
金子 一義君 加藤 紘一君
小坂 憲次君 越智 伊平君
萩山 教嚴君 小此木彦三郎君
増田 敏男君 愛野興一郎君
町村 信孝君 佐藤 隆君
矢追 秀彦君 石田 祝稔君
木島日出夫君 東中 光雄君
─────────────
本日の会議に付した案件
平成三年度一般会計予算
平成三年度特別会計予算
平成三年度政府関係機関予算
────◇─────
渡
渡部恒三#1
○渡部委員長 これより会議を開きます。
平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
本日は、湾岸問題等を中心とする集中審議を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松永光君。
この発言だけを見る →平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
本日は、湾岸問題等を中心とする集中審議を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松永光君。
松
松永光#2
○松永委員 いわゆる湾岸問題については、予算委員会の総括質問の間で各委員からいろいろな方面から質問がなされ、そして総理も懇切丁寧に答弁をしてこられましたのでありますけれども、したがって、私がこれから質問することは場合によっては重複するかもしれません。しかし、基本的な事柄について整理する意味も含めて、私は総理に質問をしたいと思うのです。
湾岸の平和回復のための武力行使についてどう思うかという点について、アメリカでは八六%の国民がこれを支持する、不支持は一二%、こうなっているそうであります。フランスではミッテラン大統領の武力行使支持について、ミッテラン大統領を支持するというのが七二%に達しておる。武力行使前に比べてミッテラン大統領の支持率が一二%も上昇した、こういうことであります。ところが、我が国では、ある新聞社の世論調査によると、武力行使支持が三九・二%、不支持が四七・二%、こうなっておるようでありまして、湾岸の平和回復のための武力行使についての国民の意識が、アメリカあるいはフランスと我が国との間には相当な乖離があるように思われますね。
なぜそういう乖離が出てくるのだろうか。私は、日本国民が侵略戦争を許さない、そういう正義感が薄いとは決して思いません。じゃ、何でこういう結果が出てくるのか、こういえば、いろいろな情報のはんらんもあるでしょう。しかし、イラクのクウェート武力侵略が起こったのが去年の八月二日、相当日時がたっておる、それに日本の人質も解放されたということ等もあったので、この今回の湾岸戦争がそもそも何で起こったのか、湾岸戦争のそもそもの発端、だれが平和を破る行動をしたのか、そういうそもそもについての認識に相当甘い面があるんじゃなかろうか、私はそう思わざるを得ない。
そこで、くどいようでありますけれども、何度も私はこの今回の湾岸戦争の原点というものを確認しながら、明確にしながら議論を進めていかにゃならぬ、こう思うわけでありまして、そういう点からいうと、今次の湾岸戦争というものは去年の八月二日、イラクがクウェートを武力侵略し、そうして併合した、このことに湾岸戦争は始まっておるんだと思う。このイラクの行為というものは真っ正面から国際法に挑戦するものであり、国連憲章をじゅうりんするものでありますから、全く許されざる侵略行為である。
そこで、国連は直ちに安全保障理事会を開いて、イラクの侵略を許さない、即時無条件撤退をすべしという決議をしたわけですね。これが安全保障理事会決議の最初の六百六十号。それ以来十数回の安全保障理事会の決議が採択されたけれども、イラクは一向に安全保障理事会の決議を受け入れようとしなかった。そこで、やむなく去年の十一月、最終的な安保理事会の決議と思うのでありますが、六百七十八号、すなわち本年一月十五日までに撤退をしなければ武力行使も容認する、こういう決議が採択されたわけですね。
そしてさらに、いろいろな人がイラクに赴いて、フセイン大統領に安全保障理事会の決議を受け入れるように、そしてクウェートから即時撤退するようにと、随分勧告をされたわけです。最後にはベーカー国務長官もジュネーブに赴いてイラクのアジズ外相と会談して、この安全保障理事会の決議を受け入れるようにと、長時間の協議をしたわけです。そしてさらには、デクエヤル事務総長までもがバグダッドに赴いてフセイン大統領と会談して、とにかく安全保障理事会の決議を受け入れろ、そして即時に全面的にクウェートから撤退すべしということを勧告したけれども、イラクの大統領は一向にこれを聞き入れるそぶりすら示さなかった。
逆に、アメリカ軍が武力行使をするならば血の海に泳がしてやる、こう豪語して安全保障理事会の決議を全く受け入れる意思を示さなかった。かくなる上は、このまま放置しては国連そのものの権威も失墜してしまう、侵略行為をこれ以上許してはならぬということで、湾岸の平和回復のために武力行使に入ったというのがことしの一月十七日であった。こういう経過であるわけですね。
したがって、今次戦争を始めたのはイラクである、平和の破壊をしたのはイラクである、多国籍軍の行動は安全保障理事会の決議を執行するための武力行使である、これがこの湾岸戦争の本質であり、そもそもの原点であるというふうに思うのでありますが、これはもう総理も何回もおっしゃっていることでありますけれども、繰り返し繰り返し私は確認をした上、そしてまた機会をとらえては総理みずからが国民に、この今次湾岸戦争の実態、本質、こういったものを訴えられる必要があると思うのです。そこで、総理の見解を改めて伺っておきたい、こう思うわけであります。
この発言だけを見る →湾岸の平和回復のための武力行使についてどう思うかという点について、アメリカでは八六%の国民がこれを支持する、不支持は一二%、こうなっているそうであります。フランスではミッテラン大統領の武力行使支持について、ミッテラン大統領を支持するというのが七二%に達しておる。武力行使前に比べてミッテラン大統領の支持率が一二%も上昇した、こういうことであります。ところが、我が国では、ある新聞社の世論調査によると、武力行使支持が三九・二%、不支持が四七・二%、こうなっておるようでありまして、湾岸の平和回復のための武力行使についての国民の意識が、アメリカあるいはフランスと我が国との間には相当な乖離があるように思われますね。
なぜそういう乖離が出てくるのだろうか。私は、日本国民が侵略戦争を許さない、そういう正義感が薄いとは決して思いません。じゃ、何でこういう結果が出てくるのか、こういえば、いろいろな情報のはんらんもあるでしょう。しかし、イラクのクウェート武力侵略が起こったのが去年の八月二日、相当日時がたっておる、それに日本の人質も解放されたということ等もあったので、この今回の湾岸戦争がそもそも何で起こったのか、湾岸戦争のそもそもの発端、だれが平和を破る行動をしたのか、そういうそもそもについての認識に相当甘い面があるんじゃなかろうか、私はそう思わざるを得ない。
そこで、くどいようでありますけれども、何度も私はこの今回の湾岸戦争の原点というものを確認しながら、明確にしながら議論を進めていかにゃならぬ、こう思うわけでありまして、そういう点からいうと、今次の湾岸戦争というものは去年の八月二日、イラクがクウェートを武力侵略し、そうして併合した、このことに湾岸戦争は始まっておるんだと思う。このイラクの行為というものは真っ正面から国際法に挑戦するものであり、国連憲章をじゅうりんするものでありますから、全く許されざる侵略行為である。
そこで、国連は直ちに安全保障理事会を開いて、イラクの侵略を許さない、即時無条件撤退をすべしという決議をしたわけですね。これが安全保障理事会決議の最初の六百六十号。それ以来十数回の安全保障理事会の決議が採択されたけれども、イラクは一向に安全保障理事会の決議を受け入れようとしなかった。そこで、やむなく去年の十一月、最終的な安保理事会の決議と思うのでありますが、六百七十八号、すなわち本年一月十五日までに撤退をしなければ武力行使も容認する、こういう決議が採択されたわけですね。
そしてさらに、いろいろな人がイラクに赴いて、フセイン大統領に安全保障理事会の決議を受け入れるように、そしてクウェートから即時撤退するようにと、随分勧告をされたわけです。最後にはベーカー国務長官もジュネーブに赴いてイラクのアジズ外相と会談して、この安全保障理事会の決議を受け入れるようにと、長時間の協議をしたわけです。そしてさらには、デクエヤル事務総長までもがバグダッドに赴いてフセイン大統領と会談して、とにかく安全保障理事会の決議を受け入れろ、そして即時に全面的にクウェートから撤退すべしということを勧告したけれども、イラクの大統領は一向にこれを聞き入れるそぶりすら示さなかった。
逆に、アメリカ軍が武力行使をするならば血の海に泳がしてやる、こう豪語して安全保障理事会の決議を全く受け入れる意思を示さなかった。かくなる上は、このまま放置しては国連そのものの権威も失墜してしまう、侵略行為をこれ以上許してはならぬということで、湾岸の平和回復のために武力行使に入ったというのがことしの一月十七日であった。こういう経過であるわけですね。
したがって、今次戦争を始めたのはイラクである、平和の破壊をしたのはイラクである、多国籍軍の行動は安全保障理事会の決議を執行するための武力行使である、これがこの湾岸戦争の本質であり、そもそもの原点であるというふうに思うのでありますが、これはもう総理も何回もおっしゃっていることでありますけれども、繰り返し繰り返し私は確認をした上、そしてまた機会をとらえては総理みずからが国民に、この今次湾岸戦争の実態、本質、こういったものを訴えられる必要があると思うのです。そこで、総理の見解を改めて伺っておきたい、こう思うわけであります。
海
海部俊樹#3
○海部内閣総理大臣 松永議員がおっしゃるように、今回の湾岸に起こっておる問題の一番の根本は、昨年の八月二日イラクがクウェートを武力で侵略をし併合をした、そこから問題が始まったわけでありますし、またおっしゃるようなことは世間でもいろいろな角度から議論せられ、きょうも私は朝、新聞の社説で湾岸問題の本質を見誤るなという一文を読んで、今委員の御質問と非常に重なる点が多い。要するに、東西の力の対決というものが、力による均衡の中で、あるときは恐怖の均衡とか、あるときは力の均衡とか言いながら世界の平和のバランスをとってきた。世界が平和でいくための枠組みは東西の冷戦であったと言われた時期もありましたが、それを乗り越えて、そして国連が初めて安全保障理事会でも平和を果たしていかなければならぬという立場で機能するようになってきた。
