伊藤公介の発言 (本会議)
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○伊藤公介君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、借地借家法案について申し上げます。
本案は、現行の借地法及び借家法が、その基本的な枠組みが固まった昭和十六年から今日までの間の社会経済情勢の大きな変化、特に土地・建物の利用に対する需要の多様化に対応し切れていない状況になっていることにかんがみ、より利用しやすい借地・借家関係を実現するために、借地法、借家法及び建物保護に関する法律を統合した単行法を制定し、現行法の基本的な枠組みである借地権の存続期間、借地・借家契約の更新等の仕組みを見直してより公平なものとするほか、新しい類型の借地・借家関係を創設するなどの改善を図ろうとするもので、その主な内容は、
第一に、借地権の存続期間を、原則として、当初は三十年、更新後は十年とすることとする、
第二に、借地・借家関係の解消の要件となっている正当の事由の判断要素として、貸し主及び借り主が使用を必要とする事情のほか、従前の経緯、土地・建物の利用状況等を明示することとする、
第三に、一定の要件のもとに、更新のない借地権という性格を有する定期借地権の制度を導入することとする、
第四に、貸し主に転勤等のやむを得ない事情がある場合には、確定期限で終了する借家関係を認める期限つき借家の制度を導入することとする、
第五に、この法律の施行前に既に存在する借地・借家関係については、この法律の更新関係の規定は適用しないものとする等であります。
次に、民事調停法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、地代家賃の額の増減請求事件について、調停手続の積極的な活用により適正かつ迅速な解決を図ろうとするもので、その主な内容は、
第一に、地代及び借り賃についての紛争がある場合に、原則として調停を経なければ、訴訟を提起することができないとする調停前置主義をとることとする、
第二に、当事者間に調停委員会の決定に従う旨の書面による合意があるときは、その決定により紛争を最終的に解決する制度を新たに設けようとするもの等であります。
両案は、第百二十回国会に内閣から提出され、借地借家法案については、四月二十三日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、委員会においては、両案を一括して議題とし、四月二十六日に左藤法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査を行いましたが、これを終了するに至らず、今国会に継続審査となっていたものであります。
今国会においては、公聴会を開会し八名の公述人から意見を聴取する等、慎重審査を行い、昨十日質疑を終了したところ、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案により、借地借家法案に対し、借地契約の更新後の存続期間を、最初の更新に限り二十年とするとともに、本案における用語を統一するため、借家関係の諸規定から「又は収益」の字句を削除する旨の修正案及び民事調停法の一部を改正する法律案に対し、調停委員会の決定に従う旨の当事者間の書面による合意は調停の申し立て後になされたものに限ることとする等の修正案が提出されました。
次いで、討論を行い、採決の結果、借地借家法案については、修正案は全会一致をもって可決され、修正部分を除く原案は賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
次いで、民事調停法の一部を改正する法律案については、修正案は全会一致をもって可決され、修正部分を除く原案は賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
なお、借地借家法案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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