堀江湛の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○堀江参考人 それでは、御説明させていただきます。
第八次選挙制度審議会の第一委員会の委員長を務めておりました堀江でございます。
第八次選挙制度審議会は、平成元年の六月、時の総理、宇野総理から、「選挙制度及び政治資金制度の根本的改革のための方策を具体的に示されたい」との御諮問を受けて発足いたしました。
時あたかも、リクルート事件に端を発し、政治と金の問題をめぐり、政治に対する国民の不信がいまだかってないほどに高まっているときであり、政治改革を実現せよとの国民の厳しい声が満ちておりました。
私ども第八次選挙制度審議会では、過去数次の審議会が熱心な論議を重ね、さまざまな改革案を検討したにもかかわらず、結局は答申に至ることがなかった経緯を踏まえ、かつ現下の政治改革に対する国民の期待、要請等をかんがみるとき、何としても選挙制度及び政治資金制度の改革のための具体的な方策を提示する必要があるとの委員の一致した認識に基づいて、真摯に論議を重ねてまいりました。
その結果、審議会といたしましては、昨年四月の答申で述べておりますように、「国民の意思を正しく反映する政治を可能とする諸制度を確立し、政治に対する国民の信頼を確保することが今日ほど要請されている時期はない。この要請にこたえる政治の改革のためには、まず何よりも政治家個人がそれぞれ一層高い政治倫理に徹するよう求められるのは当然である。しかし、議会制民主政治の仕組みを支えるべき選挙の実状にかんがみるとき、この際、選挙制度及び政治資金制度について根本的な見直しを行い、その改革を果敢に行うことが必要である。」との結論に達し、衆議院議員及び参議院議員の選挙制度の改革、政治資金制度の改革、政党に対する公的助成制度の創設、選挙の腐敗行為に対する制裁の強化について具体的な方策を答申いたしたところであります。
このうち、昨年四月及び七月に答申いたしました衆議院議員及び参議院議員の選挙制度の改革、政治資金制度の改革、政党に対する公的助成制度の創設につきましては、衆議院の公職選挙法改正に関する調査特別委員会におきまして既に御説明申し上げたどころでありますが、本日は、去る六月二十五日に答申いたしました「衆議院議員の選挙区の区割りについての答申」の審議経過及び答申の概要について御報告申し上げます。
選挙制度審議会は、昨年四月、「選挙制度及び政治資金制度の改革についての答申」を内閣総理大臣に提出いたしました。
衆議院議員の選挙制度については、現行中選挙区制にかえて小選挙区比例代表並立制をとることが適当であるとしたところであり、衆議院議員の総定数は五百人程度が適当といたし、その六割を小選挙区定数、四割を比例代表定数としたところであります。そして、小選挙区の区割りについて答申の中に基本原則を定めております。「各選挙区間の人口の格差は一対二未満とすることを基本原則とする。」「選挙区の設定に当たってはこ「定数を人口比例により都道府県に割り振るものとする。」とした上で、区割りの具体的基準として、
第一に、「各選挙区の人口の均衡を図るものとする。」できるだけ同数にする。
第二に、「市区町村(指定都市にあっては、行政区)の区域は、分割しないことを原則とする。」
第三に、「郡の区域は、できるだけ分割しないものとする。」
四、「選挙区は、できるだけ飛地にしないものとする。」
五、「地勢、交通、歴史的沿革その他の自然的社会的条件を総合的に考慮するものとする。」との五点を示したところであります。そして答申の中に、「区割りの具体案については、早急に検討を進め、成案を得るものとする。」として、審議会として区割りの具体案を作成する旨明らかにいたしました。
審議会といたしましては、答申後、区割りの具体案の作成の準備作業を開始することとし、そのための事務的な作業を進めるよう事務局に指示いたしました。これを受けて事務局では、各都道府県選挙管理委員会等の協力を得て、都道府県の現地視察を行うとともに、区割り案作成のための資料の収集、整理、分析を継続して行ってきたところであります。
さて、本年六月六日に開催されました選挙制度審議会総会に海部総理、吹田自治大臣が出席され、審議会に対して、政府が取りまとめた改革方針に基づいて小選挙区の区割り案を作成されたいとの諮問がございました。これは、審議会が答申いたしました衆議院議員の選挙制度の改革方策と、政府がこのたび取りまとめられました改革方針とでは、小選挙区比例代表並立制の基本は変わらないといたしましても、総定数、小選挙区定数と比例代表定数の割合、小選挙区定数の都道府県別定数配分の方法、比例代表選挙の選挙区などで相違があるため、政府の改革方針を踏まえ、その小選挙区定数の都道府県別定数配分に基づく区割り案を作成するように要請されたものであります。
選挙制度審議会におきましては、政府の改革方針による都道府県別定数配分に基づく区割り案の作成を行うかどうか、慎重な論議を行ったところであります。かなりさまざまな議論がなされまして、委員からは、
