明石康の発言 (国際平和協力等に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○明石参考人 フランス、イギリスその他の一部の新聞は、UNTACの立ち上がりが少し遅いというふうな批判的なことを書いております。しかし、これは国連の事情をよく理解しない批判ではないかと私は考えております。少なくとも私が任命されました一月九日以来、私としては全力を尽くしてUNTACの発足のため、また現地に配備するために努力を重ねておるつもりでございます。
しかしながら、何せ国連の予算手続は非常に複雑でございまして、安保理で決定した後に国連総会の財政と行政に関する諮問委員会にかからなくちゃいかぬわけでございますし、国連の本会議でそれを可決しなくちゃいけない。その過程においてまたいろいろ事務局側と国連の各国の代表の間にインフォーマルなやりとりとか相談がございます。そういうことで予算手続が非常にまだるっこしい。
それから、予算がついてからいろいろな物資を発注しなくちゃいかぬわけでございまして、これが最小限六週間から八週間かかる。しかも、こういった形で購入したものを空輸できればよろしいのでございますけれども、空輸というのは金がかかるものでございますからできるだけ海上輸送で持っていく。すると、これがまた時間がかかるわけでございます。
そんなようなことで、予算がついてから八週間は少なくとも見なくちゃいかぬわけでございます。それから、現地にその物資が持ち運ばれましてからプレハブ住宅とかプレハブの事務所をつくらなくちゃいかぬということで、そういうものができる前にでもPKOの配備は必要なので、各国に対して六週間のそういう自給できるだけの物資、資材を持ってきてくれとお願いしているのはまさにそのことなんでございます。
そういうことで、時間はかかりましたけれども、昨日、この十日にインドネシアの最初の派兵大隊、これがカンボジアのコンポンソム港に着く運びになりましたし、この下旬にはさらにマレーシアの一個大隊が到着することになっておりますし、四月から五月にかけて一万五千にわたる国連のそういうPKOは全面的に配備できるんじゃないかと思っております。
国連の中にはもっと時間をかけてもっと慎重にいろいろインフラを整備してから国連が出かけるべきじゃないかという慎重論もございまして、私も事務総長も、そんなまだるっこいことを言っていたのではせっかく昨年の十月にできたパリ合意が実地で破られてしまってカンボジア和平の話し合い路線がまたもとのもくあみになってしまってゼロから出発する必要が出てくるかもしらぬということで、完全な形での活動にはならないのでありましょうけれども、我々としては政治的に、一刻も早く行動する、カンボジアの国民に対して国際社会の決意を知らせるということが最上の問題であるということでやっております。
そんなことで、私がニューヨークを立ちます昨日まで人集めに奔走しておりました。シビリアンサイドも、国連の職員、それから外からの応募しておる人たち、そのうち優秀な人で、しかも英語、フランス語、できればクメール語のできるような人たち、現地で役立つ人の人選をやっておりまして、これまたユーゴスラビアの方との競争状態になりまして、カンボジアの方に欲しい人が全部採れるということでもございませんけれども、かなり、数百人の人間が一応ピックアップされております。その中には邦人の若い職員もございまして、男女を含めて、特に若い女性でまだこぶつきになっておらない元気のいい国連職員の人たちが次から次と応募をしてくれるというのは私は涙が出るほどうれしいことだと思っております。
そういうことで、ともかくも見通しは厳しいけれども何とか発足できる、油断はできないしまだまだ人集めは必要でございますけれども、できるんじゃないか。ただし、我々がもっと時間があったらもっと完全な現地への展開はできるのでありましょうけれども、それは望むことができないということで、これは安保理にもカンボジアのそういう関係者にも理解してもらわなくちゃいかぬのじゃないかと思っております。