船田元の発言 (国際平和協力等に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○船田委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昨日参議院から本院に送付をされ当委員会に付託をされましたいわゆるPKO協力法案並びに国際緊急援助隊派遣法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問を行いたいと思います。
質問に入る前に、この国際協力、我が国のあり方ということについて基本的な認識を申し述べたいと思いますが、私たちは一昨年夏以来いわゆる中東湾岸危機というものを経験をいたしました。また、昨年の正月からは中東湾岸戦争というものを経験をしたわけでございます。その経験から得られた教訓、私は私なりに三つほどこの教訓があるもの、こう理解をしております。
一つは、冷戦が終わった、冷戦が終結をした、こういいましても、それは手放しで喜べる、あるいは世界に恒久平和が訪れたんだ、こういうことで手放しで喜ぶわけにはいかない。むしろ冷戦という、たがといいましょうか、おもしといいましょうか、そういったものによって従来は抑えつけられていたいわゆる民族間の紛争なりあるいは貧富の差に基づいた地域紛争というものが、そのおもしか消滅する、こういうことによって今後多発をする可能性がある。あるいは実際にそれが起こっている。したがって、冷戦が終わったということによりまた新たな地域紛争というものが起こる可能性があちこちにあるんだということだと思います。実際の例としては、ユーゴの内戦のこともございます。また、CISの中における民族間の紛争ということもあるわけでございます。
しかし、そういう国際情勢の中でも、第二番目として挙げられる教訓は、そういった地域紛争などに対して、国連がその本来期待をされていた安全保障のシステム、もちろんこの中には平和維持活動もありあるいは平和回復活動ということも含まれると思いますけれども、こういった安全保障のシステムというのが、これまた今度は冷戦終結のおかげで、例えば安全保障理事会の常任理事国の中で拒否権を発動する、行使をする、そういう可能性、危険性が低くなっている。こういうことから見ても、この安全保障システムが有効に働き得るあるいは実際に働いた、こういう新たな事態が国際社会の中で生じている、これが第二の教訓であろうかと思っています。
そして第三番目の最後の教訓ですが、これは国際社会全体というよりは我が国に関することでありますけれども、もちろん金や物による国際協力ということも、貿易の黒字を多く抱えている、あるいは経済的に、一、二位の地位を占めている我が国にとっては、この分野においても貢献をするということは極めて大事である。しかしながら、それ以上に国際社会からは、人による国際協力、いわゆる人的な協力、こういったことが重要であり、我が国に対して国際社会からも強く求められているんだ、こういうことが三番目の教訓としてあると思います。
この最後の教訓のよい例として最近の例を挙げれば、これはもう多くの方々が実際に経験をしているわけですが、昨年、例の多国籍軍がクウエートの解放ということを目指しまして行った活動、これに対して、我が国政府としては当時の九十億ドルの財政支援を行った。にもかかわらず、それも一因として解放されたクウエートの人々には余り日本というものが感謝をされていないのではないか、こういう一点。しかしながら、また一方においては紛争の終結後、海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣をした。そして一つの事故もなく三十四個でしょうか、この機雷を除去して湾岸諸国を初め諸外国から大変高い評価をいただいたということがあるわけでございます。
三つ申し上げましたけれども、このような教訓をもとにして、政府においては、既に国連の名のもとで過去二十数回紛争終結地域に派遣をされ、その紛争の再発防止、いわゆる平和維持のための活動を立派に果たしてきた国連のPKO、しかも一九八八年にノーベル平和賞まで受賞し、国際的に極めて高い評価を受けてきた国連のPKOに参加、協力するための法案を政府の名において提出をしていただいている。このことはまことに時宜を得たものであり、また今後の我が国の国際社会の中での立場あるいは国際協力のあり方、これを基本的によい方向に持っていこう、そういう大きな礎として私はこの法案の一日も早い成立を期待をしているわけでございます。
PKO法案につきまして、既に前々国会から前国会にかけましてこの本院、衆議院におきましては六十数時間に及ぶ慎重な審議、そして前国会から今国会にかけましては、参議院において百時間を超える慎重なる審議を経てきたわけであります。参議院においては、自公民三党の合意に基づいて修正が行われました。その結果として衆議院に送付をせられたものでありますが、既に、修正部分を除く原案については私どもは相当な審議をこれまで行ってきておりまして、その論点と政府の考え方はほぼ出尽くした、こう私は考えております。したがいまして、私は、参議院においてなされた修正部分を中心としまして、発議者並びに政府の見解をこれから明らかにするために若干の質問を行いたいと思っております。特に、発議者の三人の方々には、参議院での長時間の審議、大変お疲れさまでございました。心から敬意を表したいと思います。
そこで、まず岡野発議者に最初の質問をいたしたいと思います。
PKO法案については、参議院において自公民三党の提案によって、いわゆるPKO本体業務を国会の事前承認及び凍結の対象とすること、それから三年後の見直し規定を設けるなどの修正が行われたというわけであります。これに関して一部の方々では、PKO法案は出直しにも相当する修正がなされたのだから、政府提案とは別個の新しい法案とみなして徹底審議をすべきだ、こう主張する方もいらっしゃいますが、私は、この修正は政府原案の枠組みを変更するものでは決してない、こう理解をしております。本修正が政府原案の枠組みを基本的に、根本的に変更するものでないのかどうか、岡野発議者にお伺いをいたしたいと思います。