政府の都道府県別定数配分案は審議会答申の内容と異なっており、甚だ遺憾であるといったような議論。
政府案は現在の選挙制度の現状と比較するとはるかに答申に近い、答申の趣旨をかなり実現しようとしているので区割りの審議に入ることがよろしい。
あるいは、答申どおりではないとしても、政府・与党が法案化までたどり着いた状況を考えれば、ベストではないとしても政治改革の一歩前進になるのであれば審議会として区割りを引き受けてもよいのではないか、そういった議論。
あるいは、答申と基本は変わらないにしてもかなり相違点がある。しかし、セカンドベストとして政府案によって区割り案の作成を行うことがよい、こういった議論。
あるいは審議会の考え方の中核は、選挙制度として制度疲労を来している中選挙区制を打開することにある。審議会の趣旨に即した政党本位、政策本位の選挙に向けてつくられた改革案であれば受け入れてしかるべきであると考える。
あるいは、今ほど日本は政治改革が求められている時期はない。湾岸戦争でも政治の決定がおくれ批判を浴びた。政治のシステムに問題がある。政府案も基本的には審議会の考えに沿っておる。今を逸しては選挙制度改革は難しかろうと思うので、大所高所に立って区割りの諮問を受けるべきであろう。こういったさまざまな御発言がこもごもなされました。
審議の結果、政府の衆議院議員の選挙制度の改革方針は、基本的には本審議会の答申の趣旨に沿ったものであること、選挙制度の改革が今田ほど要請されている時期はないこと、政府の改革方針による都道府県別の定数配分も、現在の定数配分の著しい不均衡に比較すれば相当に改善されたものであることなど、そういった見地から、審議会では、政府がおまとめになった選挙制度の改革の方針に基づく衆議院議員の都道府県別定数配分による選挙区の区割り案の作成を行うとの決定がなされました。
第八次選挙制度審議会では、その中に二つの委員会が設けてありますが、第一委員会は主に選挙制度を担当し、第二委員会が主に政治資金制度を担当しておりました。選挙区の区割り案の作成を担当しておりました第一委員会では、総会の決定を受け、直ちに区割り案の作成作業を開始いたしました。
そこで、区割りの審議の経過の概略について御説明申し上げます。
第一委員会は、区割り案の作成に当たりまして、区割り作業の性格にかんがみ、委員会のもとにワーキンググループを設置し、ワーキンググループにおいて区割りの原案を作成の上、委員会で審議することといたしました。ワーキンググループは五人で構成され、そのメンバーは、新井裕委員、河野委員、皆川委員、佐藤副会長、それと私でありました。
ワーキンググループでは、区割りの原案の作成に先立ち、昨年四月の答申で示された区割りの基準を踏まえ、原案作成の指針となる「区割りの作業要領」を作成し、委員会に提出いたしました。委員会では、区割りに当たっての基本的な考え方をめぐり活発な議論を重ねた結果、「区割りの作業要領」によって区割りの原案を作成することについて了承をいたしました。
ワーキンググループでは、これにより区割りの具体案の作成を行うことといたしましたが、それに際して、「区割りの作業要領」に基づいて慎重な検討を加え、区割りに際してのよるべき基準としての「選挙区割りの基準」を作成した上、区割りの原案をつくり、委員会に提出いたしました。
委員会は、この原案についてさまざまな角度から審議を行った上、委員会としての区割り案を決定し、六月二十五日に開催されました総会に報告して、総会で決定の上、答申の運びとなったものであります。
ただいま区割りの審議の経過で申し上げましたとおり、ワーキンググループでは、区割りの原案の作成に先立ち、原案作成の指針となる「区割りの作業要領」を作成し、委員会で論議を行ったところでありますが、この第一委員会における「区割りの作業要領」についての論議の状況を御説明申し上げます。
ワーキンググループが作成いたしました作業要領の主な内容は、次のとおりであります。
一、各選挙区の人口は一対二未満の範囲におさめることを基本原則とし、その基準は、全国の議員一人当たり人口二十七万四千六百九十三人の三分の二から三分の四、五十四万九千三百八十四人までとすること。
二、各都道府県内における各選挙区の人口は、その都道府県の議員一人当たりの人口の三分の二から三分の四までの範囲におさまるようにすること。
三、二人区は設けないものとし、全国の議員一人当たり人口の三分の四を超える人口の市区の区域は分割するものとすること。
四、区割りの作業を行うに際して、都道府県の区域を地域区分するに当たっては、現行の衆議院議員の選挙区を手がかりとすること。以上のような諸原則に基づきまして、委員会におきましては、この「区割り作業要領」について、各選挙区間の人口格差を二倍未満とする原則及び市区町村の区域を分割しないという原則をめぐり熱心な論議が交わされました。
