明石康の発言 (国際平和協力等に関する特別委員会)

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○明石参考人 上原先生からカンボジアの国内の政治安定の見通しについて御質問がございました。二十年間にわたって血で血を洗う対立を遂げた間柄の四派がございます。特に、ベトナムの支持を得て設立されたプノンペン政権側と、本来これは同根なんですけれども、それと対抗して民族路線、非常に極端な、文革当時の中国からインスピレーションを得たと言われておりますクメール・ルージュ、ポル・ポト派、この対立はまだまだ根深いものがございます。
 ポル・ポト派は、御承知のとおりまだベトナム軍が何らかの形でカンボジアに駐留しておると言っておりますので、UNTACが現地に行きましたら、本当にそうなのか、これを徹底的にカンボジアじゅうを調べる必要があると思います。調べて、おらなかったとしたらもちろんポル・ポト派の言い分はかなり弱まるわけでございますし、そういうことでカンボジアの四派の間の不信感を少しずつでも解消していく。それは一夕一朝に解消されるものではないと思いますけれども、そのために国連としては関係諸派の間の友好のための橋をかける仕事をできるだけやりたいと思っております。
 と同時に、そのパリ協定に対する違反行為については厳正にどの派に対しても当たろうと思っております。国連が国連として信用されるのはあくまでも国連の中立性にあり不撓不覊の精神にあるんだと思いますので、いろんな時期には四派のいずれも国連については文句があるということになるかもしれませんけれども、それは覚悟せざるを得ないと思います。
 それから一つは、カンボジアにおける財政危機の問題でございまして、歳出過剰で今やプノンペン政権の台所はまさに火の車でございまして、公務員の相当数、学校教師それから軍隊の一部、給料をもらっておらないということで軍隊の一部の人たちはやや暴徒化し、盗賊化しておると聞いております。そういうことで財政が悪化し、その結果としてもともと悪かった治安が非常に悪くなっておる。そういうことで、UNTACでは軍事部門のほかに警察部門、治安維持部門を強調しておるのはそのためでございます。
 それから、二十年間戦った国でありますから国じゅうに武器が充満しておる。そういうことで物騒な状況にあるわけですから、いかにしてカンボジアの国民にそういう恐怖とか不安なしに自由な選挙に伸び伸びと参加し、集会の自由、言論の自由を行使してもらうか。そのための明るい雰囲気づくりというものをつくるということが非常に重要だと思います。
 そういうことで、心配なことはいろいろございます。民主主義というのは欧米の場合、日本の場合をとっても何年も何十年もかかっておることでございますから、来年の春までの一年余りの間にカンボジアに全く健全な民主主義ができるとは思いませんけれども、少なくとも、そのための地ならし、これを国連の手でやりたいというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 1992-03-11

院: 衆議院

会議名: 国際平和協力等に関する特別委員会