海部俊樹の発言 (予算委員会)
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○海部内閣総理大臣 私は、侵略戦争というものは絶対に起こしてはならないということと、また絶対にそれを認めてはならない。しかし、現にそれが目の前に起こっておるわけでありますから、目の前にそういったことが起こっておるんだけれども、だめだ、何もだめだといって手をこまねいておりますと、侵略されても我慢しておれということになってしまうわけで、これは日本の憲法が宣言しておる正義と秩序を基調とした国際平和にはほど遠いものであります。
日本は、そのときに、二十八もの国々がアメリカを先頭として、平和の破壊を許してはいけない、それぞれの国に経済の困難もありましょう、また兵を出すことに伴う多額の出費も伴いましょう、また現実に犠牲者も出るという日々の報道もなされる中で、なぜそれをするかというのは、ただ一つやはり力による侵略を国際社会のために認めてはいけないし、そういったことを認めてしまうと自分たちの国の生存にも直接間接いろいろな影響があるから、世界正義というものを守るために平和の破壊はやめさせよう、こういう行動でありますから、私は、それらの問題については、国連決議に従う平和回復の武力行使というものは従来のいわゆる戦争のパターンとは違うし、また、侵略ということと、それから国連の決議に基づく武力行使、平和の回復への努力ということ、これは日本は憲法の制約のもとでそれに力でもって参加することはできない立場にありますけれども、しかしそれが行われて一日も早く平和が回復しなければ
ならぬということを願う気持ちは、これは全く世界の国々と同じだと思います。
許される限りの、できる限りの支援をしなければならぬ。もし、これ、何もしないで日本が見ておるだけでありますと、これは国際社会の信頼というもの、きょうまでこの世界の中で、防衛は日米安保条約でアメリカにゆだねる、貿易の方では世界の国々と交易をして、アメリカからもヨーロッパからもアジアの国々からも、毎年輸出をし輸入をする、その中で貿易黒字がうんと残る。アメリカ一国との間でも三年前まで五百億ドルを超える黒字が残って、それが経済摩擦を起こしたことも記憶に新しいところです。
国の安全も、そして我々国民の平和な生活の享受も、豊かな社会も、それらすべては国際依存、国際協調の中で初めて達成されたことであって、その平和の利益、安定した国際秩序の利益を一番受けてきた日本にとって、これ、一歩引いて、いけない、いけない、何もしないと言っておるだけでは、これは今後の日本の国際社会における立場とか信頼とか、もっと素朴に言えば、一体何考えているんだろうか、自由と民主主義を守る国というけれども、これはルールが違う国ではないか。
一時、外国からのマスコミで日本はルールが違う国だ、修正主義者ではないかという極めて厳しい、国際的に協調しない国だと言われた。日本憲法の理念には、「いづれの国家も、」と世界じゅうに向かって、「自国のことのみ」を考えてはいけない、他国のことも考えて行動し、日本はその中で「名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とまで憲法にきちっと宣言しておるわけであります。
私は、そういった平和主義、国際協調主義の理念からいっても、今回のこの国連決議が世界の国々に訴えておること、平和の回復を図れということ、これに対しては全面的な支持をすると同時に、今度のイラクの行為というものはどう理解をしようと思っても理解することのできない、国際法的にも、人道的にも許されない行為である、これは繰り返して申し上げさせていただきました。