この点に関して、委員からは、福井県及び島根県の議員一人当たり人口は、全国の議員一人当たり人口の三分の二以下となっており、全国の議員一人当たり人口を基準にその上下三分の一とする方式では、各選挙区間の人口格差を二倍未満に抑えることが不可能である。
二、四月の答申の中心は、選挙制度を改革するとともに各選挙区間の人口格差を二倍未満にすることにある。区割りにおいては何としても格差二倍未満を達成すべきであり、人口が最小の選挙区を基準にその二倍以上の人口の市区を分割すればよい。
〔粕谷委員長代理退席、石橋(一)委員長
代理着席〕
こういった議論が述べられる一方で、区割りに際しての人口基準は客観的に明確な基準とすべきであり、人口が最小の選挙区をもとにその二倍までとするのは区割りの結果により基準を設けることになり、適当ではない。
あるいは、全国の議員一人当たりの人口の三分の二をさらに下回るような人口の選挙区を基準にその二倍までとすると、多くの市や区を切り刻まなければならないことになり、無理な区割りが生ずる。
あるいは選挙区間の人口格差を二倍未満とすることが基本原則ではあるが、市区町村の区域を分割する場合には、その必然性が納得されることが重要であり、人口最小選挙区の人口数を基礎として分割の基準を設けた場合、分割される側の市区から見て納得が得られないのではないか。このためには、平均人口を基準として上限人口を設け、それを超える市区の区域を分割することが適当である等々の意見が述べられました。
また、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区が生ずる都道府県においては、市や郡の区域の分割を行うことによって全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区の数をなるべく減らすべきである。
こういった意見が述べられる一方、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区が少ない方がよいが、余り無理な区割りをして少なくするのは問題だ、県の中で妥当する区割りを行うことも必要である、こういった意見も述べられました。
このような論議の結果、各選挙区の人口基準として、全国の議員一人当たり人口の三分の二から三分の四までとするということが了承され、この場合、選挙区間の人口の最大格差が一対二以上となることが生じるが、今回の区割りに限りやむを得ない、こういう結論と相なりました。しかしながら、例外はなるべく少なくするように努めよう、こういうこととなりました。
ワーキンググループでは、ただいま申し上げましたとおりの第一委員会における議論を踏まえて、「区割りの作業要領」に基づいて慎重な検討を加え、区割りに際してのよるべき基準としての「選挙区割りの基準」を作成の上、区割りの原案を作成して第一委員会に提出いたしました。そして第一委員会における審議を経て総会に提出し、その決定により答申となったものであります。
そこで、「選挙区割りの基準」の概要について御説明申し上げたいと思いますが、区割り案は、「選挙区割りの基準」に依拠して作成されたものでありますが、以下「選挙区割りの基準」の概要について申し上げてみたいと存じます。
お手元に配付されております資料の「選挙区割りの基準」をごらんいただければ幸いでございます。
そこにございますように、「1 各選挙区の人口の均衡を図るものとする。」ということは、各選挙区の人口の基準を定めたものであります。
(1) 各選挙区の人口は、一対二未満の範囲におさめることを基本原則とし、全国の議員一人当たり人口四十一万二千三十八人の三分の二、二十七万四千六百九十三人から三分の四、五十四万九千三百八十四人までとするとしております。
(2)は、(1)の特例となるものを定めたものであり、「全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区は、真にやむを得ないものに限り、その数をなるべく少なくするものとする。」としたものであります。
(3)は、「各選挙区の人口は、当該都道府県の議員一人当たり人口の三分の二から三分の四までとする。」としております。これは、各都道府県内におきましても、選挙区間の人口の均衡を考慮しようとするものであります。次に、「2 市区町村の区域は、分割しないことを原則とする。」としておりますが、ただいま。申し上げました人口基準との関係から、例外として分割するものについて(2)以下で定めております。
(2)は全国の議員一人当たり人口の三分の四、五十四万九千三百八十四人を超える人口の市区については当然に分割するものとしたものであります。
(3)は、1の(3)の各都道府県内における各選挙区間の人口の均衡の見地から、当該都道府県の議員一人当たり人口の三分の四を超える人口の市についても分割することとしたものであります。
