八木橋惇夫の発言 (環境委員会)
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○八木橋政府委員 大臣からUNCEDに向けまして我が国の取り組み、方針につきまして概略申し上げたところでございますが、若干議員がお触れになりました細部にわたって補足説明をさせていただきます。
まず最初に、地球温暖化対策の分野でございますが、これにつきましては、現在までに気候変動枠組み条約交渉会議という格好で三回開催されてきております。その中で、分野によりましては検討が進展するなど一応の成果が得られつつあるわけでございますが、一方では各国の主張が明らかになってきた、それをこれからどう調整していくかという段階に差しかかってきているのではないかというぐあいに申し上げた方が現在の状況をより的確に表現することになろうかと思います。
まず、二酸化炭素の排出抑制目標の設定に関してでございますが、我が国やEC等は、先進国が二酸化炭素の排出量を二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定化すべきであるというほぼ同様の趣旨の主張を行っておるわけでございますが、それに対して、米国は具体的な目標設定には慎重な態度を示しておりまして、我が国やECと米国との見解には依然として隔たりがあるという状況が現段階であるわけでございます。先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、先進国間での意見調整を行う必要があるということは、この辺にあろうかと思います。
またさらに、途上国におきましては、地球温暖化の主たる責任は一先進国にあるという考え方から、途上国には温暖化対策の実施を行う義務はなく、先進国から資金なり技術なりの提供がある場合にのみその対策を実施すればよいのだという強い主張がございまして、これに対し先進国は、やはり地球の問題なんで、先進国も途上国もそれぞれ一定の対策を実施する必要があるのだというぐあいに主張しているところでございます。
またさらに、財政支援のメカニズムにつきまして、途上国は、先進国の拠出による新たなかつ追加的な基金の創設というものを主張しているわけでございますが、多くの先進国におきましては、既存のメカニズムを最大限利用する、また活用するというような格好で対処すべきであるというような主張をしております。
さらに技術移転につきましては、途上国が、特恵的かつ非商業的な条件で技術移転をしてほしいということを求めているのに対しまして、先進国は、技術移転の重要性は確かにあるというぐあいに認識しておるわけですけれども、政府は民間の技術というものを管理する立場にございませんものですから、公平で有利な条件ではあるけれども商業ベースで技術移転を行わざるを得ないというような主張を行っているところでございます。
こういったように、条約成立につきましてはまだ多くの重要課題が抱えられている状況にあるということ、また明年六月の国連環境開発会議までに残された時間はあと半年余りということになっておりますので、条約の採択に向けて私どもは今後ともより一層の努力を行うことが必要であり、環境庁といたしましては、関係省庁、関係機関と十分な連携をとりつつ、この十二月からまたさらにジュネーブで第四回の交渉会議が開かれるわけでございますが、引き続き各国との対話を深めながら、どうか実効ある条約が策定されるようにということで全力を尽くしてまいりたい、大臣の御指導のもとに私ども一丸となって努力をしてまいる所存でございます。
もう一つお触れになりました森林保全の分野についての問題でございますが、現在、熱帯林の減少は、FAOの調べによりますと、千七百万ヘクタール年間減少しているという状況にございまして、緊急に対策を要する課題であり、また、熱帯林保全対策を効果的に進めるためには開発途上国と先進国が協調して取り組むことが必要な問題であるというぐあいに考えられるわけであります。
そこで、森林に関する交渉につきましてはどういう状況にあるかということなんですが、開発に果たす森林の役割を重視いたしまして、森林保全対策が開発の阻害要因になるではないかということを懸念します開発途上国が一方でございますのに対し、地球環境問題との関係で森林が果たす役割を重視し、地球サミットにおいて森林条約というものを採択すべきではないかという米国やECとの対立が激しくて、この年の初めごろには対話の設定すらできない状況にあったわけでございます。我が国といたしましては、こういった状況から、諸国間における橋渡しをする必要があるということを努力いたしまして、本年三月の第二回地球サミット準備会合におきまして、私どもの国から、森林憲章といったものをつくったらどうかというようなことを御提案申し上げまして、その結果ようやく、地球サミットにおきましては、少なくとも法的拘束力のない原則、また声明を含んだような世界的なコンセンサスを合意しようではないかというようなことに決まったところでございます。
さらに、ことしの八月に開かれました第三回の地球サミット準備会合におきましては、どういった原理原則をつくろうかということにつきまして、それぞれの主張を盛り込んで一覧表にしたような格好の原案が作成され、それをもとにして精力的な交渉を行おうということで、現在その努力が続けられている最中でございます。この問題につきましても、環境庁といたしましては、今後の地球サミットに向けて関係省庁、外務省、林野庁等と連携しながら、何とか中身のある、内容を持った国際的合意づくりができますようにということで引き続き貢献してまいろうというぐあいに考えておるところでございます。