極端に言えば、歴史の流れの希望を打ち砕くようなイラクの暴挙でありますし、また我々は、新しい世界の理想というものは、日本は平和主義であり、国際協調主義であり、憲法第九条にも「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」と書いておるわけでありまして、私どもは、正義と秩序を基調とする国際平和を力でもって乱すことはしてはならぬというのがこれからの平和な世界の中においてまず守らなければならない基本的なルールだと思うのです。
今度、このイラクの行為、これでクウェートがどれだけ長い間、半年近くにわたって国民が虐げられ、苦しみ、主権を侵されてそれっ切りになっておるか。これをただ武力行使はだめだ、だめだ、すぐに停戦だ、公正な平和じゃなく物事の本質を見誤った解決をしてしまいますと、何か力で侵略されたときには、された方はされるがままで黙って耐えていなければならぬのかという深刻な疑問が出てまいります。非武装中立で、そういうときは降伏した方がいい場合もあるよということ
が言えるならばいいのですけれども、降伏する、世界の正義がなくなる、正義と秩序のない世界の平和は日本国憲法でも求めておるものではありません。
したがって、私どもは、国連が何回も決議してイラクに強い反省を求め、クウェートからの撤退を再三にわたる決議で国際社会の総意として求めたのですが、残念ながら反省も、撤退の意思表示すらされなかった。それどころか、イラクはクウェートを絶対手放さない。それでは国際社会の秩序は守られなくて、強い者が弱い者を勝手に、恣意に虐げるということを認めてはいけませんから、国連憲章に定められた国連の意思によって武力の行使をして平和を回復する、これ以上の平和の破壊は許さないという行動が起こっておるのが一月の十七日からの現象だろうと思いますから、あくまで正義と秩序を基調とする国際平和をきちっとつくれ。
せっかく戦後四十五年、東西の対決が終わって、米ソの対立が終わって、イデオロギーの対立が終末を迎えつつあって、自由と民主主義に基づく世界の平和があらわれようとしておるときでありますから、力による他国の侵略は許さないという鉄則は、国際社会全員の意思として、おっしゃったように国連の権威としてこれは守り抜かれなければならぬことでありまして、あくまでイラクにクウェートからの撤兵、反省を強く迫っていかなければ問題の根本的な解決はできない。私は委員と全く同じ考えを持っております。
この発言だけを見る →極端に言えば、歴史の流れの希望を打ち砕くようなイラクの暴挙でありますし、また我々は、新しい世界の理想というものは、日本は平和主義であり、国際協調主義であり、憲法第九条にも「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」と書いておるわけでありまして、私どもは、正義と秩序を基調とする国際平和を力でもって乱すことはしてはならぬというのがこれからの平和な世界の中においてまず守らなければならない基本的なルールだと思うのです。
今度、このイラクの行為、これでクウェートがどれだけ長い間、半年近くにわたって国民が虐げられ、苦しみ、主権を侵されてそれっ切りになっておるか。これをただ武力行使はだめだ、だめだ、すぐに停戦だ、公正な平和じゃなく物事の本質を見誤った解決をしてしまいますと、何か力で侵略されたときには、された方はされるがままで黙って耐えていなければならぬのかという深刻な疑問が出てまいります。非武装中立で、そういうときは降伏した方がいい場合もあるよということ
が言えるならばいいのですけれども、降伏する、世界の正義がなくなる、正義と秩序のない世界の平和は日本国憲法でも求めておるものではありません。
したがって、私どもは、国連が何回も決議してイラクに強い反省を求め、クウェートからの撤退を再三にわたる決議で国際社会の総意として求めたのですが、残念ながら反省も、撤退の意思表示すらされなかった。それどころか、イラクはクウェートを絶対手放さない。それでは国際社会の秩序は守られなくて、強い者が弱い者を勝手に、恣意に虐げるということを認めてはいけませんから、国連憲章に定められた国連の意思によって武力の行使をして平和を回復する、これ以上の平和の破壊は許さないという行動が起こっておるのが一月の十七日からの現象だろうと思いますから、あくまで正義と秩序を基調とする国際平和をきちっとつくれ。
せっかく戦後四十五年、東西の対決が終わって、米ソの対立が終わって、イデオロギーの対立が終末を迎えつつあって、自由と民主主義に基づく世界の平和があらわれようとしておるときでありますから、力による他国の侵略は許さないという鉄則は、国際社会全員の意思として、おっしゃったように国連の権威としてこれは守り抜かれなければならぬことでありまして、あくまでイラクにクウェートからの撤兵、反省を強く迫っていかなければ問題の根本的な解決はできない。私は委員と全く同じ考えを持っております。
松
松永光#4
○松永委員 イラクの今次侵略戦争は許してはならない、こういうふうに言いながら、しかし一方においては、米国を初めとする多国籍軍は一月十五日の撤退期限が来てももっともっと待つべきだったのだ、それを十七日に武力行使に入ったのは早過ぎる、こういうふうに非難する人もおりますね。きのうもそういう議論がこの委員会でありました。
しかし、安全保障理事会の最初のイラク非難、即時無条件撤退を求める決議がなされたのは去年の八月二日。イラクの侵略開始も八月二日。それから計算すると百六十五日も待ったわけですね。武力行使を容認する決議からしても六週間待った。この間、先ほども言ったようにいろいろな人がイラクに対して国連の決議を入れてクウェートから撤退するように勧告をした。先ほども言いましたけれども、ベーカー国務長官がわざわざジュネーブに赴いてアジズ外務大臣と会って、これまた長時間会談をして、安保理決議を受け入れて撤退するように、即時無条件撤退をするように、こういう勧告をし、そして最終的にはデクエヤル国連事務総長もバグダッドに赴いてサダム・フセイン・イラク大統領と会談して、ぎりぎり最後まで実は勧告をし説得をしておる。
これほど辛抱強く説得した例は私は今までなかったのじゃなかろうか、そう思うのでありまして、であるにかかわらず、イラクはクウェートからの撤退を断固として拒否したわけですね。撤退するそぶりすら示さなかった。それのみならず、先ほども言いましたけれども、来るなら来てみろ、血の海に泳がしてやる、こう豪語しておったのでありまして、これをこのまま放置しては国連の権威も落ちるあるいは平和回復のための活動がむしろさらに難しくなるかもしれぬ、そういう判断もあったのでしょう。あるいはまた国連の権威を保つ上からもこれ以上は待てない。さらにはまた、イラクから侵略されたクウェートの国民はどうなっておったのか、まだまだ解放されるのを待てというのか、こういうふうにもなってくるわけでありまして、したがって、もっともっと待つべきだったのだという非難というものは成り立つものじゃない、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →しかし、安全保障理事会の最初のイラク非難、即時無条件撤退を求める決議がなされたのは去年の八月二日。イラクの侵略開始も八月二日。それから計算すると百六十五日も待ったわけですね。武力行使を容認する決議からしても六週間待った。この間、先ほども言ったようにいろいろな人がイラクに対して国連の決議を入れてクウェートから撤退するように勧告をした。先ほども言いましたけれども、ベーカー国務長官がわざわざジュネーブに赴いてアジズ外務大臣と会って、これまた長時間会談をして、安保理決議を受け入れて撤退するように、即時無条件撤退をするように、こういう勧告をし、そして最終的にはデクエヤル国連事務総長もバグダッドに赴いてサダム・フセイン・イラク大統領と会談して、ぎりぎり最後まで実は勧告をし説得をしておる。
これほど辛抱強く説得した例は私は今までなかったのじゃなかろうか、そう思うのでありまして、であるにかかわらず、イラクはクウェートからの撤退を断固として拒否したわけですね。撤退するそぶりすら示さなかった。それのみならず、先ほども言いましたけれども、来るなら来てみろ、血の海に泳がしてやる、こう豪語しておったのでありまして、これをこのまま放置しては国連の権威も落ちるあるいは平和回復のための活動がむしろさらに難しくなるかもしれぬ、そういう判断もあったのでしょう。あるいはまた国連の権威を保つ上からもこれ以上は待てない。さらにはまた、イラクから侵略されたクウェートの国民はどうなっておったのか、まだまだ解放されるのを待てというのか、こういうふうにもなってくるわけでありまして、したがって、もっともっと待つべきだったのだという非難というものは成り立つものじゃない、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
海
海部俊樹#5
○海部内閣総理大臣 国連安保理の決議が最初行われてから、六百七十八号の決議が行われるまでにも随分いろいろな経過があったことは、これは委員御承知のとおりであります。五カ月以上にわたるたび重なるいろいろな努力が行われたこともそのとおりであります。ただ単に決議をしておったというだけじゃなくて、あらゆる国の首脳がいろいろな努力をしてこの問題についてイラクに迫ったことも事実でございます。私どもも、直接あるいは文書でもって意向を伝え続けてきました。
また、国連の努力の中で、たしか十一月の二十九日でございましたか、六百七十八号の決議があり、そしてあらゆる手段をとることができる決議が行われた直後で、これはイラクに対して平和に向かって反省をする最後の機会を提供するのだという意味のことが言われ、直ちにアメリカはイラクに対して直接対話を呼びかけて、私たちは、その直接対話で本当に腹を割って話し合ってもらいたい、強い期待を持ったことも思い起こします。また、国連事務総長は、最後まで和平のための努力を続けました。
また、国連総会で、私もブッシュ大統領の演説も聞きましたし、またミッテラン大統領の演説も、その中の提案も聞きましたけれども、皆が国連決議に従って、まず力でもって侵略したという事実をもとへ戻して、国連決議に従った第一歩を踏み出せば、中東の恒久和平とかあるいはアラブとイスラエル、パレスチナ問題を含むいろいろな問題について話し合っていく機会が提供されるということを何回も繰り返し呼びかけた。最後の最後まで、国連事務総長は夜を徹して声明を出してぎりぎりの努力をしたのですが、果たされなかった。
私は、この五カ月以上にわたる各国のあらゆる努力というものは、これはやはり忍耐強いぎりぎりの努力が行われたものと率直に認めます。そして、イラクが悪い、けれどもアメリカも悪いというような、もう一日待てないか、もう二日待てないか。たしか十二月三十一日までに事態を解決したいといった当初の提案は、ソ連その他の国のやはり十五日まで、もうちょっと待ったらどうだという話し合い等があったということも私は当時の報道で詳しく聞いておりました。ぎりぎりの努力の結果でございます。