(4)は、さきに申し上げました全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区をできるだけ少なくするために(2)及び(3)に該当しない場合でも一定の場合には市の分割を行うものであり、例えば大分県につきましては、人口約四十万人の大分市を一選挙区とした場合、残りの三選挙区の平均人口は約二十七万六千人となり、これを市・郡単位で区割りしますと、どうしても一選挙区が全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回ることとなりますので、大分市の区域を一部分割することにより、その解消を図ろうとするものであります。
〔石橋(一)委員長代理退席、粕谷委員長
代理着席〕
次に、「3 郡の区域は、できるだけ分割しないものとする。」としております。郡の区域はできるだけ分割せず、一体のものとして取り扱うこととしておりますが、人口の基準を満たすために必要である場合のほか、「(1) 選挙区が飛地となることを避ける場合、(2) 郡の区域が現に他の市町村によって分断されている場合及び離島の場合、(3) 平成二年国勢調査により人口が五万人を超え、市制施行が予定されている町の場合」等については分割できることとしたものであります。
「4 選挙区は、できるだけ飛地にしないものとする。」としておりますが、後に申し上げますとおり、区割り案では、やむを得ず飛び地の選挙区が二選挙区生ずることとなりました。
「5 地勢、交通、歴史的沿革その他の自然的社会的条件を総合的に考慮するものとする。」としておりますが、区割りに際しましては、「選挙区割りの基準」に定める基準を守りつつ、地勢、交通、歴史的沿革その他の自然的社会的条件を総合的に考慮しようというものであります。
次に、具体的な区割りの手順といたしましては、各都道府県の区域を小選挙区に区割りしていく場合、特に多くの小選挙区を設ける必要がある場合には、何らかの地域区分の手がかりがあることが望ましいことから、都道府県の区域をまとまった地域に区分する場合の手がかりといたしまして、現行の衆議院議員の選挙区の区域を参考といたしました。
そして、まず現行選挙区の人口を当該都道府県の議員一人当たり人口で割ってみるという計算をいたしました。その計算結果が整数に近い場合は、すなわち当該現行選挙区の人口が小選挙区を幾つか設けるに見合う場合におきましては、その現行選挙区の区域内にその整数に相当する数の小選挙区を設けることといたしました。その計算結果が端数がたくさん出る場合、すなわち当該現行選挙区の人口が小選挙区を幾つか設け、さらに余剰の人口を有する場合には、当該現有選挙区の区域内にその整数に相当する数の小選挙区を設けるほか、他の現行選挙区の区域を合わせてさらに小選挙区を設けることといたしました。
なお、この場合におきましても、「選挙区割りの基準」に定めております諸原則を満たす必要があることは当然であります。
次に、選挙区の設定に際しましては、分割しようとする地域の地理上の周辺部から、順次、当該地域の議員一人当たりの人口をめどとし、かつ「選挙区割りの基準」に適合するように小選挙区を設けていくようにいたしました。
ただいま申し上げました「選挙区割りの基準」に依拠して作成いたしました区割り案の概要を申し上げます。
「選挙区割りの基準」に定める人口基準に基づいて区割りを行った結果、各選挙区の人口の均衡が図られているところでありますが、その人口が全国の議員一人当たり人口の三分の四を超える選挙区はございません。また、各都道府県の議員一人当たり人口の三分の四を超える選挙区もございませんし、三分の二を下回る選挙区もございません。したがって、各都道府県内においては、一対二の人口格差が守られておるわけであります。全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区は六選挙区生じてしまいました。この六選挙区の内訳は、島根県で三選挙区、福井県、徳島県及び高知県でそれぞれ一選挙区となっております。この内容を御説明申し上げますと、まず、県の議員一人当たり人口が約二十六万人である島根県につきましては、各選挙区の人口をなるべく均衡させることといたしましたので、三選挙区のすべてが全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回ることとなりました。
次に、同様に全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回っております福井県につきましては、各選挙区の人口をなるべく均衡させるとともに、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区をなるべく少なくすることとしました結果、三選挙区中一選挙区が全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回ることとなりました。
