伊藤英成の発言 (議院運営委員会)

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○伊藤(英)委員 私は、民社党を代表いたしまして国会改革に関し、まず基本的な考え方を述べたいと思います。
 我が国のGNPは、今や世界の一六%強を占めるに至っております。日本がくしゃみをすれば世界の多くの国が風邪を引くという強大な経済大国になっております。国際社会とのかかわり合いが指摘をされ、国際的な我が国の責務が議論されて久しいわけでありますが、一たび国内の政治システムを考察いたしますと、旧態依然としており、胸を張って国会の使命を全うしているとは決して言えない状況にあります。世界の平和と福祉国家を実現するためには、何としても国会改革を実現しなければなりません。
 私は、国会が国際情勢や時代の要請に的確に対応し、その使命を果たすためには、次のような視点が重要である、このように考えます。
 第一は、国民にとって政治が見えるようになっているかどうか、すなわち、その透明性の確保ということであります。近年、政治への無関心層がふえてきておりますが、俗に国対政治、密室政治と言われている国会の現状がその最大の要因であります。国民には、国会での論議や政策の決定過程がわからないからであります。そのためには、委員会等国会審議の公開原則、このことはもちろんのこと、テレビやラジオの中継システムの整備を図り、国民に広く公開することであります。今私たちはその準備を一部やっておりますけれども、本件については、これから一層拡充をしていくことが必要であると考えます。
 さらに、国民の知る権利の確保も重要であります。我が国では、先ほど述べた密室政治や行政の厚い壁に阻まれて、一般国民の知る権利は保障されているとは言えません。この権利を確保するためには、これをバックアップするマスコミ等の報道機関に対する取材の公平性を確保する必要もあります。テレビや新聞中心で雑誌等は制限をされていると言ってもいいと思います。私は、原則としてすべてのマスコミに対し、公平、平等に活動できるようにすべきであると考えます。さらに、情報公開法の制定や国会の国政調査権の充実強化という基本的なシステムを構築することが重要であります。
 第二は、国際化、情報化という時代背景に合致したシステムをつくることであります。タイムリーな立法を実現するためには、国会運営の近代化、合理化をあわせて推進する必要があります。
 そのためには、まず国会の情報を国内外にわかるように提供する機関として国会情報センター、これは仮称でありますが、私は、この国会情報センターの設置を提案いたします。そして国会での会議録や、審議を行っているビデオ等を保存し、海外や地方でもセンターの資料をオンラインで見たり、プリントアウトできるようなシステムにすべきであると考えます。
 また、運用面では、本会議、委員会の定例日を廃止または弾力的に運用すべきであると考えます。そして審議の時間を十分に確保できるようにすべきであると考えます。既に同僚の委員からも話がありましたけれども、少数政党の意見にもっと真剣に耳を傾ける必要があると考えます。本会議において、重要案件についてはすべての会派が質疑を行うことができるようにするとともに、採決に当たっては、押しボタン投票方式の導入を提案をいたします。
 第三は、国民ニーズが多様化している社会背景に合致したシステムにすることであります。特に、現在の委員会は縦割り行政の弊害をもろに国会に持ち込み、結果として国民の多様なニーズを酌み取ったり、多様な国民の利害を調整できるようになっておりません。そのためには常任委員会は、国会運営上不可欠なものを除き、例えば生活環境委員会あるいは国民生活委員会、経済産業委員会といったような、総合的な観点から個別利益や省庁間の利害を調整できる委員会とすべきであると考えます。また、法案の作成段階において、国民の意見を聴取し、その意見を反映させるようにするなど、現在の公聴会制度を形式的なものから実体のあるものに改革をすべきであると考えます。また、極めて軽視されている現在の請願審査についても、その充実を図る必要があります。
 第四は、国会審議の活性化を図るシステムに改革することであります。審議の活性化は議会制民主主義の原点でありますし、これを図れなくして国会改革は実現できないと考えます。その審議を活性化するためには、いろいろな提案がされなければなりません。そのためには、まず議員立法の発議や修正案の発議要件を大幅に緩和することであります。また、議員立法を提出するためにも議員個人のスタッフ体制を大幅に強化し、その裏づけとしての大幅な予算措置を講ずることが必要であります。さらに、審議を活発にし、議事運営をスムーズに運ぶためにも、円卓会議形式や審議のディスカッション方式の導入を図るべきであると思います。
 以上四点の視点から私なりの意見を述べてきましたけれども、最後にもう一つ提案をさせていただきたいのです。
 それは、既に大臣と政務次官の話について意見も出ておりますが、私は、大臣と政務次官を正大臣と副大臣という制度に変更したらいかがかと考えます。もちろんその際には、それにふさわしい人が副大臣になることが必要であります。現在の制度では、本会議や委員会開催に当たっての制約、委員会をまたがる際の大臣出席の制約などさまざまな制約が存在し、それが国会審議の活性化の妨げになっていたり、時代背景、社会背景などに国会が対応できない大きな要因となっております。いわば、大臣が二人できて、必要な委員会に分担して一出席できるようにすれば、問題がかなり解決できるのではないか。すなわち、各委員会に他の省庁の大臣または副大臣が出席でき、委員会審議の充実がかなり図れることになるわけであります。
 以上をもちまして基本的な意見表明とさせていただきまして、配付資料を御参照いただくとともに、細部並びに他の事項についてはディスカッションの場で述べたいと思います。

発言情報

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発言者: 伊藤英成

speaker_id: 6600

日付: 1992-06-04

院: 衆議院

会議名: 議院運営委員会