現在はまだ絶対平和が世界に実現しておるわけではございません。現在の国際社会において、反対するだけではなくて武力侵略行動そのものを結果的に容認してしまうことは、これはとるべき態度ではない。国連の加盟国がみんな一致して平和の破壊をこれ以上してはいけないということは、これは権威として守っていかなきゃならぬと思うのです。
私は二月二日の新聞で読んでなるほどと思ったから控えておきましたけれども、「反戦を叫ぶだけで済ませたり、絶対平和の手段のみで対処することは武力侵略行動を結果的に容認し、利することにつながり、逆に戦争への道に近づいてしまう。一番喜ぶのはフセイン大統領だ。」これをお書きになったのは、新聞報道によれば、社会党の新人議員でつくられるニューウェーブの会の人の意見だとして新聞に出ておるのです。だから私は、この点に関しては全く同感をして、こういった話し合いをさらに進めていくべきではないだろうか、こんなことを思ったわけであります。
ですから、そういった意味で、やはりこの問題の本質というものをよく考え、国連の平和回復への努力というものが一日も早く成功することを、そして世界にジャングルの中のおきてだと言われないように、正義と秩序を基調とした平和が達成されるように心から願っておる次第でございます。
この発言だけを見る →また、国連の努力の中で、たしか十一月の二十九日でございましたか、六百七十八号の決議があり、そしてあらゆる手段をとることができる決議が行われた直後で、これはイラクに対して平和に向かって反省をする最後の機会を提供するのだという意味のことが言われ、直ちにアメリカはイラクに対して直接対話を呼びかけて、私たちは、その直接対話で本当に腹を割って話し合ってもらいたい、強い期待を持ったことも思い起こします。また、国連事務総長は、最後まで和平のための努力を続けました。
また、国連総会で、私もブッシュ大統領の演説も聞きましたし、またミッテラン大統領の演説も、その中の提案も聞きましたけれども、皆が国連決議に従って、まず力でもって侵略したという事実をもとへ戻して、国連決議に従った第一歩を踏み出せば、中東の恒久和平とかあるいはアラブとイスラエル、パレスチナ問題を含むいろいろな問題について話し合っていく機会が提供されるということを何回も繰り返し呼びかけた。最後の最後まで、国連事務総長は夜を徹して声明を出してぎりぎりの努力をしたのですが、果たされなかった。
私は、この五カ月以上にわたる各国のあらゆる努力というものは、これはやはり忍耐強いぎりぎりの努力が行われたものと率直に認めます。そして、イラクが悪い、けれどもアメリカも悪いというような、もう一日待てないか、もう二日待てないか。たしか十二月三十一日までに事態を解決したいといった当初の提案は、ソ連その他の国のやはり十五日まで、もうちょっと待ったらどうだという話し合い等があったということも私は当時の報道で詳しく聞いておりました。ぎりぎりの努力の結果でございます。
現在はまだ絶対平和が世界に実現しておるわけではございません。現在の国際社会において、反対するだけではなくて武力侵略行動そのものを結果的に容認してしまうことは、これはとるべき態度ではない。国連の加盟国がみんな一致して平和の破壊をこれ以上してはいけないということは、これは権威として守っていかなきゃならぬと思うのです。
私は二月二日の新聞で読んでなるほどと思ったから控えておきましたけれども、「反戦を叫ぶだけで済ませたり、絶対平和の手段のみで対処することは武力侵略行動を結果的に容認し、利することにつながり、逆に戦争への道に近づいてしまう。一番喜ぶのはフセイン大統領だ。」これをお書きになったのは、新聞報道によれば、社会党の新人議員でつくられるニューウェーブの会の人の意見だとして新聞に出ておるのです。だから私は、この点に関しては全く同感をして、こういった話し合いをさらに進めていくべきではないだろうか、こんなことを思ったわけであります。
ですから、そういった意味で、やはりこの問題の本質というものをよく考え、国連の平和回復への努力というものが一日も早く成功することを、そして世界にジャングルの中のおきてだと言われないように、正義と秩序を基調とした平和が達成されるように心から願っておる次第でございます。
松
松永光#6
○松永委員 イラクという国はクウェートを侵略し併合しておきながら、クウェートの領土はもともとイラクのものだったんだ、クウェートはイラクの十九番目の州である、こういうふうな主張もしておったようですね。これは侵略、併合後にそういう議論を主張しているようでありますが、これぐらい今日の国際社会の原則をじゅうりんし、あるいは国連憲章を無視する主張はないと思うのですね。
国連憲章の精神というものは、決められた国境線はいかなることがあっても実力をもって変更はしない、これは認める、これが大原則の一つでしょう。もしそれを許すことになれば、これは紛
争は絶えなくなるわけでありますから、この国境線あるいは国の領土、それを実力をもって変更してはならぬ、国連憲章の精神とはこれはそういうものであるというふうに思うのですが、外務大臣どうですか。
この発言だけを見る →国連憲章の精神というものは、決められた国境線はいかなることがあっても実力をもって変更はしない、これは認める、これが大原則の一つでしょう。もしそれを許すことになれば、これは紛
争は絶えなくなるわけでありますから、この国境線あるいは国の領土、それを実力をもって変更してはならぬ、国連憲章の精神とはこれはそういうものであるというふうに思うのですが、外務大臣どうですか。
中
松
松永光#8
○松永委員 第二次大戦後も今まで随分国境紛争というのはありましたね。しかし、国を丸ごと侵略し、占領し、併合したというのは、第二次大戦後今日までの四十数年間の世界の歴史の中で今度が初めてではないか。それだけに許すべからざるイラクの暴挙であり、イラクの侵略行為である、こういうふうに私は見なければならぬと思う。極めて悪質、そう思うのですけれども、いかがですか、総理。
この発言だけを見る →海
海部俊樹#9
○海部内閣総理大臣 新しい世界の秩序というものの中で第一に守られなきゃならぬ基本的な原則は、力で、武力の侵略、併合はしない、この原則を立てるべきだということは私も常々申し上げておるところであります。そして、一国が一国を丸ごと侵略して併合してしまったというのは極めて希有な例ではないかとおっしゃいますが、私はこれは、国と国とが宣戦布告をし合って国権の発動たる戦争をするという従来のパターンでとらえるべきものではなくて、それはイラク・クウェートの問題はそうかもしれぬけれども、イラクに対する国連決議に基づく共同の武力の行使というものは、これは従来のそういった概念とは違うのではないか、こういう感じがいたします。
それからもう一つは、クウェートを侵略、併合しただけではなくて、全く関係の直接なかった国々に底知れぬ恐怖を抱かせるような、原油を戦略的に海へたれ流すということ、あれを公然とやるということはまさに環境テロであって、人間にとって底知れぬ恐怖を与えるし、世界が地球的規模でこれだけ今力を合わせて世界環境を守ろうとしておる、この努力に対して、これは真っ向から挑戦する許されない問題でありますし、恐らくこんなことは国際法も予想していなかった暴挙じゃないでしょうか。
もう一つ言えば、これまた関係のなかった、直接関係のないイスラエルという国へ向かってミサイルを撃ち込み続けておるということも、この挑発に耐えておるイスラエルに私はむしろ、戦線を拡大しないという意味で、平和回復を早めるという意味で、歯を食いしばって我慢しておるイスラエルの心情を思うときに率直に敬意を表したいと思うわけです。
ですから、そういったことが次々次々重ねて行われることは平和の破壊以外の何物でもありませんから、これはおっしゃるとおり国際法違反であり、戦後初めての暴挙であると言って決して言い過ぎではないと思いますから、一刻も早い反省と撤退をこの場で改めて強く求めておきたいと思っております。
この発言だけを見る →それからもう一つは、クウェートを侵略、併合しただけではなくて、全く関係の直接なかった国々に底知れぬ恐怖を抱かせるような、原油を戦略的に海へたれ流すということ、あれを公然とやるということはまさに環境テロであって、人間にとって底知れぬ恐怖を与えるし、世界が地球的規模でこれだけ今力を合わせて世界環境を守ろうとしておる、この努力に対して、これは真っ向から挑戦する許されない問題でありますし、恐らくこんなことは国際法も予想していなかった暴挙じゃないでしょうか。
もう一つ言えば、これまた関係のなかった、直接関係のないイスラエルという国へ向かってミサイルを撃ち込み続けておるということも、この挑発に耐えておるイスラエルに私はむしろ、戦線を拡大しないという意味で、平和回復を早めるという意味で、歯を食いしばって我慢しておるイスラエルの心情を思うときに率直に敬意を表したいと思うわけです。
ですから、そういったことが次々次々重ねて行われることは平和の破壊以外の何物でもありませんから、これはおっしゃるとおり国際法違反であり、戦後初めての暴挙であると言って決して言い過ぎではないと思いますから、一刻も早い反省と撤退をこの場で改めて強く求めておきたいと思っております。
松
松永光#10
○松永委員 それからもう一つ、イラクの主張の中には、いわゆるパレスチナ問題とのリンケージというのがあるわけですね。これはクウェート侵略、併合前には言っていなかったわけでありまして、クウェートを侵略し併合した、そうしたら国際社会が一致してイラクを非難した。そしてまた、先ほど言ったように安全保障理事会でも八月二日、侵略をし併合したその日に満場一致でイラクの行為は許されない、イラクの武力侵略は許されない、そういう非難を決議をし、同時に、即時に無条件でクウェートから撤退すべしという決議がなされた。この国際世論の厳しい反撃を受けて、そうしてこれに驚いて、何とか自己弁護をしなければならぬなというわけで持ち出してきた議論というものがパレスチナ問題とのリンケージ論。全く詭弁としか言いようがない、こう私は思います。
そもそも、イスラエルがガザ地区その他を占拠しておる、そうして国連の決議に従わない、だからおれはクウェートを武力侵略するんだ、こういう論理が成り立つはずはないわけですね。泥棒にも三分の理という言葉がありますけれども、仮に三分の理があるとしても泥棒は泥棒ですな。この場合には強盗ですけれども、強盗は強盗であることに間違いないわけでありまして、人がしたからおれもするということは絶対国際社会では許されない。もしそれを許すとすれば国際の平和は壊れてしまう、こういうことではないかと思うのでありまして、この問題について総理はどう考えておるか。