次に、高知県につきましては、人口約三十一万人の高知市を一選挙区とした場合、残りの二選挙区の人口はいずれも二十五万人余りとなりますが、高知市の区域を一部分割することによって、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区は一つとなりました。
次に、徳島県につきましては、市・郡単位で選挙区を設けた場合、三選挙区中二選挙区が全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回ることになりますが、郡の区域を分割することによって、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区は一つとなっております。
なお、大分県につきましては、先ほど申し上げましたとおり、人口約四十万人の大分市を一選挙区とした場合、残りの三選挙区の平均人口は約二十七万六千人となり、これを市・郡単位で区割りいたしますと、どうしても一選挙区が全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回ることとなりますので、大分市の区域を一部分割することによりその解消を図ったところであります。
以上により、人口が最大の選挙区と最小の選挙区の格差は、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区を除いた場合は一・九八七倍、これを含めた場合は二・一四六倍となっております。
なお、人口が最小の選挙区は高知三区、二十五万四千五百九十四人でありますが、この高知三区の人口の二倍、五十万九千百八十八人を超える人口の選挙区は二十七選挙区となっております。
その内訳は、大阪四区、愛知十区、東京六区、東京二十三区、福島一区、北海道九区、愛知六区、東京三区、大阪十四区、千葉四区、千葉五区、神奈川十四区、神奈川十区、東京八区、兵庫六区、大阪三区、長野一区、東京七区、福岡十区、東京十一区、北海道一区、大阪十三区、東京十七区、埼玉十三区、大阪九区、兵庫七区、神奈川十七区であります。
全国の議員一人当たり人口の三分の四を超えるためその区域が分割されることになった市区は、千葉市、堺市、世田谷区、大田区、足立区、熊本市、練馬区、岡山市、江戸川区の九市区であります。また、当該都道府県の議員一人当たり人口の三分の四を超えるためその区域が分割されることとなった市は、浜松市及び鹿児島市であります。
このほか、大分市及び高知市もその区域が分割されておりますが、これは先ほど申し上げましたとおり、大分県及び高知県については、市・郡単位で選挙区を構成することとした場合、全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回る選挙区が生じることとなりますので、これを避け、またはその数を少なくするため、人口が最大の市である大分市及び高知市の区域が分割されることとなったものであります。
以上の結果、その区域が分割されることとなった市区の数は十三であります。
郡の区域はできるだけ分割しないことを原則として区割りが行われておりますが、「選挙区割りの基準」で定めておりますとおり、人口基準を満たすため必要がある場合、選挙区が飛び地となることを避ける場合等に該当し、郡の区政が分割されているものもあります。
選挙区の飛び地でありますが、千葉七区及び三重二区の二選挙区が飛び地となりました。
千葉七区につきましては、人口十一万五千人の浦安市は市川市とのみ接しておりますが、市川市の人口が四十三万六千人であり、この二市で選挙区を設けるとすれば人口が五十五万人を超え、人口基準に抵触することとなります。そこで、浦安市を飛び地とすることを避けるためには、市川市だけでなく、さらにこれ以外の市の分割が必要となってまいります。そのため、この浦安が飛び地の選挙区とならざるを得なかったわけであります。
いま一つの三重二区につきましては、三重県の北部桑名市を中心とする地域の人口は約二十万人でありますが、この地域が接しております四日市市の人口約二十七万四千人を加えますと、県の議員一人当たり人口の三分の四を超えることとなりますため、飛び地の選挙区とならざるを得なかったものであります。
以上のとおり、人口基準を満たすために必要であり、かつ市の区域を分割する以外に方法がないため、このような飛び地の選挙区となることはやむを得ないものといたしたわけであります。
「選挙区割りの基準」に定める基準を守りつつ、地勢、交通、歴史的沿革その他の自然的社会的条件を総合的に考慮し、区割りの結果ができるだけ地域的なまとまりを持ったものにするように努めたところであります。
なお、区割りに当たりまして、都道府県の区域をまとまった地域に区分する場合の手がかりとして、衆議院の現行選挙区を参考といたしました。
以上が「衆議院議員の選挙区の区割りについての答申」の審議経過及びその概要でありますが、この、ただいま御説明申し上げました区割り案の詳細につきましては、事務局から御説明させますのでよろしくお聞き取り願いたいと思います。
以上でございます。