岡部三郎の発言 (科学技術特別委員会)

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○岡部三郎君 委員派遣の概要について御報告申し上げます。
 去る一月二十一日及び二十二日の二日間にわたり和田委員長、三上理事、太田理事、種田委員、吉川春子委員、小西委員並びに私の七名で、茨城県における科学技術庁所管の特殊法人二カ所三研究所と附属機関三研究所においてそれぞれ概況説明の聴取、関係研究施設の視察等、所要の調査を行ってまいりました。
 以下、その概要について申します。
 最初に、日本原子力研究所那珂研究所におきましては、二十一世紀前半における核融合炉の実現を目標としたJT60は、現在、性能の大幅向上を図るため、平成二年度末完了予定のもとに改造中とのことでありました。また、JT60の次のステップとしての国際熱核融合実験炉、ITERについては、日、米、EC、ソの四カ国共同による概念設計を完了、次いで工学設計の進め方について協議中であり、今後五年間で七百人の共同設計作業、同七億五千万ドル分の研究開発、RアンドD分担が予定されているほか、プラズマを一億度に上昇させるための加熱技術の研究開発等に着手しておるとのことでありました。
 次に、同東海研究所におきましては、研究用原子炉三号炉、JRR3については、性能向上のための改造工事を終了し、昨年三月、高性能汎用研究炉として再度臨界に到達し、十一月から最大熱出力二十メガワットで運転が開始され、熱・冷中性子を用いたビーム実験等に利用されております。一方、運転を終了した発電用原子炉の廃止措置に対応した動力試験炉、JPDRについては、昭和六十一年度以降七カ年計画により平成四年度終了予定のもとに原子炉施設全体を対象とした解体実地試験等を行っております。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団東海事業所におきましては、昭和五十二年に運転を開始した再処理工場については、我が国における再処理技術を確立するとともに、国内再処理需要の一部を賄うため、年間九十トンベースの使用済み燃料の再処理運転を行っております。また、当事業所における高レベル放射性廃棄物の処理のためのガラス固化施設は、平成四年度よりホット運転を開始することとしております。
 なお、六十二年に完成したプルトニウム廃棄物処理開発施設においては、可燃性TRU廃棄物については焼却後、その焼却灰をマイクロ波により溶融し、また、金属廃棄物については、エレクトロ・スラグ・リメルター、BSRにより処理するよう設計されているとのことでありました。
 次に、防災科学技術研究所におきましては、地圏地球科学技術研究の一環として、関東・東海地域における地震活動に関し、同地域に設置した約八十カ所の観測点により、微小地震、地殻傾斜等を観測し、得られたデータのコンピューターによる自動震源計算などの処理を行っており、また、大地震の前兆現象を自動的に判別するための地震前兆解析システム開発を推進しております。
 なお、土木構造物等の振動実験を行うための大型耐震実験施設は、従来から本四架橋の振動実験の実施など共同研究、受託研究等にも活用されているほか、大型降雨実験施設においては、降雨による災害の発生機構解明のための研究などを行っております。
 次に、金属材料技術研究所筑波支所においては、省エネルギー及び核融合炉等広い分野に飛躍的な進歩をもたらすかぎとなる新しい超電導技術の開発、具体的には極細多しん線材などの超電導線材、八十テスラ級ロングパルスなどの超強磁界マグネット並びに新しい超電導材料の開発等を推進しておるとのことであります。
 なお、当筑波支所においては、現在、平成五年度を目標に中目黒に設置されている本所の移転業務を推進しているとのことであります。
 次に、無機材質研究所においては、多数の専門分野の研究者が一グループを構成し、おおむね五年間に研究目標を達成し、また、新たにグループを再編成するという体制により研究を実施しております。現在、三万トンプレス等の大型超高圧装置、一オングストローム超高圧電子顕微鏡等を活用して、半導体ダイヤモンド膜及び高性能エンジニアリングセラミックスの開発を行うとともに、ダイヤモンドに類似した結晶構造と性質を有している立方晶窒化硼素半導体のオプトエレクトロニクスへの実用化促進のための研究開発等を行っております。
 最後に、今回、調査いたしました各研究所におきましては、我が国の研究開発振興のため、世界における主要研究機関等との研究交流、国際協力などが活発に行われており、その成果について今後十分期待できるものと考えられますが、一方、最近の研究所をめぐる環境を概観いたしますとすぐれた若手研究者の確保と育成が特に緊要な課題であろうかと存じます。
 以上、御報告いたします。

発言情報

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発言者: 岡部三郎

speaker_id: 21203

日付: 1991-02-15

院: 参議院

会議名: 科学技術特別委員会