この発言だけを見る →そもそも、イスラエルがガザ地区その他を占拠しておる、そうして国連の決議に従わない、だからおれはクウェートを武力侵略するんだ、こういう論理が成り立つはずはないわけですね。泥棒にも三分の理という言葉がありますけれども、仮に三分の理があるとしても泥棒は泥棒ですな。この場合には強盗ですけれども、強盗は強盗であることに間違いないわけでありまして、人がしたからおれもするということは絶対国際社会では許されない。もしそれを許すとすれば国際の平和は壊れてしまう、こういうことではないかと思うのでありまして、この問題について総理はどう考えておるか。
海
海部俊樹#11
○海部内閣総理大臣 八月の二日にイラクがクウェートに侵略する前に、七月の三十一日とか八月の一日の前後のところでサウジアラビアのファハド国王がフセイン大統領を直接呼んで、そこにはムバラク・エジプト大統領も同席をしていろいろ話をされたということを私は首脳会談のときに聞いてきましたが、その時点においても問題になっておったのは、油田の地下が通じておるのが一つあって、その盗鑿問題、それに対する賠償の問題とか、海に出口がないから島の租借権を認めるか認めないかとか、あるいは、イラン・イラク戦争のときのいろいろな貸借関係があるけれども、それを棒引きするとかしないとか、そういう話がイラクとクウェートの間であったことはこれは事実で、それを心配をしたサウジ、そしてエジプトの大統領が直前にフセイン大統領と話し合いをした。そのとき、力で侵略することは絶対にしないという約束もし、そしてさらにそれらの問題を話し合いによって解決するんだということで合意を得ておったのに、突然一方的にあのようなことになって非常に残念であった、その日直ちに、なぜそんなことをするんだ、約束違うじゃないか、話で片つくではないかと言おうと思ったが、もうその後電話には出てくれない状況になったんだという発端の事情を生々しく語られたことも私は覚えております。
それから、私がイラクのラマダン副首相と会って話しましたときも、結局なぜそのようなことになるのかという理由の中の一つに、これはアラブの問題だから、クウェートとサウジの問題はアラブの問題だからアラブに任せておいてくれればいいのをアメリカやヨーロッパが出てきたから、それが間違いであるという、こういうお話。それともう一つは、歴史をもう少し調べてくれ、歴史を調べればクウェートはイラクのものなんだ、この点を非常に強調された、そのことを私は思い出します。
私はそのときに、アラブのことはアラブでというのは非常に結構ですけれども、もう今日世界の平和と世界の経済と世界の安定に大きな影響を及ぼすことになってしまい、国連という世界の平和に責任を持つ機構がこれだけ心配をして国際社会の総意にしておるのだから、もうこれは国際社会の出来事であるし、同時に、アメリカを初めとする多国籍軍がいち早くこれ以上の平和の破壊はしてはいけないというのでサウジに抑止線を張ったということが、平和の破壊をこれ以上させなかったということで私は評価すべきだと思うので、そのところは、国際問題としてアラブだけでとおっしゃらずに、その肝心のアラブの首脳国会議も決裂をしたし、肝心のアラブの方からも多国籍軍に加わる軍隊が出てきておるということをもう少しフセイン大統領は謙虚に反省すべきではなかろうか、こう思った次第でございます。
なお、もう一つの問題、イスラエル問題は非常に長い経緯がありまして、歴史の問題を言えば、それは一九一七年のイギリスの歴史にも、それはもう線引きの歴史に戻るでしょうが、もっと前のオスマン・トルコの歴史に戻れば、トルコの大統領は、歴史のことを言うと歴史上あの辺は我が国のものであったと言ってオスマン・トルコ時代の地図さえ見せられるような、だから、余り古い歴史のことを言ってそれを全部リンケージしなければいけないというのは現実の侵略を肯定的に放置することになりますから、それはそれ、これはこれときちっと段階を分けて考えて、まず局面を打開すれば、続いてパレスチナ問題を初めアラブとイスラエル問題についてもさまざまな恒久和平のための話し合いの機会が出るでしょうということにやはり耳を傾けて、その道を選んでいくことが
真の恒久和平に通ずるものである、私はそう考えますので、率直にお答え申し上げます。
この発言だけを見る →それから、私がイラクのラマダン副首相と会って話しましたときも、結局なぜそのようなことになるのかという理由の中の一つに、これはアラブの問題だから、クウェートとサウジの問題はアラブの問題だからアラブに任せておいてくれればいいのをアメリカやヨーロッパが出てきたから、それが間違いであるという、こういうお話。それともう一つは、歴史をもう少し調べてくれ、歴史を調べればクウェートはイラクのものなんだ、この点を非常に強調された、そのことを私は思い出します。
私はそのときに、アラブのことはアラブでというのは非常に結構ですけれども、もう今日世界の平和と世界の経済と世界の安定に大きな影響を及ぼすことになってしまい、国連という世界の平和に責任を持つ機構がこれだけ心配をして国際社会の総意にしておるのだから、もうこれは国際社会の出来事であるし、同時に、アメリカを初めとする多国籍軍がいち早くこれ以上の平和の破壊はしてはいけないというのでサウジに抑止線を張ったということが、平和の破壊をこれ以上させなかったということで私は評価すべきだと思うので、そのところは、国際問題としてアラブだけでとおっしゃらずに、その肝心のアラブの首脳国会議も決裂をしたし、肝心のアラブの方からも多国籍軍に加わる軍隊が出てきておるということをもう少しフセイン大統領は謙虚に反省すべきではなかろうか、こう思った次第でございます。
なお、もう一つの問題、イスラエル問題は非常に長い経緯がありまして、歴史の問題を言えば、それは一九一七年のイギリスの歴史にも、それはもう線引きの歴史に戻るでしょうが、もっと前のオスマン・トルコの歴史に戻れば、トルコの大統領は、歴史のことを言うと歴史上あの辺は我が国のものであったと言ってオスマン・トルコ時代の地図さえ見せられるような、だから、余り古い歴史のことを言ってそれを全部リンケージしなければいけないというのは現実の侵略を肯定的に放置することになりますから、それはそれ、これはこれときちっと段階を分けて考えて、まず局面を打開すれば、続いてパレスチナ問題を初めアラブとイスラエル問題についてもさまざまな恒久和平のための話し合いの機会が出るでしょうということにやはり耳を傾けて、その道を選んでいくことが
真の恒久和平に通ずるものである、私はそう考えますので、率直にお答え申し上げます。
松
松永光#12
○松永委員 パレスチナ問題、これもいずれは平和的な解決をしなきやならぬ問題でしょう。しかし、現在の問題は何かというと、イラクのクウェートからの即時全面撤退ですから、クウェートからの即時全面撤退がなされてあそこが一応おさまって、そして新しい湾岸地区の秩序を構築する場合には、当然のことながらパレスチナ問題も平和的に話し合いをして解決をされなきゃならぬ問題でしょう。しかし、現在のクウェートの侵略、併合、これからの撤退をしないという状況のもとでイラク側のいわゆるリンケージ論に理解を示すことは、これはむしろ問題解決にとって有害ではないか。イラクのサダム・フセイン大統領は、自分の主張が理解されたなんというようなことになりまして、クウェートからの撤退の意思をなかなか示さないという結果になるわけでありますから、したがって、イラクがクウェートから全面撤退をしない限り理解などは示すべき問題ではない、私はそう思うのですね。
ことしの一月十五日の撤退期限直前に、日本のある有名な政治家がイラクのフセイン大統領と会われたときに、リンケージ論に理解を示されたというような報道もありましたけれども、あれなどはクウェートからのイラクの全面撤退をさせる上でむしろマイナスであったと、私はそう思うのですけれども、やはり理解を示すのではなくして、それは別だと厳しく撤退を迫るのが私はとるべき態度ではないか、こう思うのですね。簡単に理解などを示してはならぬ、こういうふうに思うのでありますが、このリンケージ論について総理の考え方、これをお聞きしたい。
この発言だけを見る →ことしの一月十五日の撤退期限直前に、日本のある有名な政治家がイラクのフセイン大統領と会われたときに、リンケージ論に理解を示されたというような報道もありましたけれども、あれなどはクウェートからのイラクの全面撤退をさせる上でむしろマイナスであったと、私はそう思うのですけれども、やはり理解を示すのではなくして、それは別だと厳しく撤退を迫るのが私はとるべき態度ではないか、こう思うのですね。簡単に理解などを示してはならぬ、こういうふうに思うのでありますが、このリンケージ論について総理の考え方、これをお聞きしたい。
海
海部俊樹#13
○海部内閣総理大臣 私は、現在の局面を打開して──今毎日毎日どのような苦しみの現実があるかということを考えますと、あの地域の平和を回復しなければならないという問題と、それから、これは国連の事務総長も提案しておりますように、中東和平のためにパレスチナの問題を含めてアラブ、イスラエルの問題等さまざまな問題について、恒久平和のために解決のための話し合いをしていかなければならぬという問題は、これは次元が違う問題でありますから、先ほど申し上げたように、まず局面を打開して、その次それに入っていくという道筋が正しいのではないかと思いますし、また、我が国としてはこれは経緯や歴史を無視しておるわけでは全くないわけでありまして、国連で決議二百四十二号.続いて、次の中東戦争のときにできた三百三十八号については、それでもって恒久平和の道のりを明確に示したものだというので支持をし賛成をし、同時にまた、私が総理に就任しました後に、いろいろな方からPLOのアラファト議長に会えと言われました、政府が賓客で呼べと言われました。
これは、与党のみならず野党の皆さんからもそういう御要請も、御要望も受けて、私は、アラファト議長がイスラエルの国家としての存立を認める、要するに二百四十二号の決議に従ってイスラエルが占領地から撤兵をすれば、そうすると今度は、イスラエルの存在を認めて、あの国は認めない、海へ追い落とすと言っておった態度を改めるということと、テロ行為からは手を切るということをきちっと声明されるということでありますから、それなれば、政府としても中東の恒久和平のためにはそれは政府賓客として招いてお話をして、自分もそういったことを言うというので、アラファト議長を首相官邸にお招きをして首脳会談をしたこともございました。
