野呂田芳成の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○野呂田委員 今世界が直面するいろいろな状況を見ておりますと、私は、政局の安定、政治の安定こそが最も大事なことだと思います。それなくしては国民生活も安定しないし、一国の経済も成長するものではない、こういうふうに確信しておりますのでありますから、私は今総理の御答弁を伺っても、この新しい小選挙区比例代表並立制という制度を導入するという本当の意味は、私には全く納得できません。この点はそう申し上げておかなければならないのであります。
今総理は政治の倫理について言及をされました。そして、この答申によれば、政策本位、政党本位の選挙になって金がかからない、金がかからなければ政治家の倫理もよくなるだろうという論理のようでありますが、これはこの間から同僚議員が本会議でも、ただいまも石橋議員からもお話がありましたが、私は、この制度をやったらますます金がかかるようになるだろう、こう思っております。
先ほど来国内のいろいろな著名な人の見解がありましたから、ちょっと方向を変えて、現に小選挙区を実施しているアメリカの学者の話をちょっと引用してみたいと思います。
今コロンビア大学の政治学者でジェラルド・カーチスという教授がおります。「代議士の誕生」や「日本型政治の本質」という本を書いた、これは単にアメリカの学者ではなくて、知日派としても有名な学者であります。この方はまず、日本の現在の政治のシステムは決して内外で評判されるほど悪いものではない、だから日本の現在の政治システムを評価しております。その上で、小選挙区の利点というものは、政治に金がかからないとか、あるいは政治家が地元の利益に狂奔することなく高潔の士になるというのではない、それが小選挙区の本当の意味ではない、こう言っております。そしてアメリカの国会議員の選挙では、下院の議員の選挙では特に大変な金がかかっている。そしてまたアメリカの国会議員は地元の利益を最優先している、こういうようなことをこのジェラルド・カーチス教授は強く指摘をしております。それを裏づけるように、あるミズーリ州の下院議員は、私どもの想像を絶するような選挙資金が小選挙区ではかかるということを指摘しております。むしろ告白しております。
この間、韓国のある著名な議員さんと会いましたら、韓国では、小選挙区をしいたら、日本円に換算して五億も六億も選挙費用が必要になった、だから日本は誤っても小選挙区なんかやるべきではない、大変な選挙資金がかかるということを指摘しているのであります。
それであれば、政党本位、政策本位になって政治に金がかからなくなって、そして政治家が浄化されるというような話は余りにも私は楽観過ぎるじゃないか。むしろ内の事情については、さっき総理からも見解の披瀝があったけれども、そういう過去の遺物じゃなくて、現に小選挙区をやっている国でそういう政治のことをよくわかった人がそういう実態を指摘しているということについて総理はどういうふうにお考えでしょうか。