宮澤喜一の発言 (国際平和協力等に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○宮澤内閣総理大臣 自衛隊は違憲である、自衛隊は違憲であるから自衛隊が云々と。海外に行くということは、これはもちろん違憲である、こういうお話でございますれば、それは自衛隊が違憲であるかどうかという御議論でございます。
私どもは、自衛隊というものを違憲だと考えておりません。国民の多くもそう考えておられませんと思いますので、したがって、この点は私どもは賛成をするわけにいかない。
次に、次の問題は、自衛隊が参りましたときに平和維持活動に当たる、そのときに平和維持活動が、紛争が一応終わったにもかかわらず紛争が再発するような場合には平和維持活動が妨害をされるおそれがある、そのときには武力を使ってそれを排除するということになれば、我が国は、その維持活動の一部でございますから、それは武力行使にならないかというお尋ねでございます。
これは、法案にございますように、また、かねて国連の平和維持活動というものは、発砲するようになってはもうそれは交戦当事者に堕してしまうので、そうなればもう失敗だと言われておりますとおり、そのようなことは平和維持活動として最も避けるべきことでございますけれども、それでも観念的にはそういうことがあり得るわけです。そのときには我が国は、国連のいわゆるスタンダードコードにもかかわらず我が国は行動を中断をする、あるいは平和維持活動から撤退をするということを我が国独自の判断で行い得るということがこの法律案の中に明記してございます。この点は、武力行使に当たってはならないという憲法の精神を忠実に、万が一にも抵触することがないようにという考え方でございます。
その次に、武器の使用の問題がございます。
これは、平和維持活動に従事している者が先方から攻撃を受けましたときにどの程度に武器を使用し得るかということでございますけれども、本来、国連の考え方は排除し得るという考え方がございますけれども、我が国の場合には、しかしそれが一歩を誤りますと武力行使と疑われる心配がある。したがって、武器の使用というものは自分の正当防衛以外になされてはならないということをこの法案の中に明記してございます。
以上三点を総合いたしますと、まず、自衛隊が違憲であるという御議論ならばこれは別でございます。私どもはそう思っていないと申し上げておきます。
第二に、武力行使に当たるということを、万々一の危険を避けますために、そのような場合には中断し得る、撤退し得る。それから、仮に先方から攻撃を受けましても、それは自衛の場合にしか武器を使うことができないということを厳しくこの法律で……(発言する者あり)そういうことができるかよとおっしゃるほど、自衛隊の諸君に対して実は苦労なことをこの法律は強いておるわけであります。しかし、そこまでして憲法の規定はやっぱり守らなければならない、そう考えておるわけでございます。
町に出ますと、時々、この法案が何か、我が子を再び戦場に送るなという声を聞きますが、第一、この法案は自衛隊を戦場に送るのではありません。戦場であったものを平和な土地にしたいための平和維持活動をするのであります。
次に、我が子を云々というのは、これは国民を戦前の時代に、いわば意識的に誤らせようという考え方だと思います。今の憲法で何人も我が子をどこへも送らせる義務はありません。このことは新憲法で明らかである。