それは、中東の恒久和平というものは、それまでも、あるときはベーカー提案とかあるときはムバラク提案とか、あるいはエジプトとイスラエルの二国間の問題とか、いろいろな積み重ねや努力が続けられてきておるわけでありますから、今回のこの問題のさなかに、問題と一緒にというのではなくて、局面転回をして平和をあの地域にきちっともたらしながら、世界の総意で、国連事務総長の言うように国連の場を通じてきちっとした恒久和平が達成されるようにすべきであるし、日本もそれらの動きに対しては積極的に協力をし、何ができるか、貢献することがあればこれからも引き続いて貢献していきたいと決心をいたしておるところであります。
この発言だけを見る →これは、与党のみならず野党の皆さんからもそういう御要請も、御要望も受けて、私は、アラファト議長がイスラエルの国家としての存立を認める、要するに二百四十二号の決議に従ってイスラエルが占領地から撤兵をすれば、そうすると今度は、イスラエルの存在を認めて、あの国は認めない、海へ追い落とすと言っておった態度を改めるということと、テロ行為からは手を切るということをきちっと声明されるということでありますから、それなれば、政府としても中東の恒久和平のためにはそれは政府賓客として招いてお話をして、自分もそういったことを言うというので、アラファト議長を首相官邸にお招きをして首脳会談をしたこともございました。
それは、中東の恒久和平というものは、それまでも、あるときはベーカー提案とかあるときはムバラク提案とか、あるいはエジプトとイスラエルの二国間の問題とか、いろいろな積み重ねや努力が続けられてきておるわけでありますから、今回のこの問題のさなかに、問題と一緒にというのではなくて、局面転回をして平和をあの地域にきちっともたらしながら、世界の総意で、国連事務総長の言うように国連の場を通じてきちっとした恒久和平が達成されるようにすべきであるし、日本もそれらの動きに対しては積極的に協力をし、何ができるか、貢献することがあればこれからも引き続いて貢献していきたいと決心をいたしておるところであります。
松
松永光#14
○松永委員 先ほど総理の方からも積極的に発言があったわけでありますが、とにかく戦争は嫌だから武力行使は即時にやめてもらいたい、こういう叫びをする人もたくさんいらっしゃるわけですね。しかし、今回の米国を中心とする多国籍軍の武力行使というものは、先ほども申したとおり、イラクの起こしたクウェートに対する違法な侵略戦争、武力侵略、占領、併合、これをやめさせるために、国際正義の実現と国際平和の実現のためになされた、言うなれば国際的な警察活動、こう言ってもいいでしょう、そういったものなんですね。
こういう武力行使すら戦争は嫌だから早くやめてくれと即時中止を叫ぶならば、先ほど総理のお話にもありましたけれども、喜ぶのはだれか、これはクウェートを侵略しておるイラク大統領、イラクだ、こうなってくるわけでありまして、だれだって平和を求める、平和を希望するんだ、戦争は嫌なんだ。しかし、平和の恩恵を受けるのと、平和を回復し平和を維持し、そして継続させるのとは、平和の恩恵を受けるだけならばこれはもう簡単なことなんだ、しかし平和を回復し維持し継続させるためには相当な苦労と努力が要るわけですね。その苦労、努力、あるいは時には血を流すという、そういうこともあるでしょう。そういうことをしなければ平和は確保できない、回復できない、そういう厳しい面があるわけですね。
だから、武力行使にいたしましても、私は大体三つぐらいのカテゴリーがあると思うのです。一つは、今回のイラクがクウェートに対して行ったあの武力行使、これはもう許すべからざる侵略戦争でありますから断じて排除されなければならぬと思うのですね、こういう形の武力行使というのは。もう一つは、武力侵略を受けた側が、その侵略を排除するために行う武力行使ですね、これはいわゆる自衛のための武力行使でありますから、国連憲章も容認しているところですね。三番目は、今回のまさに多国籍軍の武力行使でありますけれども、国連決議に基づいて、決議を執行し国際平和と正義を回復するための武力行使、これは正義の実現のために、平和の回復と確保のためになされる武力行使でありますから、これは正義の武力行使として認めなければならぬし、支援しなければならぬ問題だ、こういうふうに私は思うのでありますけれども、どうですか。
この発言だけを見る →こういう武力行使すら戦争は嫌だから早くやめてくれと即時中止を叫ぶならば、先ほど総理のお話にもありましたけれども、喜ぶのはだれか、これはクウェートを侵略しておるイラク大統領、イラクだ、こうなってくるわけでありまして、だれだって平和を求める、平和を希望するんだ、戦争は嫌なんだ。しかし、平和の恩恵を受けるのと、平和を回復し平和を維持し、そして継続させるのとは、平和の恩恵を受けるだけならばこれはもう簡単なことなんだ、しかし平和を回復し維持し継続させるためには相当な苦労と努力が要るわけですね。その苦労、努力、あるいは時には血を流すという、そういうこともあるでしょう。そういうことをしなければ平和は確保できない、回復できない、そういう厳しい面があるわけですね。
だから、武力行使にいたしましても、私は大体三つぐらいのカテゴリーがあると思うのです。一つは、今回のイラクがクウェートに対して行ったあの武力行使、これはもう許すべからざる侵略戦争でありますから断じて排除されなければならぬと思うのですね、こういう形の武力行使というのは。もう一つは、武力侵略を受けた側が、その侵略を排除するために行う武力行使ですね、これはいわゆる自衛のための武力行使でありますから、国連憲章も容認しているところですね。三番目は、今回のまさに多国籍軍の武力行使でありますけれども、国連決議に基づいて、決議を執行し国際平和と正義を回復するための武力行使、これは正義の実現のために、平和の回復と確保のためになされる武力行使でありますから、これは正義の武力行使として認めなければならぬし、支援しなければならぬ問題だ、こういうふうに私は思うのでありますけれども、どうですか。
海
海部俊樹#15
○海部内閣総理大臣 私は、侵略戦争というものは絶対に起こしてはならないということと、また絶対にそれを認めてはならない。しかし、現にそれが目の前に起こっておるわけでありますから、目の前にそういったことが起こっておるんだけれども、だめだ、何もだめだといって手をこまねいておりますと、侵略されても我慢しておれということになってしまうわけで、これは日本の憲法が宣言しておる正義と秩序を基調とした国際平和にはほど遠いものであります。
日本は、そのときに、二十八もの国々がアメリカを先頭として、平和の破壊を許してはいけない、それぞれの国に経済の困難もありましょう、また兵を出すことに伴う多額の出費も伴いましょう、また現実に犠牲者も出るという日々の報道もなされる中で、なぜそれをするかというのは、ただ一つやはり力による侵略を国際社会のために認めてはいけないし、そういったことを認めてしまうと自分たちの国の生存にも直接間接いろいろな影響があるから、世界正義というものを守るために平和の破壊はやめさせよう、こういう行動でありますから、私は、それらの問題については、国連決議に従う平和回復の武力行使というものは従来のいわゆる戦争のパターンとは違うし、また、侵略ということと、それから国連の決議に基づく武力行使、平和の回復への努力ということ、これは日本は憲法の制約のもとでそれに力でもって参加することはできない立場にありますけれども、しかしそれが行われて一日も早く平和が回復しなければ
ならぬということを願う気持ちは、これは全く世界の国々と同じだと思います。
許される限りの、できる限りの支援をしなければならぬ。もし、これ、何もしないで日本が見ておるだけでありますと、これは国際社会の信頼というもの、きょうまでこの世界の中で、防衛は日米安保条約でアメリカにゆだねる、貿易の方では世界の国々と交易をして、アメリカからもヨーロッパからもアジアの国々からも、毎年輸出をし輸入をする、その中で貿易黒字がうんと残る。アメリカ一国との間でも三年前まで五百億ドルを超える黒字が残って、それが経済摩擦を起こしたことも記憶に新しいところです。
国の安全も、そして我々国民の平和な生活の享受も、豊かな社会も、それらすべては国際依存、国際協調の中で初めて達成されたことであって、その平和の利益、安定した国際秩序の利益を一番受けてきた日本にとって、これ、一歩引いて、いけない、いけない、何もしないと言っておるだけでは、これは今後の日本の国際社会における立場とか信頼とか、もっと素朴に言えば、一体何考えているんだろうか、自由と民主主義を守る国というけれども、これはルールが違う国ではないか。
一時、外国からのマスコミで日本はルールが違う国だ、修正主義者ではないかという極めて厳しい、国際的に協調しない国だと言われた。日本憲法の理念には、「いづれの国家も、」と世界じゅうに向かって、「自国のことのみ」を考えてはいけない、他国のことも考えて行動し、日本はその中で「名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とまで憲法にきちっと宣言しておるわけであります。
私は、そういった平和主義、国際協調主義の理念からいっても、今回のこの国連決議が世界の国々に訴えておること、平和の回復を図れということ、これに対しては全面的な支持をすると同時に、今度のイラクの行為というものはどう理解をしようと思っても理解することのできない、国際法的にも、人道的にも許されない行為である、これは繰り返して申し上げさせていただきました。
この発言だけを見る →日本は、そのときに、二十八もの国々がアメリカを先頭として、平和の破壊を許してはいけない、それぞれの国に経済の困難もありましょう、また兵を出すことに伴う多額の出費も伴いましょう、また現実に犠牲者も出るという日々の報道もなされる中で、なぜそれをするかというのは、ただ一つやはり力による侵略を国際社会のために認めてはいけないし、そういったことを認めてしまうと自分たちの国の生存にも直接間接いろいろな影響があるから、世界正義というものを守るために平和の破壊はやめさせよう、こういう行動でありますから、私は、それらの問題については、国連決議に従う平和回復の武力行使というものは従来のいわゆる戦争のパターンとは違うし、また、侵略ということと、それから国連の決議に基づく武力行使、平和の回復への努力ということ、これは日本は憲法の制約のもとでそれに力でもって参加することはできない立場にありますけれども、しかしそれが行われて一日も早く平和が回復しなければ
ならぬということを願う気持ちは、これは全く世界の国々と同じだと思います。
