海部俊樹の発言 (予算委員会)
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○海部内閣総理大臣 御質問の点につきましては、今回の避難民の輸送をする、そのことについては日本の憲法のもとにおいてもこれはなし得ることである、またなさねばならぬことである。日本は
今、国際社会の中で右にするか左にするかの断崖に立たされておると言っても言い過ぎではないわけでありますから、やはり日本の今日の立場、世界から求められている責任分担の要求にふさわしい役割をどこかで果たすべきである。
前半お触れになりました九十億ドルの支援の問題につきましてもその一環でありますし、ただ前回のようにツーレート・ツーリトルと言われ、しかもお金だけで済ますつもりか、日本は一体どこにいるんだというような国際的な論調や世論というものを耳にしますと、日本が戦後きょうまで人に迷惑かけないで自分の国が幸せであれば、ひとり片隅でひっそりとささやかな幸せを享受していこうというひとりよがりの考え方から、もう世界にそれだけ影響力を持ち、世界からそれだけいろいろな目で見られ、協力を期待されるならば、しなければならぬ。それは避難民の輸送を日本はしてくれるのかという要請が、国連から委任を受けたIOMからも来ておるわけでありますから、これにこたえるためにはどうすべきかということで率直に、示唆のあったクウェート、イラクの周辺国の避難民をカイロを通じて出身国まで移送することに協力をする用意があるか、こういう要請があれば協力をする用意があるという答えをしなければなりません。するためには対応と準備をしておかなければなりません。
率直に申し上げて、民間航空にまずこの事情を話して、こういう一般的な要請だけれどもどこまでこたえてもらえるか、いろいろ相談もいたしました。カイロまでならば今回の状況で協力できるということでございました。その先のことについては確たる御返事はいただけません。しかし、示唆として来ておるのは、あの周辺の地域から出身国まで送り返せということでありますから、どうしてもそれができない地域については、それでは自衛隊の輸送機によって運搬することはできないか、その可能性について検討するということを、私は勃発の日の内閣の総理大臣の記者会見のときに可能性について検討すると申し上げました。それは民間航空についても、そして輸送機についても全く同じ次元でございます。その後具体的な要請が参りましたが、これは民間航空に要請して日本航空と全日空で四便出してもらって、具体的にアジアのベトナムへ移送するということを要請にこたえていたしました。また、lOMからの要請で、要ると言われた三千八百万ドルの拠出金は全部日本が拠出をすることにいたしました。
さて、その次に、もし、行くという準備をするわけですから、ここへも来てほしいと言われたときに、民間航空でカイロから先は行けないというときにどうするか、この具体的な問題については自衛隊の輸送機を使ってそして難民の輸送をする。いろいろ御議論があって、自衛隊の海外派兵がいけないということは前回の国会の御議論を通じてよく知っておりますけれども、私も武装部隊を武力行使の目的を持って海外へ派兵することができるとは決して思っておりません。それをするときには、もっともっといろいろな角度からの御議論が必要であります。けれども、私は、そういう中にあっても、自衛隊法の百条の五というところを素直に読んで、あの法律に出ておりますから、具体的な要請が来た場合には、相手国の支援、協力も得ながら避難民の移送ということについては万全を期していきたい、こう判断をし、政府の責任でそのような措置をとったわけでございます。