海部俊樹の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(海部俊樹君) 北側議員にお答えをいたします。
現行中選挙区のもとでは、いかなる政党でも政権党を目指す限り、同一選挙区で複数の候補者を立てざるを得ないのであります。御指摘になったこと、現在のところ、御指摘のように自由民主党にほとんどそのことは妥当するのでありますが、将来政権をとろうという夢と志を持っていらっしゃる皆さんにも、このような同じ政策のもとで複数の人が争うことは、ややもすれば大切な場面で政策が姿を消してしまうということを私どもは主張をし、政党政治というものは政策本位の争いになっていくことを願っておるのだということを、どうぞ御理解をいただきたいと思うのであります。
政党の得票率が議席に反映する制度、私は、今の民意が敏感に議席に反映するのが小選挙区制であると考えておりますが、それだけではいげませんから、比例代表制を加味することによって、少数意見の国政への参加という問題について十分な配慮が払われておる審議会の答申であったと考えております。
また、金のかからない選挙になるためには、やはり政党が中心になりますと、今はとんと個人で行っておるような政治活動あるいは広報宣伝活動、そういったものについても政党中心のものに切りかえていくことによって、必要以上にお金のかからない制度になっていくものと考えております。
常に、今日求められておる選挙制度の内容としては、選挙制度審議会の答申をよく読み直してみますけれども、やはり政権の安定や、政権が国民の意思によって直接に選択されるべきこと、多様な民意の国政への反映などを挙げております。私は、こういったとを総合的に判断して、新しい選挙制度の仕組みとしては比例代表並立制が適当であると考えております。
連立政権への認識と仰ぎれましたが、確かに、いつも連立政権をやっておるドイツその他の国もございます。そのかわり、連立相手の政党との協議にいろいろ時間をかけたり、労力をしたりしておる仕事を私はこの間体験してきましたから、私の記憶の中にあるということで申し上げましたが、そのとき申し上げたように、それはその国の国民がそれでいいと選択すればそういう結果になるわけでありますから、そのことについてはそれはそれでいいでしょう。私は、日本は日本としての選挙制度の改革をするなれば、今お願いしておるような三法案で政党中心の、もっと政党が政策をもって競う選挙になっていくようにしたいということを強く願っておりますし、投票価値の問題につきましても、これは御指摘のとおり、選挙制度審議会の答申に「一対二未満とすることを基本原則とする。」という答申をいただきました。私はその答申を尊重して、そして区割りも政府でやるのではなくて、公正な第三者機関である審議会にお願いするのが一番公正であると判断をして、この原則に従ってお願いをしたわけであります。その結果の区割りでございます。
また、区割り作業は、原則として全国の議員一人当たり人口の三分の二から三分の四までとすること等の基準を設けて作業を行っていただいたと聞いております。ただ、議員一人当たり人口が全国の議員一人当たり人口の三分の二を下回るところもありましたために、結果としては最大格差が一対二・一四六となったものとの報告を聞いておりますが、現在の三倍以上の格差からいくと、目標は大きく達成されてきておる、私ばこラ理解をし、基本原則はおおむね守られておるものと考えます。
また、連座制の問題についてお触れになりましたが、現行法でも候補者の親族はその対象とされておりますが、候補者と意思を通じて選挙運動をしたもので禁錮以上の実刑に処せられた場合に現在は限定しておりました。今回新たに改正しようとしますのは、予定者の親族、候補者及び予定者の秘書を連座の対象とすることとしておりますが、これらの者についても、候補者等と意思を通じて選挙運動をしたもので禁錮以上の実刑に処せられた場合に限定をいたしておりますが、これは連座の対象が大幅に拡大されたことになり、腐敗行為の防止に資することができるものと考えております。
また、現在の連座制は当選無効の措置のみでありますけれども、候補者の当落を問わず、立候補制限五年間を科したということ、また、選挙犯罪の裁判における公判期日の一括指定の制度化等と相まって、実効性は確保されていくものと考えております。
政治資金パーティーについては、節度ある開催を図るのは当然でありますから、収支の明確化を図るとともに、購入規制及び多額の購入者の公表を行うこととしておるものであり、行き過ぎを是正し、節度あるものにしていきたいと考えております。
また、企業や団体等の献金を原則として政党に限っておること、同時に、それらの環境の整うことを前提にして、政党助成の制度もあわせて今回提案をしておるところであります。
なお、政治資金の運用規制については、収支報告書に記載しなければならず、これを記載しないときは罰則の適用を受け、これを記載したときは運用規制違反として国民の批判を受けるのでありますから、規制の実効性は確保されるようになると考えますし、政治家の政治資金については、その活動が政治活動か私人としての活動か区分しにくいために、その他の資金と明確に区別することが困難でありますから、第一義的に政治家自身の自覚と責任にまつべきものと考えます。今回、政治資金の公開の強化等によって、政治資金の運用についても国民の批判と監視が従来よりも行き届くことになりますので、運用規制の目的を達し得るものと考えております。
最後に、三法案の中で政治資金、政治倫理、腐敗防止の項目を分離して、まずそれだけから行ったらどうかという御提案でございましたが、国民の信頼と負託にこたえるための新しい政治を築き上げていこうというので、政党政治というものが本来の姿になるように三法案を一括してお願いをしておるのでありますから、一括しての審議に対して御理解と御協力を賜りたいと思います。(拍手)