許される限りの、できる限りの支援をしなければならぬ。もし、これ、何もしないで日本が見ておるだけでありますと、これは国際社会の信頼というもの、きょうまでこの世界の中で、防衛は日米安保条約でアメリカにゆだねる、貿易の方では世界の国々と交易をして、アメリカからもヨーロッパからもアジアの国々からも、毎年輸出をし輸入をする、その中で貿易黒字がうんと残る。アメリカ一国との間でも三年前まで五百億ドルを超える黒字が残って、それが経済摩擦を起こしたことも記憶に新しいところです。
国の安全も、そして我々国民の平和な生活の享受も、豊かな社会も、それらすべては国際依存、国際協調の中で初めて達成されたことであって、その平和の利益、安定した国際秩序の利益を一番受けてきた日本にとって、これ、一歩引いて、いけない、いけない、何もしないと言っておるだけでは、これは今後の日本の国際社会における立場とか信頼とか、もっと素朴に言えば、一体何考えているんだろうか、自由と民主主義を守る国というけれども、これはルールが違う国ではないか。
一時、外国からのマスコミで日本はルールが違う国だ、修正主義者ではないかという極めて厳しい、国際的に協調しない国だと言われた。日本憲法の理念には、「いづれの国家も、」と世界じゅうに向かって、「自国のことのみ」を考えてはいけない、他国のことも考えて行動し、日本はその中で「名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とまで憲法にきちっと宣言しておるわけであります。
私は、そういった平和主義、国際協調主義の理念からいっても、今回のこの国連決議が世界の国々に訴えておること、平和の回復を図れということ、これに対しては全面的な支持をすると同時に、今度のイラクの行為というものはどう理解をしようと思っても理解することのできない、国際法的にも、人道的にも許されない行為である、これは繰り返して申し上げさせていただきました。
松
松永光#16
○松永委員 ソ連がプリマコフを特使としてイラクに派遣をした。フセイン大統領と会談をしたようでありますが、その会談の内容、新聞で私どもは承知しただけなんでありますけれども、フセイン大統領は、対話の姿勢は示したようでありますけれども、しかし、クウェートからの撤退については何らの気配も示さなかった、こういうふうに報道されておるわけでありますけれども、どうだったのでしょうか。詳しいことがおわかりならば、お知らせ願いたい。
この発言だけを見る →中
中山太郎#17
○中山国務大臣 今お尋ねのソ連のプリマコフ特使がイラクを訪問されたことに関連する詳しい内容の情報はまだ私ども確認をいたしておりません。そのために、特にコメントをすることは差し控えたいと考えておりますが、いずれにいたしましても先般米ソ外相会談が行われております。そこでの両国外相の共同ステートメントにこのような言葉が書かれている。「イラクがクウェイトから撤退する旨明白なコミットメントを行えば、戦闘行為の停止が可能であると引き続き信じる。両国外相はまた、かかるコミットメントは安保理諸決議の完全履行につながる即時かつ具体的な行動によって裏付けられねばならないと信じる。」これが米国とソ連の外相の共同ステートメントでございますから、こういうことから考えますと、ソ連もまたこの安保理の六百七十八の決議を完全に支持している。これは、先般私がモスクワへ参りましたときも、ゴルバチョフ大統領もそのようにはっきりと言われておったということもこの機会に明確に申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →松
松永光#18
○松永委員 結局、クウェートからの即時全面撤退、これがすべての前提条件だ、これなしに和平などということになりますというと、結局、侵略者、占領、併合者が得をする結果になる、そういったことは国際正義の上から許されない、こういうふうになるわけですね。したがって、撤退の兆しがないときに、戦闘はやめろ、和平だ、こういうふうにやることは、あるいは言うことは、むしろ侵略者を撤退させる上でのマイナスになる。そのことだけは厳しく間違いのないようにやっていかなければならぬ、こういうふうに思うわけですね。そういうふうに伺っていいですね。
この発言だけを見る →中
中山太郎#19
○中山国務大臣 お説のとおりでございまして、昨日の午後、私は、日本におられるイラクの大使を外務省にお招きをいたしまして、この一月十七日以来まことに残念な状況が続いておる、これを一日も早く回復させるために、平和のために、イラクがクウェートから即時撤退されるように日本政府としては改めてここに明確に政府の意思をサダム・フセイン大統領にお伝えを願いたいということを昨日申し上げた次第でございます。また、その機会に、この報道されている化学兵器等の、生物兵器等のいわゆる我々が好まない兵器の使用は厳にひとつ慎まれたい、このようなこともあわせて昨日、日本政府として改めて申し入れを行ったということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →松
松永光#20
○松永委員 そこで今度は、この湾岸の平和回復活動についての、あるいは平和回復活動に対する日本の支援あるいは貢献をいかにすべきかという問題に入りたいと思いますが、まあアメリカを中心とする多国籍軍、これはもう本当に生命の危険を冒しながら、あるいは血を流して平和回復活動に頑張っておるわけですね。これに直接的に参加している国あるいは間接的に参加している国、合わせると二十八カ国。中でも私は注意しなければならぬのは、アメリカ、イギリスはもちろん、フランス、イタリー、カナダ、ドイツ、サミット参加国はすべてこの湾岸の平和回復活動に対して汗を流している、生命の危険を冒して頑張っている、こういう状態になっておるわけでありまして、国際連合に加盟して国連中心主義を日本外交の中心に据えてきた日本としては、口先で平和回復を唱えるだけではなくして、積極的にこの平和回復活動に協力をしていかなければならぬことは当然のことであるというふうに私は思います。
日本は国際平和と国際協調によってここまで大きな経済を築き上げてきたし、国民の生活の安定、向上をもたらすことができたわけでありますから、日本の国力にふさわしい貢献をしなければならぬことは当然のことであると思います。ただ、日本には憲法があります。また、憲法の解釈にいたしましても、ある程度定着したものがありますから、その許す範囲内での協力、貢献でなければならぬことは当然のことでありますが、そういうことを考えて総理は、日本の経済力にふさわしい、あるいはそれに応じた協力の仕方として九十億ドルの資金を提供する、こういったことを決断され、同時にまた、金だけの支援、協力ではこれは足りない、金は出すが汗はかかないのか、こういうような非難も出てくるので、そこでいろいろ考えられた上、何か汗を流して貢献することはないかと研究された上、それならば日本の飛行機を使っての避難民の輸送をしよう。しかし、民間航空機で避難民の輸送をすることを第一義とするけれども、万が一民間航空機を飛ばすことができない場合には、自衛隊のC130をやむを得ざる場合には使えるように準備をしておこうということで今回のその政令の制定、これで汗をかく貢献の準備をしよう、こういうふうに決断をされたと思うのでありまして、私はその決断については賛意を表するものであります。
そこでお尋ねするわけでありますが、この今回の政令制定、人道的見地から臨時応急の措置としてこの制定、私はやむを得ざるものとして認めます。そこで、総理の答弁の中で、民間航空機が使用できる場合は民間航空機をチャーターして避難民を輸送しよう、しかし万が一民間航空機を飛ばせぬ場合には、その場合にはやむを得ざる措置として自衛隊のC130を使えるような準備をしておこう、こういったことで今回の措置がなされたというふうに理解をしておるわけでありますが、その理解でよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →日本は国際平和と国際協調によってここまで大きな経済を築き上げてきたし、国民の生活の安定、向上をもたらすことができたわけでありますから、日本の国力にふさわしい貢献をしなければならぬことは当然のことであると思います。ただ、日本には憲法があります。また、憲法の解釈にいたしましても、ある程度定着したものがありますから、その許す範囲内での協力、貢献でなければならぬことは当然のことでありますが、そういうことを考えて総理は、日本の経済力にふさわしい、あるいはそれに応じた協力の仕方として九十億ドルの資金を提供する、こういったことを決断され、同時にまた、金だけの支援、協力ではこれは足りない、金は出すが汗はかかないのか、こういうような非難も出てくるので、そこでいろいろ考えられた上、何か汗を流して貢献することはないかと研究された上、それならば日本の飛行機を使っての避難民の輸送をしよう。しかし、民間航空機で避難民の輸送をすることを第一義とするけれども、万が一民間航空機を飛ばすことができない場合には、自衛隊のC130をやむを得ざる場合には使えるように準備をしておこうということで今回のその政令の制定、これで汗をかく貢献の準備をしよう、こういうふうに決断をされたと思うのでありまして、私はその決断については賛意を表するものであります。
そこでお尋ねするわけでありますが、この今回の政令制定、人道的見地から臨時応急の措置としてこの制定、私はやむを得ざるものとして認めます。そこで、総理の答弁の中で、民間航空機が使用できる場合は民間航空機をチャーターして避難民を輸送しよう、しかし万が一民間航空機を飛ばせぬ場合には、その場合にはやむを得ざる措置として自衛隊のC130を使えるような準備をしておこう、こういったことで今回の措置がなされたというふうに理解をしておるわけでありますが、その理解でよろしゅうございますか。
海
海部俊樹#21
○海部内閣総理大臣 御質問の点につきましては、今回の避難民の輸送をする、そのことについては日本の憲法のもとにおいてもこれはなし得ることである、またなさねばならぬことである。日本は
今、国際社会の中で右にするか左にするかの断崖に立たされておると言っても言い過ぎではないわけでありますから、やはり日本の今日の立場、世界から求められている責任分担の要求にふさわしい役割をどこかで果たすべきである。
前半お触れになりました九十億ドルの支援の問題につきましてもその一環でありますし、ただ前回のようにツーレート・ツーリトルと言われ、しかもお金だけで済ますつもりか、日本は一体どこにいるんだというような国際的な論調や世論というものを耳にしますと、日本が戦後きょうまで人に迷惑かけないで自分の国が幸せであれば、ひとり片隅でひっそりとささやかな幸せを享受していこうというひとりよがりの考え方から、もう世界にそれだけ影響力を持ち、世界からそれだけいろいろな目で見られ、協力を期待されるならば、しなければならぬ。それは避難民の輸送を日本はしてくれるのかという要請が、国連から委任を受けたIOMからも来ておるわけでありますから、これにこたえるためにはどうすべきかということで率直に、示唆のあったクウェート、イラクの周辺国の避難民をカイロを通じて出身国まで移送することに協力をする用意があるか、こういう要請があれば協力をする用意があるという答えをしなければなりません。するためには対応と準備をしておかなければなりません。
