柳沢勝の発言 (法務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○柳沢(勝)政府委員 お答え申し上げます。
 我が国はもともと天然資源がございませんし、周囲を海に囲まれております。したがいまして、海外貿易に依存するところ大であるわけでございまして、そういった観点で我が国に海運力が必要であるということは言うまでもないところでございます。
 我が国におきます海運業の日本経済に占める比重といったものを見てみますと、近年我が国の経済規模というものは極めて大きなものになってきております。また産業構造も極めて高度化してまいっておりまして、そういう観点で申しますと、我が国の外航海運業の日本経済に占める比率というものは、昔と比べますと小さなものになってきているということがございます。
 数字で申し上げますと船員数一万人余でございまして、これは全体の就業者に対します比率で申しますとわずか〇・〇一五%でございます。運賃収入という点で二兆円ほどございますが、これもGNP比で申しますと〇・四八%にとどまっているところでございます。小森委員御指摘のように、我が国の保有船腹数は平成二年で二千四十万総トンということでございまして、ピーク時の約七〇%弱の規模にまで減少しているところでございます。この減少の原因は幾つかあろうかと思いますが、一番大きな問題は、いわゆる船員賃金の上昇、あるいは八〇年代以降の円高により我が国海運業の競争力が低下したために我が国の船を外国に売却するとか、あるいは船籍の海外登録が増加したということによるものと考えております。
 しかしながら、我が国全体の、船籍のいかんを問わず、我が国商船隊という形での積み取り比率の推移を見てみますと、現状でも輸出四七%、輸入六七%になっておりまして、この貿易量全体につきましての積み取り比率というものは従来とほぼ同様の水準を維持しているということでございまして、いわば海運の能力という意味におきましては以前とそう変わってないという現状にあろうかと思います。
 先生のお尋ねに関連するわけでございますが、我が国が望ましい海運力としてどの程度のものを経済規模との関係で持つべきであるか、こういったことに関しまして、なかなか説得的な理由はないものと存じます。かつて我が国は外貨獲得が主要な目的でございましたから、そのために、いわば外貨を獲得する手段としての海運輸送業の強化ということに取り組んでまいった時期がございます。しかしながら、今日におきましてはそういう必要性はなくなってまいりまして、そういう点で、いわば海上輸送の安全の確保でございますとか、あるいはナショナルミニマム論といったような考え方もあろうかと存じますが、そういうものを適切に示す指標というものは客観的に見て見出しがたいと存じます。したがって、我が国全体の外国の貿易量に占める積み取り比率ということが一つの基準となる比率がと存じますが、その点で申しますと一応従前の比率を維持しているというところだと存じます。
 いずれにいたしましても、海外貿易に大きく依存する我が国でございますから、今後とも安定的な海上輸送を確保するということは極めて重要なことと認識しているところでございます。

発言情報

speech_id: 112305206X01419920526_018

発言者: 柳沢勝

speaker_id: 7305

日付: 1992-05-26

院: 衆議院

会議名: 法務委員会