海部俊樹の発言 (予算委員会)

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○海部内閣総理大臣 八月の二日にイラクがクウェートに侵略する前に、七月の三十一日とか八月の一日の前後のところでサウジアラビアのファハド国王がフセイン大統領を直接呼んで、そこにはムバラク・エジプト大統領も同席をしていろいろ話をされたということを私は首脳会談のときに聞いてきましたが、その時点においても問題になっておったのは、油田の地下が通じておるのが一つあって、その盗鑿問題、それに対する賠償の問題とか、海に出口がないから島の租借権を認めるか認めないかとか、あるいは、イラン・イラク戦争のときのいろいろな貸借関係があるけれども、それを棒引きするとかしないとか、そういう話がイラクとクウェートの間であったことはこれは事実で、それを心配をしたサウジ、そしてエジプトの大統領が直前にフセイン大統領と話し合いをした。そのとき、力で侵略することは絶対にしないという約束もし、そしてさらにそれらの問題を話し合いによって解決するんだということで合意を得ておったのに、突然一方的にあのようなことになって非常に残念であった、その日直ちに、なぜそんなことをするんだ、約束違うじゃないか、話で片つくではないかと言おうと思ったが、もうその後電話には出てくれない状況になったんだという発端の事情を生々しく語られたことも私は覚えております。
 それから、私がイラクのラマダン副首相と会って話しましたときも、結局なぜそのようなことになるのかという理由の中の一つに、これはアラブの問題だから、クウェートとサウジの問題はアラブの問題だからアラブに任せておいてくれればいいのをアメリカやヨーロッパが出てきたから、それが間違いであるという、こういうお話。それともう一つは、歴史をもう少し調べてくれ、歴史を調べればクウェートはイラクのものなんだ、この点を非常に強調された、そのことを私は思い出します。
 私はそのときに、アラブのことはアラブでというのは非常に結構ですけれども、もう今日世界の平和と世界の経済と世界の安定に大きな影響を及ぼすことになってしまい、国連という世界の平和に責任を持つ機構がこれだけ心配をして国際社会の総意にしておるのだから、もうこれは国際社会の出来事であるし、同時に、アメリカを初めとする多国籍軍がいち早くこれ以上の平和の破壊はしてはいけないというのでサウジに抑止線を張ったということが、平和の破壊をこれ以上させなかったということで私は評価すべきだと思うので、そのところは、国際問題としてアラブだけでとおっしゃらずに、その肝心のアラブの首脳国会議も決裂をしたし、肝心のアラブの方からも多国籍軍に加わる軍隊が出てきておるということをもう少しフセイン大統領は謙虚に反省すべきではなかろうか、こう思った次第でございます。
 なお、もう一つの問題、イスラエル問題は非常に長い経緯がありまして、歴史の問題を言えば、それは一九一七年のイギリスの歴史にも、それはもう線引きの歴史に戻るでしょうが、もっと前のオスマン・トルコの歴史に戻れば、トルコの大統領は、歴史のことを言うと歴史上あの辺は我が国のものであったと言ってオスマン・トルコ時代の地図さえ見せられるような、だから、余り古い歴史のことを言ってそれを全部リンケージしなければいけないというのは現実の侵略を肯定的に放置することになりますから、それはそれ、これはこれときちっと段階を分けて考えて、まず局面を打開すれば、続いてパレスチナ問題を初めアラブとイスラエル問題についてもさまざまな恒久和平のための話し合いの機会が出るでしょうということにやはり耳を傾けて、その道を選んでいくことが
真の恒久和平に通ずるものである、私はそう考えますので、率直にお答え申し上げます。

発言情報

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発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1991-02-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会