率直に申し上げて、民間航空にまずこの事情を話して、こういう一般的な要請だけれどもどこまでこたえてもらえるか、いろいろ相談もいたしました。カイロまでならば今回の状況で協力できるということでございました。その先のことについては確たる御返事はいただけません。しかし、示唆として来ておるのは、あの周辺の地域から出身国まで送り返せということでありますから、どうしてもそれができない地域については、それでは自衛隊の輸送機によって運搬することはできないか、その可能性について検討するということを、私は勃発の日の内閣の総理大臣の記者会見のときに可能性について検討すると申し上げました。それは民間航空についても、そして輸送機についても全く同じ次元でございます。その後具体的な要請が参りましたが、これは民間航空に要請して日本航空と全日空で四便出してもらって、具体的にアジアのベトナムへ移送するということを要請にこたえていたしました。また、lOMからの要請で、要ると言われた三千八百万ドルの拠出金は全部日本が拠出をすることにいたしました。
さて、その次に、もし、行くという準備をするわけですから、ここへも来てほしいと言われたときに、民間航空でカイロから先は行けないというときにどうするか、この具体的な問題については自衛隊の輸送機を使ってそして難民の輸送をする。いろいろ御議論があって、自衛隊の海外派兵がいけないということは前回の国会の御議論を通じてよく知っておりますけれども、私も武装部隊を武力行使の目的を持って海外へ派兵することができるとは決して思っておりません。それをするときには、もっともっといろいろな角度からの御議論が必要であります。けれども、私は、そういう中にあっても、自衛隊法の百条の五というところを素直に読んで、あの法律に出ておりますから、具体的な要請が来た場合には、相手国の支援、協力も得ながら避難民の移送ということについては万全を期していきたい、こう判断をし、政府の責任でそのような措置をとったわけでございます。
この発言だけを見る →今、国際社会の中で右にするか左にするかの断崖に立たされておると言っても言い過ぎではないわけでありますから、やはり日本の今日の立場、世界から求められている責任分担の要求にふさわしい役割をどこかで果たすべきである。
前半お触れになりました九十億ドルの支援の問題につきましてもその一環でありますし、ただ前回のようにツーレート・ツーリトルと言われ、しかもお金だけで済ますつもりか、日本は一体どこにいるんだというような国際的な論調や世論というものを耳にしますと、日本が戦後きょうまで人に迷惑かけないで自分の国が幸せであれば、ひとり片隅でひっそりとささやかな幸せを享受していこうというひとりよがりの考え方から、もう世界にそれだけ影響力を持ち、世界からそれだけいろいろな目で見られ、協力を期待されるならば、しなければならぬ。それは避難民の輸送を日本はしてくれるのかという要請が、国連から委任を受けたIOMからも来ておるわけでありますから、これにこたえるためにはどうすべきかということで率直に、示唆のあったクウェート、イラクの周辺国の避難民をカイロを通じて出身国まで移送することに協力をする用意があるか、こういう要請があれば協力をする用意があるという答えをしなければなりません。するためには対応と準備をしておかなければなりません。
率直に申し上げて、民間航空にまずこの事情を話して、こういう一般的な要請だけれどもどこまでこたえてもらえるか、いろいろ相談もいたしました。カイロまでならば今回の状況で協力できるということでございました。その先のことについては確たる御返事はいただけません。しかし、示唆として来ておるのは、あの周辺の地域から出身国まで送り返せということでありますから、どうしてもそれができない地域については、それでは自衛隊の輸送機によって運搬することはできないか、その可能性について検討するということを、私は勃発の日の内閣の総理大臣の記者会見のときに可能性について検討すると申し上げました。それは民間航空についても、そして輸送機についても全く同じ次元でございます。その後具体的な要請が参りましたが、これは民間航空に要請して日本航空と全日空で四便出してもらって、具体的にアジアのベトナムへ移送するということを要請にこたえていたしました。また、lOMからの要請で、要ると言われた三千八百万ドルの拠出金は全部日本が拠出をすることにいたしました。
さて、その次に、もし、行くという準備をするわけですから、ここへも来てほしいと言われたときに、民間航空でカイロから先は行けないというときにどうするか、この具体的な問題については自衛隊の輸送機を使ってそして難民の輸送をする。いろいろ御議論があって、自衛隊の海外派兵がいけないということは前回の国会の御議論を通じてよく知っておりますけれども、私も武装部隊を武力行使の目的を持って海外へ派兵することができるとは決して思っておりません。それをするときには、もっともっといろいろな角度からの御議論が必要であります。けれども、私は、そういう中にあっても、自衛隊法の百条の五というところを素直に読んで、あの法律に出ておりますから、具体的な要請が来た場合には、相手国の支援、協力も得ながら避難民の移送ということについては万全を期していきたい、こう判断をし、政府の責任でそのような措置をとったわけでございます。
松
松永光#22
○松永委員 日本の民間航空機が飛べない場合であっても外国の航空機があるじゃないか、外国の民間航空機をチャーターすればいいじゃないか、具体的にはヨルダン航空の飛行機をチャーターすればいいじゃないか、こういった議論も随分ありましたね。しかし、私は、日本の航空機を使っての避難民の輸送というのは、結局日本人が働いてそして輸送するわけでありますから、日本人が汗をかいたということになるでしょう。しかし、外国の航空機をチャーターして輸送した場合には、金を出すだけのことでありますから、結局は。したがって、それは汗をかいたことにはならぬ、金を出しただけである、こういうふうにとられかねませんね。やはり汗をかくということを事実として示すためには、日本人が汗をかくこと。したがって、この場合の民間航空機というのは日本の民間航空機というふうに私は理解しておるわけでありますが、どうですか。
この発言だけを見る →海
海部俊樹#23
○海部内閣総理大臣 常識的に言いますと、IOMという国際機関が国連から移送を委託されたわけでありますから、その国際機関が最初に世界の協力できそうなと思われる三十数カ国、これは加盟国かもしれません、日本はオブザーバーですけれども、それらの国々に対してこういう需要が起こってきた、民間機でも、軍用機でも、要請するから可能性について検討してほしい、各国へこれは要請をしたわけです。日本は国家として要請されたから、国際機関に日本としての民間航空機、そしてそれがどうしてもいかぬときは自衛隊の輸送機、とにかく要請にはこたえて、人道的な非軍事的な面で協力をするということは、これはなすべきことである、積極的になすべきことである、こう判断をして行ったわけであります。
国際機関であるIOMがそれぞれの国に要請しておるわけでありますから、それぞれの国が出そうということになればIOMに民間機でも軍用機でも出すわけです。そのとき、IOMが払うお金が初め要るからと言われたので、IOMの方へまとめて全額日本からお金は拠出してあるわけでありますから。今の理屈でいきますと、日本から出したお金でどこのお金ということではなく、国際機関のお金でやっておるわけですけれども、お金を出したらいい、お金がどうだこうだという問題じゃなくて、これは。お金のもとは日本が全部まず出しました。国際機関が各国に要請しております。各国は要請にこたえて準備をすべきですから、よその国のことまで私は言わないで、自分の政府ででき得る日本の民間航空と日本の自衛隊の輸送機のことについてその対応を検討してIOMに返事をしておる。具体的要請があったときはそれに従って解決をしているということでございます。
この発言だけを見る →国際機関であるIOMがそれぞれの国に要請しておるわけでありますから、それぞれの国が出そうということになればIOMに民間機でも軍用機でも出すわけです。そのとき、IOMが払うお金が初め要るからと言われたので、IOMの方へまとめて全額日本からお金は拠出してあるわけでありますから。今の理屈でいきますと、日本から出したお金でどこのお金ということではなく、国際機関のお金でやっておるわけですけれども、お金を出したらいい、お金がどうだこうだという問題じゃなくて、これは。お金のもとは日本が全部まず出しました。国際機関が各国に要請しております。各国は要請にこたえて準備をすべきですから、よその国のことまで私は言わないで、自分の政府ででき得る日本の民間航空と日本の自衛隊の輸送機のことについてその対応を検討してIOMに返事をしておる。具体的要請があったときはそれに従って解決をしているということでございます。
松
松永光#24
○松永委員 ちょっと事務方に聞きますが、今避難民というのはどの程度いるんですか、当初どの程度避難民が予想されておったか、現在はどういう状況になっているのか、それを説明してください。
この発言だけを見る →丹
丹波實#25
○丹波政府委員 お答え申し上げます。
避難民を扱います国際機関、いろいろございますが、ことしの一月の十一日に戦闘が発生した場合の対応策を取りまとめまして行動計画というものを発表しておるわけですが、そういう会議を通じていろいろな推測を国際機関が行いました。幾つか関連の数字を申し上げますと、これらの国際機関の推定によりますと、現在イラクとクウェートに滞在している第三国人は、IOMによりますと約七十四万人、UNDROによりますと百二十万人という推定の数字がございます。これらのうち戦闘が始まった場合にどのぐらいの数の避難民が流出するかという点についてまさに行動計画が触れているわけですが、約四十万という推定をしたわけです。しかしながら、今日までのところ、それほどの避難民は出ておりません。恐らく、周辺諸国四カ国に出てきた数字として丸い数字で申し上げますと、大体一万五千から二万じゃないかというふうに見られております。
