野呂田芳成の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○野呂田委員 言うまでもなく、政治改革は行政改革と並んで不断に必要であります。特に、衆議院選挙のたびに指摘される一票の重みの格差に関する憲法違反の実態の是正は、これは立法府の自浄作用として早急に実現しなければ、是正しなければいけない問題であると思います。
さらにまた、政治家の倫理、政治の倫理の確立というものはまさに喫緊の要務であると思います。
今から二千五百年前に孔子と子貢の有名な政治問答があります。子貢が孔子に政治の要請を尋ねたのに対しまして、孔子は、食糧を満たし、軍備を満たし、国民の信頼を得ることだと教えております。子貢がその三つのうちどうしても切り捨てなければいけないときに何を捨てるかと聞いたのに対して、孔子は、まず軍備を捨て去れと教えております。そして、さらに子貢が、残った二つのうちどれかをどうしても切り捨てなければいけないときは何を捨てるかという重ねての問いに対し、孔子は食糧を捨て去れと教えております。しかし、残った国民の信頼、国民に対する信頼というものだけは、これを捨てると国家の政治が成り立たない、こう教えております。
今国民の信頼を政治が失い、核をもって覇権を支えているというこの時期に、私どもはこの二千五百年前の孔子の言葉をまことに粛然として厳しく受け取らなければいけないものだと思います。そういう意味で、総理が政治の改革に大変強い情熱を示されるということに対しては敬意を表するものであります。また、このたびの政治改革の三法案に対して汗を流された関係者の皆さん方には、心から敬意を表するものであります。しかしながら、現在提出されている三法案については、幾つかの指摘されなければいけない問題が私はあると思っております。
時間の制約上、小選挙区比例代表並立制の問題に絞って総理に御質問をいたしたいと思います。
まず、選挙制度審議会の答申によれば、この小選挙区制度というものは国民の政権選択の意思を明らかにし、そして、政権交代の可能性を高め、政局が安定する、こう書いてありますが、私は、この審議会の答申の基本理念がまことに矛盾したものであると考えております。政権交代の可能性が高くて政権がいつもかわるということであれば、政権が安定し政局が安定するということはいかなることか。この矛盾する理念を平気で並べているこの審議会の答申に対しまして、私は、こういう矛盾するものに基づいた小選挙区制というものに大変大きな疑義を持っているものでありますが、この点に対する総理のまずお考え方を承っておきたいと思います。