中山太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(中山太郎君) 沓脱議員にお答えをいたします。
 まず第一に、米軍による核施設の破壊、フセイン政府の打倒、中東の安全保障体制の構築等は、一体国連決議のどこに含まれているかというお尋ねでございました。
 国連安保理決議六百七十八は、クウェート政府に協力している加盟国が累次の安保理決議を堅持し、実施し、湾岸地域における国際の平和及び安全を回復するため、武力の行使を含むあらゆる必要な手段をとる権限を与えたものでございます。米、欧、アラブ諸国を含む国連加盟国によるイラクに対する武力行使は、まさにかかる安保理決議六百七十八に基づき、同決議の定めるところに従って行われているものと理解をいたしております。なお、米国及び英国は、イラクに対する武力行使は、累次の安保理決議に基づきクウェートの解放を目的として行っており、イラクの破壊、占領もしくは分割のために行っているものではない旨を安保理に通報していると承知をいたしております。
 次に、追加支援に関する戦費分担の問題でございます。
 イラクによるクウェートの侵略と併合という暴挙は、我が国がその生存のために必要とする公正で安定した国際秩序を危うくするものであり、断じて許すことはできません。今般の米国を中心とする関係諸国による武力の行使は、武力により国際紛争を解決せんとするものではなく、国連安保理決議六百七十八に基づき、侵略を排除し平和を回復するためのやむを得ざる最後の手段として行われたものであり、我が国は確固たる支持を表明いたしました。
 安保理決議六百七十八は、すべての国家が同決議を履行するためにとられる行動に対し、適切な支援を与えることを要請しております。湾岸地域には、現在、パキスタンやバングラデシュといった途上国を含む二十カ国を超える国が兵力を派遣しており、また韓国、フィリピン、ポーランド等の諸国も医療団を派遣しております。かかる事態のもとで、現在の安定した国際秩序のもとで大きな経済的繁栄を享受し、しかも中東地域に原油の七割以上を依存する我が国といたしましては、国際社会におけるその地位にふさわしい支援を至急行う必要がございます。
 以上のような考え方に基づきまして、また、湾岸の平和回復活動を行っている関係諸国がさらに大きな負担を余儀なくされている湾岸情勢の現状を踏まえ、我が国としてできる限りの措置として今般九十億ドルの追加支援策を決定いたしました。これは湾岸平和基金に拠出され、同基金より関係諸国の平和回復活動に対し資金協力を行うことを予定しております。具体的な使途につきましては、今後、湾岸アラブ諸国協力理事会及び関係諸国とも協議の上、最終的には湾岸平和基金の運営委員会で決定されることと相なっております。
 なお、御指摘の戦費という概念は必ずしも明確ではございませんが、九十億ドルはあくまでも関係諸国が安保理決議六百七十八に基づいて行っている平和回復活動を支援するための所要経費の一部でございます。
 次に、在日米軍駐留経費についてお尋ねでございました。
 最近の国際情勢の変化の中にあって、日米安保条約は、引き続き日米関係の基礎をなす強固なきずなであり、我が国がみずからの平和と安全を確保し、広くアジア・太平洋地域の発展を図っていくための不可欠な枠組みとして機能いたしております。このような意義と重要性を有する日米安保体制の効果的な運用を確保していくことは極めて重要であり、そのためには在日米軍の円滑な駐留を確保することが不可欠であります。
 このような観点から、新中期防衛力整備計画の中で在日米軍の駐留支援のための新たな措置を講ずることとし、これに必要な特別協定を今国会に提出して、御審議をお願いすることといたしております。今般の措置は、日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則そのものを変更するものではなく、同原則に対する特則として特別協定を締結することによって、一定の新たな経費を日本側が負担できるようにするものであり、安保条約、地位協定を無視しているとの御指摘は当たりません。
 なお、米国の同盟各国が駐留米軍に対して行っているいわゆる接受国支援は、それぞれの国の国情や駐留米軍との共同対処の態様等により異なった状況のもとに置かれており、単純に駐留米軍の経費の負担額を比較することは差し控えたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣下条進一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 112015254X00819910130_011

発言者: 中山太郎

speaker_id: 15557

日付: 1991-01-30

院: 参議院

会議名: 本会議