それでは、なぜ国際機関の推定値と現実の避難民の数にそれだけの差があるかという点については、これらの国際機関の専門家たちは幾つかの理由を挙げて説明しております。一つは、現在の多国籍軍のイラクに対する攻撃が軍事施設を中心として行われておる、したがって一般国民、一般国民と申しますかその住民はそれほどの危険を感じていないからではないかというのが一つの理由。それから、二つ目の理由は、イラクがこれらの潜在的な避難民の出国を抑えているんじゃないかという見方が二つ目としてございます。そのほかありますけれども、大体以上が二つの主要な理由ではないかというふうに見られております。したがいまして、今後地上戦が始まった場合に、その地上戦の対応いかんによりましてはその国際機関が推定するような数の避難民が出てくる可能性はあ
るのかもしれません。
この発言だけを見る →避難民を扱います国際機関、いろいろございますが、ことしの一月の十一日に戦闘が発生した場合の対応策を取りまとめまして行動計画というものを発表しておるわけですが、そういう会議を通じていろいろな推測を国際機関が行いました。幾つか関連の数字を申し上げますと、これらの国際機関の推定によりますと、現在イラクとクウェートに滞在している第三国人は、IOMによりますと約七十四万人、UNDROによりますと百二十万人という推定の数字がございます。これらのうち戦闘が始まった場合にどのぐらいの数の避難民が流出するかという点についてまさに行動計画が触れているわけですが、約四十万という推定をしたわけです。しかしながら、今日までのところ、それほどの避難民は出ておりません。恐らく、周辺諸国四カ国に出てきた数字として丸い数字で申し上げますと、大体一万五千から二万じゃないかというふうに見られております。
それでは、なぜ国際機関の推定値と現実の避難民の数にそれだけの差があるかという点については、これらの国際機関の専門家たちは幾つかの理由を挙げて説明しております。一つは、現在の多国籍軍のイラクに対する攻撃が軍事施設を中心として行われておる、したがって一般国民、一般国民と申しますかその住民はそれほどの危険を感じていないからではないかというのが一つの理由。それから、二つ目の理由は、イラクがこれらの潜在的な避難民の出国を抑えているんじゃないかという見方が二つ目としてございます。そのほかありますけれども、大体以上が二つの主要な理由ではないかというふうに見られております。したがいまして、今後地上戦が始まった場合に、その地上戦の対応いかんによりましてはその国際機関が推定するような数の避難民が出てくる可能性はあ
るのかもしれません。
松
松永光#26
○松永委員 このC130という飛行機のことですけれども、これはプロペラ機でスピードも遅い、それから余りたくさんは乗せられない、だからこのC130を使うのは余り合理的じゃないんじゃないか、こういう意見もありますね。実際、湾岸地域で外国がC130で避難民等を輸送したという事例はあるんですか。
この発言だけを見る →丹
丹波實#27
○丹波政府委員 お答え申し上げます。
昨年の秋、御承知のとおり八十万ぐらいの避難民が流出したわけでございますが、それに対して各国政府が協力をしたわけですが、軍用機の利用につきましてIOMに問い合わせましたところ、特にC130につきましては、ニュージーランドがC130で二百八十五名をアンマンからカラチ及びマニラに移送したという例、それから二つ目は、シンガポールがC130を利用してアンマン─コロンボの間を七十人を移送したという二つ目の例、それから三つ目にブルネイがC130を利用しましてアンマン─コロンボ間を七十人移送したという例をIOMが私たちの方に伝えてきております。
この発言だけを見る →昨年の秋、御承知のとおり八十万ぐらいの避難民が流出したわけでございますが、それに対して各国政府が協力をしたわけですが、軍用機の利用につきましてIOMに問い合わせましたところ、特にC130につきましては、ニュージーランドがC130で二百八十五名をアンマンからカラチ及びマニラに移送したという例、それから二つ目は、シンガポールがC130を利用してアンマン─コロンボの間を七十人を移送したという二つ目の例、それから三つ目にブルネイがC130を利用しましてアンマン─コロンボ間を七十人移送したという例をIOMが私たちの方に伝えてきております。
松
松永光#28
○松永委員 じゃ、次に、九十億ドルの資金の援助の問題について議論を移していきますが、私は、九十億ドルの資金援助、これは日本が国際公約をした資金援助でありますから、何としてでもこれが実行されなきゃならぬ。もしこれが実行されないというそういう事態にでもなれば日本の国際社会での信用、日本に対する他国の信頼、これは全く地に落ちてしまうだろう。日本は資金面の協力すらしないのか、国際正義の実現を図るというそういう正義感が乏しい国じゃないのか、乏しい国民ではないか、こういった非難を受けるだろうと、私はそう思いますね。何としてでもこの支援というものはやらなきゃならぬ、こう思うわけであります。
こうした日本に対する非難とか不信感というものは、我々の時代だけの不信感や、あるいはまた非難、軽べつにとどまらず、これは長く続くものですね。日本という国はこういう国だ、日本国民というのはこういう国民なのだ、こういう非難や軽べつというものは子や孫の代までこれは受けるおそれがありますから、そのためにも我々はそういう非難、軽べつ、これを受けないように、きちっとした協力をしたのだ、資金の面での協力をしたのだということを私は実行しなきゃならぬと思う。これが憲法で我々がうたっておる「国際社会において、各誉ある地位を占めたいと思ふ。」これを我々は国の目標としておるわけでありますから、この憲法の我々の目標とも大きく違ってくるわけでありますから、何としてでもこうした国際的な非難、軽べつあるいは正義感が足りない国民か、こういう侮りを受けないようにきちっとしなきゃならぬというふうに思うのでありますが、総理の決意はどうですか。
この発言だけを見る →こうした日本に対する非難とか不信感というものは、我々の時代だけの不信感や、あるいはまた非難、軽べつにとどまらず、これは長く続くものですね。日本という国はこういう国だ、日本国民というのはこういう国民なのだ、こういう非難や軽べつというものは子や孫の代までこれは受けるおそれがありますから、そのためにも我々はそういう非難、軽べつ、これを受けないように、きちっとした協力をしたのだ、資金の面での協力をしたのだということを私は実行しなきゃならぬと思う。これが憲法で我々がうたっておる「国際社会において、各誉ある地位を占めたいと思ふ。」これを我々は国の目標としておるわけでありますから、この憲法の我々の目標とも大きく違ってくるわけでありますから、何としてでもこうした国際的な非難、軽べつあるいは正義感が足りない国民か、こういう侮りを受けないようにきちっとしなきゃならぬというふうに思うのでありますが、総理の決意はどうですか。
海
海部俊樹#29
○海部内閣総理大臣 私たち日本人が自分で意識するとしないとにかかわらず、戦後の小さな片隅から出発した日本が、今世界の中で好むと好まざるとにかかわらず、経済的にはいろいろ大きな影響力を持つ国になっております。
そしてまた、東西の対立の時代には西側の陣営の一員として、サミット参加国として世界の西側の秩序の中で生存もし、繁栄もし、物も言い、世界の一員としての役割も果たしてまいりました。けれども、その冷戦の発想が終わって、国際社会が一つになろうとしておる。今後の世界の中心はやはり国連に移っていくでしょう。現に、今回開かれておる国連の安全保障理事会も、日本は日本としての発言をしたいということで──特別の発言を求めてでなければ安保理事会では今発言することができません、今度はいたします、特に希望をして。
そういったようなときに、国際社会の一員だ、国連中心だと言いながら、さあというときには結果は国連の要請に何もこたえない国であるということになると、西側の信頼を失い、貿易もおかしくなり、日本の将来は大変なことになります。それは何も今日に生きる我々が、この間うちの二度にわたる石油ショックのときに物不足に困り、三〇%前後のインフレに悩み、非常につらかったなというあの程度のことで済まないようになってくる。おっしゃるように将来にわたって、子供や孫の代にまで日本という国が国際社会でどういう国なのだ、あれは民主主義というけれども、ルールが違うのではないかというようなことがもし世界の常識として定着してしまったら、それは大変なことになる。
私は、そういった意味で、世界が今挙げて平和の破壊を防ぎ、平和の回復のための共同行動をしておるときには、許される範囲内でできるだけの協力をして、参加をしていかなければならぬということを、これは積極的に行っていこう、こう考えておりますのも、そういった日本が今将来の国際社会において名誉ある立場を得ることができるかどうか、日本は憲法にも「名誉ある地位を占めたい」ということを世界に宣言しておるわけでありますから、そのための努力は積極的に続けていくべきものであると私は考えております。
この発言だけを見る →そしてまた、東西の対立の時代には西側の陣営の一員として、サミット参加国として世界の西側の秩序の中で生存もし、繁栄もし、物も言い、世界の一員としての役割も果たしてまいりました。けれども、その冷戦の発想が終わって、国際社会が一つになろうとしておる。今後の世界の中心はやはり国連に移っていくでしょう。現に、今回開かれておる国連の安全保障理事会も、日本は日本としての発言をしたいということで──特別の発言を求めてでなければ安保理事会では今発言することができません、今度はいたします、特に希望をして。
そういったようなときに、国際社会の一員だ、国連中心だと言いながら、さあというときには結果は国連の要請に何もこたえない国であるということになると、西側の信頼を失い、貿易もおかしくなり、日本の将来は大変なことになります。それは何も今日に生きる我々が、この間うちの二度にわたる石油ショックのときに物不足に困り、三〇%前後のインフレに悩み、非常につらかったなというあの程度のことで済まないようになってくる。おっしゃるように将来にわたって、子供や孫の代にまで日本という国が国際社会でどういう国なのだ、あれは民主主義というけれども、ルールが違うのではないかというようなことがもし世界の常識として定着してしまったら、それは大変なことになる。
私は、そういった意味で、世界が今挙げて平和の破壊を防ぎ、平和の回復のための共同行動をしておるときには、許される範囲内でできるだけの協力をして、参加をしていかなければならぬということを、これは積極的に行っていこう、こう考えておりますのも、そういった日本が今将来の国際社会において名誉ある立場を得ることができるかどうか、日本は憲法にも「名誉ある地位を占めたい」ということを世界に宣言しておるわけでありますから、そのための努力は積極的に続けていくべきものであると私は考えております。